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*****令和3年1月5日(火)第415号*****

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ワクチン接種、菅首相「2月下旬までに医療従事者・高齢者・高齢者施設従事者から開始」
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菅首相 新型コロナウイルスの感染対策として期待されているワクチン接種について、菅義偉首相は1月4日に、首相官邸で開催された新年の記者会見で「まずは医療従事者・高齢者・高齢者施設の従事者の皆さんから順次開始したいと思う」と述べた=写真・首相官邸HPより

 接種開始の時期は「2月下旬までにはできるように、準備を進めている」と明らかにした。これまで一般マスコミが「ワクチン接種の優先対象として、医療従事者・高齢者・高齢者施設の従事者が検討されている」と報じてきたが、菅首相が明言した形となった。

 また、医療体制がひっ迫している現状について「看護師等スタッフの確保、財政支援を徹底して行う」等と対策の方向性を示した。さらに記者との質疑応答で、軽度の感染と判定された障がい者が、病床のひっ迫のため退院を余儀なくされる事例を問う質問が出された。

 これについて菅首相は、自身がかつて横浜市議会議員だった時代に、福祉団体の会長を務めた経験があることを述べた上で「現状については、詳細についてよく理解していると思っている。(対策として)そうしたことを、支援していきたい」等と回答した。

 これらの内容に関する菅首相の発言内容と、質疑応答の概要は次の通り。

 【1.新型コロナのワクチン接種についての発言】

 感染対策の決め手となるワクチンについては、当初2月中に製薬会社の治験データがまとまるということだったが、日本政府から米国本社に対して強く要請し、今月中にまとまる予定だ。

 その上で、安全性・有効性の審査を進めて、承認されたワクチンをできる限り、2月下旬までには接種開始できるように、政府一体となって準備を進めている。まずは医療従事者・高齢者・高齢者施設の従事者の皆さんから、順次開始したいと思う。

 【2.医療体制のひっ迫への対応に関する発言】

 医療体制は、特に東京を始めとする幾つかの都市でひっ迫する状況が続いている。各地域において、新型コロナウイルス感染者を受け入れる病院や、病床の数を増やして頂く必要がある。

 国として、看護師などスタッフの確保、財政支援を徹底して行うとともに、各自治体と一体となって病床確保を進めていく。必要ならば、自衛隊の医療チームの投入も躊躇(ちゅうちょ)しない。医療崩壊を絶対に防ぎ、必要な方に必要な医療を提供する。

 【3.感染が軽症で、障がい等を持つ人への対応に関する質疑応答】

 ▽質問・記者=私は知的障がい・発達障がい等の精神疾患を持った方の現場に取材に行っている。今回また「緊急事態宣言」を発令するとなると、強度行動障害という、暴れてしまうお子様の、例えば軽症者のホテル・病院での入院がかなり厳しい状況にある。

 ▽医療従事者に負担をかけるために、病院から出されるという現実がある。施設の方では、そういった医療従事者の方に負担をかけないために、ゾーニング(感染者等との区分け)などの努力を行っているのが実状だ。

 ▽この前、厚生省との勉強会で、クラスターが起きて初めてDMAT(災害派遣医療チーム)が行くという現状があることを知った。日頃から医療・福祉の連携で、医療関係者が福祉施設に来てゾーニングをする、感染防止指導をするという事例もある。

 ▽結局、各自治体によって全部対応がばらばらだ。例えば奈良県は20人を受け入れるが、他の都道府県から移動して受け入れることが大変厳しいという現状がある。つまり、国としての行動指針がすごく大切な状況だ。菅総理の考えをお聞かせ頂きたい。

 ▼回答・首相=私自身も横浜市議会議員時代に「手をつなぐ育成会」という会の会長を務めたことがある。現状については、詳細についてよく理解していると思っている。今、お話を頂いたような事例は、それぞれの場所によって対応も違う。

 ▼そうしたことは、国としてもしっかりと指導して、障がい者の方が安心できる、そうしたことを支援していきたい。このように思っている。

◇─[後記]───────────

 本日、東京都内の新規感染者が「1278人で、昨年末の1337人に次いで、過去2番目の多さ」とマスコミが報じています。事態はますます「ひっ迫」しています。「2月下旬まで」ができるだけ前倒しになるよう、政府の努力に期待したいと思います。

 間もなく「緊急事態宣言」が発令される見込みですが、そのような中でも「介護」や「高齢者」がどのように位置づけられるのか、また各自治体はどのように対処するのか、その内容が判明し次第、弊紙でご紹介して参ります。

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