*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和2年10月28日(水)第373号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省「要介護になっても総合事業」へ省令改正実施、1141件の意見が寄せられる
─────────────◆◇◇◆◆

厚労省省令改正 厚生労働省は「要支援から、要介護になっても総合事業が継続できる」等の内容を含んだ省令の改正を進めてきたが、10月22日に都道府県等に対して「本日公布された」と通達した。この中の「第1号事業に関する見直し」=画像・パブリックコメントの意見に対する厚労省の回答内容文書より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工=の趣旨は、次の通り。

 ◆介護予防・生活支援サービス事業に関する見直し
 1.要介護認定を受けた後でも、総合事業のサービスの利用継続を可能とする。
 2.介護予防・生活支援サービスの価格について、国が定める額を勘案して市町村が定めることとする。

 今回の省令改正で厚労省は、8月25日から9月23日までパブリックコメントを募集し、1141件の意見が寄せられた。省令改正に対する賛否の数は不明だが、公表された意見では「問題点」や「疑問点」が列記され、それに対する厚労省の意見が述べられている。

 【パブリックコメントに寄せられた意見(▼印)と、厚労省の回答(▽印)の要旨】

 ▼要介護者が、介護給付を受けられなくなることに反対。要介護者には、自治体によって取組状況も異なる総合事業ではなく、専門職による介護給付のサービスが必要。

 ▼今回の見直しは、要介護者に対する介護給付を総合事業に移行するための布石ではないか?

 ▽今般の見直しにより、要介護者の介護給付を受ける権利には、何ら変更はございません。今般の見直しは、本人の希望を踏まえて、介護保険の給付が受けられることを前提としつつ、住民主体のサービスを継続して利用できるようにし、選択肢の幅を広げるものです。

 ▼「本人の希望」をどのように担保するのか? 市町村が介護給付抑制のために総合事業に誘導するのではないか?

 ▽ケアマネジャーが本人の希望を踏まえながら、介護給付と住民主体のサービスを組み合わせたケアプランの作成などのケアマネジメントを通じて、適切な事業の利用が確保されることが重要と考えています。

 ▽さらに、適切なケアマネジメントが行われるよう支援していく観点から、ガイドラインで示していくとともに、厚生労働省においてサービスの利用状況などを定期的に把握してまいります。

 ▼見直しを行う前に、まずは、これまでの総合事業の実態を把握すべき。要支援者の総合事業への移行も失敗しているのではないか。

 ▽総合事業の実施状況については、毎年度、老人保健健康増進等補助金による調査研究事業により把握し、公表しています。

 ▼「総合事業が、要介護者を受け入れないことで不満」という話を聞いたことがなく「地域とのつながりに影響がある」とも考えられない。改正の趣旨が明らかではないので、根拠をしっかり示してほしい。

 ▽社会保障審議会介護保険部会において、一定数の市町村が、総合事業の対象者について「対象者が要支援者等に限られてしまっていることで、事業が実施しにくい」と回答している調査結果等をお示ししています。

 ▽今般の見直しは、こうした社会保障審議会介護保険部会の「取りまとめ」を踏まえ、行うものです。

◇─[後記]───────────

 これまでも何度か触れてきましたが、弊紙発行人はある地方都市の、介護保険事業計画の策定に携わったことがあります。その経験を踏まえても、やはり総合事業には「多くの問題がある」と痛感しています。

 結果的には「予定通り」に省令は改正されましたが、これにより総合事業が今以上に「混乱」するのでは……と懸念します。今後「問題点」が発覚すれば迅速に修正する態勢が、厚労省には必要だと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2020 日本介護新聞