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*****令和2年11月10日(火)第380号*****

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ツクイ中間決算・増収増益、デイサービスの特例措置「積極的に取得している」
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ツクイ決算説明資料 介護業界大手のツクイホールディングス(以下「ツクイ」)は11月10日、2021年3月期第2四半期の決算説明会を開催し、対前年同期比で増収増益だったがそのプラス要因の一つとして、デイサービスでの「特例措置を積極的に算定したこと」を挙げた=画像・ツクイが発表した決算説明会資料より

 「特例措置」は新型コロナの感染拡大に伴い、通所介護事業所の収益の落ち込みを補うことを目的として「本来よりも2区分上位を算定できる」として実施されたが、介護給付費分科会では一部の委員から「撤廃」を求める声が挙がっている。

 この点を踏まえ、弊紙は「特例措置」の適用方法等についてツクイに質問して「しっかりと説明することが前提」「同意を頂いた方のみに適用している」等の回答を得たが、デイサービスの業界団体でも、実施方法等を巡って議論されている状況も明らかにした。

 厚労省の調査によれば「特例措置」を適用した事業所は全体の50・6%で、適用事業所利用登録者のうち、特例適用者の平均は79・3%だった。具体的には、適用事業所数は約2万2千事業所、適用利用者数は63万1千人と推計している。

 ツクイの中間決算は、売上高が464憶3900万円(対前年同期比3・2%増)、営業利益が21億300万円(対前年同期比16・1%増)、経常利益が19憶4300万円(対前年同期比15・6%増)だった。決算説明会における、弊紙とツクイとの質疑応答の内容は次の通り。

 ▽質問・弊紙=デイサービスの収益のプラス要因として「2区分上位の時間区分(=特例措置)を6月より積極的に算定」を挙げているが、厚労省の有識者会議等では一部の委員から「これを撤廃すべき」との声もある。

 ▽御社ではこの算定を実施するに当たり、利用者に対する説明等で、どのような点に留意されているのか?

 ▼回答・ツクイ=当社では(特例措置は)利用者数の算定上「利用控え」が出ていることに対しての「補填」だと考えている。お客様・ケアマネジャーも含めて「しっかりと説明する」ことを前提として、お話しをさせて頂いている。

 ▼もちろん「同意」を頂いた上で算定するもので「同意」を頂いた方のみを対象にしている。ただ、デイサービスの協会などでも「これは、協会としてしっかりと(対応を)すべきだ」との意見も出ている。これも踏まえ、当社では積極的に算定を取得している。

◇─[後記]───────────

 新型コロナの影響があった中で、介護業界の大手事業者はそれぞれに独自の対策を講じたようですが、やはり「特例措置」の効果は大きかったようです。介護給付費分科会では、認知症の人と家族の会が、現在でも「撤廃」を求めています。

 現状ではツクイの指摘通り、デイサービスの業界団体等が何らかの「ガイドライン」を示し、通所介護事業者はこれを順守して「特例措置を実施」することが「混乱」を最小限に食い止めるための、現実的な対応ではないかと弊紙では考えます。

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