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*****令和3年8月20日(金)第568号*****

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介護職員のワクチン優先接種の遅れ「一部で、自治体の意識に希薄な部分がある」
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 介護職員の労働組合組織・日本介護クラフトユニオン(NCCU、染川朗会長)はこのほど「介護現場のワクチン接種状況」を調査したが、在宅系介護事業所(施設との併設なし)で、全員がワクチンの2回接種を終えた事業所は12.6%だった。

NCCU染川会長 施設系介護事業所のワクチン接種が進んでいる点を踏まえ、NCCUでは「(在宅系は)置き去りにされていないか?」との見解を示した=弊紙8月11日号で一部既報。この調査結果の詳細を説明するため、NCCUは8月20日に本部で、記者会見を開催した=写真は会見で発言する染川会長。NCCU提供

 この席で日本介護新聞は、在宅系介護事業所の「優先接種」が進んでいない点について「そもそも『優先接種』に対する姿勢で自治体間に格差があり、このコロナ渦の状況で訪問系介護サービスの重要性に対する意識が低いことが原因ではないか?」と質問した。

 これに対し染川会長は今回の調査で、特定施設であるにも関わらず、自治体の判断で「優先接種の対象となっていない」との回答があったこと等を挙げて「残念ながら一部で(自治体の)意識が希薄な部分があるのも間違いないと思う」

 「(優先接種は)自治体が個別に対応しているので、このような混乱をしていると私は推測している。いずれにしても(弊紙の)指摘通り、本当は『起きてはいけないこと』が、現場では『起きている』のは間違いないだろう」と、懸念を示した。

 この点に対する、弊紙と染川会長の質疑応答の内容は、次の通り。

 ▽弊紙=在宅系介護事業の新型コロナワクチン接種は、各自治体の判断で「優先接種」となるが、NCCUの調査結果をみると、「優先接種」への取り組み方で、自治体間で意識の差がかなりあるように感じる。

 特に現在は、コロナ渦で訪問系介護サービスの重要性が見直されている傾向があるにも関わらず、これらの職員のワクチン接種が進んでいない実態がありこの点で、全体として自治体の意識が低いように感じるが、NCCUではどのように受け止めているか?

 ▼染川会長=自治体で温度差は、非常にあると思う。今回の調査の回答で、自由記述の欄で、特定施設入居者生活介護の職員が「ご入居者様は全員、優先接種の対象だが、職員は優先接種の対象外になっている」との回答があった。

 本来、高齢者施設は(入居者であれ職員であれ)全てが優先接種の対象だ。この回答例でもみられるように、中には(自治体が)誤った判断をしているのでは、と見受けられるところもある。残念ながら一部で、意識が希薄な部分があるのも間違いないと思う。

 実際に(回答した組合員がいる自治体で)「優先接種の対象になっていない」との回答があることは、本来はあってはならないことだ。このような重要事項を、キチンと現場に周知していない自治体があるのも事実だ。

 医療従事者は、47都道府県が責任を持って「優先接種」を進めるが、介護の場合は1600を超える自治体が個別に対応しているので、このような混乱をしていると、私は推測している。

 いずれにしても(弊紙の)指摘通り、本当は「起きてはいけないこと」が、現場では「起きている」のは間違いないだろう。

◇─[後記]───────────

 今回のコロナ渦を巡る対応で、弊紙が最も強く感じたのは「訪問系介護サービスの重要性」です。それにも関わらず訪問系介護サービスに対して、厚労省からは有効な支援策が打ち出されていません。

 染川会長の指摘通り「意識が希薄」な自治体があるのは事実だと思われます。厚労省にはせめて、これらの点だけは自治体任せにせず、積極的に現場を調査した上で自治体に対し、指導を実施してもらいたいと思います。

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