*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年3月9日(月)第217号*****

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厚労省・通所者への訪問介護による代替策、現場は「発熱した要介護者に対応できない」
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 新型コロナウイルスの感染対策で、政府が実施した施策が、介護現場で混乱を生じている現状を浮き彫りにした。介護従事者の職業別労働組合である日本介護クラフトユニオン(NCCU)が緊急アンケートを実施し、その中で自由記述の回答を分析して判明した。

NCCU最終アンケート結果 「新型コロナウイルスに関する緊急アンケート」として組合員に依頼し、3月6日に最終結果を発表した。NCCUでは、この中の自由記述から浮かび上がった、主な課題として次の3点を挙げて、問題点を指摘した=画像・NCCU発表資料より。

 1=「小中高等の一斉臨時休校」により、介護現場の人手不足が加速し、過重労働や利用者への悪影響が懸念される。

 2=「テレワークや時差出勤の推進」は、介護業界ではそもそもそのような働き方を選べない。

 3=「デイサービス等で、発熱のため利用を断った利用者には、訪問介護等の提供を検討する」は、日常的な人手不足の中、急なシフト追加には対応しきれない。また訪問介護員は法律上、利用者に市販薬を飲ませることさえできない。

 この中で、特に「3」についてNCCUでは「介護業界の中でも、最も人手不足が深刻な訪問介護の現場からは『急なシフト追加には対応しきれない』『学校が休みになり、仕事を休まざるを得ないスタッフも増え、サービスを提供できない』等の意見が寄せられている」

 「訪問介護員の不足により、支援が行き届かないケースが発生することが懸念される。また『事業所のマスクは在庫ゼロ。訪問介護は[最後の砦]と言われる割には、ヘルパーに対する扱いが雑すぎる』」等の、現場からの真摯な訴えを紹介している。

 また「必要な衛生用品すら整っていない中で、医療専門職ではない訪問介護員が、発熱している要介護者への対応を行うことへの不安も発生している」と厚労省の通達に対して、現実に対応を迫られる現場の混乱も指摘している。

 これらを踏まえ、NCCUは「厚生労働省の(介護事業者に対する一連の)通達は、感染拡大を防ぐ措置としては有効であったとしても、発熱した要介護者に対しての適切な対応方法とはいえない」

 「NCCUは、訪問診療医や薬局と、訪問介護事業所との連携強化策など、現在の対応方法にある課題を克服するための具体的施策を早急に示すよう、国をはじめ自治体に対して求めていく」と述べている。

 今回の緊急アンケートは2月28日から3月4日まで、組合員が働く全国4043の介護事業所に一斉にFAXを送付し、管理者が記入して返送した。 回答は1437 事業所からあり、回答率は35・5%だった。

◇─[後記]───────────

 NCCUは今回のアンケートの最終結果を発表する前に、「中間報告」を3月2日に公表しました。弊紙ではその内容を、同日付けと翌3日付けの2回に渡って配信しましたが、その際に指摘された「マスク等の衛生用品の不足」状況は、改善されていませんでした。

 名古屋市では3月6日に、新型コロナに感染した高齢者が関係する、二つの区にある全ての通所介護事業所を含む126ヶ所に、2週間の休業を要請しました。厚労省には一刻も早く、問題点を修正した「現実に即した対応策」を示してもらいたいと思います。

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