*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年10月13日(火)第362号*****

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東京都町田市、コロナ渦でも介護施設職員の相互派遣を行うスキームを構築
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 介護施設職員が新型コロナに感染するか、濃厚接触者となった場合は現場から「離脱」せざるを得ないが、その際に市内の介護施設で相互に職員を派遣し、施設の運営を継続させるスキーム(事業の枠組み)を、東京都町田市(石阪丈一市長)が構築した。

 町田市は10月5日、市内の介護サービス事業所で新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生した場合でも、介護サービスの提供体制を維持することを目的として「町田市介護サービス事業所人材連携に関する協定」を、市内の特養・老健の19法人と締結した。

町田市調印式 協定を締結したのは町田市と、市内で特別養護老人ホームを運営する14法人(17施設)と、介護老人保健施設を運営する5法人(5施設)と、町田市の外郭団体「町田市介護サービスネットワーク町田市介護人材開発センター」の4者=画像・協定締結の様子。右から二人目が石阪丈一市長

 【町田市が、市内5区域内の職員相互派遣の「要」となる】

 スキームの「要」となる町田市は、市内の介護施設で新型コロナの感染者情報等を入手した際に、その施設が「自助努力」で介護職員を充足できるかを確認する。ここで「難しい」と判断した場合は、今回の協定を締結した特養・老健施設に職員派遣を「打診」する。

 町田市は市内を5区域に分け、可能な限りその区域内で相互派遣を実施するが、仮に区域内でカバーすることが困難な場合は、市の外郭団体がその調整に当たる。派遣される職員は登録制で、事前に町田市が実施する説明会に参加することが義務付けられる。

 町田市では「新型コロナの感染はまだ終息しておらず、全国で起きた介護施設のクラスターの事例をみても、職員が『離脱』することで事業の継続が困難になる。今回は市内の特養・老健の運営法人の皆さんにご協力を頂き、協定が締結できた」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 新型コロナ対策としての介護職員の相互派遣は、国の予算でもその対象になっていますが、これは都道府県が「スキーム」を構築することが想定されています。東京都でも現在、この予算を使って「スキーム」を立案しているようです。

 また、介護業界でも職員の相互派遣の取り組みが実施されている事例はありますが、法人の系列を超えたケースは、例えば業界団体内での「スキーム」である事例が、現状ではほとんどだと思われます。

 町田市の取り組みは、自治体としてはこれらに先んじて独自に実施したもので、新型コロナ対策として行われましたが、今後も深刻な介護人材不足が予想される中で「将来」に備える意味でも、今回の町田市の「スキーム」は「全国の先進事例」と言えると思います。

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