日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2022年01月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和4年1月31日(月)第674号*****

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濃厚接触者の待期期間・特養の従事者は、さらに1日短縮し「5日目から出勤可能」に
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介護施設従事者の待期期間・5日に短縮 厚生労働省は1月28日、新型コロナ感染者の濃厚接触者の自宅待機期間を「10日間から7日間に短縮する」と発表し「8日目から解除」されることになった。これに伴い介護老人福祉施設の従事者は、最短で6日目に解除だったものが「5日目から解除」となった=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 これにより介護老人福祉施設の従事者は、陽性者(=新型コロナ感染者)との接触等の日から数えて「5日目から出勤可能」になった。ただし濃厚接触者である従事者が、無症状であることに加え、4日目・5日目の抗原定性検査で陰性となった場合等に限られる。

 また検査は事業者の費用負担で、無料の行政検査ではなく、自費で検査を行うことになる。

 【対象は「社会機能維持者」で、特養は該当するが最終的には「自治体の判断」に…】

 今回の「5日目から解除」となった待機期間の短縮は、その対象を「社会機能維持者」と定めている。具体的には「高齢者・障害者等、特に支援が必要な方々の居住や支援に関する、全ての関係者(=生活支援関係事業者)」と定めている。

 これは政府が公表している「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に基づくもので、この「生活支援関係事業者」には「介護老人福祉施設(=特養)、障害者支援施設等の運営関係者」が挙げられている。

 このほかにも「施設入所者への食事提供など、高齢者、障害者等が生活する上で必要な物資・サービスに関わる全ての製造業、サービス業を含む者」とされ、これらの基準を参考にして「自治体が、適当と認める事業に従事する者とする」と定めている。

◇─[後記]───────────

 「基本的対処方針」の内容を単純に解釈すれば、特養に限らず、全ての介護サービス従事者は該当するように思われますが、気になるのは「自治体が、適当と認める事業に従事する者とする」と定めている点です。

 つまり最終的な判断は、市区町村等の自治体に委ねられることになります。特に、通所や訪問系サービスの従事者がこの「適当と認める事業」に含まれるのか否かが、極めて曖昧(あいまい)になっています。

 一人でも多くの介護サービス利用者が、継続してサービスを利用できるよう、そのためにも介護サービス事業所が事業を継続できるよう、厚労省には「いま一歩、踏み込んだ解釈」を通達してもらいたいと思います。

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(C)2022 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和4年1月28日(金)第673号*****

◆◇◆◆◆─────────────
全老健・3回目接種で要望「従事者の家族も、迅速に追加接種できるよう間隔の短縮を…」
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 新型コロナの「第6波」が急速に拡大している中で、ワクチンの3回目接種が進んでいない状況に対し、岸田文雄首相は「私も、3回目はモデルナ社のワクチンを接種したいと考えている」等と述べ、その推進を促している(=昨日付け弊紙で既報)。

 これらの現状を受け、全国老人保健施設協会(全老健・東憲太郎会長)は1月27日、ワクチン接種推進担当の堀内詔子大臣に対し「新型コロナワクチン追加接種(3回目)推進に関する要望について」と題した書面を提出した。

3回目接種・全老健要望書 この書面では政府に対し、次の3点を要望している=画像・全老健HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。その内容の要旨は、次の通り。

 ■1.追加接種(3回目)までの間隔の、さらなる短縮

 現在、高齢者施設の従事者の家族等に陽性者が発生し、健康観察で待機せざるを得ない従事者が多く、介護現場がひっ迫している。従事者本人は(3回目の)追加接種をしているものの、その家族の追加接種が進んでいないことが原因の一つだ。

 また、わが国では接種間隔が「6ヶ月以上」と定められているが、海外では「3~5ヶ月」の間隔で、追加接種を開始している国もある。そこで、従事者の家族等も迅速に追加接種ができるよう、接種間隔のさらなる短縮を要望する。

 ■2.「接種券なし」での、追加接種の推進

 現状の感染爆発を踏まえると、一刻の猶予もなく追加接種をすることが重要だ。政府に対し「接種券なし」での追加接種の、強力な推進を要望する。

 ■3.モデルナワクチンによる、追加接種の推進

 現状、モデルナワクチンによる接種を希望する方が少なく、接種会場も埋まらない状況がある。そもそも、ファイザーとモデルナのワクチンの「交互接種」による抗体価は(他の組み合わせと比較して)最も高い。

 さらに、モデルナの追加接種のワクチン量は(1・2回目接種の)半分で済み、副反応も抑えられている。これらのメリットが周知されていないことも(モデルナの追加接種希望が進まない)一つの要因だ。この点を政府として、強力に広報して頂きたい。

◇─[後記]───────────

 弊紙では、全老健の主張は「至極真っ当な指摘」であると受け止めます。本来は国民全体で3回目の追加接種が進むことが重要ですが、まずは介護サービスを利用している高齢者の追加接種を迅速に行うためにも政府はぜひ、早期に実行してもらいたいと思います。

 また現時点で、このような「要望書」を提出しているのは、弊紙で確認した範囲では全老健だけですが、一人でも多くの高齢者をオミクロン株の感染から救うためにもぜひ、他の介護業界団体も、同様の要請を政府に行うことが重要であると、弊紙では考えます。

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*****令和4年1月27日(木)第672号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ワクチン3回目「交互接種」への不安・岸田首相「私も、3回目はモデルナを接種する」
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 新型コロナ・オミクロン株の「第6波」による感染拡大が続く中で、ワクチンの3回目の早期接種が求められているが、政府の発表によると、1月27日時点の全国民に対する3回目の接種率は2.5%に止まっている。

 その要因として、全国の市区町村の「前倒し」が思うように進んでいないことに加え、1・2回目の接種でファイザー社製のワクチンを接種した高齢者等が、3回目にモデルナ社製のワクチンを接種する「交互接種」を「回避」している点が指摘されている。

1月24日岸田首相会見 これらの状況に対し岸田文雄首相は、1月24日の記者会見=写真・首相官邸HPより=で「(3回目接種の)ペースアップのためには『モデルナの活用』が不可欠」等と述べ「交互接種」の重要性を指摘した上で「私も3回目は、モデルナ社のワクチンを接種したいと考えている」等と述べた。

 これらの点に関する、岸田首相の記者会見の内容は、次の通り。

 ▽記者=「交互接種」について、お伺いしたい。3回目の接種での「交互接種」について「不安だ」との声を多く聞く。このような声に対し、何かお考えはあるのか?

 ▼岸田首相=重症化リスクの高い高齢者への3回目接種は極めて重要であり、前倒し接種のペースアップに全力を尽くしていかなければならないと思う。すでに、必要なワクチンの総量は確保されている。

 これは自治体にもしっかり通知をしているが、ペースアップのためには、その中でも「モデルナの活用」が不可欠だと考えている。私も、3回目を接種する際には、これまで2回、ファイザーだったが、3回目はモデルナのワクチンを接種したいと考えている。

 「交互接種」の有効性については、十分な抗体価の上昇が報告されている。副反応についても、モデルナワクチンの3回目の接種は、1・2回目の接種の半分の量なので、2回目の接種後と比べて発熱などの症状は少ないと評価されている。

 「交互接種の安全性・効果については、英国の研究でも確認されている。国民の皆様におかれても、接種券が届いたならば、いずれのワクチンでも希望される方は、可能な限り早く接種されるようにお願いしたいと考えている。

◇─[後記]───────────

 3回目の接種で、モデルナ社製を「回避」する最大の理由は「副反応の強さ」だと思われます。弊紙発行人も、1・2回目はモデルナ社製のワクチンを、東京の自衛隊大規模接種会場で受けたため、その指摘が理解できます。

 複数の専門家の指摘に耳を傾けると、やはりファイザー社製よりもモデルナ社製の方が、副反応が強く出る傾向にあることは、事実のようです。「第6波」が急速に拡大している現状では、高齢者は「悩ましい選択」を迫られることになりそうです。

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*****令和4年1月26日(水)第671号*****

◆◇◆◆◆─────────────
後藤大臣・沖縄限定の介護施設従事者「特別ルール」の全国拡大は「慎重に検討したい」
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省は1月21日、沖縄県の介護施設従事者が、新型コロナの濃厚接触者になった場合に「待機期間なしで勤務可能」とする、沖縄限定の「特別ルール」の適用を通知した(=昨日付け弊紙で既報)。

1月14日後藤大臣記者会見 この点について、後藤茂之厚生労働大臣は1月25日の定例記者会見=写真は1月14日の会見の様子。厚労省HPより=で、記者から「これを今後、全国へ広げるのか?」等と問われ、沖縄限定で特例を認めた経緯を述べた上で「(全国の)高齢者施設全体に対しては、慎重に検討したい」との考え方を示した。

 また今後、介護従事者等以外が濃厚接触者となった場合の「待機期間の短縮」については「現場・専門家の皆様の意見を聞きながらやっていく。厚労省として、この基本的なスタンスを全く変えることではない」等と説明した。

 記者会見での、後藤大臣と記者との質疑応答の内容は、次の通り。

 ▽記者=先日(後藤大臣が)出演されたテレビ番組の中で「濃厚接触者となったエッセンシャルワーカーの自宅待機期間」について「弾力的な運用も考えていく」というような趣旨の発言をされていた。

 ▽改めて、政府として今後、どう検討していくかについて、大臣のお考えをお聞かせ頂きたい。

 ▼後藤大臣=濃厚接触者の待機期間については、これまで感染してから発症するまでの期間、すなわち「潜伏期間」に基づいて、これまでの対応を考えてきている。疫学的な調査の結果等は、発生届の状況等、国立感染症研究所で分析をしている。

 これによると、オミクロン株の潜伏期間は「3日」のケースが最も多く「10日」を超えることはないということで、超えるのは非常に稀なケースであるということで、オミクロン株の「濃厚接触者待機期間」を「14日」から「10日」に短縮をした。

 それから医療従事者については、濃厚接触者、毎日毎日の検査を前提に「緊急的な対応」として、毎日の検査を条件に待機期間中の医療への従事を認めている。沖縄においては、20代の陽性者数が減少する一方で、小児や中高年の全世代へ拡大している。

 なので、高齢者施設などでの介護従事者の休職が引き続き続く中で「高齢者施設についても同様の対応を取るべきだ」ということで、介護への従事を認めたというところまで来ている。

 【沖縄では限定で特例を認めたが「高齢者施設全体に対しては、慎重に検討したい」】

 こうした高齢者施設全体への対応について、どうしていくかということを検討する必要もあるし、また、その他社会的機能維持の要請が、感染が拡大するにつれ、より強くなってくるということもある。

 そういう意味も含めて、科学的エビデンスと、それから社会的機能の維持という両面から、今後も状況に応じて専門家の皆さんの意見も聞きながら、濃厚接触者の件、その他のことも含めて、しっかりと検討していく必要があることを、一般論として申し上げた。

 ▽記者=今おっしゃった、沖縄に対しての介護従事者に対して、毎日の検査でも出勤を「濃厚接触であっても認める」ということだが、これ全国に広げる、今、大臣は「検討する」とおっしゃっていたが、全国に広げる目途みたいなものは、今は考えているのか?

 ▼後藤大臣=そこは「検討をする」と言ったので「広げる」と申し上げたわけではない。今後の感染状況をよく見ながら、ていねいに実態を見て「慎重に検討」していきたいと思っている。

 【濃厚接触者等の待期期間の短縮は「基本的なスタンスを全く変えることではない」】

 ▽記者=介護職以外にも、例えば保育の現場だとか教育関係者も含めて、かなり「現場に出られない」ということが、社会活動に影響を与えているという話を最近よく耳にするようになっている。

 介護職以外でも「医療従事者と同じように扱うようにする」ということは、ご検討されないのか?

 ▼後藤大臣=いずれにしても、オミクロン株の性状は、やっぱり日々刻々と実態も分かってきているし、それから感染の拡大が顕著になるにつれ、社会的機能を維持していくことの必要性、何が求められるのかという要請も多く変わっている。

 そういうことに対して「国民の命と健康を守る」という観点や「暮らしそのものを守る」「命を守る」という両方の観点で、しっかりとしかるべき感染症対策をやっていく必要があると思っている。

 私が申し上げていることは、別に「客観的エビデンス、リスク論を無視して、何でもやる」ということを申し上げているわけでは決してないので、現在これまで、客観的エビデンス、リスクを大きくしない、非常に確実な対策をずっとこれまでもやってきている。

 そういう点から言うと、少しリスクを配慮するとか、そういうような範囲内でいろいろなことを考える「社会的機能の維持」等を考えていくということも必要になる局面が来るかもしれない。

 そういう時には「そういう意味での検討を、しっかりやります」ということを申し上げているつもりだ。要はこれまで、濃厚接触者でやってきたことについて言えば、少なくとも「リスクは広がっていない」という客観的エビデンスの範囲内でやってきた。

 今までは14日、10日とか、6日の検査付きとかいうのを、ぎりぎり判断している。また、医療の場合は「毎日検査で担保する」ということで「濃厚接触者の従事を認める」と、こういう濃厚接触者に対する対応の拡大というのは「リスクを広げない」という意味だ。

 つまり、客観的エビデンスを確実に検証しつつ広げてきた。しかし、社会の感染状況や社会的機能維持のために必要だった場合に、その辺りの「リスクを広げない」という前提のところを少し考えるというようなことも、それはあり得るという意味で申し上げた。

 厚生労働省として「基本的なスタンスを全く変える」という意味ではないが、やっぱり感染の状況やオミクロンの特徴が分かるにつれ、それに則した形での濃厚接触者の取り扱いということを、現場・専門家の皆様の意見を聞きながら考えていく必要がある。

 私は、このことを(冒頭で質問があった、テレビ番組で)一般論として申し上げたということだ。

◇─[後記]───────────

 昨日付けの弊紙の記事で、読者の方から「濃厚接触者となった介護従事者の待機期間は、原則6日間ではないのか?」とのご質問を頂きました。確かに、厚労省は1月14日に「最短で、6日目の検査で陰性が確認されれば、出勤可能」と都道府県等へ通知しています。

 しかし、その前提として「自治体が、社会機能維持のために必要と判断すること」を含め、様々な「条件」が課せられています。つまり「最短で6日目」は「原則」ではなく、あくまで「例外的な措置」になります。

 この点を踏まえ、弊紙ではこの「最短で6日目の、例外的な措置」が「原則」であるかのような「混乱」が生じることを懸念し、昨日の記事では「原則」である「10日間の隔離期間」のみを、記事の内容に盛り込みました。

 今回の後藤大臣の会見では、このような「混乱」が起きないための説明に終始した感があります。この「待機期間の短縮」については、国会でも取り上げられるなど、世間から大きな注目を集めています。

 今後は、オミクロン株による感染拡大が予想される中で、この「待機期間」も、結果的には「短縮」されていくかも知れませんが、弊紙としても読者の皆様に「混乱」や「誤解」が生じないよう、正確でていねいな報道を心がけてまいります。

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*****令和4年1月25日(火)第670号*****

◆◇◆◆◆─────────────
沖縄県の施設従事者、濃厚接触者でも「緊急的対応」で「隔離期間なしでも出勤可能」
─────────────◆◇◇◆◆

 全国的に新型コロナの新規感染者が急増している中で、先行して感染が拡大した沖縄県では、介護従事者の確保が懸念されている。この対策として厚生労働省は1月21日、沖縄県に対して「緊急的な対応」の適用を通知した。

 具体的には、新型コロナ感染症患者または濃厚接触者が入所している高齢者施設等(特養・老健・有老・サ高住等)で「外部からの応援職員の確保が困難な施設に限り、入所者に必要なサービスが提供されるための『緊急的な対応』を実施する」

 「濃厚接触者となった介護従事者が、次の『要件』および注意事項を満たせば、介護に従事することは不要不急の外出に当たらない」とし、現状では濃厚接触者となった場合に求められる隔離期間(最終接触日を0日として10日間の外出自粛等が必要)が免除される。

 つまり「隔離期間なし」で「要件」と注意事項を満たせば、勤務している施設に出勤することが可能となる。これはすでに、厚労省が医療従事者に対して実施した「濃厚接触者となった医療従事者への緊急的な対応」を参考に、沖縄県の介護施設等に適用したもの。

沖縄県・濃厚接触者の介護従事者出勤可能 今回、厚労省が沖縄県に示した「要件」=画像・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工=の要旨は、次の通り。

 新型コロナ感染症患者または濃厚接触者が入所している高齢者施設等であって、外部からの応援職員の確保が困難な施設に従事する介護従事者であること。

 他の介護従事者による代替が、困難な介護従事者であること。

 新型コロナワクチンを2回接種済みで、2回目の接種後14日間経過した後に、新型コロナ感染症患者と濃厚接触があり「濃厚接触者」と認定された者であること。

 無症状であり、毎日業務前に核酸検出検査または抗原定量検査(やむを得ない場合は、抗原定性検査キット)により検査を行い「陰性」が確認されていること。

 濃厚接触者である当該介護従事者の業務を、所属の管理者が了解していること。

 (沖縄県等が派遣する)感染制御・業務継続支援チーム等により、次の事項を事業所として実施する体制が確認されていること。

 当該介護従事者の健康状態(無症状であること等)の確認。
 当該介護従事者に係る適正な検査(検体採取・結果判定、検査キットの確保等)。
 施設内の感染拡大を防ぐための対策(防護具の着脱、ゾーニング、衛生管理等)。

◇─[後記]───────────

 今回、厚労省が通知した「緊急的対応」は、いわば「沖縄県限定の特別ルール」ですが、現在のオミクロン株による感染拡大の状況をみれば、やがてこの「特別ルール」は全ての都道府県に適用されることになると思われます。

 それに備えるためにも「毎日、業務前に実施する検査」と「施設内の、感染拡大の防止対策」に対応ができよう、今から準備しておく必要があると思われます。

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*****令和4年1月24日(月)第669号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ワクチン3回目接種・後藤厚労大臣「何とか、ペースアップを図っていかなければ……」
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 新型コロナ・オミクロン株による「第6波」の感染が全国的に拡大している中、ワクチンの3回目接種がなかなか進んでいない。政府が公表している現時点の最新のデータによれば、1月21日時点で3回目接種は、全国民の1.5%(194万4千人)に止まっている。

12月28日後藤大臣会見 また65歳以上の高齢者に限れば、現時点では接種率・接種回数ともに発表されていない。この現状について後藤茂之厚生労働大臣は、1月21日の定例記者会見=写真は昨年12月28日の記者会見の様子。厚労省HPより=で「何とか、このペースアップを図っていかなければと考えている」等と、危機感を示した。

 会見で後藤大臣は、3回目のワクチン接種について「高齢者等、感染によるリスクの高い方の健康を守るために大変重要だ」と述べた上で、3回目接種でモデルナ社製を使用することに、国民の間で「副反応の強さ」に懸念が生じている点についても言及した。

 具体的には、専門家の分析結果等を挙げて「モデルナ社のワクチンによる、2回目接種後と比べた場合、3回目接種後では発熱や疲労などの接種後の症状が少ないことも報告されている」等と安全性を強調した。

 これらの点に関する、後藤大臣の記者会見での発言内容は、次の通り。

 【「3回目接種は高齢者等、感染によるリスクの高い方の健康を守るために大変重要」】

 ワクチンの3回目接種のペースアップについて、一言申し上げたい。昨日(1月20日)の時点で、3回目接種は約178万回となっていて、全人口の1.4%、接種対象者の12%だ。何とか、このペースアップを図っていかなければと考えている。

 3回目接種は昨年12月より開始していて、ワクチンは昨年中に1,600万回分配送しているところだが、多くの自治体では1月から本格的な接種を実施するものと承知している。しっかりと体制を整えて進めていきたいと思う。

 また、3回目接種は高齢者や基礎疾患がある方など、感染によるリスクの高い方の健康を守るために大変重要なものであり、また社会全体のリスクを下げるために必要なものとなっている。

 【「3回目の接種で、ファイザー・モデルナの両社のワクチンの有効性に遜色はない」】

 今後、ファイザー社とモデルナ社のワクチンを活用して、3回目接種を進めていくことになるが、国民の皆様の中には接種後の発熱の割合が高かったこともあって、モデルナ社のワクチンを接種することを躊躇されるという方がいらっしゃるとも聞いている。

 1回目、2回目にファイザー社のワクチンの接種を受けた方が、3回目にファイザー社のワクチンの接種を受けた場合も、モデルナ社のワクチンの接種を受けた場合も、いずれにおいてもオミクロン株に対して抗体価の上昇がある。

 また、発症予防効果の回復、入院予防効果の回復といった効果が報告されていて、専門家の評価として、両社のワクチンの有効性に遜色はないと聞いている。加えて、モデルナ社のワクチンの3回目接種での接種量は、1・2回目接種の半分の量となっている。

 さらに、モデルナ社のワクチンによる2回目接種後と比べた場合、3回目接種後では発熱や疲労などの接種後の症状が少ないことも報告されている。3回目接種を推進するために自治体では、こうした情報を住民の皆さんに十分にお知らせ頂きたい。

 その上で(国として)ファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチン、双方のワクチンの接種を推進して頂きたいと思っている。国民の皆様も、ご自身の健康と社会を守るために、いずれのワクチンであれ、できる限り早く早期に接種を受けて頂きたい。

◇─[後記]───────────

 オミクロン株による「第6波」の感染が拡大している現状で、全国どこの市区町村でも「できるだけ早く、3回目のワクチン接種を進めたい」との考えは、共通しているはずです。残念ながら現状では、市区町村にこれ以上の「前倒し」を望むのは困難でしょう。

 それでも、後藤大臣が述べているように「ペースアップを図っていかねばならない」のも事実です。後は、都道府県と政府による、大規模接種会場の設置と、市区町村への支援対策の強化に頼るしか「ペースアップ」を図るのは難しいと思われます。

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◆◇◆◆◆─────────────
厚労省「第6波」対策・都道府県へ高齢者施設の事業継続のための「支援」策を再通知
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厚労省「第6波」の支援策を都道府県へ再通知 新型コロナの「第6波」が全国に拡大している中、厚生労働省は1月20日、クラスター等の発生が懸念される高齢者施設の感染防止対策として1月20日、都道府県に宛てて「高齢者施設等での新型コロナウイルス感染症の感染拡大に備えた対応」を通知した=画像・厚労省HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 内容は、これまでの通知内容を取りまとめたものだが、特にここ数日で、全国的に新規感染者数が急増していることを念頭に「ワクチン接種の免疫による、オミクロン株感染に対する重症化予防効果は一定程度保たれている」

 「しかし、発症予防効果は著しく低下する可能性がある。このような状況の中、高齢者施設等でも一部の都道府県では、濃厚接触者等となることによる従事者の不足に伴う、応援派遣の実施等の事態が生じている」

 「これは、他の都道府県でも同様の事態が生じることが懸念される」として、このような「感染拡大に備えた高齢者施設等における対応」について、あらためて通知したもの。主な内容は、次の3点。

 ■1.介護職員等の応援職員の派遣=平時から、都道府県単位の介護サービス事業所・施設等の、関係団体等と連携・調整し、緊急時に備えた応援体制を構築すること。

 同時に、介護サービス事業所・施設等で感染者が発生した場合などに、地域の他の介護サービス事業所・施設等と連携して、各施設・法人内の調整でも職員の不足が見込まれる場合等に、応援職員の派遣依頼があった場合は、適切に対応すること。

 ■2.感染者発生時の医療従事者や、感染管理専門家等の派遣=都道府県には、感染者が発生した場合に、感染制御・業務継続支援チームが支援を行い、また必要に応じて専門家やDMAT・DPAT等の医療チーム等を迅速に派遣できる体制をすでに構築して頂いている。

 このため感染が確認された場合に、迅速に対応できるよう、都道府県内で連携を図っておくこと。

 ■3.急変時等の対応や必要な物資の供給にかかる支援=病床ひっ迫時については、やむを得ず施設内での入所を継続する場合があり、その際には、都道府県等において、可能な支援や当該施設の個別の状況(構造・人員等)も考慮する。

 さらに、支援体制を整えることを前提とした上で、入所継続の指示を行うこと。

◇─[後記]───────────

 オミクロン株による「第6波」の感染は、感染症の専門家の予想を超えるスピードで拡大しています。もはや、一つの施設内の感染防止対策だけでは「防御」できないレベルに達していると思われます。

 全国の介護事業所では、これらの「支援策」を早急に活用し、サービス利用者や職員の感染・重症化・クラスターの発生を、1例でも防いでもらいたいと思います。

────────────────◇

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*****令和4年1月20日(木)第667号*****

◆◇◆◆◆─────────────
高齢者施設の3回目「前倒し」接種、全国の73%の市町村が「1月中開始または開始予定」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナ「第6波」の感染拡大防止対策として、厚生労働省は全国の自治体に対し、ワクチンの3回目接種の「前倒し」実施を求めているが、高齢者施設の「前倒し」について、全国の73%の市町村が「1月中開始または開始予定」と回答していることがわかった。

3回目の追加接種・市町村の取り組み状況 厚労省はこのほど「前倒し」の実施・開始予定について、全国の1741市町村に対してアンケート調査を行い、その結果を全国の自治体(都道府県・市区町村)に宛てた事務連絡文書(1月18日付け)で公表した=表・厚労省HPより。紫色・黄色・緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 なお厚労省は、この事務連絡文書の中で「(前倒しが)未対応等の市町村においては、速やかな追加接種の実施に努めていただきたい」「今後も追加接種の取組状況について、適宜調査させていただく」等と述べている。

 厚労省が公表した、全国の1741市町村の「前倒し」の実施・開始予定の状況(時期別)の割合を「高齢者施設等の入所者」「高齢者施設等の入所者等以外の高齢者」に分けると、次のような結果となった。

 【高齢者施設等の入所者等に対する「前倒し」の取組状況】

 ▽令和3年12月中から開始済み=9・8%=全国171市町村で、全国の人口比では24・8%
 ▼令和4年1月中から開始または開始予定=73・0%=全国1,271市町村で、全国の人口比では70・4%
 ▽その他=17・1%=全国299市町村で、全国の人口比では4・8%

 【高齢者施設等の入所者等以外の高齢者に対する「前倒し」の取組状況】

 ▼令和4年1月中から開始または開始予定=25・9%=全国451市町村で、全国の人口比では39・4%
 ▽令和4年2月中から開始または開始予定=64・7%=全国1,126市町村で、全国の人口比では56・5%
 ▽その他=9・4%=全国164市町村で、全国の人口比では4・1%

◇─[後記]───────────

 結果的に、今回の厚労省の事務連絡文書は、全国の市町村に対して「前倒し」を「催促」し、都道府県に対しては市町村への「支援」を要請したものと言えます。現在、東京都をはじめ全国で新型コロナの新規感染者が爆発的に増加しています。

 実際に「前倒し」を実施する市町村の現場は、大変な状況に直面していると思われますが、ここはぜひ、都道府県の「支援」も受けて、高齢者等への一刻も早い「前倒し」実施に尽力してもらいたいと思います。

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*****令和4年1月19日(水)第666号*****

◆◇◆◆◆─────────────
古川法務大臣「今年は、技能実習や特定技能を見直すチャンス。迷わずバットを振る」
─────────────◆◇◇◆◆

古川法務大臣 外国人技能実習制度と特定技能制度(以下「両制度」)を管轄する、法務省の古川禎久(ふるかわ・よしひさ)大臣=写真・法務省HPより=は、両制度の抜本的な見直しに着手することを宣言した上で、その第1弾として「法務大臣勉強会」を設置することを明らかにした。

 古川大臣は、1月7日に述べた年頭所感の冒頭で、両制度の見直しに言及し「ちょうど、見直しの時期を迎えている。このチャンスを逃さず、迷わず思い切りバットを振る」と強い意気込みを表明した。

 これに続き古川大臣は、1月14日の定例記者会見で、両制度の見直しに着手するために「法務大臣勉強会」を設置することに言及した。ここでも「改めるべき点があれば、勇気を持って、誠実さを持って改めていく」と再び、固い決意を述べた。

 古川大臣の1月7日の年頭所感と、1月14日の記者会見の要旨は、次の通り。

 【1月7日・古川大臣年頭所感「技能実習と特定技能の制度見直しの大きなチャンス」】

 年頭にあたり、法務大臣としての抱負を述べたいと思う。まずは「チャンスを逃さない」という意気込みだ。目の前にチャンスボールが飛んできたら、迷わず思い切りバットを振る、その意気込みで仕事に臨みたいと思っている。

 例えば、技能実習や特定技能。これらはちょうど今、見直しの時期を迎えている。ならばチャンスだ。この際、大胆に見直し作業に取り組みたいと思う。技能実習制度には、本音と建前のいびつな使い分けがあるとのご意見・ご指摘にも、正面から向き合う。

 私たちは今、数十年に一度の大きなチャンスを迎えている。その自覚の下に、果敢に見直しを進める。その際に大切なのは、制度の良いところも悪いところも率直に認める素直さ・潔さであり、改めるべきは改めるという誠実さだ。

 口で言うほど簡単でないことは分かっている。けれども、もし私たちが、真に素直さ・潔さ・誠実さを持てるのならば、私たちにもう怖いものはない。私たちは必ずチャンスをものにできる。

 チャンスは逃さない。私はこの1年、皆さんとともに、思い切りバットを振りたいと思っている。

 【1月14日・古川大臣定例記者会見「改めるべき点があれば、勇気を持って改める」】

 ▼古川大臣=特定技能制度・技能実習制度に係る、法務大臣勉強会を設置する。特定技能制度および技能実習制度の在り方については、入管法や技能実習法の附則において、検討が求められているところ、まさに検討時期に差し掛かっている。

 これらの制度については、様々な立場から賛否を含め、様々なご意見・ご指摘があるものと承知している。私としては、両制度の在り方について、先入観にとらわれることなくご意見・ご指摘を様々な関係者から、幅広く伺っていきたいと考えている。

 そのため「特定技能制度・技能実習制度に係る法務大臣勉強会」を設置することとした。

 ▽記者=法務大臣勉強会について。大臣として、様々な有識者の方からお話を聞かれる中で、特にどういった分野の方からお話を聞かれたいかという点と、いつ頃までをめどに、この勉強会の結論・方針を示されるのか、もしお考えがあればお願いしたい。

 ▼古川大臣=勉強会については、特定技能制度も技能実習制度も法律の附則にある見直しの時期を迎えていることから、見直しに向けて開始するものであって、現時点で具体的に見直しの方向性や終了時期をあらかじめ予断を持って定めて、始めるものではない。

 制度の在り方について、賛否を含めて様々なご意見・ご指摘があることは承知している。私としては先入観にとらわれることなく、様々な関係者から幅広くご意見を伺った上で、改めるべきは改めていくという姿勢の下、虚心坦懐に勉強会に臨みたいと考えている。

 ▽記者=技能実習生、それから特定技能制度の勉強会を開くとおっしゃったが、これもきちんとした受入れのための法制度に非常に問題点があり、実際に人権侵害が現場で起こっているし、今入管に収容されている人の中にも元技能実習生がたくさんいる状態だ。

 また、難民申請者の難民認定率が非常に低いという現状がある。だから、まず外国人がルール違反をするという前に、今の入管法そのものが現場に全然則していないのではないかと、まず入管法の運用を改善するという側面から取り組まないとならない。

 現場の状況は全然改善されないと思うが、そういう視点を持って技能実習制度の勉強会等をやられるのかどうかという点と、やはり入管法全体の中での位置付けが必要だと思うが、その考えについてお聞かせいただきたい。

 ▼古川大臣=この勉強会は、両制度の見直し規定があり、ちょうどその時期を迎えているということもあって、虚心坦懐に勉強会を進めていきたいということだ。あらかじめ予断を持って「こういう論点で」を決め打ちして始めるというものではない。

 賛成・反対の様々なご意見があることは、よく承知している。そうした様々なご意見にしっかり耳を傾けながら、改めるべき点があれば勇気を持って、誠実さを持って改めていくという姿勢でこの勉強会に臨むということを申し上げておきたい。

◇─[後記]───────────

 古川大臣の念頭には、技能実習制度で失踪する外国人が後を絶たないことや、実習生の労働環境に多くの問題点が存在することがあると思われます。介護分野では、まだ大きな問題点は指摘されていませんが、技能実習制度自体は大きく変換すると思われます。

 この大臣の「異例」とも言える、固い「決意表明」は、今後の介護分野での外国人材の受け入れにも大きな影響を及ぼすものと思われます。弊紙も最大限の注意を払い、事の成り行きを報じていきたいと思います。 

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*****令和4年1月18日(火)第665号*****

◆◇◆◆◆─────────────
2021年の老人福祉介護事業倒産件数81件・2020年の過去最高118件から一転し約3割減
─────────────◆◇◇◆◆

 昨年(2021年1月~12月)の「老人福祉・介護事業」の倒産は81件で、過去最多だった一昨年(2020年1月~12月)の118件に比べ、約3割減と大幅に減少した。2016年から2020年まで5年連続で100件を超えていたが、2015年(76件)の水準に戻った。

東京商工リサーチ・介護事業倒産件数 1月14日に、東京商工リサーチが発表した=グラフ・東京商工リサーチHPより。同社では、今回の「老人福祉・介護事業」の倒産件数が大幅に減少した理由について「コロナ関連の資金繰り支援策に加え、介護報酬のプラス改定なども下支えし、倒産は抑制された」等と分析している。

 【倒産件数は約3割減少したものの「小規模事業者の動向には注意が必要だ」と指摘】

 内訳をみると「通所・短期入所介護事業」が17件と、前年(2020年)の38件から約半減した。また訪問介護事業は47件で、同様に前年(2020年)の56件から減少したが、減少率は小幅に止まった。

 その一方で、新型コロナの感染拡大の影響が長引き「老人福祉・介護事業」では、2021年の「新型コロナ」に起因した関連倒産は11件(前年7件)と増加した。これらの結果について、同社では「小規模事業者の動向には注意が必要だ」

 「『老人福祉・介護事業』の倒産のうち、負債1億円未満は70件(構成比86.4%)、従業員10名未満も73件(構成比90.1%)と、小・零細事業者はそれぞれ9割を超えた。資金面に余裕のない小規模事業者は、競合や人手不足に伴うコストアップの吸収が難しい」

 「経営悪化に歯止めがかからないまま、オミクロン株の感染が広がると、濃厚接触などで介護職員が不足する事態も懸念される。また、コロナ支援策の息切れも散見され、2022年は再び倒産増へ転じる可能性も高まっている」等と指摘している。

◇─[後記]───────────

 過去5年間「老人福祉・介護事業」の倒産件数が100件を超えていた時代は、同社ではその要因を「異業種からの新規参入者等が、見込みの甘さから無理な経営続け、行き詰まったことが大きい」等と分析していました。

 この分析が正しいとすれば、今回の「倒産件数の約3割減」は、全国の介護事業者の皆さんの経営努力が結実した、と言えると思います。その一方で、同社が指摘しているように「小規模事業者の動向には注意が必要だ」との指摘にも、耳を傾ける必要があります。

 地場で、介護サービスを必要とする高齢者のためにも全国で、特に小規模の介護事業者の皆さんには、なんとしても今回の「第6波」を乗り切り、事業の継続を図って頂きたいと切に願います。

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*****令和4年1月17日(月)第664号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目「前倒し」接種・後藤大臣「自治体へ、できるだけ早く実施して頂くよう要請した」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの変異株・オミクロン株が主因とされる「第6波」の感染が全国で拡大している中で、後藤茂之厚生労働大臣は全国の自治体に対し、コロナワクチンの3回目接種の「前倒し」について「できるだけ早く、実施して頂くよう要請した」ことを明らかにした。

12月7日後藤大臣会見 1月14日にあった、厚労大臣の定例記者会見=写真は昨年12月7日にあった記者会見の様子。厚労省HPより=で述べた。会見で後藤大臣は「昨日(1月13日)、自治体に対して(前倒し接種に関する)新たな事務連絡を発出した」と述べた。これにより結果的に、全ての年代を対象に「できるだけ早い前倒し」を要請したことになる。

 【後藤大臣が記者会見で指摘した、自治体に対する1月13日付けの、事務連絡の要旨】

 市町村は、一般高齢者に対して、令和4年3月以降、初回接種(1・2回目の接種)の完了から、6ヶ月以上経過した後に追加接種を実施するよう努めること。

 ただし、医療従事者等および高齢者施設等の入所者等への追加接種について、一定の完了が見込まれた段階で、初回接種の完了から6ヶ月以上経過している一般高齢者に対して、令和4年3月を待たず追加接種を実施することを検討すること。

 また、医療従事者等および高齢者施設等の入所者等、ならびに一般高齢者への追加接種で、一定の完了が見込まれた段階で、初回接種の完了から7ヶ月以上経過しているその他の一般の者に対して、令和4年3月を待たず追加接種を実施することを検討すること。

 【1月14日の大臣の定例記者会見で、「自治体への要請」に関する内容の質疑応答】

 ▽記者=東京都で、来週(1月17日から始まる週)にも(1日当たりの新規感染者が)9千人以上になるとの試算が(厚労省専門家会議で)出された。驚異的なスピードでの感染拡大についての受け止めと(大臣は)現状の対策で対応しきれると考えるのか?

 ▼後藤大臣=昨日(1月13日)のアドバイザリーボード(=厚労省専門家会議)においても、関東や関西地方の都市部のみならず、その他の地域でもこれまで経験したことのない速さで新規感染者数が急速に増加していると評価・分析された。

 引き続き、高い警戒感を持って注視していく必要があると思っている。対応に際しては、オミクロン株の評価を踏まえつつ、これまで「全体像」でお示しをしてきた医療体制を、しっかりと稼働させていくことの準備を進める。

 さらに、ワクチンや治療薬といった予防から、早期治療への流れを引き続き強化していくことが重要だと考えている。また、自宅療養の支援体制のさらなる強化、進めるための事務連絡を(都道府県等へ)発出している。

 新型コロナワクチンの追加接種については、重症化リスクの高い高齢者などを対象に、接種間隔の「前倒し」を行っている。さらに昨日(1月13日)、自治体に対して(「前倒し」接種に関する)新たな事務連絡を発出した。

 ワクチンの量や接種体制に余力がある場合は、それを最大限活用して順次、できるだけ早く前倒しを行って頂くなど、追加接種のペースアップについても、強く要請をしたところた。

 引き続き、オミクロン株に関する科学的な知見を収集しつつ、現在準備している体制を、国民の命を守るために、先手先手でしっかりと整えていくことが必要だと考えている。

◇─[後記]───────────

 一方で、後藤大臣が指摘した、自治体に対する事務連絡文書で「前倒し」接種を実施する際には「新型コロナワクチンの供給スケジュールに、変更はないことに留意して接種を進めること」と述べています。

 つまり「現在の供給スケジュールでも『前倒し』接種には対応できるはずだ」との考えが、政府にはあるようです。一方で、全国の自治体の中には「追加接種分のワクチンを供給してくれれば、すぐにでも『前倒し』接種ができる」と述べているところもあります。

 政府は、本気で「前倒し」の実施を要請するのであれば「追加接種分のワクチンを供給してくれれば、すぐにでも『前倒し』接種ができる」としている自治体とすぐにでも話し合い「できるところから『前倒し』を実施していく」方針に切り替えるべきだと思います。

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*****令和4年1月14日(金)第663号*****

◆◇◆◆◆─────────────
全国の高齢者施設のスラスター発生件数が急増、今月は現時点で27件で、先月の倍以上
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナウイルスの変異株・オミクロン株が主因とされる「第6波」の感染拡大が急激に進んでいるが、これに比例して高齢者施設でのクラスター発生件数も急増している。今月11日までの発生事例は27件で、すでに先月(12月)12件の倍以上となっている。

高齢者施設クラスター件数 1月13日に開催された、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で、東北大学大学院の押谷仁教授らが提出した資料=表・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工=で明らかになった。

 この中で押谷教授らは、新型コロナの感染者の発生で、5人以上の事例(=クラスター)が報道されたもののみを抽出し、1月11日までの結果を集計した。これによると、今月に入ってからクラスターは190件あり、このうち高齢者施設は27件だった。

 先月(12月)の全国のクラスターは64件で、今月はまだ約3分の1しか経過していない時点(1月11日)で、すでに約3倍の件数に急増している。また高齢者施設のクラスターも、先月の12件からすでに倍以上に至っている。

 また今月の190件を発生した場所別に分類すると、高齢者施設の27件は最も多く、次いで学校教育施設、居酒屋を含む飲食店、会食が24件となっている。「第5波」のピークだった昨年8月以降の、全国と高齢者施設のクラスター発生件数の推移は次の通り。

 ▼昨年8月=全国1,773件・高齢者施設128件
 ▽昨年9月=全国764件・高齢者施設94件
 ▽昨年10月=全国136件・高齢者施設23件
 ▽昨年11月=全国55件・高齢者施設15件
 ▽昨年12月=全国64件・高齢者施設12件
 ▼今年1月11日まで=全国190件・高齢者施設27件

◇─[後記]───────────

 押谷教授らの統計によると、これまで高齢者施設のクラスター発生件数の最高は、昨年1月の352件です。現在のオミクロン株の急激な感染拡大の状況を加味すれば、来月にもこの最多件数を超えることも予想されます。

 全国の介護事業所では、この感染拡大の速さを十分に踏まえた上で「サービス利用者の一人に感染事例が発生した」と想定した対策のシミュレーションを、早急に行う必要があると思われます。それが「クラスター発生防止」の最善策につながるはずです。

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◆◇◆◆◆─────────────
今年2月からの処遇改善・新たな「3分の2ルール」の適用は「底上げの継続を図るため」
─────────────◆◇◇◆◆

 岸田内閣が掲げている「介護職員の抜本的な処遇改善」の実施策として、今年2月から9月まで「1人当たり月額平均9千円の賃金引上げに相当する額」の補助金が支給されるがこの要件として、過去の処遇改善にはなかった「新たなルール」が設けられている。

 具体的には「賃上げ効果の継続に資するよう、補助額の3分の2以上は、介護職員等のベースアップ等(=「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」)の引上げに使用することを要件とする」とした内容(=以下「3分の2ルール」と表記)が示された。

 この「3分の2ルール」は、今年2月から9月までの賃上げ分を対象とした具体策として、昨年12月24日に開催された介護給付費分科会の第205回会合で報告されたが、今年10月以降の処遇改善についても、その取得要件として「3分の2ルール」が挙げられた。

介護職員処遇改善3/2ルール この「3分の2ルール」の継続は、1月12日に開催された介護給付費分科会の第206回会合で、事務局から「案」として示された=画像・厚労省HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。また取得要件には「3分の2ルール」以外にも「処遇改善加算1~3のいずれかを取得している事業所」との条件も課せられている。

 【今年2・3月分は「一時金による支給も可能」だが、4月以降は「基本給」等に充当】

 ただし、今年2月・3月分の賃金引上げについては「4月分以降、基本給の引き上げに伴う賞与や、超過勤務手当等の各種手当への影響を考慮しつつ、就業規則(賃金規程)改正に一定の時間を要することを考慮して、一時金による支給を可能とする」とした。

 これにより「3分の2ルール」が本格的に適用される(=賃金の底上げが図られる)のは、今年4月以降になるケースも多いと思われる。この点について、会議に出席した委員から「なぜ全額ではなく『3分の2以上』なのか?」との疑問が投げかけられた。

 これに対し厚労省の担当官は、その理由として「底上げを継続的に図るため」と説明した上で「事業者と従業員との関係の中で、全額をベースアップに充てることも可能だ」等と回答した。

 質問した委員は、過去の処遇改善の実績から、今回の処遇改善に対して「その後も継続して上がるのか、不安だ」「これまでの処遇改善は、なかなかベースアップに充てられなかった」との現場の職員の声を紹介し、厚労省に「着実な底上げの継続」を求めた。

 これらの点に関する、会議で質問した委員と、厚労省の担当官との質疑応答の要点は次の通り。

 ▽委員=賃金改善の合計額について、確実に賃金に反映されるように(今回、示された「取得要件」で)賃金額の合計の3分の2以上は「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」の引上げに使用することを要件とする、との記載がある。

 これがなぜ、全額ではなく「3分の2以上」となっているのか? 理由を教えて頂きたい。

 ▼厚労省担当官=これまでの処遇改善加算では、このような規定(=「3分の2ルール」)は設けられていなかったが、今回の改定では「底上げ」を継続的に図るため(「3分の2ルール」を)新たにご提案を申し上げた。ご理解を頂ければありがたい。

 また、このルールはこれまでの処遇改善加算に適用するルールではない。今回の処遇改善に適用する、新たなルールだ。

 ▽委員=私は「なぜ全額ではなく、3分の2なのか」と質問させて頂いた。この部分のご回答をお願いしたい。

 ▼厚労省担当官=繰り返しになってしまうが、これまでの処遇改善の方法として、毎月定期的に支払われるものと、一時金(ボーナス等)として支払われるものがあるが、通常は雇用主と従業員との間で決定されるものだ。

 そういった中でも今回、ベースアップのために「3分の2」を上げて頂くことで「賃上げ効果に資する」と考え、ご提案させて頂いた。また事業者と従業員との関係の中で「全額をベースアップに充てる」ことは可能だ。

 ▽委員=現場の職員の方から「一度、基本給を上げた後、この処遇改善がなくなると(果たしてその後も、継続して上がるのか)不安だ」との声や、過去の処遇改善が「なかなかベースアップに充てられない」との指摘があることも、この場で申し添えておきたい。

◇─[後記]───────────

 今回、岸田内閣が掲げたのは「介護職員の抜本的な処遇改善」であり、一時的な賃上げではなく「底上げが継続すること」が最も重要な点になります。そのためにも今後、まずはこの「3分の2ルール」が厳格に適用されることが求められます。

 また会議では「処遇改善加算1~3の、いずれかを取得している事業所」との条件に対しても「それに該当しない事業所の介護従事者の賃金引上げも必要だ」との指摘もありました。この点も含め、厚労省には「案」を今一度、練り直してもらいたいと思います。

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*****令和4年1月12日(水)第661号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目接種・後藤厚労大臣「できる限り早く、高齢者への『前倒し』を進めていきたい」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの変異株・オミクロン株による「第6波」の感染が全国的に拡大している中で、後藤茂之厚生労働大臣はワクチンの3回目の「前倒し」接種について「できる限り早く、リスクの高い高齢者へのワクチン接種を進めていきたい」との方針を示した。

12月28日後藤大臣定例記者会見 1月11日の午前にあった、厚労大臣の定例記者会見で述べた=写真は昨年12月28日の定例記者会見の様子。厚労省HPより。この中で後藤大臣は、3回目の「前倒し」接種を全国的に進めるために「接種場所の、さらなる確保などを通じて(政府として全国の自治体に)ペースアップを要請していく」

 「『前倒し』接種で、接種票が(高齢者等に)届いていなくても、先に接種をして、後で報告をして頂ければ良い」等と述べ、政府として「前倒し」接種を進めるために、各自治体を全面的に支援していく考えを述べた。

 これらの件に関する記者会見での、記者と後藤大臣の質疑応答の内容は次の通り。

 ▽記者=(新型コロナワクチンの)3回目接種についてお伺いしたい。現在、3回目接種の接種率が0.6%と、まだ非常に低い数値に留まっている。オミクロン株の感染状況を見ると「少しでも急いで頂きたい」というのが正直な気持ちだ。

 現状で、3回目接種が進まない要因、一番は何がネックになっているのか? それと、岸田総理が(国による、自衛隊の)大規模接種会場の設置の意向を示されたが、その大規模接種会場を設置することによって、その状況というのは大きく改善されるのか?

 【「できる限り早くリスクの高い高齢者への3回目のワクチン接種を進めていきたい」】

 ▼後藤大臣=今、ご指摘のあったように、新型コロナワクチンの3回目接種、接種実績が1月7日公表時点で0.6%で、全人口に占める割合が(公表通りの割合に)留まっているのはご指摘のとおりだ。

 できる限り地方公共団体の皆様に体制を整備して頂き、医療関係者の皆様にもご協力を頂き、国としても最大限のメッセージを関係者の皆様に送ってできる限り早い、特にリスクの高い高齢者への3回目のワクチン接種を進めていきたいというのが、国の姿勢だ。

 3回目接種は年末から開始しているが、地方公共団体の中には年明けから本格的に開始することを考えていた自治体も多いと聞いている。また3回目接種は、2回目接種完了から一定の間隔で接種を行う。

 これにより当初、1・2回目の接種で、ペースが上がらなかった時期については「前倒し」のスピードが、例えば「100万回打てたじゃないか」というような時に比べれば、遅かったということはあると思う。

 いずれにしても今、最大限、引き続き自治体等の取組状況を把握しながら、適切に我々の方から助言を行ったり、あるいは是非とも(全国の自治体に、3回目のワクチン接種を)推進をして頂くように、お話しをさせて頂きたい。

 【「3回目の接種場所の、さらなる確保などを通じて、ペースアップを要請していく」】

 今、総理からの発言のご指摘があったが、各都道府県における大規模接種会場の設置や、接種場所のさらなる確保などを通じてペースアップを要請していくと、そういうことをしっかりと取り組んでいきたいと思う。

 (政府はこれらの点で)自治体と緊密に連携し、今後本格化する3回目接種の着実な実施を期してまいりたいと思っている。大規模接種会場の設置については、設置場所のさらなる確保など等も、ともかくあらゆるチャネルを利用して早期に行っていく。

 その体制整備のひとつの起爆剤として(自衛隊の大規模接種会場の設置を)しっかり取り組んでいく。

 【「前倒し接種で接種票が届いていなくても先に接種をして報告をして頂ければ良い」】

 ▽記者=今(3回目の「前倒し」接種がなかなか進まない原因として)ネックとなっているのは、ワクチンの確保とか配送をどうするとかではなく、一番厳しいのは「自治体の準備が追い付いていない」という認識なのか?

 ▼後藤大臣=すでに4,700(万回分)については自治体の方にワクチンをお送りしているし、12月・1月の分について言えば、在庫分からすでにお送りしている。だから少なくとも「前倒し」を決めた分、体制が整えば800万回分を打てるようにしていく必要がある。

 「前倒し」を決めたのが12月なので、それは関係者、自治体の接種場所についても、接種体制についても、また接種票の送付についても、遅れているところも(全国の自治体の中には)あろうかと思う。

 接種票は、届いていなくてもこれは接種をして頂いて、あとで「キチンと報告をして頂ければ良い」ということもお願いしているし、いろいろなチャネル含めて、しっかり準備体制を整えていくことだと思う。    

◇─[後記]───────────

 もはや「第6波」は、全国的に始まったと言える状況になったと思います。その中で重症化リスクの高い高齢者には、一刻も早い3回目のワクチン接種が求められます。一方で「ワクチンの供給さえあれば、すぐに『前倒し』はできる」という自治体もあります。

 自治体間ではマンパワーの差もあり、3回目の「前倒し」は「全国一律」で実施することは難しいかも知れませんが、一人でも多くの高齢者をコロナから救うためにも、政府の支援を受けて、できるところは即「前倒し」接種を実施してもらいたいと思います。 

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*****令和4年1月11日(火)第660号*****

◆◇◆◆◆─────────────
神奈川県・第6波対策「ハイリスクな高齢者施設を優先ターゲットに、感染防止策を徹底」
─────────────◆◇◇◆◆

 ここ数日で、新型コロナの新規感染者数が急激に増加している神奈川県では「第6波対策とは、オミクロン対策でもある」との方針を掲げ「オミクロン変異の侵入・感染拡大を前提とした準備が必要で、特に高齢者対策が重要」との認識で対策を講じている。

 1月6日に開催された、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で、神奈川県で新型コロナの感染対策の陣頭指揮を執る、医療危機対策本部室の阿南英明統括官が、神奈川県の「第6波」対策を説明した。

 【「高齢者のワクチン2回接種後の感染で『入院以上の重症化』が懸念される」】

 この対策で神奈川県では、オミクロン株の伝播性の高さに着目し、結果的に医療体制が最大限の影響を受け「病床のひっ迫」が生じることを予測している。このため、オミクロン株の感染拡大対策の要点を「医療負荷の軽減」に置いている。

 その具体的な対象として「高齢者に重点」を定めている。県では、オミクロン株の流行に対する「高齢者の特性」として、次の2つの要因を挙げている。

 ■1.ワクチン接種後、半年経過で中和抗体価(ウイルスの反応を起こさせなくする作用が中和抗体で、この中和抗体の量が血液検査で測定できるのが中和抗体価)が低下する。

 ■2.ワクチンを2回接種しても、感染阻止が可能なレベルの免疫が、獲得されない人がいる。

神奈川県の第6波対策・3つの戦術 この2つの要因から神奈川県では「高齢者の2回接種後の感染から『入院以上の重症化』が懸念される。高齢者、特に集団生活をする施設のクラスターの阻止が医療ひっ迫の回避に重要」と指摘し、具体的な対策として次の3つの戦術=表・厚労省HPより、緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=を掲げている。

 【戦術1=ワクチン接種】
 可及的速やかに、入所者・職員へのワクチン接種を実施する。
 ワクチンの配布や、施設ごとの接種状況の進捗管理を徹底する。
 県内の市町村と調整の上、自治体間の在庫ワクチンの融通の仕組みを構築する。

 【戦術2=検査】
 施設職員は、週に1回以上の定期PCR検査を受けることを啓発する。
 施設職員は、家庭に抗原検査キットを常備してセルフチェックする。
 入所者が感染症状の発症時に、速やかに抗原検査キットを活用することを推奨する。
 新型コロナの患者発生時に、迅速に幅広くPCR検査を実施する。
 新型コロナの感染拡大時に再度、施設での面会制限を強化する。

 【戦術3=治療】
 早期に、内服薬を処方する。
 移動困難者には、迅速に施設内で中和抗体薬を投与できる仕組みを構築する。
 中和抗体薬「ソトロビマブ(ゼビュディ)」の活用へ向けて準備する。

◇─[後記]───────────

 厚労省専門家会議で、これらの対策を発表した神奈川県の阿南統括官は「今回の『第6波(=オミクロン株の感染拡大)』は、高齢者の入院が相次いだ『第3波』と同じような道をたどるのではないか」と、今後の動向を分析しています。

 本来は「戦術1=ワクチン接種」で感染が防御できればベストでしょうが、神奈川県内では昨年12月から前倒し接種を開始して「先手」を打っているにも関わらず「全ての高齢者に、追加接種が行き届くのは5月頃」と見込んでいます。

 「第6波」が始まっている今、全国の介護事業所で実践できる最善の対策は「戦術2」=徹底した検査の実施による「早期発見」と「早期対処」だと思われます。これにより、全国の介護事業所でクラスターの発生が阻止できるよう、早急な取り組みが必要です。

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*****令和4年1月7日(金)第659号*****

◆◇◆◆◆─────────────
都内オミクロン株・現時点で感染疑い44%「早い段階で感染の主体になると想定される」
─────────────◆◇◇◆◆

 沖縄県や東京都をはじめ全国で新型コロナ感染が再拡大しているが、その要因について専門家は「変異株・オミクロン株の感染拡大だ」等と指摘している。東京都では1月5日時点で、新型コロナの感染者に占めるオミクロン株の疑いのある割合が44.6%に至った。

東京都オミクロン株疑い44% 1月6日に開催された、東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(都専門家会議)で報告された=グラフ・東京都HPより。緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。会議で都専門家は「12月28日から1月3日の7日間のPCR検査で、オミクロン株と推測できる割合が、前週の9.1%から大きく増加して44.6%となった」

 「オミクロン株は、都内で最初に確認されてから3週間目で、すでに40%を超えている(=44.6%)。同様に、デルタ株(=インド型)の感染が拡大した際は、最初に感染が確認されてから11週目だった。つまりオミクロン株は、デルタ株よりも8週間も早い」

 「またアルファ株(=英国型)よりも11週間も早い(=14週目で40%を突破)。つまりオミクロン株は、極めて速いスピードで置き換わっており、このままで推移すると、早い段階で感染の主体になることが想定される」等と指摘した。

 この分析結果を踏まえ、都専門家会議は「微生物(=新型コロナウイルス)の伝播を100%防ぐことは不可能だ。3回目を含めたワクチン接種を進めるとともに、総合的な感染対策によってリスク軽減を図っていくことが必要だ」

 「ワクチン接種後であっても、今後の継続した感染症対策が極めて重要で、円滑な社会・経済活動の鍵となる」等と提言した。

◇─[後記]───────────

 現在「第6波」の影響を最も受けているのが沖縄県ですが、一般マスコミの報道によれば、この沖縄県の感染状況を分析した県の専門家会議は「オミクロン株は、デルタ株とは全く別の病気だと感じる。インフルエンザに近い」等と述べているそうです。

 いずれにせよ介護事業所では、オミクロン株であるか否かを問わず、職員が感染すれば出勤ができなくなり「職場の欠勤率が高まる」ことが懸念されます。その対策も必要ですが、まずは職員やサービス利用者が感染しないよう対策が急務なことは間違いありません。

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*****令和4年1月6日(木)第658号*****

◆◇◆◆◆─────────────
都内の新規感染者390人、内53%が「ワクチン2回接種済み」で、ブレイクスルー感染
─────────────◆◇◇◆◆

5日の都内の新規感染者390人 東京都は、昨日(1月5日)の都内の新型コロナ新規感染者数を390人と発表=表・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工=したが、これをワクチンの接種状況別にみると「2回接種終了」が207人だった。感染者全体に占める割合は53.1%となり、約半数が「ブレイクスルー感染」だったことがわかった。

 また都内の新規感染者数は新年に入り、特にここ数日で急増している。

 ▽1月1日=79人
 ▽1月2日=84人
 ▼1月3日=103人
 ▼1月4日=151人
 ▼1月5日=390人

 さらに、1月5日の390人を年代別にみると、20代が153人で全体の39.2%と最多で、20代・30代・40代・50代の合計が319人で、全体の81.8%を占めた。65歳以上の高齢者は24人で全体の6.2%だった。

 ▽10代未満=14人
 ▽10代=24人
 ▼20代=153人
 ▼30代=70人
 ▼40代=55人
 ▼50代=41人
 ▽60代=19人
 ▽70代=10人
 ▽80代=3人
 ▽90代=1人
 ▽100歳以上=0 

 これらの結果に対し、複数の専門家は「今後、新規感染者に占めるオミクロン株の割合が高まることは必至だ。オミクロン株は感染力が強く、若年から中年層の感染が、重症化リスクの高い高齢者層等へ伝播することが懸念される」等と指摘している。

◇─[後記]───────────

 東京都に限らず、例えば沖縄県でも新規感染者が急増しています。この急速な感染拡大は、オミクロン株が主因と考えられています。今後、この感染拡大は全国に波及すると思われます。

 特に、東京都の事例から「ブレイクスルー感染」の割合が高い点も、全国に共通していくことが想定されます。高齢者の3回目のワクチン接種は始まったばかりで、どうやらこの「急速な感染拡大」に追い付くのは難しそうです。

 どうやら「第6波は、もう始まっている」と考えるべきなのかも知れません。ここ数日、弊紙ではこの欄で同じことを繰り返し述べていますが、やはり全国の介護事業者は1日でも早く「感染防止対策の、再度の見直し」に着手して頂きたいと思います。

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*****令和4年1月5日(水)第657号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「第6波」の懸念・松野官房長官「感染拡大が、急速に進むことを想定すべき状況にある」
─────────────◆◇◇◆◆

 ここ数日、全国で新型コロナ感染の再拡大の兆候がみられ、特に沖縄県では本日午前に「午後に発表する本日の新規感染者数が、現時点で暫定値ではあるが600人前後になる見込みだ」等と公表している。

松野官房長官 これらの状況を受け、松野博一内閣官房長官は本日午前の定例会見=写真・首相官邸HPより=で、質問した記者が「沖縄県の玉城知事が『第6波に突入した』との認識を示している」ことを取り上げ、現状での政府の見解を問いただした。

 松野長官は「最悪の場合、感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況にある」等との考えを示した上で「水際対策の骨格を維持しつつ、予防検査・早期治療の枠組みを一層強化し、国内対策に重点を移す準備を始めることとしている」等との対策の方針を示した。

 これらに関する、記者会見での質疑応答の内容は、次の通り。

 ▽記者=新型コロナの感染状況について、お伺いしたい。全国の新たな感染者が昨日(1月4日)、およそ3ヶ月ぶりに1千人を超えた。またこれは(本日午前時点の)暫定値ではあるが、沖縄県は今日の感染者が「600人前後となる」と明らかにしている。

 こうした状況について、沖縄県の玉城知事は「第6波に突入した」との認識を示している。政府としては、この沖縄県等の現状を「第6波」と捉えているのか? また増加傾向の要因をどのように分析し、どのような対策を講じていくのか?

 ▼松野長官=昨日の(全国の新型コロナの)新規感染者数は1,151人と、約3ヶ月ぶりに1千人を超えており、直近1週間の合計の、対前週比も約2.4倍と新規感染者が増加している。

 デルタ株による感染伝播は継続し、増加傾向にあることに加え、世界各地で感染が拡大しているオミクロン株について、わが国でも複数の地域でオミクロン株の感染が確認されている。

 さらに(オミクロン株の感染で)海外渡航歴がなく、現時点で感染経路が不明である事案も確認されている。今後、最悪の場合、感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況にある。

 政府としてはオミクロン株が、急速に拡大する最悪の事態に備え、昨日(1月4日)岸田総理がご発言された通り、水際対策の骨格を維持しつつ、予防検査・早期治療の枠組みを一層強化し、国内対策に重点を移す準備を始めることとしている。

◇─[後記]───────────

 残念なことですが現在、沖縄県で起きている感染拡大の状況は、いずれ全国でも同様の事態が生じると想定し、早期の対策を講じる必要があります。その感染防止対策で最も重要になるのが、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を有する方々です。

 全国の介護事業所は今後の「第6波」に備えて、できるだけ早く「臨戦態勢」を整えて頂きたいと思います。

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*****令和4年1月4日(火)第656号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省専門家・オミクロン株の感染拡大「重症化リスクの高い方々への感染に注意が必要」
─────────────◆◇◇◆◆

 年末から年始にかけて、新型コロナの変異株・オミクロン株の市中感染(=海外渡航歴のない等の感染事例)の発生が全国で発表されているが、厚労省専門家会議は今後、オミクロン株の感染が拡大した場合に、医療体制がひっ迫する可能性があることに言及した。

 特に、コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクが高い、高齢者や基礎疾患がある人々等を念頭に置いて「重症化リスクの高い方々の間で急速に感染が拡がると、重症者や死亡者が発生する割合が高まるおそれがある」等と指摘した。

厚労省専門家会議・オミクロン株の評価 昨年12月28日に開催された、厚労省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)が、直近の感染状況を分析した上で「今後の見通しと必要な対策」として提言した=画像・黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。その内容の要旨は、次の通り。

 【「既存のコロナワクチンは、重症化予防効果はあるが、発症予防効果は著しく低下」】

 全国の新規感染者数は依然として非常に低い水準となっているが、デルタ株による感染伝播は継続し、増加傾向にある。

 オミクロン株は世界各地で検出されており、これまでの変異株では見られなかったような急速な感染拡大が見られている。わが国においても、地域で一定規模の伝播が起きている可能性があり、今後、感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況にある。

 オミクロン株について、現時点で得られる情報は限られているが、南アフリカや英国等において流行株がデルタ株からオミクロン株に急速に置換されており、伝播性の高さが懸念される。

 またオミクロン株は、デルタ株と比べて倍加時間や潜伏期間の短縮化、二次感染リスクや再感染リスクの増大が指摘され、ワクチンについては、重症化予防効果は一定程度保たれているものの、発症予防効果は著しく低下していることが報告されている。

 さらに、試験管内での評価として、一部の抗体治療薬の効果が低下する可能性などが指摘されている。また現在、国内で経過観察されているオミクロン株の感染例については、全員が軽症または無症状で経過している。

 海外の研究でも「デルタ株と比較して、オミクロン株では重症化しにくい」可能性が示唆されているが、今後急速に感染拡大すれば感染者数も急速に増加し入院による治療を必要とする人が急激に増え、医療提供体制が急速にひっ迫する可能性に留意が必要である。

 また重症化リスクの高い方々の間で急速に感染が拡がると、重症者や死亡者が発生する割合が高まるおそれがある。

◇─[後記]───────────

 昨日(1月3日)、東京都内では103人の新規感染者が確認され、昨年10月8日以来、約3ヶ月ぶりの「百人超え」となりました。また103人のうち、現時点で74人は「感染経路がわかっていない」とのことです。

 まだ、感染の主体はデルタ株と思われますが、これがいずれオミクロン株に置き換わっていくのは「時間の問題」と思われます。今後は厚労省専門家会議が指摘しているように「コロナワクチンの発症予防効果は著しく低下すること」を念頭に置く必要があります。

 その上で、昨日付け弊紙のこの欄で述べたことの繰り返しになりますが、全国の介護事業者は1日でも早く「感染防止対策の、再度の見直し」に着手して頂きたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
都内の新型コロナ感染者・2週連続で高齢者の新規感染割合が増加し、今後に懸念が……
─────────────◆◇◇◆◆

 東京都内の新型コロナの、1日当たりの新規感染者数は、現時点ではまだ「低水準」で推移しているものの、ジワリと増加傾向を示している。特に昨年12月以降、新規感染者に占める高齢者の割合が2週連続して増加しており、東京都では警戒感を強めている。

東京都年末の高齢者の新規感染者数 12月30日に東京都は、新型コロナの直近の、都内の感染状況を考察した「モニタリング項目の分析」を公表し、この中の資料「新規陽性者数(65歳以上の割合)」=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工=で指摘した。ここでは1週間の新規感染者数に占める、65歳以上と75歳以上の割合(【】印)を示した。

 ▽昨年12月7日~13日まで=新規感染者数120人=65歳以上11人【9.2%】、内75歳以上5人【4.2%】

 ▼昨年12月14日~20日まで=新規感染者数172人=65歳以上17人【9.9%】、内75歳以上10人【5.8%】

 ▼昨年12月21日~27日まで=新規感染者数269人=65歳以上36人【13.4%】、内75歳以上19人【7.1%】

 【東京都「感染経路が追えない事例からの感染拡大に、警戒する必要がある」】

 都では、この資料を作成した昨年12月29日時点の感染状況について「新規陽性者数の7日間平均は、4週間連続して増加傾向にあり、注視する必要がある。都内でも、海外への渡航歴がなく、感染経路が不明な変異株(オミクロン株)の陽性者が報告されている」

 「感染経路が追えない事例からの感染拡大に、警戒する必要がある」等と、警鐘を鳴らしている。

◇─[後記]───────────

 現在は都内に限らず、全国的に新規感染者数が増加傾向にあります。感染症の専門家の多くは「現時点はまだ、オミクロン株によるものではなく、デルタ株(インド型)が主流となって感染が拡大している」等と分析しています。

 これに「感染力が、デルタ株よりも強い」と言われているオミクロン株の市中感染が多発すれば、現在の新規感染者数の「低水準」は一変する可能性もあります。まだ新年が明けたばかりですが、全国の介護事業者は早くも「正念場」に直面していると思われます。

 ぜひ1日でも早く「感染防止対策の、再度の見直し」に着手して頂きたいと、切に願います。 

────────────────◇

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