*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年10月26日(月)第371号*****

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東京都世田谷区・希望する介護事業所へのPCR検査、通所介護で1名・陽性判明
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 東京都世田谷区は今月から、新型コロナ対策として希望する介護事業所にPCR検査を実施しているが、10月2日から25日までの約1ヶ月弱で、27事業所・303人に検査を実施した結果、通所介護事業所の職員1名が陽性と判明した。10月26日午後5時に公表した。

 検査は、介護事業所等の社会的インフラを継続的に維持することが目的で「社会的検査」との名称で実施している。内容は「随時検査」と「定期検査」の2種類がある。

 ◇随時検査=同居の家族が濃厚接触者となった場合や、新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)により、陽性者との接触の確認の通知を受けた人などを想定。

 ◆定期検査=「随時検査」以外で、検査を希望する事業所の職員等に対して実施。「定期検査」の予定事業者でも「随時検査」に該当するケースについては、最優先で実施する。

 「定期検査」は、障がい者施設や児童養護施設等も含まれるが、介護事業所に対する検査では施設系・通所系・訪問系等の、ほぼ全ての介護事業所が該当する。検査対象は、介護事業所の職員と、特別養護老人ホーム等に新しく入所(居)を予定している人。

 検査方法は、現時点では唾液(2mlの自己採取)によるPCR検査を基本とする。唾液採取が困難な人(高齢者で唾液の分泌量が少ない等)については、鼻咽頭から検体を採取する場合もある。

 検査結果は、1日当たりの検査数にもよるが検体採取日の当日か、区役所の翌開庁日の14時ごろまでに判明する見込み。区では、介護事業所に対して10月2日から検査を実施して以後、月曜から日曜までの検査施設数・検査人数・陽性者数を、翌月曜に公表している。

世田谷区陽性者件数 10月2日から25日までの「随時検査」と「定期検査」の結果(合計数)は次の通り=表・世田谷区HPより。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 ◇随時検査=施設数9、検査数120、陽性者数1(特養職員)
 ◆定期検査=施設数27、検査数303、陽性者数1(通所介護職員)

 結果的に、行政等が主導する形の「随時検査」ではなく、介護事業所が自ら希望して実施した「定期検査」で、約1ヶ月弱の期間で介護職員1名の陽性者が「判明」したことになる。また「定期検査を希望する介護事業所の申し込みも、増加し続けている」という。

◇─[後記]───────────

 現時点で「定期検査」は303人に検査して陽性者1名なので、確率的にみれば「わずか」かも知れませんが、これにより「全員が陰性」と判明した際の安堵感と、わずか1名でも陽性が判明した場合に緊急対応ができるメリットを考えれば、その効果は「絶大」です。

 財政的にみれば、全ての市区町村で世田谷区の「定期検査」と同じ内容のPCR検査を実行することは困難かも知れませんが、各市区町村で「可能な限り広範囲のPCR検査」を実施するためには、政府の強力な「財政援助」が必要です。

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