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*****令和2年2月5日(水)第194号*****

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クルーズ船乗員乗客検査・31人中10人が陽性、加藤大臣「判断できない」
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 横浜港に到着したクルーズ船の、乗員乗客に対して行った新型コロナウイルス検査で、10人に陽性反応が確認された問題で加藤勝信厚生労働大臣は、検査結果が判明した31人について、ランダムに実施したのか否かを問われ「今の状況では判断できない」と回答した。

加藤厚労大臣 2月5日午前8時42分から、加藤大臣が厚労省内で緊急会見して明らかにした=写真・厚労省HPより。検査は、発熱等の症状がある人、あるいはその濃厚接触者等の人トータル273人分の検体を採取した。31人を除く残りの242人分については「今、ウイルス検査の確認中だ」と答えた。

 また「ウイルスの有無を科学的に確認せずに、疫学的な条件のみで判断する場合には、最大14日間の潜伏期間を想定した措置をとっているところだ。それを踏まえて今、入国制限等も実施している」

「残る乗員乗客の方々には、そうした考え方を取っているということを踏まえて、必要な期間船内に留まって頂きたい。引き続き、臨船検疫を進めていきたいと思っている」等と述べた。記者会見における、質疑応答の内容は次の通り。

 □記者=現在の検査結果について確認させて頂きたい。31人分の結果が判明し、10人が陽性ということは、21人分は既に陰性が確定しているという判断か?

 ■大臣=そうだ。

 □記者:残りの242人分については、今、ウイルス検査の確認中ということか?

 ■大臣:そうだ。正確に言うと、一部は確認を検疫所で作業を進めている。それから、一部は昨日の晩から今朝にかけて検体を採取したので、患者のみなさん、患者で陽性反応のあった皆さんと一緒の船に乗せこんで、今、それぞれ検体を分析するところに移送し、これから調査を行うという段階だ。

 □記者=船内の健康診断等は、すでに終了しているのか? というのもこの273人以外に、さらに感染者、濃厚接触者としてウイルス検査が必要になる方はいるのか?

 ■大臣=現在、健康確認、検温、問診、質問表への記載、それを踏まえた問診と、一連の作業は終了している。それから「PCR検査」に関しては、先ほど273人分と申し上げたが、中国等の状況を見ると高齢者・基礎的疾患がある方が重篤となる危険性がある。

 【PCR検査=医療機関で採取された微量の検体(患者の鼻腔や咽頭を拭ってウイルス保存培地に浸した綿棒等)を高感度で検出する手法で、クラミジアやウイルスといった顕微鏡では見ることのできない病原体の有無を調べる】

 ■従ってそこを想定した上で、これは準備ができ次第ではあるが、高齢者とか基礎的疾患がある方は、一応ここの段階で「PCR検査」をやっておく必要があるのではないかと考えており、そうした措置を取っていくべく準備を進めていきたいと思う。

 □記者=陽性が出ている患者の症状について。現在、重症の患者はいるのか?

 ■大臣=今、その状況について確認をしているところだ。ただ、ストレッチャー等で運ばれている方はいないと承知をしている。それ以上については、病院できちんと検査をしないと断定的なことは申し上げられない。

 □記者=二点、お伺いしたい。10人の方の容態で、発熱や咳などあれば教えて欲しい。もう一点、先ほど大臣が言っていた「14日間」は、陰性の方であっても船内に留まるという趣旨の発言だったと思うが、いつまで船内に留まると厚労省は設定をしているのか?

 ■大臣=まず10人の方については、それぞれ症状があるとは承知をしているが、具体的な状況はやはりもう一回、入院機関の中でチェックをして頂いてからでないと正確なことを申し上げる状況にはない。

 ■それから「14日間」というのは、今「14日間だ」と決めたわけではない。これまでの措置が「14日間」ということを踏まえて、必要な期間は船内に滞在して頂く必要があると思っている。

 ■それから、これは追加的な話ではあるが、この船には乗客の方が2666人、乗員の方が1045人。合わせて3700人近い方が乗っているが、日本以外にも香港・台湾を含めて56の国、地域の方々が乗っておられる。これも踏まえながら対応していかねばならない。

 □記者=船は、検疫が終わった形にはならず、上陸許可が出なくて、沖に停泊したまま14日近く、今乗っている乗客・乗員の皆さんはその中に居なければいけないのか?

 ■大臣=まず一つは、現在は臨船検疫をやっているので、当然、仮の検疫済証も含めて検疫済証が出ていないから、この船から上陸することはできない。ただ、今は離れたところにいるので、具体的な船の状況はこれからまた相談をしていかなければならないと思う。

 □記者=厚労省では「14日間」というのを、WHO(世界保健機関)からは「大体10日間くらいに潜伏の期間を短縮しても大丈夫なのではないか」ということが示されているが、今のところは「14日間」を見ているということか?

 ■大臣=今回チャーター便(で帰国した人)は、まず一回「PCR検査」をして頂いて、それから10日間後にもう一回「PCR検査」をして、そして陰性だと、こういう一定の手続きを踏んだ方は10日間だ。

 ■そうでない場合には、先ほど申し上げた疫学的というのは「何も症状が出ていなければ」ということで「14日間」だ。現段階では(クルーズ船乗員乗客の)皆さん方にはまだ「PCR検査」をするという状況ではないので、「14日間」を原則に考えていく必要がある。

 □記者=「14日間」というのは、今日(2月5日)をゼロ日目と数えて14日間となるのか?

 ■大臣=まず、感染を予防する行動を取って頂かないとならない。どういうことをしたら良いのか、あるいはどういうことをしないで欲しいかを今、船内で徹底させて頂いている。したがって今日からその起算を考えていかなければいけないと考えている。

 □記者=10名の方の乗員と乗客の、内訳がわかっていたら教えて欲しい。

 ■大臣=すみませんが、確定的なことは言えない。現段階ではわからない。

 □記者=31人中10人というのは、かなり高い率のように思われるが、何か症状のよく見られる方を優先的に検査したのか? それともそういうのは特になくて、ランダムに検査した結果で、そういった方が出られたのか教えて欲しい。

 ■大臣=全体としてどう取ったのかというのは、今の段階では必ずしもはっきりしていない。全くランダムなのか、例えば有症者の集団がそれにかなり入っていたのかについては、ちょっとまだ今の状況では判断できない。

 □記者=この10人について、性別の内訳や年齢を教えて頂きたい。

 ■大臣=10人のうち、日本国籍の方が3名。年齢は50代以上の方々だ。中には80代の方もいる。

 □記者=現段階で感染症法上の一類感染症であるとか、あるいは検疫法の34条を使うとか、そういったお考えや検討はあるのか?

 ■大臣=本件に関しては、まだ先ほど申し上げた臨船検疫をしているという状況なので、この状況の中ではそういった措置を取らなければいけないという状況は発生していない。

 □記者=まずは31人が判明したということだが、最終的に273人全員が判明する見通しは、どのようにお考えか?

 ■大臣=一つは、船のバラスト(船舶の重量を増したり重量のバランスを取ったりするために積み込む重し)がいっぱいになっており、それを抜かなければいけないので今、外洋に向かって多分動くか、動こうとしている最中だと承知をしている。

 ■従って、それから戻ってくるのに最低10時間以上かかる。これは今の船の動きだ。それから「PCR検査」は既にかかっているもの、それから陽性確認された方々と一緒に船から降りて今ちょうど配送しており、それぞれのところに持って行っている。

 ■それがそれぞれのところに届き、そして確認するということで、まだ数日かかるのではないかと考えている。

◇─[後記]───────────

 テレビのニュース番組で報じられている内容では、よくわからない部分があったので、厚労省が発表した本日の大臣会見の内容を、文言の修正を加えた上で全文を掲載しました。この中で弊紙が最も気になったのが「31人」の抽出方法です。

 「ランダムか否か」を問われた大臣が、回答でなぜ明言を避けるのか……。検査官に確認すれば簡単にわかる問題だと思います。これが不透明だと、質問した記者が「31人中10人というのは、かなり高い率のように思われる」との疑念を抱いたのも当然だと思います。

 大臣の発言にもあるように「中国等の状況を見ると高齢者・基礎的疾患がある方が重篤となる危険性がある」のであれば、「正しく、おそれる」ためにも、政府にはまず「正しい情報」を伝えて頂きたいと思います。

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