*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月28日(木)第150号*****

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「生活援助サービスの価値と専門性の見直し」を要望
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 次期介護保険制度の改定で、訪問介護の生活援助サービスの在り方が議論の対象となっているが、「介護保険サービス利用者にとって、生活援助は単なる家事援助ではなく、極めて専門性の高い業務で、関係者の皆さんはその価値を見直して欲しい」と要望した。

 11月28日に、東京・永田町の衆議院第1議員会館で、自民党の鈴木隼人衆議院議員が開催した「認知症国会勉強会」で講師として登壇した、認知症の人と家族の会・鈴木森夫代表理事=写真=が指摘した。

鈴木代表 講演で鈴木代表は、同会を含め4団体が共同で策定し、今年5月に発表した「認知症─ともに生きるやさしい社会を実現するための共同宣言」の内容等を解説した。この中には要介護度の認定で、認知症の困難度等を適正に評価する指標を追加すること等も要望している。

 これらの内容を踏まえ日本介護新聞は鈴木代表に、介護保険制度の改定があるたびに有識者会議の委員から、訪問介護の生活援助のあり方で「家政婦代わりに利用している実態がある」とたびたび指摘されている点について、見解を求めた。

 鈴木代表は「これは、認知症のケアだけに止まらず、介護保険サービスの利用者全体に関わる重要な問題だ」と前置きした上で、「生活援助サービスの専門性の高さ」を指摘しながら「サービスそのものの見方を変えて欲しい」と要望した。

 鈴木代表の発言要旨は、次の通り。

 「現実に、認知症に限らず一人暮らしの高齢者は増えている。もちろんデイサービス等の色んな介護保険サービスを利用されている方もたくさんおられる。しかし中には『そんなところには行きたくない』という方もいる。言うまでもなく、生き方は人それぞれだ」

 「その中には、訪問介護で生活援助サービスの支援を受けて、なんとか生活を成り立たせている方も実際におられる。現在は、ヘルパーさんのサービスが身体介護と生活援助に分けられているが、私はこれを分けたところから間違いが始まったとみている」

 「一部の有識者から『生活援助は家事援助だ』と批判をされているが、制度開始の初期の頃は現実にそのような時代もあった。しかし今は、基本的にはそのようなことはできない仕組みになっている」

 「そもそもケアマネジャーは、そんなプランは立てていないはずだ。また生活援助は直接身体に触れていないが、その人の生活全体をキチンと把握し、それにより医療の必要がある等の情報提供が可能となっている」

 「また生活援助サービスを実施している中で、利用者の相談も受けている。残念ながらこれは介護保険上の評価にはないが、実は非常に大事だ。生活援助をしながら、ご本人の要望も聞きながら、今ではこれらを45分の中で行わなければならないというのが実情だ」

 「利用者の家庭を訪問する、室内の様子を見て生活状態の全体を把握する、冷蔵庫の中をみる、さらに本来の生活援助サービスも行い、利用者の話しも聞いて、体調を見る。これはある意味で、利用者の『命綱』の役割を果たしている」

 「それが昨年10月から『利用回数が多すぎるケースはケアプランを提出せよ』等という制度になった。一部では『誰でもできるサービスだ』と言う方もいる。私は、全ての関係者に『生活援助の価値と専門性』を見直して頂きたいと言いたい」

 「本来的な生活援助は、非常に専門性の高いサービス業務だ。それがある意味では介護予防にもなっている。繰り返しになるが、これから独居の高齢者が増える中で、生活援助に対する見方を大きく変えて頂きたい。これは当会に限らず、関係者はみなそう考えている」

◇─[後記]───────────

 弊紙は、認知症の介護保険サービス利用者を想定して質問したつもりでしたが、鈴木代表は介護保険サービスの利用者全体の立場に立って、「生活援助サービスの重要性」を回答してくれました。

 鈴木代表はこれまで、医療ソーシャルワーカー、特養の施設長、ケアマネジャー等を歴任しています。つまり、同会の代表理事としてではなく「介護現場で働く職員」と「認知症の方のケアに当たる家族」の両方の立場を踏まえて発言しています。

 ぜひこの貴重な意見が、次期介護保険制度の改定で着実に反映してもらいたいと、弊紙では願っております。

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