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*****令和3年2月26日(金)第454号*****

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高齢者のワクチン接種・河野大臣「6月末までに全員・2回接種分の配送が完了できそう」
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 65歳以上の高齢者・約3,600万人の、新型コロナワクチンの接種時期について、河野太郎大臣は2月26日の記者会見で「6月末までに全員、2回の接種ができる分の、自治体向けの配送が完了できそうだ」

河野大臣 「その予定でファイザー社と、供給スケジュールについて合意した」等と述べた=写真・政府インターネットテレビより。ただし「6月末まで」に配送を受けた各自治体が「いつまでに、高齢者に対してワクチン接種を完了できるか?」については「自治体の計画による」として明言しなかった。

 これらの点に関する、記者会見での河野大臣の説明と、記者との質疑応答の概要は次の通り。

 ◆河野大臣・2月26日の記者会見の概要

 新型コロナのワクチン接種は、2月17日から先行接種がスタートして、約1週間が経過した。現時点で、アナフィラキシー等の重篤な副反応の報告はない。本日は、3月中のワクチンの供給スケジュールについて、お知らせしたい。

 【「先行接種の医療従事者・370万人の1回目の供給分は、4月中に全て届けられる」】

 3月1日に450箱が日本に到着する予定とすでに申し上げているが、3月8日の週以降も毎週、供給が継続して3月末までに合計2,275箱が供給される見込みだ。これにより、医療従事者への接種として予定している370万人分の、全員の1回分は終わる見込みだ。

 これらの供給分を、4月中には全てお届けできる。もちろん、2回接種できる方も相当数出てくると思う。次に、高齢者の優先接種分のワクチン供給だが、先日の会見で「4月12日から接種を始め、徐々に拡大していく予定だ」と申し上げた。

 【「優先接種の高齢者・約3600万人の2回分の供給分は、6月末までに配送完了予定」】

 これに関して、ファイザー社との交渉の結果、数量やスケジュールは明示できないが6月末までに、65歳以上の高齢者全員に、2回接種できる分のワクチンの配送が完了できるようなスケジュールで、ファイザー社から供給を受けることになりそうだ。

 ただし、これは予定している数量が「EUから承認が取れる」ことが大前提だ。3月1日到着予定の450箱まではEUの承認が取れているが、それ以降の到着分については、EUの承認が取れるというのが前提となる。

 繰り返しになるが、高齢者の接種については、6月いっぱいで自治体にワクチンを供給することが完了できるというスケジュールで、ファイザー社から供給を受ける、ということで(ファイザー社と)大枠で合意した。

 ◆記者と河野大臣の質疑応答の概要

 □記者=高齢者のワクチン供給について。接種自体は「6月末までに終わる」という認識で良いのか? あと大臣は当初、高齢者のワクチン接種は「2ヶ月と3週間で接種を終える」ことを目標に掲げられていた。

 □そして先日「4月12日の開始」を表明された。これで計算すると「7月5日が接種完了の目標」となると思うが、先ほどのお話だと、これよりも早く「高齢者の接種は、6月末に完了する」という理解でよろしいのか?

 ■河野大臣=「2ヶ月と3週間」と申し上げたのは、それぞれの自治体が、高齢者の接種体制をつくるために「どれくらいの期間を想定すれば良いのか?」という目安を示すことが求められていたので「2ヶ月と3週間」と申し上げた。

 ■「2ヶ月」で1回目の接種が終わって、その後2回目が「3週間」なので、合わせて「2ヶ月と3週間」という目安を申し上げたが、それぞれの自治体で、高齢者に対する接種計画を作って頂いているので、この計画でワクチンを打って頂くことになる。

 ■従って、特に私の方から「いつまでに」と申し上げる必要もないと思っている。ファイザーとは、これまでの話し合いを重ねる中で、今申し上げたような結果となった、ということだ。

 □記者=今回は、高齢者も医療従事者も、あくまで「希望する人」が対象になると思うが大臣は現時点で、およそどの程度の数になると見込んでいるのか?

 ■河野大臣=一人でも多くの方に、ワクチンを打って頂きたいと思っている。それ以上はまだ、詳細を申し上げる状況にはないと思っている。

 □記者=「高齢者は、6月末までに」との話しなので、約3600万人分が供給完了するという意味だと思うが、その前段の医療従事者が、当初の予定より100万人増えて370万人となっているが、この370万人分も含めて「6月末までに完了する」見通しなのか?

 ■河野大臣=そう理解して頂いて結構だ。医療従事者の上振れしてしまった分(=プラス100万人)については、またお知らせをしたいと思うが、少なくともそれを含めて「6月末までに(ファイザー社から)供給を受ける」という意味だ。

◇─[後記]───────────

 河野大臣の発言は「高齢者向けの2回のワクチン接種が完了する分量を、6月末までに各自治体に配送するが、後は自治体の計画次第だ」と聞こえます。しかし自治体側は「では、いつ、どれくらいの分量を配送してくれるのか?」となるでしょう。

 またワクチンはまず、各都道府県に配送され、それから市町村に配送される予定なので、市町村からすれば「都道府県が、具体的な配送予定を示してくれないと、高齢者への接種スケジュールは確定しない」となるでしょう。

 結局のところ「正確には、まだわからない」ことになります。政府としても「できるだけの情報を、可能な限り提供している」つもりだと思いますが、市町村等の自治体はかえって「混乱」するように感じます。

 いずれにせよ、市町村ができるだけ早く接種予定を発表できるよう、政府には「確定したスケジュール」を示してもらいたいものです。

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