*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年11月27日(水)第149号*****

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特定介護、フィリピン試験合格者は出国できず「足止め」
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 今年4月に始まった特定技能の介護職(以下「特定介護」)で、フィリピンは4月から現地で毎月試験を実施しているが、合格者が9月末時点で一人も出国しておらず、その理由が「まだ特定技能資格者の出国ガイドラインが出来ていないため」であることがわかった。

 日本介護新聞が、厚生労働省に確認した。その理由については「不明」で、今後の見通しも「わからない」状態だという。「出国のガイドライン」は、まずその前提として「二国間の協力覚書」を作成した国が対象となる。

 その内容は、対象国の特定技能外国人が、特定技能に係る活動を行うに当たり、海外(日本)に渡航して労働を行う場合の本国(外国人の母国)での許可等、本国において必要な手続(送出手続)を含む手続全体の流れについて定めたもの。

 日本が、特定技能の「二国間の協力覚書」を結んだ相手国はフィリピンをはじめ計9ヶ国あるが、「ガイドライン」を定めた国は9月26日現在、カンボジア・インドネシア・ネパールの3ヶ国のみ。

 「特定介護」の海外試験は4月から毎月フィリピンで実施され、これに加えて現在ではインドネシア・モンゴル・ネパール・カンボジアの計5ヶ国で実施されており、現時点で試験合格者が発表されたのはフィリピンとカンボジアの2ヶ国のみ。

 このままフィリピンの「出国のガイドライン」策定が遅れた場合、「特定介護」の海外試験に合格し、来日して介護施設で働けるのは、現時点ではカンボジア人のみとなる。法務省は11月13日に、「特定介護」の9月末時点での在留者を16人と発表した。

 内訳はフィリピンが13人、インドネシアが2人、ベトナムが1人だったが、インドネシアはまだ「特定介護」の海外試験の合格発表が行われておらず、ベトナムは海外試験自体が実施されていない。

 このためこの2国の「特定介護」在留者3人は、EPAで来日し、介護福祉士の国家試験に不合格であったが、4年間日本の介護施設で勤務したことで「特定介護」の在留資格を得たと推定される。

 同様にフィリピンの「特定介護」在留者13人も、海外試験合格者ではないことが判明したため、他の2国と同様にEPAの国家試験不合格者であると思われる。フィリピンの海外試験では4月分から9月分まで、計6回の試験合格者が発表されている。

 海外試験は2科目(「介護技能」と「介護日本語」)が実施され、2科目ともに合格した上で、さらにこれとは別途、日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト)に合格するか、日本語能力試験N4以上を取得することで「特定介護」の在留資格を得ることができる。

 フィリピンの場合は1回当たりの試験で50~100人程度の2科目合格者を出していると思われるので、現時点での「特定介護」在留の有資格者は数百人規模で、これらが全て「足止め」された状態に陥っている。

◇─[後記]───────────

 特定技能の制度が4月に開始され、「二国間の協力覚書」を結んだのが9ヶ国あるにも関わらず、「ガイドライン」がわずか3ヶ国でしか定められていないという実態が、今回の取材で判明しました。

 これと同じようなケースがかつて、技能実習制度の介護職でもありました。「1番人気」のベトナムが、技能実習に関する「二国間協定」を制度開始早々に締結したにも関わらず、しばらくの間は自国の送り出し機関に「介護職の送り出し許可」を出していませんでした。

 その理由は「実習2年目移行時に、日本語能力N3以上に達していなければ帰国してもらう」との日本語要件の緩和を求めていたにも関わらず、日本政府が明確な態度を示さなかったことが原因でした。

 結果的には日本政府が「N3に達していなくても、条件付きで3年間の実習を認める」ことに緩和したため、ベトナムもようやく「送り出し許可」を出しました。同様に今回、フィリピンの「ガイドライン」の未策定にも、何か「大きな理由」が隠れていると思われます。

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