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*****令和3年8月12日(木)第562号*****

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東京都「インド型」割合の予測=8月末で95.6%、全国的に60代重症者の絶対数も増加
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 東京都内で新型コロナの新規感染者数の増加傾向が続いているが、その要因は変異株「インド型」の感染拡大によるものとみられる。その「インド型」の都内の感染状況について「8月31日時点で、95.6%を占める」との予想が、専門家から出された。

東京都「インド型」予測 8月11日に開催された、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で、京都大学大学院の西浦博教授が、提出した資料の中で指摘した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 西浦教授は、東京都内の「インド型」の感染状況について「東京では、8月11日現在の伝播性は、従来株の流行時から比べて1.87倍であると考えられるが、緊急事態宣言が終了する8月31日には1.92倍になると予想される」と、今後も感染力が強まると指摘した。

 その上で「東京の変異株PCR検査データ(4月26日から8月1日まで)を解析した結果、今後は一時的に新規感染者数が横這いに達する可能性がある。しかし、7月12日以降に実施された緊急事態宣言に伴う、再生産数の顕著な減少はみられない」

 「これにより、新規感染者数が持続的に減少に転じる傾向は認められない」と、緊急事態宣言の発令による感染防止効果が期待できないことを述べた。結論として「緊急事態宣言終了(8月31日)時点で、デルタ株は95.6%を占める」と予想した。

 【厚労省専門家会議「若年層だけでなく、60代の重症者の絶対数も増加している」】

 また厚労省専門家会議は、新型コロナの全国の感染状況を分析した上で「今後の見通しと必要な対策」を提言した。これによると「緊急事態措置や重点措置が継続しているが、デルタ株への置き換わりが進み、感染者数がこれまでにない規模で増加している」

 「このため、重症者数も急速に増大している。比較的若い層の重症者だけでなく、60代でも絶対数として増えていることにも注意が必要」と、今後は高齢者層へも重症化が波及することに懸念を示し、警戒を促した。

◇─[後記]───────────

 厚労省専門家会議では、委員の中から「もはや、災害時に近い局面」との声が挙がったそうです。結果として、7月12日に東京都に出されて、8月31日まで期間が延長された緊急事態宣言は、感染拡大防止の面からは「効果がなかった」で終わりそうです。

 「それでは、どんな対策を取れば良いのか?」と問うても、政府や専門家からは「ワクチン接種の推進と、基本的な感染防止対策の徹底」としか返ってきません。しかし、介護事業者が現実に実施できるのも「基本的な感染防止対策の徹底」しかないと思われます。

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