*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年11月19日(金)第628号*****

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政府・特定技能2号の対象職種拡大し外国人材の「長期滞在」を検討、介護分野は……?
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松野博一内閣官房長官 政府は今後、外国人材の「長期滞在」を認める方向で検討することを明らかにした。松野博一・内閣官房長官は11月18日午前の定例会見=写真・首相官邸HPより=で、記者からの質問に答える形で、外国人の在留資格である特定技能の2号の対象職種を拡大する方針であることを明らかにした。

 特定技能1号は介護を含めて14分野あり、介護では施設等で通算5年の従事・滞在が可能だが家族(配偶者・こども)の帯同はできない。これに対し特定技能2号は家族の帯同が可能で、現状では建設分野、および造船・舶用工業分野の2分野が対象となっている。

 会見で松野長官は、政府がこの2分野の対象を拡大する方針であることと、実施に向けて出入国在留管理庁が現在検討していることを認めた。対象拡大を検討している分野については、介護を含めて個別の分野名には一切言及しなかった。

 【介護職で、外国人材の家族帯同が可能な在留資格は、EPAと「介護」の2つのみ】

 現在、介護職では外国人材の在留を認める資格は4つある。

 □1.EPA(経済連携協定)=対象はインドネシア・フィリピン・ベトナムの3ヶ国。
 □2.在留資格「介護」
 ■3.技能実習=1号と2号(合計3年)終了後、特定技能1号への移行が可能。
 ■4.特定技能1号=介護施設等で通算で5年間の従事・滞在が可能。

 このうち「1」と「2」は、最終的に介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得し、介護業務に従事すること等が条件で、家族の帯同が認められ、在留資格を定期的に更新することで「事実上の永住」が可能となる。

 政府が特定技能2号の対象職種に介護職を加えることを検討する際に、すでに存在する「1」「2」との整合性を考慮する可能性がある。これまで厚労省は「1」「2」が存在することを踏まえ「3」や「4」でも介護福祉士の国家試験受験の資格要件を定めてきた。

 このため「4」の特定技能で、介護職を2号の対象に含めれば、実質的に「介護職に従事する外国人材は、介護福祉士の国家資格を有していなくても『事実上の永住』ができる」ことになり、政府がこの点をどう整理するかが注目される。

 【11月18日午前の、松野内閣官房長官の記者会見の要旨】

 ▽記者=現在、建設等の2分野に限定している特定技能の2号について、出入国在留管理庁が来年(2022年)にも、農業や製造サービス業など11分野に拡大を検討していると、今朝(11月18日)の日本経済新聞が報じている。

 特定技能2号は家族の帯同も可能で、日本への永住の道が拓かれ「事実上の移民受け入れ」につながるともいえる。事実関係や検討状況について、教えて頂きたい。

 ▼松野長官=特定技能は、生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行った上で、なお人材の確保が困難な状況にあるため外国人による、より不足する人材の確保を図るべく(該当する)産業上の分野において外国人を受け入れるものだ。

 特定技能2号は、そのうち「熟練した技能を要する業務」に従事する外国人を受け入れる在留資格であり(介護を含めて)現在14の分野の中で、建設分野、および造船・舶用工業分野での受け入れが可能となっている。

 その他の分野については令和3年6月に、関係閣僚会議で決定された「外国人材の共生のための総合的対応策」において、現場の意向や業界団体等の意見を踏まえつつ、特定技能2号への対象分野追加に向けて「検討を進めること」としている。

 現在、出入国在留管理庁が関係省庁とともに、検討を進めているものと承知している。なお、特定技能2号の在留期間については、1号で在留できる期間は「通算で5年」と上限が設定されていることと異なり(2号は)上限が設定されていない。

 しかし、専門的・技術的分野の「その他の就労資格」と同様に、個々の在留状況に応じて「1年」「3年」ごとの期間ごとに「更新」を認めるものであり「無期限の在留」を認めるものではない。

 また「永住」に関わる点では特定技能2号は、専門的・技術的分野の「その他の就労資格」と同様に、在留期間に制限がない在留資格であるが、永住者の在留資格を得るためには、在留中に別途「永住」への在留資格の変更が必要だ。

 「永住」許可については法律上、1=素行が善良であること、2=独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること、3=法務大臣が、その者の永住が「日本国の利益に値する」と認めることの、3つの要件を全て満たす必要がある。

 このような要件を満たしていると、法務大臣が判断した場合に「永住」が許可されるものであり、特定技能2号になることが、無条件に「永住」を可能とするものではないと承知している。

◇─[後記]───────────

 松野長官の発言通り、介護職が特定技能2号への対象職種に加わるか否かは「現場の意向や業界団体等の意見を踏まえつつ、特定技能2号への対象分野追加に向けて検討を進めること」になります。

 介護職は、他の特定技能職種とは違い「介護日本語」が課せられ、試験が1科目多い等「別格」に位置付けられています。この「別格」であることを踏まえれば、2号の対象職種になるか否かで「介護福祉士の国家資格」との兼ね合いが議論されると思われます。

 「介護福祉士の国家資格を有していない外国人材にも『事実上の永住』を認めるのか……」。介護業界でも主要団体をはじめ、業界内で意見を統一しておく必要がありそうです。

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