*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和2年5月1日(金)第254号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・介護事業者への新型コロナ特別手当「補正予算でキチンと対応する」
─────────────◆◇◇◆◆

 介護現場で、新型コロナウイルスに感染するリスクを抱えながら、日々の介護サービス提供を継続している介護従事者への「特別手当の支給」を求める声に対し、厚生労働省は「補正予算でキチンと対応する」と回答した。

 介護従事者の労働組合・日本介護クラフトユニオン(久保芳信会長、略称=NCCU)は5月1日、加藤勝信厚生労働大臣に宛てて、介護従事者への特別手当の支給と、衛生用品の安定供給に向けた「強力かつ有効な措置を講じること」を求める要請書を提出した。

NCCU」要請書手渡し NCCUの染川朗事務局長と村上久美子副事務局長が5月1日に厚労省を訪れ、老健局総務課の栗原企画官に「要請書」を手渡した=写真・NCCU発表資料より。この席でNCCUは「現場の介護職員は非常に疲弊している」

 「自身の感染のみならず、媒介者となってしまうという危機感の中にいる」「欧米の高齢者施設では、多くの利用者が犠牲になっている」「衛生用品は高騰しており、介護報酬で補える価格ではない」

 「このような中で、懸命に現場を支えている介護職員に対して特別な手当等の対応も必要」等と訴え、国としての対応を要請した。これに対し厚労省は「昨日成立した補正予算の中でキチンと対応していきたい」

 「事業を継続するための策として、ご指摘されたような掛かり増し的な増加費用を支援する措置を行い、特別手当の原資としても広く使えるようにする」等と回答した。NCCUが要請書で指摘した2点の概要は、次の通り。

 【1、介護従事者への特別手当の支給】密室や浴室でのケア・唾液に触れる食事のケア・排泄ケアなど、感染リスクの極めて高い業務にあたる介護従事者の労に報いる特別手当を、国の責任において支給することを要請する。

 【2、衛生用品等の更なる支援】マスク・消毒液・防護服などは依然として不足しており、通常ルートでは確保できない。場当たり的な対応ではなく、安定供給に向け強力かつ有効な措置を講じることを要請する。

◇─[後記]───────────

 NCCUは4月15日に、政府に対して3項目の要請を行っており、この一つに盛り込まれていた「介護従事者の労災認定」は一昨日に実現し、厚労省がその内容を公表しました(昨日付け弊紙ビジネス版で既報)。今回の要請は「第2弾」となります。

 残り2つの項目「1、衛生用品の安定供給に向けた、強力かつ有効的な措置」「2、学童保育・保育園の受け入れ制限地域で、警察・医療関係者と同様に、介護・福祉従事者も受け入れ対象とすること」のうち「1」は、今回の「第2弾」に再度盛り込まれました。

 「2」は、各自治体の判断になりますが、それでも改善された事例が徐々にNCCUに報告されているそうです。今回の厚労省の回答が、過酷な労働環境で苦闘する介護従事者の皆さんにとって、わずかでも精神的なやすらぎになれば、と思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2020 日本介護新聞