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*****令和2年1月22日(水)第184号*****

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日本透析医学会、終末期でない患者の「透析中止」容認の提言(案)公表
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 日本透析医学会(JSDT)は1月20日、一定の条件の下で、終末期ではない患者の「透析の中止や導入の見合わせ」を容認する提言(案)を公表した。これを正式な「提言」とするため、2月16日には東京医科歯科大学鈴木章夫記念講堂(東京都文京区)で公聴会を開く。

日本透析医学会 またJSDTは1月20日から1月26日まで、公表した提言(案)に対するパブリックコメント【公的な機関が規則あるいは命令等を制定しようとする時に、広く公に(=パブリック)、意見・情報・改善案など(=コメント)を求める手続き】を募集している=画像・JSDTのホームページより

 提言(案)の正式名称は「透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言(案)」。厚生労働省が2018年に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を策定したことを踏まえたもの。

 また、JSDTは2014年に「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」(以下『提言』)を公表したが、その約2年後に実施した全国規模の実態調査では、医療現場での苦悩が浮き彫りとなっていた。

 その時の調査結果についてJSDTは「47・1%の透析施設が透析を見合わせた経験があり、見合わせた患者の89・7%が高齢者で、46・1%が認知症患者であり、7・5%が透析を開始・再開していた。『提言』に準拠しない見合わせを23・4%が認めた」

 「人生の最終段階ではない、患者本人の強い意思と家族等の同意による『見合わせ』が行われており、医療チームが難しい判断を迫られ苦悩している現状も浮き彫りになった」等と指摘している。

 さらに「なお、透析『見合わせ』は、透析を差し控える、または透析の継続を中止するのではなく、透析を一時的に実施せずに、病状の変化によっては透析を開始する、または再開する意味で使用している」と述べている。

 今回の提言(案)と、前回の『提言』については「前『提言』は、人生の最終段階にあたる維持血液透析患者を特定したため、今回、医療現場の状況も踏まえて、導入期患者と腹膜透析患者も対象に含めて、より良い医療とケアを提供することを目指して改訂を行った」

 「本提言(案)はSDM・ACPの、意思決定プロセスもより詳細に提示し、全国の透析施設で参考にできる内容とし、すべての患者が人生を全うできるように医療チームが尊厳ある生(=「尊厳生」)の立場で支援し、生命の質が向上した最期を迎えられることを目指した」

 【SDM=人生の最終段階の医療とケアについて、患者にとって最良の選択を行うプロセスである共同意思決定】
 【ACP=本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセスであるアドバンス・ケア・プランニング】

 「本提言(案)は、生命を短縮させる意図をもつ透析の見合わせを対象としていない。なお、本提言(案)は、透析の開始と継続についての意思決定プロセス、および透析を見合わせた後の医療とケアについての意思決定プロセスを示したものである」

 「本提言(案)をどのように使用するかは各施設の判断に委ねられている」と、序文で述べている。

◇─[後記]───────────

 今回のJSDTの提言(案)は、「終末期ではない患者」を対象としていることに、大きな意義があるようです。パブリックコメントや公聴会で、どのような意見が寄せられるのか……まずはこの点に注目して、続報をお届けしたいと思います。

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