*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和2年4月6日(月)第236号*****

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新型コロナ、軽度の感染者で「高齢者・介護職員の同居者」は優先的に「宿泊療養」
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 新型コロナウイルスの感染者急増で「医療崩壊」の危機が叫ばれる中、軽症患者は「都道府県等が確保した宿泊施設で受け入れる」体制が整備されているが、その際に「高齢者・医療従事者・福祉介護職員等の同居者」は、優先的に宿泊施設が確保されることになった。

宿泊療養の概要 4月3日に厚生労働省が、都道府県等へ連絡文書を発出した=画像。新型コロナ感染者の受け入れが可能な病床の確保が難しくなっている現状で、感染者が発生した場合、次の4つのケースは「入院勧告の対象」となる。

 1、高齢者
 2、基礎疾患がある者(糖尿病、心疾患又は呼吸器疾患を有する者、透析加療中の者等)
 3、免疫抑制状態である者(免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者)
 4、妊娠している者

 これらの「入院勧告の対象」とならない軽症患者で、高齢者等と同居している場合は、病床数の状況を踏まえて、可能な場合は入院の措置を取る。これは、軽症患者が仮に自宅療養した場合、同居する高齢者が感染して重症化するのを防ぐのがねらい。

 さらに、その地域における感染者が増加し、入院を要する患者数も増大して、地域の医療の提供に支障をきたすと判断される場合に軽症患者は、都道府県が用意する宿泊施設での安静・療養を行う「宿泊療養」を実施することになる。

 この「宿泊療養」を実施しても、その地域で感染者の増加が止まらず、宿泊施設の受入可能人数を超えることが想定される場合は、次の2つのケースでは優先的に「宿泊療養」のための施設が確保される。

 (1)高齢者等と同居している軽症者等
 (2)医療従事者や福祉・介護職員など、その業務で高齢者等と接触する者と同居している軽症者等

 今回の厚労省の通達では、「宿泊療養」以外に「自宅療養」の選択肢も示されているが、仮に軽症患者が「自宅療養」する場合でも、同居する高齢者との間で、宅内での空間を分ける対応ができない場合は「確実に宿泊施設を利用できるよう、配慮すること」としている。

 「宿泊療養」した軽症患者は宿泊中は健康観察を行い、症状が悪化した際は医療機関に連絡して入院の措置が取られる。一方、症状が順調に回復し、新型コロナで入院した際の「退院基準」(PCR検査で2回連続で陰転化を確認等)を満たせば「宿泊療養」を修了する。

◇─[後記]───────────

 今回の厚労省の通達は「高齢者に感染させないように、その同居者と、高齢者に介護サービスを行う介護職員の同居者は、優先して宿泊させて下さい」という意味になると思います。その中では「介護職員」は「医療従事者」と同等に位置づけられています。

 これは、新型コロナの感染対策で最も留意すべき「高齢者」に、最も近い立場でサービスを提供している職業と解釈されているからだと思います。現在は全国で、どの医療現場でも介護現場でも、命がけで「新型コロナ対策」に取り組んでおられます。

 そもそも「医療供給体制がひっ迫している」ことから、その対策として今回の措置が取られたと考えられますが、仮に介護施設で職員が感染者となった場合、現場ではマンパワーが不足し「介護サービス提供体制が急激にひっ迫する」ことになります。

 「医療崩壊」になれば、他国で起きているような感染者・死亡者の急増が起きてしまいますので、これに最優先で取り組むことは当然ですが、一方で「介護崩壊」を起こさないための対策やサポートも、政府として早急に、何らかの策を講じて頂きたいと切に願います。

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