*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年9月24日(金)第590号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ワクチン3回接種の有効性「60歳以上は2回接種と比較して、感染予防効果は11・4倍」
─────────────◆◇◇◆◆

 ワクチンを2回接種したにも関わらず、新型コロナに感染してしまう「ブレイクスルー感染」で、介護事業所でも全国でクラスターが発生している事例が連日、マスコミで報道されている。

 例えば9月22日に福井県は「越前市の介護老人保健施設で、入所者と職員の32人の感染が確認された。全員が2回のワクチン接種を終えており『ブレイクスルー感染』によるクラスターが発生した」等と発表した。

3回目接種の有効性 この「ブレイクスルー感染」防止のため、高齢者向けに3回目のワクチン接種が来年1月から開始されるが、その効果について専門家は「ファイザー社製ワクチンの追加接種で2回接種と比較して、3回接種は11・4倍の感染予防効果が認められた」と指摘した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 9月17日に開催された、厚労省の有識者会議「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」で、分科会長代理を務める中野貴司・川崎医科大学教授が「すでに3回接種を実施している、イスラエルの研究結果」として紹介した。

 これによるとイスラエルは、ファイザー社製ワクチンの3回目の追加接種による有効性を研究するため、データベースより抽出した、ワクチン2回接種済みの60歳以上の114万4,690名を対象とした観察研究を実施し、結果として次の3点を挙げた。

 ■1.3回目の追加接種者は、2回接種者と比較して、感染予防効果が11・4倍、重症化予防効果が15・5倍となった。

 ■2.感染予防効果は接種後12日目以降から、5倍以上認められた。

 ■3.一方で、接種後1~11日目までは、感染予防効果の獲得まで時間を要する点などにより、感染予防効果が低くなっている可能性がある。

 この中野教授の指摘などを踏まえ厚労省は、わが国の3回目のワクチン接種について「2回目接種完了から、概ね8ヶ月以上後に実施の必要がある」と結論を出した(弊紙9月21日号で既報)。

 さらに厚労省は都道府県に対し、3回目のワクチン接種について「医療従事者向けは12月1日、高齢者向けは来年1月から開始できるよう、市町村への支援体制を構築して欲しい」と要請している(弊紙9月22日号で既報)。

◇─[後記]───────────

 「ブレイクスルー感染」が起きる要因として感染症の専門家は、ワクチン接種から時間が経過するとともに「効果が低下してくる」ことを挙げていますが、同時に「これまでより強い感染力を持つウイルスが広がっていること」も指摘しています。

 いずれにせよ、福井県の事例のようにここ数日、介護施設や医療施設で「ブレイクスルー感染」によるクラスターの発生が複数、マスコミにより報じられています。来年、3回目の接種が実施されるまで、全国の介護事業所には「警戒態勢の継続」が求められます。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞