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*****令和3年5月19日(水)第506号*****

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ワクチンの接種会場・河野大臣「30の自治体が、独自に会場設置を希望している」
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 新型コロナのワクチン接種で、現在実施されている高齢者向けと、その後の対象者の接種を加速するため、30の都道府県と政令市が、独自に大規模接種会場の設置を希望していることがわかった。

河野大臣5月18日会見 5月18日に、ワクチン全般を担当する河野太郎大臣が記者会見=写真・内閣府HPより=で明らかにした。ただ「現段階では、単に希望の意向があるところから、具体的な日時まですでに決定しているところまで幅がある」として、30の具体的な都道府県・政令市の名称には言及しなかった。

 【弊紙注:政令市=地方自治法に基づき、政令で指定される人口50万人以上の市。現在は20市ある。大阪・名古屋・京都・横浜・神戸・北九州・札幌・川崎・福岡・広島・仙台・千葉・さいたま・静岡・堺・新潟・浜松・岡山・相模原・熊本

 また一方で、接種会場が増えることで、ワクチンを接種する「打ち手不足」が懸念されている。現在は医師と看護師に加えて、歯科医師が対象になっているが今後、河野大臣は次の「打ち手」を考える際に「薬剤師さんも、検討の対象となる」との認識を示した。

 これらの点に関する、当日の記者会見の概要は次の通り。

 【30の自治体名の公表は「実施内容が固まった段階で、皆さんにお知らせする」】

 ■河野大臣=高齢者向けのワクチンは、6月末までに全ての自治体に対して、2回接種できる量が供給できる。また、5月10日から(23日まで)の2週間と、5月24日から(6月6まで)の2週間で、全ての高齢者が1回接種するのに必要な分量を配布する。

 それ以降、6月7日からの配分については昨日(5月17日)、都道府県に配送する分量をお知らせした。また(47の)都道府県や(20の)政令市が、独自に大規模接種会場を設置するかの意向調査を行ったが、30の自治体から「実施したい」との回答があった。

 □記者=今、大臣が言われた30自治体は、具体的にどこなのか? またこれらの自治体が(大規模接種会場の設置を)希望しているということだが、これは今後、増えていく可能性はあるのか? またこれに対し、国としてサポートしていく予定はあるのか?

 ■河野大臣=まず、30自治体については(実施内容が)確固たる状況になった段階で、順次(自治体名を)お知らせしていきたい。いくつかの自治体は、すでに「5月中にも接種を開始したい」と言っている。今は、これらの自治体をサポートしている。

 □記者=大臣が言われた30自治体とは、47の都道府県と20の政令市が対象と捉えて良いのか? また、これら自治体の大規模接種会場では、現在承認が審査されているモデルナ社のワクチンが使用されるのか?

 ■河野大臣=その通りだ。

 【接種会場のネット予約等で混乱が起きている点は「率直に、お詫び申し上げる」】

 □記者=菅総理は、高齢者のワクチン接種については「7月末終了」、さらに今後の接種回数については「1日100万回」という目標を掲げているが、この自治体の大規模接種会場の設置は、この目標に対してどのように資するとお考えか?

 ■河野大臣=まず、現在は市区町村が頑張っておられるが、これに(都道府県・政令市が設置する大規模接種会場が)加われば、全体的なスピードアップにつながる。また、東京・大阪では自衛隊が大規模接種会場を運営する。

 これらの会場までわざわざ来て頂かなくても、地元で接種ができるようになる。さらに、東京・大阪の会場まで来場が可能な方々と、地元で接種する方々と、それぞれが補完できるので、ワクチン接種全体のスピードは上がっていくと考えている。

 □記者=ワクチン接種の予約で、多くの自治体(=市区町村)はインターネットによる予約を受け付けているが、高齢者の中にはネットに不慣れな方もおられ、予約がうまくいっていない面もある。この状況をどのようにご覧になっているか?

 ■河野大臣=当初、私の想定よりも(高齢者がネットで予約する)割合が高くなっている。これは、高齢者ご自身がご自分で予約を取られている部分と、家族が協力されている部分があると思う。

 現実に(ネット予約で)混乱が起きていることは承知しているし、お詫びを申し上げなければならない。ただ少しずつ混乱も解消されてきていて、予約も取りやすくなってきている。全ての高齢者に接種できる分量は確保できているので、慌てずにご予約頂きたい。

 【「打ち手不足では、次の対象者として、薬剤師にお願いすることも検討している」】

 □記者=ワクチン接種では「打ち手不足」が指摘されている。一部で「薬剤師も含めたらどうか?」との声があるが、この点をどう考えるのか?

 ■河野大臣=接種する方の予診に当たる方や、打ち手をどう確保するのかが、現在の重要な注視点だ。まずはお医者さんに出てきてもらう、次に潜在看護師を含め、看護師さんに出てきてもらう、われわれは今、これらに一生懸命に取り組んでいる。

 これに、歯科医師も打ち手に加わって頂くことになった。現実に歯科医師が接種している自治体もある。ではその先をどうするのか、これを今考えている。当然、薬剤師さんもこの検討の対象になると思っている。なるべく早く、決めていきたい。

◇─[後記]───────────

 高齢者のワクチン接種で、接種会場が増えることは「選択肢が広がる」という意味で歓迎したいと思いますが、テレビの情報番組を見ていると、それよりも今、最も課題となっているのは「電話やネットで一生懸命に予約しているが、取れない」ことだと思います。

 中には「おそらく、受け付けてもらえないだろう」とわかっていても直接、役所の窓口にまで駆け付ける高齢者の様子が、連日報じられています。「選択肢が広がる」ことも重要ですが、同時に「予約が取れない」高齢者も、早急にサポートする必要があります。

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