*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年1月8日(金)第418号*****

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昨年の「老人福祉・介護事業」の倒産、118件で過去最高を記録
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2020年介護事業倒産件数グラフ 信用調査大手の東京商工リサーチは1月8日、昨年(2020年)の「老人福祉・介護事業」の倒産件数が118件で「過去最高を記録した」と発表した。これまでの最高は、2017年と一昨年(2019年)に記録した111件だった=グラフ・東京商工リサーチHPより

 今年の118件のうち、同社が「新型コロナ関連倒産」と判定したのは7件だった。過去最高件数を記録した要因として同社では「人手不足などで経営不振が続く小規模事業者に加え、新型コロナの影響が件数を押し上げた」と分析している。

 【倒産件数の約半数は「訪問介護事業」で、深刻なヘルパー不足が影響】

 118件を業種別にみると「訪問介護事業」が56件(構成比47・4%)と半数近くを占め、深刻なヘルパー不足が影響した。次いで、デイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」の38件(同32・2%)で、前年から18・7%増加した。

 この「通所・短期入所介護事業」の増加要因について、同社では「大手企業との利用者の獲得競争が激しく、倒産増加の一因にもなっている」と指摘している。負債の規模別では、1億円未満が94件(同79・6%)と約8割を占めた。

 また従業員5人未満が79件(同66・9%)、設立10年未満が65件(同55・0%)となっており、同社では「設立から日が浅く、資金力のもろい小・零細事業者の倒産が大半を占め『息切れ倒産』が目立った」と分析している。

 【倒産ではない「休廃業・解散」も、昨年1月から10月までに406件で過去最高】

 一方、倒産ではなく「老人福祉・介護事業」の休廃業・解散件数は、昨年(2020年)1月から10月で406件に達している。この点について同社は「倒産以外で、市場から退出する事例も過去最多ペースで推移している」と指摘している。

 先般、政府は来年4月の介護報酬改定について「プラス0・7%」と発表したが、昨日(1月7日)政府は1都3県に「緊急事態宣言」を発令した。これらの点を踏まえ、今後の介護事業について同社では「新型コロナにより、利用控えが長期化する恐れがある」

 「さらに、感染防止対策の強化などの費用負担が経営を圧迫する可能性も拭えない。長引く新型コロナ感染拡大で、経営者の事業継続の意欲が弱まることも危惧され、今年(2021年)も『老人福祉・介護事業』倒産は増勢をたどる可能性が高い」

 「来年4月の介護報酬改定も、感染症対策の強化や介護人材の確保に向けた取り組みを推進する見通しだ。だが、介護職員の定着やキャリアアップ、生産性の向上は容易でない。コロナ禍のなか、介護報酬の改定だけで介護事業者の経営が改善できるか未知数だ」

 「今後、緊急事態宣言が各地に広がると、介護事業者は一層の厳しい環境を強いられる」等と予想している。

◇─[後記]───────────

 介護報酬は「プラス改定」となったものの、新型コロナの影響による「マイナス要因」の方が大きく、今後の介護事業者の経営環境について、同社では極めて厳しい予想を立てています。

 特に弊紙が注目しているのは、同社が発表している調査結果では、毎回「訪問介護」が倒産件数の約半数を占め、全体の件数増加に比例して「訪問介護」単独でも、倒産件数の増加傾向に歯止めがかからない点です。

 「地域の在宅介護」を守るためにも、まずは現在のコロナ渦を乗り切るための「応急的な対策」が早急に必要です。その「タイムリミット」は、現在の「第3波の猛威」により、さらに早まっているように感じます。

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