*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年11月13日(金)第383号*****

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約7割の介護施設・事業所が「利用者に関するデータ分析を実施していない」
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 過去2年以内に、利用者に関するデータ分析(利用者のADL値の経時的比較等)を実施していないと回答した介護施設・事業所が「73%」だった。11月13日に開催された、厚労省の有識者会議「介護報酬改定検証・研究委員会」第21回会合で示された資料でわかった。

 今回の「検証・研究委員会」では「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」の速報値が公表された。これは、介護事業でデータベースを用いた分析を行うため、データをフィードバックした事業所に対してアンケート調査をしたもの。

 今回はデータベースとして「CHASE(呼称「チェイス」=ADL、口腔機能、栄養状態等の各アセスメント情報)を対象とした。データ登録をした250事業所のうち、データをフィードバックした173事業所に調査を依頼し、90事業所から回答を得た。回答率は52%。

7 この中の「利用者に関するデータ分析の実施状況」を質問した項目で、次の2点が判明した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ■【1】過去2年以内に、利用者に関するデータ分析(利用者のADL値の経時的比較等)を「実施していない」と回答した施設・事業所は73%であった。

 ■【2】データ分析を実施したことがある施設・事業所(23%)における分析項目は「利用者のADL・IADL」が最も多く、次いで「利用者の栄養状態」 及び「利用者の認知機能」であった。

 この中で【1】の結果について、意見を述べた委員からは「衝撃的な数字だ」等と、驚きの声が上がった。一方で「CHASEは、そもそもデータ登録数が圧倒的に少なく、今回の結果を見て『介護業界の平均的な姿』を表していると考えるのは早計だ」

 「今回の結果でわかったことは、介護業界にはもっとCHASEを活用していく必要がある、ということだ。例えばCHASEの登録事業者には、何らかのインセンティブを考えても良いのではないか」

 「介護事業者がこのようなデータベースを活用しようと思っても、利用方法や分析手法を身に付けるには研修が必要だ。まずは国や自治体が、そのような場を設けていくことが重要だ」等と、今後のデータベース活用に向けた期待と意見が出された。

◇─[後記]───────────

 厚労省は以前より「データとエビデンスに基づいた、科学的介護の推進」を掲げていますが、今回の調査結果をみる限り「道はまだ、かなり遠い」と感じます。一方である委員が「実は医療も、今では自らのデータを他と比較することは当たり前だが、以前は違った」

 「(医療データベースが)整備されて以降に急速に進んだ。介護分野も徐々に(CHASEが)普及していけばデータも蓄積され、介護業界にとっても財産になると思う」と述べています。やはり「科学的介護」は現状では、時間をかけて少しずつ進んでいきそうです。

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