*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年12月12日(木)第160号*****


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主任ケアマネの管理者要件、令和9年3月31日まで延長
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 居宅介護支援事業所の管理者の要件で「主任ケアマネジャーであること」とする現行の規定は、令和3年3月31日まで経過措置が設定されていたが、これが延長されて令和9年3月31日まで猶予されることになった=図

ケアマネ ただし、令和3年3月31日時点で、主任ケアマネでない者が管理者の事業所で「その管理者が管理者である限り」という条件が付けられる。これにより、令和3年4月1日以降に新たに管理者となる者に対しては、更なる経過措置は適用されない。

 つまり、同日以降に新たに管理者になる者は、いずれの事業所であっても「管理者は主任ケアマネジャーであること」が求められることとなる。 12月12日に都内で開催された介護給付費分科会で、これまでの議論をまとめた「審議報告(案)」が提示され、了承された。

 今回の件は、平成30年度介護報酬改定で「人材育成の取組の推進による質の高いケアマネジメントの推進を図るため、居宅介護支援事業所の管理者要件を主任ケアマネであること」とした。その際「令和2年度末までは、その適用を猶予する」との経過措置を設けた。

 しかし、その後の厚労省の調査で「管理者が主任ケアマネでない事業所」も依然として4割程度あり、その中には「管理者としての業務経験年数が4年未満の事業者が約1割ある」ことがわかった。

 さらに、「経過措置期間中に主任介護支援専門員研修を修了できる見込みがない」または「分からない」と回答した事業所が約2割あり、その理由として「介護支援専門員としての実務経験5年以上の要件が満たせない」と回答する割合が最も高かった。

 これらの事情を踏まえ、今回の経過措置延長が「審議報告」に盛り込まれたが、さらに「中山間地域や離島等」では、人材確保が特に困難と考えられるため、同様に主任ケアマネの管理者要件が緩和されることも付け加えられた。

 具体的には、「特別地域居宅介護支援加算または中山間地域等における小規模事業所加算を取得できる事業所については、管理者を主任ケアマネジャーとしない取扱いを認めることが適当である」と記された。

 また、令和3年4月1日以降に、ケアマネの急な退職などの不測の事態が起こり、主任ケアマネを管理者とできなくなってしまった事業所については、規定によれば居宅介護支援事業所の運営ができなくなるが、この「救済措置」も付け加えられた。

 例えば「当該事業所がその理由と改善に係る計画書を保険者に届け出た場合、管理者を主任ケアマネとする要件の適用を1年間猶予する」とされた。さらに同様のケースで近隣に、他に居宅介護支援事業所がない場合などは「弾力的な運用」も可能となった。

 「審議報告」では、「利用者保護の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予期間を延長することが出来るようにすることが適当である」と指摘している。

◇─[後記]───────────

 これまで厚労省を取材してきた経験から申し上げれば「経過措置」が設けられた事項が、何らかの事情で「再延長」されたケースは、必ずと言って良いほど、その「再延長」の期限が切れる直前の議論で問題点が「再燃」し、「揉める」ことになります。

 今回の措置は「質の高いケアマネジメントの推進を図る」ことが目的のはずです。この「経過措置期間」で、当事者であるケアマネの方々を中心に、「介護保険利用者にとってベストなケアマネジメントの在り方」を模索して頂きたいと思います。

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