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*****令和3年7月14日(水)第544号*****

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ワクチン接種後の死亡事例453件中、451件が因果関係が不明・田村大臣「まずは申請を」
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 厚生労働省は7月7日に「新型コロナワクチンの接種後の死亡事例が453件あった」と発表した。その内訳は、ワクチンとの因果関係が否定できないものが1件、因果関係が認められないものが1件、情報不足等により因果関係を評価できないものが451件だった。

 これに対して厚労省は救済制度を設けているが、死亡事例のほとんどが「情報不足等により、因果関係を評価できないもの」であり、本当に全ての死亡事例に救済制度が適用されるのか否か、疑問の声が上がっている。

7月9日田村大臣会見2 この救済制度の適用方法を、7月13日の定例会見=写真は7月9日の会見の様子。厚労省HPより=で記者から問われた田村憲久厚生労働大臣は「まずは、申請を出していただきたい。その後、審査会で専門家の方々に審査をしていただいて、その上で判断をさせていただく」等と述べるにとどめた。

 これらの事項に関する、記者会見での質疑応答の概要は次の通り。

 ▽記者=田村大臣は、今年2月19日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の末松義規議員の質問に答えて「新型コロナワクチンの接種後、副反応などで死亡した場合、遺族に4,420万円が支払われる」と答弁されている。

 一方、厚労省ホームページの予防接種健康被害救済制度には「接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものです」

 ▽「その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚労大臣が認定したときは、市町村により給付が行われます。厚生労働大臣の認定にあたっては、第三者により構成される疾病・障害認定審査会により因果関係に係る審査が行われます」と明記されている。

 厚労省は今月7日、新型コロナワクチンの接種後の死亡事例を453件と発表したが、その内訳は、ワクチンとの因果関係が否定できないものが1件、因果関係が認められないものが1件、情報不足等により、因果関係を評価できないものが451件とのことだ。

 453件の死亡事例のうち、厚労大臣が認定した事例は何件で、迅速に救済された事例は何件なのか? また、副反応で死亡した疑いがある場合は、遺体は保全されるのか? その際、例えば検死のような調査は行われるのか?

 また、遺族が審査結果に不服がある場合は、どのように対応すればいいのか?

 ▼田村大臣=申請が出てこないことには、申請の手続きには乗らないので、お亡くなりになられている事例はあるけれども、申請を出していただかないことには対象にならない。今言われた全てが対象になるかは、申請を出していただくかどうかということになる。

 一定程度、申請は出てきていると思うが準備しているので、これはこれから審査会で専門家の方々に予断のない審査をしていただいて、その上で判断をさせていただくということになる。

 最終的には厚生労働大臣が認定をするが、私が全てをみるわけではないので、これは専門家の方々にしっかりとご審査をいただくということになる。ご遺体の保全だとかは、それぞれの方々の対応だと思う。

 いつ申請が出てくるか、もうご遺体を埋葬された後に申請を出してこられる方々もおられると思う。そこは制度の中で、そういうものが決まっているわけではないということだ。

◇─[後記]───────────

 結果的に「接種後の死亡事例のほとんど全ては、ワクチンとの因果関係が不明」であることになり今後、遺族が申請をすれば本当に救済を受けられるのか──特にまだワクチンを接種していない方々にとっては「接種して大丈夫なのか?」との不安が増しそうです。

 また死亡にまで至らなくても、ワクチンを接種した後に「副反応」が続くような事例も予想されます。高齢者や基礎疾患を持つ方々、特にまだワクチンを接種していない方々が積極的にワクチン接種に臨めるようなメッセージを、厚労省には望みたいと思います。

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