*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和2年3月13日(金)第221号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・都道府県に備蓄マスク等の放出「3度目の要請」
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省があらためて、都道府県等に対し、備蓄しているマスクや消毒用アルコール等の、介護事業所等への積極的放出を求めた。3月12日に依頼文書=画像=を発出した。これまで厚労省は同様の主旨の通達を2度出しており、今回が「3度目の要請」となった。

厚労省3度目の通達 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、厚労省は2月21日に「1度目の要請」を行った。内容は、各都道府県の衛生主管部局と介護保険主管部局が連携して、各都道府県で備蓄している衛生用品の、高齢者施設等への放出の検討を依頼したもの。

 しかし厚労省は「各都道府県内における衛生部局や防災部局など、関係部局との連携が 不十分であった事例も散見された」として、効果が上がっていないと判断し、3月6日に「2度目の要請」を行った。

 これは「都道府県等におけるマスク・消毒用アルコール等の備蓄に係る追加調査について」と題して、「各都道府県内の関係部局間がよく連携した上で、庁内の衛生用品の在庫量の把握をお願い」した内容だった。

 しかし、介護現場ではマスク等の衛生用品の不足状況が一向に緩和されないため、3月12日に「3度目の要請」となる「都道府県等におけるマスク・消毒用アルコール等の備蓄の積極的放出について」と題した文書を発出した。

 ここでは、「関係部局との緊密な連携をして頂いた上での調査結果である『マスク等の衛生用品の在庫』について、他部局とも連携しながら、高齢者施設等に可能な限り積極的に放出して頂きますよう、改めて検討をお願いいたします」と要請している。

 さらに厚労省は今回、「直近で厚生労働省が把握している、いくつかの地方自治体の放出事例をご参考までに情報提供します」として、次の4例を挙げた。

 ▼川崎市=2月28日に、市内の介護事業者に「各種衛生用品の不足状況」を尋ねた。これに3月4日までに回答した事業所に対し、マスクは1施設につき、入所系3箱・在宅系2箱を配布。消毒液(1リットル)は同様に、入所系2本・在宅系1本を支給。

 ▼枚方市=市内の入所施設36ヶ所(特養24・老健9・障がい者支援3)の従業員に対し、1人7枚(1週間分)を配布すると、3月9日に発表。

 ▼いわき市=災害時備蓄マスク約10万枚のうち約9万枚を、医療機関・保育所・幼稚園・児童施設・高齢者入所施設・障がい者入所施設に配布すると、3月9日に発表。

 ▼三重県=県で備蓄していたマスク7万7千枚を、高齢者施設5万200枚・障がい者支援施設1万250枚・放課後児童クラブ1万5250枚・医療機関1300枚──にそれぞれ配布すると、3月4日に発表。

 その上で厚労省は、「特に今月(3月)中に積極的な放出をお願いするとともに、今後、各地方自治体から高齢者施設等へ備蓄を放出された場合は、E-mailで随時ご報告をお願いいたします」と、対策の早期実施を要請している。

◇─[後記]───────────

 弊紙が取材した範囲でも、ある自治体で介護保険部門の責任者が「ウチには備蓄のマスクはないと聞いている」と言っていたものが、その直後にその自治体の防災部門から「マスクと消毒液を医療関係者に緊急配布する」と発表された事例も、実際にありました。

 極めて「残念な事実」ですが、このような現状に厚労省も業を煮やして「備蓄を放出された場合はE-mailで随時ご報告を」という事態に陥っているのが、実情と言えるでしょう。各自治体の備蓄量は限られているでしょうが、早急に「最善」を尽くすことが求められます。

────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2020 日本介護新聞