*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年11月1日(月)第615号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省「ワクチンの打ち間違いは、重大な健康被害につながる恐れが……」と注意を喚起
─────────────◆◇◇◆◆

ワクチン接種の注意 新型コロナのワクチン接種が進んでいる中、季節的にインフルエンザ等の他のワクチン接種と重なる時期に入っているが、これらの予防接種の「打ち間違い」がないよう、厚生労働省が改めて注意を呼び掛けている=画像・厚労省通達文書より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 10月29日に、厚労省が都道府県等に対して「新型コロナ予防接種の間違いの防止について」と題した文書を発出した。厚労省は、都道府県等から「重大な健康被害につながるおそれのある『打ち間違い』として報告された事例がある」

 「このうち、他のワクチンを受けにきた者に対して、誤って新型コロナワクチンを接種したものについて、実際に予防接種に携わった方(=医師等)に対して、間違いが起こった要因や再発防止策等をヒアリングし、具体的な留意点をまとめた」等と述べている。

 【「打ち間違い」の件数は、10万回当たり約1回程度とごく少数だが……】

 厚労省によると、全国の新型コロナワクチンの総接種回数は、9月末時点で1億6,373万8,220回で、このうち自治体から「打ち間違い」として報告された件数が1,805件と、10万回当たりでわずか1.102回にすぎない。

 しかし今後、インフルエンザワクチンを接種する人が増加することも見込み「打ち間違いは、重大な健康被害につながるおそれがある」として、自治体等に改めて注意を喚起した。厚労省がヒアリングをした結果「打ち間違い」の背景として次の4点を挙げている。

 同じ時間帯に、新型コロナワクチンと他のワクチンの予約を(医療機関が)受け付けており、物理的に患者が混在していた。

 (医師等の)接種者の手が届く範囲に、複数の異なる種類のワクチンが置かれていた。

 (医療機関での)新型コロナワクチンの接種回数が多く、新型コロナワクチンの接種に慣れてしまっていた(=無意識、惰性で打ってしまった)。

 (医師等の)接種者は、接種直前に接種するワクチン名を確認していなかった。

 これらを受け、厚労省では「打ち間違い」対策として、次の3点を挙げている。

 ■1.可能な限り、新型コロナワクチンと他のワクチンを接種する曜日や時間帯を
分ける。曜日や時間帯を分けることが困難な場合は、特に次の「2」「3」に留意する。

 ■2.1つのトレイに1種類(可能な限り、1トレイに1人分)のワクチンを準備することとし、診察室内において、接種者の手が届く範囲に異なる種類のワクチンを置かない。

 ■3.接種直前は(医師等の接種者は)一呼吸おき、接種者と被接種者とで、接種するワクチン名を声に出して確認する。

◇─[後記]───────────

 「打ち間違い」の背景として、医師等が「新型コロナワクチンの接種に慣れてしまっていて、無意識・惰性で打ってしまった」との理由には驚かされますが、やはり人間が人間に接種する限り、ヒューマンエラー(人為的ミス)は避けられないでしょう。

 そうなると接種を受ける側も、ヒューマンエラーを防ぐために「協力」が求められるのかも知れません。特にコロナワクチンを打ち終えた高齢者は今後、インフルエンザワクチンを打たれる方も多数いると思われます。

 また、年明け以降は3回目のワクチン接種も始まりますので、この点では介護サービス事業者側にも、様々な留意が求められる場面が出てくると推測されます。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞