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*****令和3年12月1日(水)第635号*****

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後藤厚労大臣・新型コロナ3回目接種の前倒し「『原則8ヶ月』を変えるつもりはない」
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11月19日後藤大臣会見 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の国内での感染者が11月30日に初めて確認されたが、この確認に先立って11月30日の昼に、後藤茂之厚生労働大臣は記者会見=写真は11月19日の会見の様子。厚労省HPより=で、3回目のワクチン接種の「前倒し」について、否定的な見解を示した。

 後藤大臣は会見で「オミクロン株」の国内での発生の有無に関わらず、3回目の接種について「必要なものであり、万全を期して粛々と進めていく」「『原則8ヶ月』のルールは、現時点では変えるつもりはない」と、現状では政策方針に変化がないことを強調した。

 また、厚労省が自治体に対して「変異株のPCR検査の再開」を要請したこと=昨日付け弊紙にて既報=に対しては「しっかりと対応していくべく、やりたいと思っている」等と述べた。これらの件に関する、後藤大臣の記者会見の要旨は次の通り。

 【「(オミクロン株が発生しても)今は3回目のブースター接種に万全を期していく」】

 ▽記者=「オミクロン株」と(3回目の)ブースター接種の関係について伺いたい。新型コロナの「オミクロン株」については、一部で「ワクチンの効果を下げる性質がある」可能性が指摘されている。

 これを踏まえて、原則、今3回目のブースター接種について「8ヶ月後」とされているのを、さらにこれを「前倒し」することは検討されていないのか?

 ▼後藤大臣=今ご指摘のとおり、3回目の追加接種については、2回目完了から「原則8ヶ月以上後に行う」こととして、明日(12月1日)から(医療従事者向けに)開始することになっている。

 「オミクロン株」については、ワクチン、治療薬にどのような影響があるのか、専門家や製薬企業の間で検証が進められていて、現時点ではその結果については全く不明であると承知している。

 政府としては、自治体と緊密に連携しながら、まずは明日(12月1日)から始まる(3回目の)追加接種に、万全を期してまいりたいと考えている。

 【「『オミクロン株』の性質がどう評価されても、現時点ではブースター接種を進める】

 ▽記者=(「オミクロン株」の)性質の分析は今、進んでいると思うが、分析結果が出るまで(3回目の接種の「前倒し」を)検討もされないという理解でよろしいか?

 ▼後藤大臣=今、全く不明なので、まずは新しい変異株「オミクロン株」はどんなものであるのか、まずその感染力がどのぐらいなのかとか、あるいは重篤度がどうなのかとか、そうしたこともまだわからない状況にある。

 だから少なくとも、できる限り専門家の皆さんに、これはもう世界で、昨日もG7の保健大臣会合で話しをしたが、これは世界が連携をして、この新しい「オミクロン株」の変異株の特徴や、あるいはそれに対する対応を協力してやっていこうと。

 そうしたことで、しっかりとその不明な点を解明をしていくと。そこは大事であると思っている。ただ「オミクロン株」が出る・出ない、その性格がどうかは別にして、少なくともブースター接種が必要であった状態については今、まだ何も変わるところはない。

 少なくとも我々としては、ブースター接種にどういう評価が下るのかということが確定するまでは、しっかりと追加接種に万全を期して、粛々とやるべきことをやっていくということだと思う。

 【「『原則8ヶ月』のルールは、現時点では変えるつもりはない」】

 ▽記者=「8ヶ月の原則」は、今は変えないということでよろしいか?

 ▼後藤大臣=現在のところは変えないということだ。(厚労省から都道府県等に)事務連絡を流したときの、私からの会見でも申し上げたとおり、感染の状況が変わったり前提条件が変わったりしなければ、地方における自治体の準備態勢が整うことがまず重要だ。

 なおかつ、ワクチンの供給力がきちんと確保できるという条件の下で、また我々としての判断について、必要があれば改めて判断をするということは既に申し上げているとおりで、その見解のままだ。

 今日(11月30日)の時点で、今ある条件の中で、このルールについて変えるというつもりはないと、申し上げておきたい。

 【「PCR検査も、しっかりと実施していく」】

 ▽記者=新型コロナウイルス感染症について、日本の現状はただいま落ち着いているように見える。これは、ワクチン接種がいき渡ったとの見方もあるが、日本に先行してワクチン2回接種完了した人々が多い欧米諸国では、11月初旬頃から感染が再拡大している。

 医療ガバナンス研究所の上昌広氏は、ワクチン接種が完了しているにもかかわらず、感染が確認される原因として「ワクチンの予防効果が、時間経過とともに落ちているから」と指摘している。

 英国・欧州・イスラエル・米国など「ワクチン接種が先行した国ほど効果が早く切れ、感染が再拡大している」とのことだ。日本のワクチン接種に関しては比較的遅かったため、現在感染者数が増えていないと思われる。

 ワクチンの効果が減り始める来年早々にも、感染の再拡大が起こるのではないかと懸念されている。加えて11月25日に、南アフリカで「オミクロン株」が確認されている。この「オミクロン株」は、感染力がとても強いとも指摘されている。

 これらの対応策として、水際対策やワクチンのみでなく、PCR検査の徹底こそが重要ではないか? 岸田政権は安倍・菅政権とは異なり、PCR検査を拡大する方針を示しているが、具体的にどの程度PCR検査を拡充させるのか?

 ▼後藤大臣=今、お尋ねのあったワクチンの効果だが、感染予防効果については抗体価が下がるにつれ、割合に早く、効果がなくなっていくということは、専門家の間で共有されている。

 一方で、重篤防止効果、あるいは発生の予防効果は、相当な効果が続くという評価になっていると思う。それらも含めて、感染予防効果が減じてくることを前提にブースター接種、3回目の接種をしっかりと、12月1日より取り組んでいくと考えているところだ。

 それからPCR検査、今1日あたり36万回、検査キットで現在で大体1日あたり87万回くらいの能力があるが、今後必要なPCRあるいは検査キットを初めとして、そのことについてしっかりと対応していくべく、やりたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 一般マスコミの報道によれば「オミクロン株」の発生が確認された英国では、3回目のワクチン追加接種について、2回目の接種終了との間隔を「6ヶ月以上」から「3ヶ月以上」に短縮する方針を固めたそうです。

 その他の国々でも「前倒し」を検討している状況が報じられています。日本は「原則8ヶ月」で、本当に大丈夫なのか……? 政府には大至急、詳細に検討して、その結果を公表してもらいたいと思います。

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