*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年11月20日(水)第144号*****

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介護施設内のトラブル「オンラインの調停人による解決を」
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 介護施設で、入居者と職員・施設間でトラブルが起きた場合等に、実際に訴訟を起こして裁判で解決する事例はまだ少ないと思われるが、訴訟以外にもう一つの解決のための選択肢を示すため「ODR(オンラインでの紛争解決)」を推進する団体が設立された。

 一般社団法人ODR事業者協会(大橋良二代表理事=写真右から3人目)は11月20日、都内で同協会の設立会見を開催した。経緯について大橋代表は「私自身も弁護士として様々な事例に直面してきたがその中でも『弁護士へのアクセスが難しい』との課題を感じてきた」

ODR設立 「例えば弁護士費用等で、実際にはトラブルになっていても、ここがネックになって法律相談を終えなければならないケースが実際にある。よく『2割司法』と言われ、2割程度しか実際に紛争解決としての司法制度が利用されていない、とのデータもある」

 「これらを克服するため、世界的に進んでいるODRをわが国でも広めていこうと、現行の保険制度を活用しながら、この趣旨に賛同してくれた事業者の方々と勉強会や情報交換、また調停人の育成や情報発信をしていくため、当協会を設立した」等と述べた。

 実際のODRの活用手法について、同協会の早川吉尚理事=写真左から3人目=は「例えば、両者に『5万円』の紛争があったとすると、裁判をやっていたのでは絶対にペイしない。これをオンライン上で手軽に、両当事者が合意に至るような紛争解決を試みる」

 「イメージとしては、お互い時間とか空間を気にせず、LINEのチャットで交渉する。これをサポートするために弁護士資格を有する調停人が間に入る、という感じだ。ODRは世界的に進んでおり、オンラインでの商取引等で実際に利用されている」等と説明した。

 また同協会の発足に賛助会員と参加した、損害保険ジャパン日本興亜株式会社の中村茂樹取締役常務執行役員=写真左から2人目=は「当社はこれまでも、個人向け・事業者向けに様々なトラブルに対応するために弁護士費用を補償する保険を開発してきた」

 「例えば昨年4月から、介護事業者が過度なクレーム行為を受けた場合の『クレームサポート補償』を開始したが、当社はただ保険金をお支払いするだけでなく、ユーザーの利便性を高めるサービスであるODRに対応していきたいと考えた」等と述べた。

 このODRの介護分野への活用について、日本介護新聞が大橋代表理事に尋ねたところ「私は介護事業者の顧問にもなっているので、業界の事情はよく承知している。入居者とのトラブルでは非公開ニーズもあり、ODRは十分にご活用頂けると思う」等と回答した。

◇─[後記]───────────

 そもそもODRは、事業者間の商取引上のトラブルや、民間の離婚調停等、様々な事例に活用できるそうです。今回、弊紙が注目したのは、同協会の設立の中にSOMPOグループの事業会社が賛助会員に名を連ねたことです。

 言うまでもなく、SOMPOグループのSOMPOケアは介護事業で業界大手です。おそらく、介護施設が抱える様々なトラブルの解決手段としてこのODRの活用を考えているのではないか……と予想して記者会見に参加しましたが、まさに「その通り」でした。

 以前、介護施設の経営者から「施設と入居者との間でトラブルがあったとして、ほとんど入居者側に原因があっても、施設としては再発防止の『お願い』しかできず、現実的には入居者の逝去により解決するケースがほとんどだ」と聞いたことがあります。

 一般的な民間人による紛争でも、第三者である「調停人」が入ることで、解決に向けて前向きな話し合いができる事例が多いそうです。このODRが、介護業界にとってどのようなメリットをもたらすのか、弊紙では今後も追って取材していきたいと思います。

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