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*****令和3年9月10日(金)第582号*****

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コロナワクチンの交差接種「選択肢には入るが一時的な措置で、わが国での検証が必要」
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 新型コロナのワクチン接種が進む中で、3回目の接種を見据えて、それまでとは異なる種類のワクチンを接種する「交差接種」(=併用接種)について、わが国のワクチン専門家の組織である日本ワクチン学会は「選択肢に入れることを提案する」等と表明した。

 同学会が9月9日に公表した「新型コロナウイルスに対するワクチンに関連した日本ワクチン学会の見解」の中で、指摘した。この見解では新型コロナワクチンで、現在議論の的となっている次の3点について、学会としての見解を明らかにしたもの。

 ■1.異なる種類のワクチンの併用接種について
 ■2.ワクチンの3回目の接種について
 ■3.ワクチンへの異物混入について

 【併用接種は「選択肢には入るが一時的な措置で、検証が必要」】

 この見解で「1」の併用接種は、政府が導入を前提に検討が進んでいることについて「現在、ワクチンの需要が供給を上回ることがあり、異物混入による予定変更などの問題が重なって、希望者全員に接種されていない場合がある」と、現状の問題点を指摘した。

 その上で「今後ワクチンの供給不足により、接種の遅滞が生じた場合には、現状の新型コロナウイルス感染症流行が災害級の非常事態であるとの見地から、異なる種類のワクチンの併用接種も選択肢に入れことを提案する」と主張した。

 また「異なる種類のワクチンの併用接種は、わが国においても日本脳炎ワクチンやポリオワクチンなどにおいて経験されている」としつつも、新型コロナワクチンの併用接種については、あくまで「海外の知見で、数百例規模の研究成果である」

 「つまり、数万例規模の治験の結果に基づいたものではない。仮に、わが国でこの併用接種を行うのであれば『希望者に接種が行き届くまでの一時的な措置』と位置付けるべきである」

日本ワクチン学会の見解 「同時に、並行してわが国における臨床研究として、たとえ少数例であっても、その有効性と安全性の検証を行うことが不可欠と考える」=画像・日本ワクチン学会HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=と、実際の運用については留意も促してる。

 【3回目のワクチン接種は「2回接種を、希望者全員に実施することが第一義だ」】

 現在、わが国で特例承認されている3種類のワクチン(ファイザー社製・モデルナ社製・アストラゼネカ社製)の接種回数は、いずれも「2回」と定められており、その回数を超える接種方法(=3回目の接種)については、国内では検証されていない。

 この点を踏まえて「2」の3回目接種について、同学会では「抗体価を高める、感染防御のための免疫力をより強く長く維持することを目的とする、優れた接種方法の検討は、今後進められていくべきと思われる」

 「しかしながら、国民に広く接種が行き渡っていない現状では、まずは同一のワクチンを用いて、2回の接種を対象となる希望者全員に対して、可及的速やかに実施することが第一義と考える」

 「ワクチンの供給が停滞し、同一のワクチンによる接種が進まないような事態になるならば、ワクチンの併用接種も検討されるべきと考える」と指摘している。

 【異物混入は「全身的な症状を起こす可能性は低いが、死亡事例等は早期に公開を」】

 「3」の異物混入については、厚労省では「問題ない」との見解を出しているが、同学会でも「異物が金属であった場合、ステンレススチールの微小片が接種されたとしても、小さな肉芽腫となって、全身的な症状を起こす可能性は低いと考えられる」

 「また、一般的に金属によるアレルギーは遅延型の反応であり、ワクチン接種直後に認められるアナフィラキシーの原因となる可能性は低いと考えられる」と述べている。ただし「異物が混入したワクチンが接種されることは、あってはならないことだ」

 「本学会としては、大変残念な事案であると受け止めている。ワクチン接種後の死亡事例に関しては、剖検の結果なども含めて、厚生労働省から因果関係の検討に関する詳細を、早期に公開していただきたい」等と要望している。

◇─[後記]───────────

 新型コロナワクチンを巡って、国民が最も関心を持つ3つの話題について、ワクチンの専門家組織が見解を出しましたが「3回目の接種」と「併用接種」の2点は現在、海外の研究結果等が報じられているのみで、国内での検証は行われていません。

 この2点は、実施されるとすれば、厚労省の有識者会議の議論を経ることになります。また実際に行われる時は、65歳以上の高齢者が優先されると思われます。全国的に、新規感染者数が減少傾向にある今こそ、政府にはこの2点の議論を進めてもらいたいものです。

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