*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和2年11月30日(月)第393号*****

◆◇◆◆◆─────────────
新型コロナ感染による入院「発症から10日、かつ症状軽快後72時間経過で退院可能」
─────────────◆◇◇◆◆

厚労省・発症10日で退院可能 厚生労働省は11月25日、新型コロナに感染して入院した際の退院基準について「発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合には、2回のPCR検査の結果が陽性であった場合でも、感染性は極めて低いため退院可能」と都道府県等に通知した=画像・厚労省の発出文書より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 過去に通知した内容を含め、改めて事務連絡文書を発出した。厚労省は退院基準を設定した理由として「国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、仮にPCR検査で陽性であった場合でも、感染性は極めて低くなること」を挙げている。

 具体的な解釈は、以下に示した「Q&A」で解説している。

 ■Q1=発症日から10日間経過の中に「症状軽快後72時間」を含めて考えてもよいですか?

 □A1=お見込みのとおりです。なお「10日間」と「72 時間」の考え方を整理すると、以下のとおりです。
 ▼「10日」よりも前に症状軽快し、かつ「10日」よりも前に「72時間経過」した場合、「10日間経過」で退院可。
 ▼「10日」よりも前に症状軽快し「10日」よりも後に「72 時間経過」した場合「72時間経過後」に退院可。

 ■Q2=今般の退院基準については、透析患者やがん患者、妊産婦などの配慮が必要なハイリスク者についても、同様に適用されることと理解してよろしいですか?

 □A2=お見込みのとおりです。

 ■Q3=「症状の軽快」とは、何をもって「軽快」というのか? 基本的には担当医の判断ということでよいですか?

 □A3=個別の具体的な「症状軽快」の判断については、お見込みのとおり担当医の判断になるものと考えます。

 ■Q4=唯一の症状が味覚・嗅覚障害である場合は、それを自覚した日が発症日ですか? また、それが「軽快しない」場合はどうすればよいですか?

 □A4=前段はお見込みのとおりです。後段については、感染性が極めて低くなると考えられている期間(症状発症から10日間)を超えても、味覚・嗅覚障害が一定期間残る場合があるとの報告もあります。

 □そのため、味覚・嗅覚障害が残っていても解熱剤を使用せずに解熱しており、かつ呼吸器症状が改善傾向である場合には、退院可能です。個別の判断については担当医の判断に基づいて決定してください。

 ■Q5=2回のPCR検査の結果「陽性」であった場合であっても、発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合には退院可能ですか? 陽性であっても退院できる理由も併せて教えてください。

 □A5=お見込みのとおりです。また国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCRで検出される場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。

 □このため入院や療養生活が始まってから、こうした期間が経過したかどうかと、各種検査の結果を総合判断して、元の生活への復帰を判断することとしました。

 ■Q6=無症状の病原体保有者の退院基準に「6日間経過」とあるが、この根拠は何ですか?

 □A6=ダイヤモンド・プリンセス号における無症状病原体保有者の感染性に関する研究や、CDC(米国疾病予防管理センター)の基準などを参考にしています。

 ■Q7=PCR検査を行わずに退院した場合も含めて、他者に感染させるおそれがないということなので、退院基準を満たして退院した方を受け入れる場合については、感染したことがない方と同様の対応を求めてよいでしょうか?

 □A7=お見込みのとおりです。また国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCR検査等で陽性の結果が出る場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。

 □このため、PCR 検査を行わない場合も含めて、退院基準を満たして退院した後の活動の制限などは設けておりません。したがいまして、退院基準を満たした後の日常的な生活についても留意が必要です。

 □この場合、過去に新型コロナウイルス感染症に感染していたこと等を理由として訪問や面会を断るなどの、他者と異なる対応を行うことは望ましくなく「感染したことのない方と同様の対応とする」よう関係者に周知するようにしてください。

 ■Q8=退院基準を満たした後の患者の診療を、過去に新型コロナウイルス感染症に感染していたことなどを根拠に断ることは可能でしょうか?

 □A8=退院基準を満たした後の患者については、国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCRで検出される場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。

 □このため、これらの患者から診療を求められた場合に「過去に新型コロナウイルス感染症に感染していた」ことのみを理由に診療を拒否することは、医療機関が患者の診療を拒否する正当な事由があるものとは言えません。

◇─[後記]───────────

 現在「第3波」が日本全国に広がっていますが、特に介護事業所では事業の継続や、利用者の受け入れについて「慎重な判断」が求められると思います。また今回の事務連絡は、厚労省で介護関係ではなく、感染症の専門部局から発出されたものです。

 ただQ7・Q8については介護事業所で、病院から退院してきた利用者受入れについても、その解釈が通じる内容だと思われます。ご参考にして頂ければ幸いです。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2020 日本介護新聞