*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年4月24日(金)第250号*****

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新型コロナ対策、医療・介護の垣根を超えた「地域内協力体制の構築」を要望
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い「医療崩壊」の危険性が叫ばれる中、主に高齢者を対象とした慢性期医療を担う医師たちから「地域の医療を継続するための支援」を求める声が上がった。

日慢協要望書 日本慢性期医療協会(日慢協、武久洋三会長)は4月24日、厚生労働省の加藤勝信大臣と、吉田学医政局長に宛てて「新型コロナウイルス感染症に関する慢性期医療における対応の支援について」と題した要望書=画像=を提出し、次の5項目の要望を挙げた。

 1、新型コロナ感染症患者の、入院先の的確な調整と確保
 2、慢性期型地域多機能病院における、資材の確保や報酬上での支援について
 3、慢性期型地域多機能病院で、新型コロナ感染症患者が発生した場合について
 4、新型コロナ感染症から治癒した患者への対応について
 5、地域内協力体制の構築について

 そもそも慢性期医療機関は、感染症医療機関とは受け入れる患者が異なるが、日慢協では新型コロナが世間で騒がれ始めた当初から「感染抑制のため、当協会員は積極的に協力する」と宣言していた。

 具体的には、感染症指定医療機関等が新型コロナ感染症患者への治療に集中して当たることができるよう、すでに同機関などに入院していた慢性期患者の受け入れ(=転院)を行い、「側面的サポート」に積極的に関わってきた。

 しかし、新型コロナが市中に蔓延する状態に近づいている現状を受け、日慢協が役員の会員病院にヒアリングを行ったところ「慢性期型地域多機能病院であっても、新型コロナの疑いがある発熱患者の外来受診もあり、対応を余儀なくされている」等の声が寄せられた。

 これを受け、日慢協では「慢性期型地域多機能病院の入院患者はほとんどが高齢者であり、複数の疾患を有しておられる。これらの患者が新型コロナに罹患すれば、重症のリスクが非常に高いことは明らかだ」

 「(日慢協の会員病院では)感染症対応への専門的訓練を受けていないスタッフが多く、マスク・ゴーグル・防護服などの資材も十分には持ち合わせていない。しかし医療従事者として、どのような状況であろうと最善を尽くし、診療や患者のケアを行うのは当然だ」

 「(一方で)私たち医療現場では、新型コロナの拡大に関連してすでに、外来及び入院患者数の大幅な減少も見られ、(病院経営の)収支バランスが崩れており、運営に支障をきたし、今後の医療を継続していくには危機的状況に陥りつつある」等と窮状を訴えている。

 これらを踏まえて「要望書」では、感染症医療機関や慢性期医療機関、介護施設・事業所との情報共有や連携体制の構築の必要性等を挙げ「感染症患者の集中化」「組織を横断した人材派遣」の実現等を要望している。
 
◇─[後記]───────────

 日慢協の武久会長は、定例の記者会見等で「私たちは、例えば診療報酬の改定時に、当協会の会員にだけ優遇を求めるような要望は絶対に出さない」と明言してきました。その中で「日本の寝たきりを、現在の半分にする」との目標を掲げ、その実現に取り組んでいます。

 その日慢協が、慢性期医療現場の窮状を訴えた今回の「要望書」には、非常に重い「要望」が込められていると弊紙では感じ取っています。特に5番目の「地域内協力体制の構築」は、介護業界にとっても重要な提言であると思われます。

 いずれにせよ、新型コロナの感染拡大は、高齢者を中心とした慢性期医療にも大きな影響を及ぼし始めています。地域の慢性期医療が「崩壊」すれば、地域の介護も連鎖します。厚労省には、ぜひこの点に着目し、最善の手段を講じてもらいたいと、切に願います。

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