*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年2月12日(金)第444号*****

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高齢者施設クラスター対策「感染制御・業務継続支援チーム」の編成を、都道府県に要請
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 新型コロナの新規感染者数は1月中旬以降から減少傾向にあるが、高齢者施設等でのクラスターの発生は、現在も増加傾向にある。この対策として厚労省は、都道府県等に対して「感染制御・業務継続支援チーム」(以下「支援チーム」)を編成することを求めた。

厚労省「支援チーム」結成を要請 厚労省が2月10日に、都道府県等に宛てて連絡文書を発出した=画像・厚労省の通達文書より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。この中で「3月末までの『支援チーム』編成を目標として、検討する」ことを要請している。「支援チーム」の活動として「感染が一例でも確認された場合に、早期に電話等による相談を行う」

 「また、必要に応じて専門家の派遣等を行うことが有効」と述べ、さらに具体的な活動事例として、次の項目を挙げている。

 ■【感染管理】施設等で感染が発生した際の迅速な感染管理=ゾーニング、検体採取、感染防護具の着脱方法等
 ■【マネジメント支援】施設における本部の、運営等のマネジメント支援
 ■【情報管理の支援】
 ■【関係機関・地域とのコミュニケーション支援】
 ■【施設機能の維持のための支援】
 ▼医療従事者等の確保に係る調整・メンタルヘルスケア
 ▼感染防護具等の、物資の在庫管理・確保
 ▼新規感染者の搬送・入院調整や、病状変化等に応じた転院調整

 さらに厚労省は「先行事例」として、3県(千葉・愛知・岡山)の「支援チーム」の活動内容を紹介している。

 ◆千葉県=感染管理を専門とする医師・看護師等により構成された「クラスター等対策チーム」を編成し、高齢者施設等においてクラスターが発生した際に、感染管理の専門家の派遣を行うとともに、施設の運営を支援する看護師の派遣を行っている。

 ◆愛知県=DMAT(=災害急性期に活動できる、機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム)隊員の資格を持つ医師等により構成されたチームを編成し、各保健所の入院調整等に係る現場支援や、クラスター発生や拡大を抑制するための初動対応等を行っている。

 ◆岡山県=感染症対策に係る専門家チームや、現地医療提供チーム等を編成して「岡山県クラスター対策班」を派遣する体制を整備しており、福祉施設や事業所などに対する感染予防研修等も実施している。

◇─[後記]───────────

 今回の通達は厚労省の、コロナ専門家の助言機関である「アドバイザリーボード」が、2月1日に「高齢者施設のクラスター発生事例が増加、支援が必要」と指摘したこと(=弊紙2月2日付け第435号で既報)を受けての要請になります。

 厚労省は「3月末までのチーム編成」を求めていますが、これはまだ、チームが未編成の自治体が多いことの裏返しではないかと思われます。当然のことながら「チーム編成」のためには、専門の医療的な知識と経験を有した人材が必要です。

 自治体がこれらを実行するには、多くの課題や困難があることを承知の上で、少なくとも厚労省が指摘している「感染が一例でも確認された場合に、早期に電話等による相談を行う」ことと、その初動対応の体制だけは、早急に構築してもらいたいと切に願います。

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