*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和2年2月3日(月)第192号*****

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特定介護、国内試験受験者数が300人前後に急増・合格率は低下
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 特定技能の介護職(以下「特定介護」)の国内試験の受験者数が急増している。昨年10月に第1回目を開催した際は50人程度だったが、11月の第2回目は倍の100人以上となり、12月の第3回目はさらに倍以上の300人前後となった。

 「特定介護」の試験は、介護技能評価試験(以下「介護技能」)と介護日本語評価試験(以下「介護日本語」)の2科目があるが、12月の国内試験の受験者は「介護技能」が304人、「介護日本語」が285人だった。

特定技能・12月国内試験結果 1月31日に厚生労働省が、12月開催の国内・海外試験の結果を発表してわかった=表。「特定介護」の試験は現在、国内の他は海外5ヶ国(フィリピン・カンボジア・ネパール・インドネシア・モンゴル)で実施されているが、受験者数では国内試験がトップになった。

 ただし合格率は11月試験より低下して「介護技能」が55・9%(11月=64・6%)、「介護日本語」が76・8%(11月=81・3%)だった。一方、昨年4月から毎月現地で試験を開催しているフィリピンは、11月試験で500人規模の受験者があったが12月は半減した。

 12月の合格率は「介護技能」が70・0%、「介護日本語」が65・4%で、11・12月の合格率はほぼ60~70%台で推移しているものの、4月と10月の試験では2科目とも80%前後をマークしている。全体的に、受験者数も合格率も「浮き沈みが激しい」状態。

 各国の、これまでの「特定介護」試験開催状況と、結果の概要は次の通り。

 ■国内(10・11・12月開催)=受験者数は開催のたびに倍増し、12月は300人前後にまで増加したものの、合格率は2科目とも50~80%台で安定していない。

 ■フィリピン(4月から毎月開催)=受験者数は毎月の変動が大きいが、おおむね250人前後。合格率は4月に約80%をマークして以降はほぼ毎月50%を下回り、直近3ヶ月は2科目とも60~80%に収まっている。

 □カンボジア(9・10・11・12月開催)=受験者数は、最初の2ヶ月は100人規模だったが、直近2ヶ月は35人以下にまで減少。2科目の合格率も、計8回の試験(2科目×4ヶ月)で50%を超えたのはわずか1回で「ひとケタ」が5回もある。

 □ネパール(10・11・12月開催)=受験者数は、初回に15人ほどしかいなかったが、2回目は50人程度、3回目は30人程度で推移。合格率は初回の「介護技能」で0%(全員不合格)だったが、その後の2回は20%前後に落ち着く。

 □インドネシア(10・11・12月開催)=受験者数は、初回の46人から増加し続け、3回目は100人規模にまでなった。ただし2科目の合格率は38~58%以内で揺れ動いている。

 □モンゴル(11・12月開催)=受験者数は、2回ともほぼ60~70人前後。合格率は初回でほぼ70%を記録したが、2回目は30~40%に落ち込んだ。

◇─[後記]───────────

 技能実習生の受け入れ目的は、名目上は「国際貢献」ですが、現実的には「人材確保」です。これに対し特定技能は、名目からして「人材確保」です。それが目的で試験を開催するのに「落とすため」に実施していては、全く意味がありません。

 受験者数でバラツキがあるのは、各国で事情が異なり仕方がないにしても「人材を受け入れるため」に試験を行うのであれば、やはり合格率が80%前後で推移するような制度にすべきだと、弊紙では考えます。

 「日本で働きたい」という「志」を持つ外国人材が、12月だけみても国内外で約750人以上が「特定介護」の試験を受験しています。まずはこれらの「志」ある方々に「どうすれば日本で介護職として働いてもらえるか」の視点から、制度の詳細を再考すべきでしょう。

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