*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年5月25日(月)第269号*****

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加藤厚労大臣、介護現場全てへの危険手当「二次補正に向けて検討している」
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 新型コロナウイルス感染の恐怖に、日々直面している全ての介護従事者に対する「危険手当」について、加藤勝信厚生労働大臣は「どういう仕組みでやっていくのかという問題はあるが今、二次補正に向けて議論させて頂いている」と、支給に前向きな意思を示した。

山井議員 5月15日に開催された衆議院厚生労働委員会で、山井和則衆議院議員の質問=写真・衆議院HPより=に対して、加藤大臣が回答した。山井議員は、日本介護クラフトユニオン(NCCU)の政治顧問で、NCCUは5月1日に、厚労大臣宛てに「特別手当の支給」を求めた要請書を提出していた。

 山井議員は「危険手当」の定義として「コロナに感染された、施設や介護職員のところへの『危険手当』という意味ではない」と前置きした上で「濃厚接触者や感染者がおられなくても、介護現場全てに『危険手当』を出して頂けないか、という意味だ」と明示した。

 山井議員と加藤大臣の質疑応答の内容は、次の通り。

 ◇山井議員=介護職員の「危険手当」についてお尋ねしたい。これはどういう意味かと言うと、コロナで感染された、施設や介護職員のところへの「危険手当」という意味ではない。もちろんそれも必要だが、そうではなく、集団感染のリスクはどこにでもある。

 ◇別に濃厚接触者や感染者がおられなくても、介護現場全てに「危険手当」を出して頂けないか、という意味だ。なぜなら欧米ではコロナによる死者の約半数は、介護施設における集団感染だ。日本でも今後、これが深刻な問題になると思う。

 ◇この「危険手当」について、お願いできないか。それと同時に、そもそも人手不足が深刻化する中で、介護職員・障がい者施設職員の処遇改善を検討して頂きたい。

 ◆加藤大臣=まず、介護職の現場で働いているみなさんは、まさに新型コロナウイルス感染症が広がる中で、もちろんご自身の感染リスク、そこにおられる高齢者の方々、感染をした場合には重症化しやすいというリスクを抱えて日々、頑張っておられる。

 ◆職場における感染防止のみならず、通常の生活においても相当に気を配って頂いている。まさに身体ともにご苦労頂きながら対応して頂いていることに、あらためて感謝を申し上げたい。

 ◆まさに、そうして頑張って頂いている方々に対して一つは、私どもはこれまでも感染防止の拡大を防ぐという観点から、どういう対応を取れば良いのか、留意事項をまとめて周知を行ってきた。

 ◆また介護サービスについては、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合にも介護報酬等を減額しない、弾力的な取り扱い等もさせて頂いた。また第一次補正予算では、休業要請を受けた事業所等に「かかり増し経費」についても助成を行った。

 ◆その中で先ほど(山井)委員が触れられた、感染が起きているところ、そこにおける従業員の方々に対する「危険手当」についても、柔軟に対応できるようにしてきた。他の委員からもご指摘があったが、クラスターの発生は医療機関に次いで、福祉施設が多い。

 ◆福祉施設の場合は高齢者が多いので、そこで感染が発生すると死亡につながるリスクも高い。そういったところをどう守っていくのか、そこで頑張って頂いている方々をどう応援していくのか──。

 ◆これについては(山井)委員のご質問、また与野党からも頂いているところなので、どういう仕組みでやっていくのかという問題はあるが、今(政府の)中で、二次補正に向けて議論させて頂いている。

 ◇山井議員=「二次補正に向けて検討する」という前向きな答弁、ありがとうございます。

◇─[後記]───────────

 本日、緊急事態宣言が全面解除され、これに関する安倍首相の記者会見で「明後日(5月27日・水曜)、二次補正予算を決める」との発言がありました。加藤大臣が述べた内容が、どのような形でここに盛り込まれるのか、注目したいと思います。

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