*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年3月4日(水)第214号*****

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新型コロナの影響・介護技能実習評価試験「現時点で救済策なく『強制帰国』も」
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 技能実習制度の介護職(以下「介護実習生」)は、実習1年目を修了するまでに「介護技能実習評価試験」(以下「評価試験」)を受験し、合格しなければ実習2年目に進めないが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け「評価試験」で混乱が起きている。

 「評価試験」では、「受験者」である実習生と、実習生を指導する「技能実習指導員」がいる実習実施先(介護施設・事業所)に、「試験評価者」が訪問して試験を実施する制度になっている。「試験評価者」は、実習実施先とは違う法人に勤務する者が選出される。

 この実習実施先と「試験評価者」の日程調整や人選等のマッチングに当たるのが「評価試験」の実施機関であるシルバーサービス振興会だが、同振興会によると「(現時点で)在留資格の期限の延長等に関する法改正や、特例措置を講じる等の動きはない」という。

シルバーサービス振興会通知 このため同振興会は2月28日、「評価試験」の当事者となる実習実施先や監理団体、「試験評価者」に宛てて「介護技能実習評価試験は、技能実習生ごとに定められた在留期限内に試験を実施しなければならない状況だ」と通知した=画像・同振興会HPより

 技能実習制度の主たる監督官庁である厚生労働省は、実習実施者等に宛てて「技能実習生の不利益とならないよう(政府の)対策本部から示されている、新型コロナウイルスの感染症対策を講じた上で、通常どおり試験を実施することとする」と通知している。

 「評価試験」は、「受験者」である介護実習生が勤務する介護施設で実施される場合がほとんどで、この介護施設自体が新型コロナの感染拡大の影響等で試験が実施できないケースや、「試験評価者」「受験者」等の都合で試験実施が困難なケースも想定される。

 同振興会では、試験日程を延期することで対応しているが「延期する期間にもよるが、在留資格の期限の延長等に関する法改正や特例措置を講じる等の動きはないことから、在留資格の期限までに受検され、これに合格しない場合には、帰国となる」と指摘している。

◇─[後記]───────────

 言うまでもありませんが、介護実習生はもはや「国際貢献という建て前」ではなく「戦力としての人材」として日本の介護事業所や施設で勤務しています。この介護実習生を、人員配置基準に換算して施設を運営している事業者も多いはずです。

 この介護実習生たちが「評価試験」を受験できずに、実習1年目の在留期間が終了し「強制帰国」となれば、日本の介護現場はどうなるのか……厚労省は至急「緊急対応」をすべきです。

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