*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年11月3日(火・祝)第375号*****

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財務省「介護報酬の『プラス改定』をすべき事情は見出せない」
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 財務省は11月2日に開催した財政制度分科会で、来年4月の介護報酬改定について「近年の介護サービス施設・事業所の経営状況からは、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない」と主張した。

 財務省は、厚労省が実施した経営実態調査と経営概況調査の結果や集計手法を取り上げ「介護サービス施設・事業所の経営状況は(民間の)中小企業と同程度の水準で、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない」と結論づけた。

財務省・資料 財務省の主張の要旨は、次の通り=画像・財務省HP・財政制度分科会で配布された資料より

 ▼(厚労省の)経営実態調査による令和元年度の収支差率は2・4%と、中小企業と同程度の水準。また介護報酬は、計画期間の3年間を見据えて決めるものであり、過去の経営状況についても、一定期間(3年間)の状況を踏まえる必要があると考えられる。

 ▼(厚労省の)経営実態調査と経営概況調査の平成29~令和元年度の収支差率によれば、介護サービス施設・事業所の経営状況は、同じく中小企業と同程度の水準。

 ▼さらに、経営実態調査の収支差は、特別損失である「事業所から本部への繰入」は反映されている一方で、調査票段階では調査している特別利益が反映されていない。

 ▼このため、特別損失である「事業所から本部への繰入」を除いた収支差率で見ると、介護サービス施設・事業所の収益率はさらに上昇する。

 ▼特別損益を含まない観点からの分析は、施設に通常発生する収益に基づく収益性を示す指標として、サンプル数がより豊富な福祉医療機構が公表する「経営分析参考指標」でも用いられている。

 ▼このように、近年の介護サービス施設・事業所の経営状況からは、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない。

◇─[後記]───────────

 いつものことですが、介護報酬の改定が大詰めを迎えると、財務省が「先手」を打ってきます。この指摘を筆頭に財務省は、介護給付費分科会で現在検討している様々な事項について「厳しい指摘」を出しています。

 介護業界としては、この財務省の主張に「反論」する必要があります。次回の介護給付費分科会は、明後日(11月5日)の木曜・午後から夕方にかけて開催されます。まずはここで、各委員が述べる「反論」に注目したいと思います。

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