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*****令和2年10月5日(月)第356号*****

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ツクイ・新型コロナの影響「5月が底で対前年比-8・8%だったが7月には回復」
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 介護業界大手のツクイは、今年10月1日から持ち株会社体制に移行し、商号を「ツクイホールディングス」に変更したが、その発表を兼ねて10月5日に、2021年3月期業績予想説明会を開催した。

 ここで新型コロナが業績に与えた影響について、同社の取締役COOに就任した高畠毅グループ戦略室長が、デイサービスの状況を取り上げて説明した。これによるとデイサービスの顧客数は、新型コロナの影響で今年5月が対前年比で-8・8%減となった。

ツクイ業績予想折れ線グラフ 高畠COOは「しかしこれがボトム(底)となり、その後7月には前年とほぼ同数にまで回復した。8月と9月は(新型コロナの)第1波ほどではないが、第2波の影響により顧客数は横ばいで推移するなど、少し影響が出ている」等と述べた=グラフ・ツクイ発表の資料より

 この点について、日本介護新聞は回復基調の要因と、今後の「ウイズ・コロナ」「アフター・コロナ」を見据えた経営戦略を質問したが、高畠COOは「利用控え対策として、資料の配布」「すでに、デジタル環境への投資を開始している」等と回答した。

 弊紙と高畠COOとの質疑応答は、次の通り。

 ▽弊紙=5月のボトムから「7月には前年とほぼ同数にまで回復した」とのことだが、これはデイサービスの「利用控えが解消された」ということか? そうだとすれば、どのような取り組みを実施したのか?

 ▼高畠COO=結果的には、7月には「利用控え」も例年程度にまで回復した。このための取り組みとして、弊社では独自に「デイサービス継続利用の効果」の調査を実施し、この結果をケアマネジャーやご家族向けに、資料として配布した。これが、効果があったと思う。

 ▽弊紙=今後の企業の事業展開について、世間では「ウイズ・コロナ」「アフター・コロナ」とも言われているが、御社はこの点で経営上変化した部分はあるのか?

 ▼高畠COO=今期は、政府からも新型コロナに対する様々な補助金が出ているが、われわれとしても介護現場へのタブレットの導入をはじめ、デジタル環境への投資を開始している。この点が、最も変わった点ではないかと考えている。

◇─[後記]───────────

 新型コロナの影響は、ツクイからみれば「昨年度の利益にまでは回復できないものの『大打撃』にまでは至らない」と言えそうです。ツクイは持ち株会社への移行があった関係で、この時期に2021年3月期の業績予想を発表しました。

 今後、他の介護業界大手が中間決算を相次いで発表します。ここでも弊紙では、新型コロナの影響に着目して、各社の業績にどの程度の影響が及んだのか、どのような点で「変革」に取り組んでいるのか、逐次取り上げていきたいと思います。

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