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*****令和3年10月22日(金)第610号*****

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東京都の感染状況「まだクラスターが散見され『一定程度に収まっている』とは言い難い」
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 東京都内の新型コロナの感染状況は、まだ高齢者施設等でクラスターが散見されるものの、全体的には新規感染者数は「二けた」が続いているが、専門家はまだ「警戒が必要」と判断し「一定程度に収まっている、とは言い難い」と指摘した。

第68回東京都モニタリング会議 10月21日に開催された、東京都新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)=写真・東京都HPより。前列右端が小池知事、前列左端が大曲センター長=で、現在の感染状況を分析した結果として、国立国際感染症センターの大曲貴夫センター長が指摘した。都専門家会議ではこれまで、感染状況の分析結果を次の4色で指摘している。

 ◇「赤色」=大規模な感染拡大が継続しており、感染再拡大の危険性が高いと思われる。
 ◇「黄土色」=感染拡大の兆候がある。感染状況は改善傾向だが、注意が必要である。
 ◆「黄色」=感染が拡大している。感染状況は拡大傾向にないが、警戒が必要である。
 ◆「緑色」=感染者数が、一定程度に収まっている。

 今回の会議で大曲センター長は、現状を「黄色」と指摘したが、これに対し小池百合子知事が「どのような状況になれば『緑色』となるのか?」等と質問した。これに対し大曲センター長は「まだ感染経路が不明という方がかなりいて感染の全体像が見えていない」

 「これが実際に『見えてくる』と、クラスターに対して有効な対策を集中的に実施することができて『緑色』と判断できる」等と述べ、さらに次の「波」が到来した際も「新規感染者数の急増を、防ぐことができる」等と指摘した。

 同会議での、小池知事と大曲センター長とのやり取りは次の通り。

 ▽小池知事=今回の分析では「感染状況」は「黄色」だったが、いつになったら「緑色」と判断されるのか?

 ▼大曲センター長=「黄色」は「感染拡大の兆候があり(と思われ)感染状況は改善傾向にあるが、注意が必要である」という意味だ。現状では、確かに新規感染者の実数は非常に低くなってきている。

 ただ中身をみると「感染経路が不明」という方が、まだかなりいる。この新型コロナという病気の特徴は「クラスターをつくりながら、広がっていく」ということだ。その点では、まだ(クラスターの発生も続いていて)感染の全体像が見えていない状況だ。

 これが実際に「見えてくる」と、例えば「都内のA地区とB地区でクラスターが発生していているが、その感染拡大の範囲は、隣のC地区とD地区にまでで収まっている」というように、明確になってくる。

 これらが都内全体で、明確に「見えてくる」ことになれば、われわれも「緑色」と判断することができる。ただ現状では「そこまでは、まだ追い切れていない」というのが現在の判断だ。

 それから「そこまでは、まだ追い切れていない」ということは「もしかしたら現状でも、私たちの知らない場所で、潜在的に感染が広がっているのかも知れない」との可能性も秘めている。これらが理由で、今回は「黄色」と判断した。

 ▽小池知事=それでは、数値で判断するとどうなるのか?

 ▼大曲センター長=これを数値で定義することが、適切かどうかはわからないが、例えば感染経路がわからない人が、年代によっては60%程度もいる。現在の感染状況から判断すれば、この「60%程度」はもっと低くあるべきだと思う。

 シンプルな言い方をすれば「20%」とか「30%」とか。しかしそれだけではなくて、例えば1日の新規感染者が50名いたとして、この50名の感染経路の相関関係がきれいに追えることが重要だ。

 例えば「AさんとBさんはつながっているが、Cさんとはつながっていない」等。これが50名の感染者から、相関関係を地図上に落とし込んだ際に「ハッキリと見て取れる」ことが重要だと考えている。

 関係者は日々、これを明らかにすべく努力を積み重ねている最中だが、1日の新規感染者数が少ない今こそ、徹底的に取り組むべきだ。新規感染者の数が増えてしまうと、関係者の労力が多大になって「追い付かなくなる」ことになる。

 つまり「ハッキリと見て取れる」状況であれば、そこに対して集中的にクラスター対策を実施することができ、次の大きなクラスターを防ぐことができるし(次の「波」が来ても)新規感染者数の急増を防ぐことができると、われわれは考えている。

◇─[後記]───────────

 都内の新規感染者数が、以前に比べれば「激減」している中でも、やはり「油断」はできないようです。大曲センター長は、特にクラスターが、地域での感染拡大の「起点」になってしまう可能性を指摘しています。

 高齢者施設は、自らの「施設利用者を、新型コロナの感染から守る」と同時に「周辺の地域を、感染拡大から守る」役目も担っている、と自覚することが求められています。

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