*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年12月21日(月)第408号*****

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介護現場のコロナ感染防止「会社の対応策がちぐはぐで、現場が混乱している」
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 日本全体で、新型コロナの「第3波」の渦中にある現状で、現場で働く介護職員の40%が、事業所・施設での感染予防対策に「困っている」ことがわかった。その中には「会社が示す対応策がちぐはぐで、統一されていないので現場が混乱して いる」との指摘もある。

 介護従事者の労働組合組織である日本介護クラフトユニオン(=NCCU)は、このほど「新型コロナウイルスに関する緊急アンケート」第2弾を実施した。調査期間は11月19日から26日までで、回答した組合員は797名。

 質問項目は、次の2問。

 1.「現在、新型コロナの影響で困っていることはありますか?」
 2.「GoToトラベル、GoToイートについてどう思いますか?」

NCCUアンケート「コロナで困っていること」 このうち「1」(複数回答)は項目別の回答で、割合が多い順に次のような結果になった=グラフ・NCCU発表資料より。緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

(1)感染予防対策関連=40・0%
(2)衛生用品関連=33・2%
(3)人員不足関連=32・4%
(4)メンタルヘルス関連=25・1%
(5)PCR検査関連=19・7%
(6)コロナ慰労金関連=13・0%
(7)長時間労働・休日労働関連=9・8%
(8)風評被害関連=8・0%
 ◇ その他=11・0%

 さらに回答項目別に、その具体的な内容を聞いたところ(1)では、次のような「声」が寄せられた。

 ■会社が示す対応策がちぐはぐで、統一されていないので現場が混乱している。
 □事業所に持ち込まない対策として、出入口に靴の消毒用タオルの設置、ドアノブ・机・椅子等の消毒をこまめに行っているが、限界がある。
 □「自分を介して感染させてしまったら」と、常に神経質になって感染予防対策を行っている。
 □マスクを着用しての入浴介助は息苦しく、身体の負担が大きい。
 □コロナが収まるまでは、または仮に風邪の症状でも、サービスをキャンセルなさるご利用者もおられる。

  アンケートの結果として、NCCUでは「使い捨て手袋が入手困難」「介護職として自粛を強いられるストレスで精神的疲労が強くある」「慰労金がまだ貰えていない」等を挙げて「コロナ禍で緊張感が続くなか、働く介護現場のリアルな声が寄せられた」と述べている。

◇─[後記]───────────

 介護現場の管理者や経営者の皆さんは現在、知恵を絞って「感染対策」を講じられていると思いますが、弊紙が取材した範囲でも「これは、どうか? 現場の職員が混乱するのではないか……」と、疑問を抱く事例がいくつか見受けられました。

 今回のアンケートでは「会社が示す対応策」の詳細までは触れていませんが「第3波」を乗り切るためにも、管理者や経営者の皆さんにはぜひ、自社の感染対策が「適切」であるか否かを、現場の職員の声を聴きながら「検証」してもらいたいと思います。

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