*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年6月26日(金)第293号*****
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内科医が「コロナに感染していないのに、最近ちょっと変」を解説
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新型コロナが流行して以降、コロナに感染していないのに「いつもと違ってちょっと変になってしまった」「いろいろと体調が悪くなってしまった」という人たちに、どんなことが起きているのかを、現役の内科医が解説して書籍として出版した。
東京・八王子の南多摩病院に勤める内科医の國松淳和医師は、コロナの発生以前から「精神的加重」による、怒鳴り散らす等の不適応行動に注目してきたが、コロナ発生後は、コロナへの過剰な不安から「精神的加重」を生じ、体の変調をきたす人が多いことに着目した。
このことを書籍「コロナのせいにしてみよう。シャムズの話」にまとめ、6月26日に都内で出版記者会見=画像=を開催した。國松医師は、コロナ禍による様々な心身への変化・負荷を「シャムズ(CIAMS:COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status)」と名付けた。
そして「コロナの感染拡大とその脅威によって、私たちの社会と生活は一変した。テレワークの推進や通販・宅配を中心とした購買等、人と手を取り合うのではなく、人と距離をとる社会へと変貌した」
「それによってコロナは、感染していないたくさんの人々も大きく蝕んでいる。『シャムズ』は、ときにうつ病や自殺をも引き起こしてしまう危険性すらある」などと、その影響の大きさに警鐘を鳴らした。
その一方で「しかし『シャムズ』は病気ではないし、病院に行く必要もない。『シャムズ』を理解し、きちんと対策をすれば具合は良くなる。あなたや、あの人の具合の悪さは、みんなコロナのせいだ。そもそも『シャムズ』はなっても良い」
「むしろなった方が自然かも知れない。ただし『シャムズ』をこじらせ、本当の病気になるのは良くない。その最たるものは『うつ病による死亡』だ」と指摘した。また「シャムズ」の対策として「雑談量を増やす」「自己メンテナンス」「周囲への声かけ」を挙げた。
この中の「自己メンテナンス」では、具体例として「コロナそらし」を挙げ「過剰な不安に陥らないために、テレビの情報番組を身の回りから遮断し、映画・音楽鑑賞や趣味への没頭など、コロナに関する『数字』を見ないようにすることも一策」などと述べた。
「『シャムズ』になった人、なりそうな人への対応には、身近にいる周りの人の助けが必要だ。つまり『一般の人が見つけて、一般の人がその場で治す』ことが重要だ。これからのコロナとともにある社会で生きるための術を、正しく身に着けて頂きたい」などと述べた。
書籍「コロナのせいにしてみよう。シャムズの話」(著者=國松淳和、金原出版)=画像=は、6月20日から全国の大型書店・ネット書店・医学書専門書店で販売している。価格は1,300円(税別)。詳細は金原出版・営業部(電話03-3811-7183)まで。
◇─[後記]───────────
弊紙が、國松医師が唱える「シャムズ」に注目した点は、著書で「高齢者の『シャムズ』は認識されにくい」と指摘している点です。特に介護サービスの「利用控え」をしている高齢者に対し、家族が「最近、ちょっと変だ」と感じている時は、参考になると思います。
また國松医師は「シャムズ」への対応として「医療者だけでは無理」とも指摘しています。特に介護職は、國松医師が対策として挙げている「雑談量を増やす」ことや「周囲への声かけ」は、日常的に実践していると思います。
しかし、今後予想されるコロナの第2波の襲来の前に、ここで一度「『シャムズ』かも知れない」という観点から、日常的に提供している介護サービスの内容を見直してみることも必要では、と記者会見に出席して感じました。
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