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*****令和2年1月13日(月・祝)第177号*****

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インフルエンザ対策ワクチン接種、「行ったことがない」が25・8%
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 インフルエンザの感染予防対策として、ワクチン接種が一般的な対策として知られているが、これを「毎年行っている」人が35・1%いる一方で、「行ったことがない」人が25・8%もいることがわかった=グラフ・調査結果資料より

ワクチン接種 「毎年ではないが、行ったことがある」人は39・1%だった。AMR臨床リファレンスセンターがこのほど実施した、インフルエンザや風邪についての20~60代の男女318人へのアンケート調査で判明した(一部内容は1月7日配信の弊紙第173号で既報)。

 調査結果の分析の中で、同センターの藤友結実子主任研究員は「ウイルスと細菌の違い」「インフルエンザや風邪で抗菌薬を使用すると、どんな副作用があるのか」「ワクチン接種の重要性」の3点について、次のように解説している。

 ■【ウイルスと細菌の違い】=インフルエンザは、「インフルエンザウイルス」が原因で起こる病気だ。ウイルスをやっつけたいときに、抗菌薬を使っても全く効果がない。抗菌薬は、その名の通り「菌」をやっつける薬だ。

 ウイルスも細菌も、人に感染して病気を起こす「小さな生物」だと漠然と理解されていることが多いと思われるが、ウイルスと細菌は全く違う。細菌は、ウイルスの10倍から1000倍の大きさがある。

 例えば、ウイルスを「アリ」とすると(種類にもよるが)細菌は「人間」ほどの大きさになる。また、細菌は自分でエネルギーやたんぱく質を作る構造を持ち二分裂で増えるが、ウイルスはそのような構造を持たないため、他の生物の細胞の助けを借りることが必要だ。

 ■【インフルエンザや風邪で抗菌薬を使用すると、どんな副作用があるのか】=ウイルスが感染して起こる風邪やインフルエンザに、抗菌薬を服用しても、風邪もインフルエンザも治らない。それどころか、体に行き渡った抗菌薬は、副作用として下痢や腹痛を起こす。

 インフルエンザで具合が悪いところに、効果のない抗菌薬を飲むことにより、副作用で苦しむかもしれない。さらに、不必要な場合に抗菌薬を飲むことは、「薬剤耐性菌」を生み出したり増やしたりする環境を作ってしまう。

 このようなことを繰り返していると、抗菌薬が必要な時に、実際に使えなくなってしまう。

 ■【ワクチン接種の重要性】=現行のインフルエンザワクチンは「接種すれば、インフルエンザに絶対にかからない」というものではない。しかし、インフル エンザの発病や発病後の重症化、 死亡を予防することに一定の効果があるとされている。

 またワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されるウイルスを用いて製造される。そのため、毎年接種することをお勧めする。

◇─[後記]───────────

 弊紙第173号で、「20~30代の4分の1が『インフルエンザには抗生物質が効く』と誤認」と題した記事を配信しましたが、その直後に複数の読者から「では、なぜ『効かない』のか?」「デメリットは、薬剤耐性菌ができることだけなのか?」との質問を頂きました。

 今回は、その質問に対する回答を交え、第173号では扱わなかった、別の調査結果を記事といたしました。今後も、もし記事内容にご指摘を受ければ、可能な限り回答していきたいと考えておりますので、どんな「素朴な疑問」でもお寄せ頂ければ幸いです。

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