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*****令和3年6月23日(水)第531号*****

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高齢者向けワクチン供給・田村大臣「6月中に全て送付するので、不足することはない」
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 全国で、高齢者向けのワクチン接種が進む中、一部の自治体から「ファイザー社製のワクチンの供給が足りない」との声が出ている。この点について田村憲久厚生労働大臣は「高齢者分は、6月中に全て送付できるので『足りない』ということはない」と否定した。

田村大臣6月11日会見 6月22日の記者会見=写真は6月11日の記者会見の様子。厚労省HPより=で、指摘した。また、自治体が独自に集団接種を実施する場合に、モデルナ社製のワクチンの供給希望が出されている点と併せて、自治体に対して「ワクチンの在庫量等を、しっかりと調査させていただく必要がある」等と述べた。

 この点に関する、当日の記者会見の概要は次の通り。

 ▽記者=ファイザー社製のワクチンの供給量が7月から減って、自治体から「足りない」という指摘が出ている。厚労省として、どのように対応されるのか? また政府は、自治体での集団接種にモデルナ社製のワクチンの活用を検討されていると言われている。

 ▽これは、いつから自治体に供給できるのか? 見通しを教えて頂きたい。

 【「高齢者分は、6月中に全て送付できるので『足らない』ということはない」】

 ▼田村大臣=高齢者(へのワクチン接種)を7月いっぱい(に終えることを目標に)で、何とかお願いしている。その高齢者分を6月いっぱい中にはお送りするということだから、高齢者分は「供給が足らない」ということにはならないと思う。

 ▼さらにそこから高齢者が終わって、言うなれば基礎疾患、一般の方々に進まれるところもあると思う。そういうところにはファイザー、7月5日の週にでも1万1千箱を、19日の週が1万箱だから「足らない」ということは、本来ないはずだ。

 ▼そういうお声があるというのは、たぶん各自治体間、医療機関で在庫が溜まっておられる可能性があるので、それをしっかり調整していくことが必要で、ご心配があられる中で、なるべく多く確保されたいというお気持ちがあるかもしれない。

 【「自治体へ、ワクチンの在庫量等をしっかりと調査させていただく必要がある」】

 ▼各自治体、我々もちょっとまだしっかり調べていないので何とも言えないし、そういうことがあるのかもしれないが、やはりワクチンの偏りが出てくると、本来必要なところにワクチンが行(き届)かなくなるということもある。

 ▼そこをしっかりと調査をさせていただいて、調べさせていただいて、その上でワクチンが最適に配分されるように、ファイザーのワクチンだが、そういう対応をしていくことが、まず第一に必要になってくると思うので、体制を早急に整えてまいりたい。

 ▼その上で、モデルナに関しては基本的には職域(や大規模な接種)で使うことを今、前提で進めているので、モデルナが必要なのかどうなのかということをしっかり見ながら、検討しなければならない。

 ▼貴重なワクチンなので、必要な地域に必要な分が、しっかりと供給できるように我々としては調整してまいりたいと思う。


◇─[後記]───────────

 この記者会見でのやり取りを聞いていて感じたことは「もしかしたら、一部の自治体で『高齢者の接種は順調に進んでいるので、接種をできるだけ早く終わらせるために、一般の方々への接種を早く始めよう』とする動きがあるのでは……」という点です。

 以前にもこの欄で述べましたが、政府や自治体が設置した大規模接種会場や、近所のかかりつけ医まで出向いて、ワクチン接種ができる高齢者は良いのですが「寝たきり」など、何らかの事情で接種を受けることが難しいい高齢者も多く存在します。

 全国の全ての自治体には、これらの「接種困難な高齢者」を含めて「7月末に、希望する全ての高齢者への接種を完了する」ことをまず、最優先として考えてもらいたいと思います。

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