*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年7月7日(水)第539号*****

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田村大臣・ワクチン不足「原因は在庫の滞留等のミスマッチ、7月から供給が多くなる」
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 新型コロナのワクチン接種で、多くの自治体から「供給量が足りないので、新規の接種予約の受付を停止せざるを得ない」等の不満の声が上がっている。これについて田村憲久厚生労働大臣は「原因は、医療機関等に在庫が溜まっているミスマッチ」等と指摘した。

 この解決のため、現在利用しているワクチン接種の記録システム等を使って、供給全体を見直していく方針を示した。その具体策の一つとして「ワクチン接種が進んでいるところには多く配り、遅れているところは調整して配る方法が考えられる」等と述べた。

 さらに、今後のワクチン供給の見通しとして、ファイザー社製は減少するものの、モデルナ社製が多く入ってくることを念頭に「全体で言うと4・5・6(月)の1億回よりも7・8・9(月)の方が足し合わせると多くなる」と述べ、供給不足の懸念を否定した。

田村大臣6月29 日会見  田村大臣が、7月6日の記者会見で述べた=写真は6月29日の記者会見の様子。厚労省HPより。これらの件に関する、記者との質疑応答の概要は次の通り。

 【「現在のワクチン供給不足はミスマッチが原因。7・8・9月は多く供給できる」】

 ▽記者=ファイザーのワクチン供給の偏在についてお伺いしたい。大臣は6月22日の閣議後会見で、自治体に供給されたファイザーのワクチンについて「足りないということは本来ないはずであり、医療機関に在庫が溜まっている可能性がある」

 「しっかり調査して、最適に配分されるように努める」と述べられているが、調査は進んでいるのか? また、在庫や偏在が明らかになった場合、自治体間や医療機関の間での調整は、どのように実施されるのか? また、どのように実施していく予定か?

 ▼田村大臣=6月末までに、約1億回分のファイザーが入ってきて(このうち)9千万回分が、これがもう市中に供給されていると聞いている。実際、今接種している回数は4,800万回だとか、5千万回ぐらいだと思う。

 ということは、市中に4千万回ぐらいはあるわけで、つまり今まで打った分と同じくらいとは言わないが、若干少ないくらいが市中にある(=接種に使用されないで、滞留している)と。これはミスマッチが起こっているのでは、と思う。

 たくさん打っている自治体と、進んでいない自治体があるから、それだけでミスマッチが起きているのはあると思うが、全体ではそれは供給があるわけで、これから供給していく部分に関してはVRS(ワクチン接種記録システム)等でどれぐらい見て行くか……。

 というのは、これは日々、若干入力が遅れるという部分はあるのかも分からないが、分かってはきているので、そういうものを見ながら、これからのワクチン供給というものをどうするかということを、河野(大臣)室の方で考えているということを聞いている。

 であるから、河野大臣に詳しくお聞きをいただければありがたいなと思うが、今まで4・5・6(月)でファイザーのワクチンが1億回分、ファイザーから供給を受けてそれを市中に流して、今、6月末時点で9千万回は流させていただいていると。

 これから7・8・9(月)で7千万回分、これがファイザーからやってくる。若干少ないとも言われるが、一方、9月までにモデルナが5千万回来るから、全体で言うと4・5・6(月)の1億回よりも、7・8・9(月)の方が足し合わせると多くなる。

 ワクチンの供給量という意味からすると、多くなる計画であるので、我々としては、後はミスマッチをどうやって解消しながら、必要なところにワクチンを供給していけるかというところだ。

 【「接種が進んでいるところには多く配り、遅れているところは調整して配る」】

 ▽記者=そのミスマッチだが、いつぐらいまでに(解決する)ご予定は? 今のところ分かっていないのか?

 ▼田村大臣=どれぐらいワクチンが、発送している分はV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)で分かるので。それから使っている分はVRS(ワクチン接種記録システム)で分かるので、その差を順次、供給するときに毎回、そういうものを見ながらやっている。

 そういう意味では順次、必要な自治体に必要な量を供給していくというのが、一つの基本的な考え方だと思う。

 ▽記者=ファイザーの供給不足に関連してお伺いしたい。現状では、予約の停止や制限をする自治体が、全国にドミノ倒しのように拡がっている。先ほど大臣は「全体では供給があり、ミスマッチをどう解消していくか」と仰った。

 しかし、接種能力が供給を上回るのであれば、自治体に接種能力を下げてもらう、あるいは、職域分のモデルナを回すなり、供給を底上げするといった2つの選択肢しかないと思うのだが、大臣は具体的な解決策についてどのようにお考えか?

 ▼田村大臣=ですから、ミスマッチが生まれているところには、これから2週間ごとに1万箱くらい、ファイザーから供給を受けて、その中で自治体にどれぐらいお配りするのかという形になると思うのだが、その中でこれから調整をしていくと。

 これはまだ確定はしていないが、河野大臣のところでやっていただいているけれども、要するに、足らないところ、つまり接種が進んでいるところには多くのワクチンをお配りし、接種が進んでいないところには、調整して配っていくというのが一つの方法だ。

 そういう中において、なるべく早く接種を進めていただきたいという思いがあるので、我々としては必要なところに必要なワクチンが供給できるように進めてまいりたい、というふうに思っている。

◇─[後記]───────────

 今回の、記者会見での田村大臣の説明で、全国の自治体のワクチン担当者が納得するのかと言えば、かなり疑問です。もし田村大臣の指摘通りに、供給されたワクチンが「医療機関に在庫が溜まっている」のであれば、問題は簡単に解決するのでは、と思われます。

 明確な理由はわかりませんが、おそらく「そうではない」から、現場では混乱しているのではないかと、弊紙では推察します。政府は「7月末までに、全ての希望する高齢者にワクチン接種を完了させる」と公言しています。

 このことが、さらに現場で「混乱」を生じさせるのでは……との懸念が、ぬぐい切れません。

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