日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2021年12月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年12月28日(火)第654号*****

◆◇◆◆◆─────────────
一般高齢者の3回目接種、施設入所者への完了が見込めれば「来年1月から開始」が可能
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省は、新型コロナの3回目ワクチン接種の「前倒し」について、高齢者施設等の入所者・従事者に加え、通所サービス事業所の利用者・従事者も対象に含め、全国の自治体に向けて通達した(=昨日付け弊紙にて既報)。

 この通達では、高齢者施設の入所者・従事者と、通所サービスの利用者・従事者は、本来は2回目のワクチン接種完了から「8ヶ月後」としている原則から「2ヶ月の前倒しが可能=6ヶ月後」の対象として指定した。

 これ以外の「一般高齢者」は「1ヶ月の前倒しが可能」とし、2回目接種完了から「7ヶ月以上が経過した後」で、さらに「来年(令和4年)2月以降に実施することができる」と指摘した。

 【「施設入所者以外の一般高齢者が、来年1月に『前倒し』接種しても差し支えない」】

 またこの通達で厚労省は、自治体が3回目接種や「前倒し」を実施する際に生じる様々な問題点とその解釈を「Q&A」にまとめ、個々の問題について対処すべき「事例」を示した。この「Q&A」で「一般高齢者の接種者数を、平準化する等の必要性」に言及した。

 具体的には「一般高齢者の、来年2月以降の『前倒し』接種を実施する際に、対象の高齢者が2月頃に集中することを避けるため、来年1月から一般高齢者についても『前倒し』を開始してよいか? その際、施設入所者等の完了は必須か?」との趣旨によるもの。

一般高齢者の来年1月からの前倒しが可能に これに対し、厚労省は「施設入所者等の接種について、一定の完了が見込まれた段階で、一般高齢者の『前倒し』を行うことは差し支えない」等と指摘している=画像・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。結果的に、一般高齢者の「さらなる『前倒し』=来年1月からの接種開始」を認めた形となった。

 厚労省が自治体に示した「Q&A」の要旨は、次の通り。

 【「前倒し」接種に関するQ&A】

 ▽Q1=前倒し接種は、モデルナ社ワクチンを使用しないといけないのか?

 ▼A1=モデルナ社ワクチンに限らない。追加接種する時点で、手元にある1・2回目接種の、残余ワクチン等を使用しても差し支えない。

 ▽Q2=施設や通所事業所での接種について、すべての施設等で実施しなければならないのか?

 ▼A2=優先順位を考慮し、施設等での接種体制が整う範囲でご対応いただき、それ以外の高齢者は2月以降の一般高齢者として、接種を「前倒し」する中でご対応をお願いしたい。

 ▽Q3=高齢者施設等に入所している、64歳以下の者も対象となるか?

 ▼A3=「高齢者施設等の入所者」について、年齢の要件はないが(2回目接種完了から)6ヶ月以上が経過していることにご留意いただきたい。

 ▽Q4=「高齢者」の定義は、初回接種の手引きの定義(=令和3年度中に65歳になる方)と同じでよいか?

 ▼A4=同じだ。令和4年4月以降に65歳になる方についての対応は、追ってお知らせする。

 ▽Q5=来年2月から、高齢者全体への「前倒し」は、行わなければならないのか?

 ▼A5=住んでいる自治体によって、可能な限り接種のタイミングに差が生じないよう、できる限りご対応をお願いしたい。

 ▽Q6=施設入所者等ではない、高齢者の「前倒し」接種について、令和4年2月の接種者数を平準化する等の必要性から、令和4年1月から開始してよいか? その際、先行者(=施設入所者等)の完了は必須か?

 ▼A6=高齢者施設等の入所者等について、一定の完了が見込まれた段階で、その他の高齢者の接種の「前倒し」を行うこととして差し支えない。ただし、ワクチンの供給スケジュールに変更はないため、留意して接種を進めていただきたい。

 【追加(3回目)接種に関するQ&A】

 ▽Q7=住民に対して、日時・会場とワクチンを指定して接種券を送付してもよいか?

 ▼A7=住民に対し、日時・場所、ワクチンの種類の変更手段を示すとともに、ワクチンの供給の制約等により、必ずしも希望するワクチンを、希望する時期に接種ができるものではないことを併せて周知することであれば、差し支えない。

 ▽Q8=「間違い接種」により、すでに3回接種した者は追加接種の対象となるのか?

 ▼A8=12月1日より前に、国内ですでに3回以上接種を受けた者については、追加接種の対象外となる。またこうした者に対して、すでに追加接種用の接種券を配布している場合は、可能な限り接種券を回収するようお願いしたい。

 ▽Q9=海外で、国内承認のワクチンを2回接種した後、誤ってさらに国内で2回接種を受けている者は、追加接種の対象となるのか?

 ▼A9=対象外となる。

 ▽Q10=1・2回目接種は、当初の予定通り「令和4年2月末まで」か? 追加接種が始まることにより、1・2回目接種の実施期間も延長するのか?

 ▼A10=「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種」の実施期間中は、1・2回目接種が未接種の者を含め、予防接種法に基づく接種が可能であることから「今後、新たに接種対象になると想定される者」への、1・2回目の接種機会を確保していただきたい。

◇─[後記]───────────

 今回の、厚労省が自治体向けに実施した説明会を受け、全国の中にはすぐに「65歳以上の方の、3回目接種をさらに早める」と公表した自治体もあります。これにより、一般高齢者の3回目接種は、住んでいる自治体により、スタートでかなり「差」が出そうです。

 特に「一般高齢者の3回目接種を『さらなる前倒し』して、来年1月から始める」と決めた自治体は、この年末から年始にかけて、高齢者に対して広報すると想定されます。その際は、高齢者に「不要な混乱」が起きぬよう、丁寧に周知してもらいたいと思います。

────────────────◇

 【弊紙発行人より=日本介護新聞ビジネス版は、年内の発行は今号が最終となります。来年は、1月3日(月)から配信する予定です。読者の皆様には今年もご愛読頂き、心より感謝を申し上げます。来年もどうか、よろしくお願いいたします

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(C)2021 日本介護新聞

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*****令和3年12月27日(月)第653号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・3回目接種の「前倒し」対象に「通所サービス事業所の利用者・従事者」含める
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省は、新型コロナの3回目のワクチン接種について「原則8ヶ月後」から、2ヶ月「前倒し」する対象として「医療従事者等および高齢者施設等の入所者等」と述べてきたが、これに「通所サービス事業所の利用者・従事者」を加えたことを明らかにした。

3回目優先の追加接種・通所も 12月24日に、厚労省が自治体向けに開催した、3回目のワクチン接種に関する説明会で公表した=画像・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。説明会で厚労省は、自治体に向けて「医療従事者等、高齢者施設等の入所者・従事者」に対する、3回目のワクチン接種の「実施手順」について説明した。

 この中で厚労省は「各自治体は、追加接種を行う高齢者施設等の利用者・従事者への接種体制を確保するとともに、高齢者施設等での実施方法に準じて、通所サービス事業所の利用者と従事者に対する追加接種を行う」等と指摘した。

 【1・2回目の接種では、業界等からの要望もあり、在宅系はようやく優先接種に……】

 1・2回目のワクチン接種の際は、高齢者施設の入所者とともに、施設系サービスの従事者も「優先接種」の対象となったものの、当初は在宅系サービスの従事者は「対象外」とされていた。

 その後、介護業界の各方面から「在宅系サービスの従事者も、対象に含めて欲しい」等の要望を受け、厚労省は3月3日に各自治体へ宛てた事務連絡で「在宅系サービスの従事者も含まれる」と通知した。ただしその際には、次の3つの条件が付けられた。

 ■1.(居宅介護サービス事業所が所在する)各市町村が、必要と判断した場合。
 ■2.居宅介護サービス事業所が、感染者にサービス提供を行う意向を市町村に登録した場合。
 ■3.さらに、その事業所の従事者が、感染者にサービス提供を行う意思を有する場合。

 今回の3回目接種の「前倒し」に関する、厚労省が12月24日に示した方針では、1・2回目の接種の際に示した上記の「3条件」に縛られずに「通所サービス事業所の利用者・従事者」が「前倒し」接種の対象となった。

◇─[後記]───────────

 今回の厚労省の通達で、通所サービス事業所の利用者・従事者が、条件を付けられずに「前倒し」接種の対象となったことは、介護業界としては歓迎すべきことだと思いますが、気になるのは「訪問系サービス事業所」に触れられていないことです。

 おそらく、ワクチンの供給量等を勘案した結果だと思われますが「訪問系サービス事業所」もオミクロン株に対する警戒は、十分に必要な対象となります。ぜひ早期に、厚労省には「訪問系サービス事業所」も「前倒し」対象に加えてもらいたいと思います。

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*****令和3年12月24日(金)第652号*****

◆◇◆◆◆─────────────
東京都専門家会議「高齢者層の接触歴不明な新規感染割合が、高水準で推移」に注意喚起
─────────────◆◇◇◆◆

 東京都内の新型コロナの新規感染者数は、現状では「低水準」で推移しているが、その中でも感染者等との「接触歴等判明者」と「接触歴等不明者」の割合は、直近3週間では6~7割程度から半分強で「接触歴等不明者」の方が上回っている。

 また1週間当たりの新規感染者を年代別に分け、さらに各年代の「接触歴等不明者」の割合をみると、70代と80代以上の高齢者層の割合が「高水準」で推移し、特に80代以上では過去2週間は「100%」直近1週間も「77.8%」と全体の平均を大きく上回っている。

12月23日・東京都モニタリング会議資料 12月23日に、東京都が開催した「東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」(都専門家会議)で公表された資料で明らかになった=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。都専門家会議は「新規陽性者における接触歴等不明者数は、感染の広がりを反映する指標となる」

 「それだけでなく、接触歴等不明な新規陽性者が、陽性判明前に潜在するクラスターを形成している可能性がある」「また接触歴等不明者数の全体では、7日間平均で前週の約10人/日から、今週は12月22日時点で約16人/日となった」

 「新規陽性者における接触歴等不明者の(前週と比較した)増加比が100%を超えることは、感染拡大の指標となる。今週12月22日時点の増加比は、前週の約97%から約160%となった」等と、現在の状況に対して強い警戒感を表明している。

 直近3週間の「年代別・接触歴等不明者の割合」で、全体の平均と、70代・80代以上の割合は、次の通り。

 ■前々週(11月30日~12月6日)の、新規感染者に占める「接触歴等不明者」の割合
 全年代の平均=67.3%
 70代=71.4%
 80代以上=100%

 ■前週(12月7日~12月13日)の、新規感染者に占める「接触歴等不明者」の割合
 全年代の平均=56.7%
 70代=83.3%
 80代以上=100%

 ■今週(12月14日~12月20日)の、新規感染者に占める「接触歴等不明者」の割合
 全年代の平均=51.2%
 70代=66.7%
 80代以上=77.8%

◇─[後記]───────────

 東京都内の新規感染者数は、直近でも「低水準」で推移しているものの「下げ止まり」感もみられます。その中で、70代以上の高齢者層で「接触歴等不明者」の割合が「高水準」で推移していることは、その理由が「不明」なだけに、不気味さも感じます。

 現状では、都内ではオミクロン株が「市中感染」していないため、これらの状況はほとんどデルタ株の感染によるもの、とみることができます。オミクロン株の「市中感染」が始まる前に、やはり高齢者層に対する感染防止策の徹底が、再度必要になると思われます。

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*****令和3年12月23日(木)第651号*****

◆◇◆◆◆─────────────
公的価格評価検討委・中間整理「人への分配は『コスト』ではなく未来への『投資』だ」
─────────────◆◇◇◆◆

岸田首相へ中間報告手交 岸田文雄首相の発案で設置された、介護職員等の処遇を「抜本的に見直す」ための有識者会議・公的価格評価検討委員会(座長・増田寛也=写真・左から2番目)が12月21日「中間整理」を取りまとめ、翌日の12月22日に首相官邸で、岸田首相(=写真・右から2番目)に手交した=写真は首相官邸HPより

 「中間整理」では、政府が介護職員等を対象に、収入を3%程度(月額9千円)引き上げるための措置を、補正予算を財源として来年2月から実施することに対して「一定の評価ができるもの」と指摘した。

 加えて「一日も早く、現場で働く方々に着実に行き渡るよう必要な対応を進めることを求めるとともに、今回の措置が介護報酬等の制度に反映され、確実な賃上げにつながる仕組みとすべきであり、一時的なものにとどまらないことを求める」等と要請した。

 【介護職員等への処遇改善「人への分配は『コスト』ではなく、未来への『投資』だ」】

 また、今回の介護職員等に対する処遇改善が「人への分配は『コスト』ではなく、未来への『投資』だ」「処遇改善の最終的な目標は、職種ごとに仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されていること」等と指摘した。

 その一方で、今後も継続的に介護職員の処遇改善を実施していくための「財源」についての詳細な言及はなかった。同委員会は、今回の「中間整理」を踏まえて「来夏までに方向性を整理する」と、来年夏までに「結論」を出すことを予告した。

 今回の「中間整理」の要点は、次の通り。

 【補正予算を財源とした、今回の政府の措置について】

 政府は、補正予算で介護職員等を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を3%程度(月額9千円)引き上げるための措置を、令和4年2月から実施することとした。

 この際、他の職員の処遇改善に、この処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることとしている。本委員会としては、今回の措置は「速やかな処遇改善」の観点から、一定の評価ができるものと考えている。

 一日も早く、現場で働く方々に着実に行き渡るよう、必要な対応を進めることを求めるとともに、今回の措置が介護報酬等の制度に反映され、確実な賃上げにつながる仕組みとすべきであり、これらが一時的なものにとどまらないことを求める。

 【今後の処遇改善について】

 「新しい資本主義」において、人への分配は「コスト」ではなく、未来への「投資」である。官と民が共に役割を果たすことで、成長の果実をしっかりと分配し、消費を喚起することで、次の成長につなげる。

 これこそが、持続可能な経済、そして、成長と分配の好循環による「新しい資本主義」を実現するための要である。

 【処遇改善の方向性について】

 今般の経済対策の措置を前提としても、介護職員等の賃金は全産業平均から乖離(かいり)があり、仕事の内容に比しても未だ低く抑えられている状況である。引き続き人手不足の解消等に向けての対策が必要だ。

 今回の措置の結果も踏まえつつ、さらなる処遇の改善に取り組むべきである。処遇改善の最終的な目標は、職種ごとに仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されていることである。

 また介護・障がい福祉、保育、幼児教育分野も含め、経験・技術に応じた処遇ルールの明確化(賃金体系の整備)やタスクシフト・タスクシェアによる業務の高度化・効率化、各職種の養成課程のあり方、職員配置も含めた勤務環境の改善についても検討すべきだ。

 こうした処遇改善を行うに当たっては、全てを国民の負担に回すのではなく、既存予算の見直しや高齢化に伴って増加する医療・介護費の中での分配のあり方などを含め、幅広く検討を行うべきである。

 従来は、主に財政措置等を財源として処遇改善を進めてきた。今後は、さらなる財政措置を講じる前に、医療や介護、保育・幼児教育などの分野において、国民の保険料や税金が効率的に使用されることが重要だ。

 一部の職種や事業者だけでなく、現場で働く方々に広く行き渡るようになっているか、費用の使途の見える化を通じた透明性の向上が必要だ。またデジタルやICT技術、ロボットの活用により、現場で働く方々の負担軽減と業務の効率化を進めていくことも必要。

 本委員会は、こうした処遇改善に向けた政策手法を実現する観点から、それぞれの分野における費用の見える化やデジタル等の活用に向けた課題等について検討し、来夏までに方向性を整理することとする。

◇─[後記]───────────

 「中間整理」で述べられていることは、至極真っ当な意見だと思いますが「処遇改善の最終的な目標は、職種ごとに仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がること」と指摘しているにも関わらず、その財源についての詳細な言及がない点は、残念です。

 「来夏までに方向性を整理する」と予告した「結論」ではぜひ、最も重要な「財源の確保」について、正面から「提言」してもらいたいと思います。

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*****令和3年12月22日(水)第650号*****

◆◇◆◆◆─────────────
後藤厚労大臣・3回目接種の前倒し「まずは高齢者を対象に集中し、その他は検討中」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナワクチンの3回目接種の「原則8ヶ月からの前倒し」について、岸田文雄首相は12月17日の記者会見で「高齢者施設入所者などは、2ヶ月前倒しして6ヶ月」「その他の高齢者は、1ヶ月前倒しして7か月」と発表した(=12月20日付け弊紙で既報)。

12月7日後藤大臣会見 その後、後藤茂之厚労大臣が参議院予算委員会で「職域接種についても前倒しの接種を検討する」等と答弁した点について、12月21日の定例記者会見=写真は12月7日の記者会見の様子。厚労省HPより=で記者から「前倒し」の詳細について問われ後藤大臣は「まずは高齢者を対象に集中し、その他は検討中」等と回答した。

 これにより、重症化リスクの高い高齢者・約3,100万人の「前倒し」は「優先して、集中的に行う」ことが確認された。一方で、高齢者以外の「前倒し」については「ワクチンの、供給の目途はついていない」等と述べた。

 これらに関する、記者会見での質疑応答の内容は次の通り。

 ▽記者=新型コロナウイルスのワクチンの追加接種についてお伺いしたい。先日の参院予算委員会の中で、大臣は「職域接種についても前倒しの接種を検討する」という趣旨の答弁をされた。

 ワクチンの供給不足も懸念されているが、具体的な検討状況、前倒し時期の目安について教えて頂きたい。

 ▼後藤大臣=先だって3回目の接種、追加接種の前倒しについて、高齢者に関しては、ワクチンの重症化予防効果が比較的早く低下することから、重症化リスクの高い高齢者について約3,100万人の方々を対象として前倒しをすることとした。

 まずはこうした方々を優先して、前倒しを集中させるとしたところであって、職域接種を受ける方は直ちに前倒しの対象となるわけではない。今後の国内の感染動向や、ワクチンの供給力等を見極めつつ考えていく。

 職域接種を受ける方々を含む、その他の方々の前倒しについても「検討することとしたい」と、そのように考えている。(参議院予算委員会の)国会答弁もそういう趣旨だ。

 ▽記者=3回目接種について、ワクチンの供給量について、追加でモデルナ・ファイザーから早まるという交渉はしているのか?

 ▼後藤大臣=日本としてはそういう交渉もいたしているが、交渉の内容については、これは外国の民間企業との交渉で言わないことになっている。ただし、こういうコロナの感染状況であるから、世界中で需給に対しては厳しい状況が続いている。

 そうした中で、前倒しあるいは新たな獲得等も含めて、ワクチンの供給が早まることがあれば、それはそういう条件の下で、できる限りもっと前倒しを進めるように前向きに努力していきたいと思っている。

 ▽記者=それではまだ、供給の「前倒しの目途はついていない」ということか?

 ▼後藤大臣=「ついていない」ということだ。

◇─[後記]───────────

 とりあえずは「3回目の前倒しについては、高齢者分は見通しがついているが、その他は未定」になるとの趣旨になると思われます。ただ本日、一部で「オミクロン株の市中感染(=経路が不明な感染事例)が確認された」との報道がなされています。

 この記者会見で、発言が指摘された参議院予算委員会で、後藤大臣は「前倒し接種の、自治体に対する説明会は金曜(12月24日)に行う」とも述べています。全国の市区町村ができるだけ早く「前倒し」するためには、政府の「後押し」が必要です。

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◆◇◆◆◆─────────────
施設の面会「2回目接種後14日以上経過・PCR検査陰性72時間以内」条件に事例示す
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの流行に伴い、高齢者施設での面会は様々な制限が余儀なくされたが、ワクチン接種が進んだことにより、厚生労働省は「2回目接種後14日以上経過」または「PCR検査で、面会前の陰性が72時間以内の結果を確認」を条件とした、面会事例を示した。

高齢者施設面会事例集 12月15日に、厚労省が都道府県等に宛てて「高齢者施設における、ワクチン接種歴等を踏まえた面会に係る事例集について」と題した連絡文書を発出し、上記の2つの条件を前提として、実際に面会を実施している高齢者施設の事例を3つ提示した=表・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 厚労省は、介護保険施設等の運営基準で「常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない」等とされていることを踏まえ「ご対応頂けるよう、お願いいたします」等と要請している。

 ただし「今回示した事例は、各施設等で面会の実施方法を検討する際に参考となるよう、例として示したものであり、本事例に基づいて実施することを求めるものではない。管理者が、面会時間や回数、場所を含めた面会の実施方法を判断して欲しい」等としている。

 厚労省が示した3つの面会事例の要旨は、次の通り。

 ■1=▼条件=入所者と面会者がワクチン接種済の場合は、居室での対面。それ以外の場合(接種対象年齢外を含む)は、ホールでの対面。▼実施方法=居室では他入所者とは接触しない。ホールではアクリル板越し。いずれも面会者2~3名。時間は30分以内。

 ■2=▼条件=入所者と面会者がワクチン接種済またはPCR検査陰性の場合は対面。▼実施方法=ホールではアクリル板越し。面会者は2名。時間は15分以内。

 ■3=▼条件=【感染の拡大が認められる場合】=入所者と面会者がワクチン接種済またはPCR検査陰性の場合は対面。【感染の拡大が認められない場合】=全員が対面。▼実施方法=ホールで、アクリル板越しに行い、面会者2名で、時間は20分以内。

◇─[後記]───────────

 全国どこの高齢者施設でも「できることなら、以前のように対面での面会を実施したい」と考えているでしょうが、オミクロン株の感染拡大が懸念される中で、施設管理者は極めて難しい判断を迫られると思います。

 その中でもなんとか、これらの事例を参考に、全国の高齢者施設では何らかの手法で「面会」の実施を検討して頂きたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
岸田首相「3回目『前倒し』接種は、お年寄りを守るため国民のご理解をお願いしたい」
─────────────◆◇◇◆◆

岸田首相12月17日 岸田文雄首相は12月17日、緊急の記者会見=写真・首相官邸HPより=で、新型コロナワクチンの3回目接種について、高齢者を対象に実施する「前倒し」の内容について「高齢者施設入所者などは、2ヶ月前倒しして6ヶ月」「その他の高齢者は、1ヶ月前倒しして7か月」と発表した。

 また会見では、記者から「前倒しを、国と地方の在庫で行っていくのか?」と問われ、首相は「ワクチンについては既に契約を済ませ、そして実際に現物を国内に持ってくる、このスケジュールに基づいて前倒しを動かしていきたいと考えている」等と述べた。

 記者会見での、高齢者を対象にした「前倒し」に関する、岸田首相の発言内容は次の通り。

 (オミクロン株に対応する包括強化策の)1つ目の柱は、ワクチン接種の「前倒し」だ。昨日(12月16日)承認されたモデルナ社のワクチンを活用し、専門家の意見も伺った上で、医療従事者と高齢者約3,100万人の方々を対象として「前倒し」を行う。

 具体的には、まず、医療従事者等や重症化リスクの高い高齢者施設入所者などについて、接種間隔を2ヶ月「前倒し」し、6ヶ月に短縮する。加えて来年2月以降、その他の一般の高齢者について、接種間隔を1ヶ月「前倒し」して7ヶ月に短縮する。

 オミクロン株の感染拡大が懸念される中で、ワクチンの重症化予防効果が比較的早く低下しかつ重症化のリスクが高い高齢者の方々を優先して「前倒し」を集中させるとの判断を(岸田首相自身が)した。お年寄りを守るため、国民の御理解をお願いいたします。

◇─[後記]───────────

 この記者会見は先週の金曜(12月17日)に行われましたが、このニュースを報じたテレビの情報番組等で発言した専門家の意見を聞いていると「一般の高齢者も7ヶ月ではなく、6ヶ月でも実施可能な市区町村は、6ヶ月で実施すべきだ」等との指摘が出ています。

 どうやら、新型コロナの変異株・オミクロン株は今後、市中感染することは避けられない状況にあると思われます。この予防対策としてもぜひ、一人でも多くの高齢者が6ヶ月の「前倒し」で接種できるよう、政府は自治体を支援してもらいたいと思います。

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*****令和3年12月17日(金)第647号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省専門家「オミクロン株の感染力はデルタ株の約4倍、市中感染を想定した備えを」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの新たな変異株・オミクロン株の感染力が、デルタ株(=インド型)の約4倍(3・97倍)であると発表した。12月16日に開催された、厚生労働省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で、検討資料として示された。

オミクロン株の感染力の強さ 厚労省専門家会議のメンバーである、京都大学大学院の西浦博教授らのグループが公表した=画像・厚労省HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。西浦教授らは、オミクロン株が急速に流行しているデンマークの感染状況を分析したデータから、実効再生産数(1人の感染者が次に平均で何人にうつすか)を推計した。

 厚労省専門家会議で、西浦教授らが指摘した分析結果の要点は、次の通り。

 デンマーク全国の観察データにを分析した結果、オミクロン株の実効再生産数はデルタ株の3・97倍であった。これは南アフリカのハウテン州での(オミクロン株の)推定結果と大きく異ならないものであった。

 この推計により、デンマークでは12月中旬までに、オミクロン株が50%以上を占めるものと推測される。

 この分析結果を踏まえ、西浦教授らはオミクロン株の感染力の考察として「オミクロン株の流行が開始したと考えられる南アフリカ、およびデンマークの倍加時間は極めて短く、これまでの新型コロナウイルスで類を見ない速度で増加している」等と指摘している。

 また、厚労省専門家会議の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は、会議後の記者会見で「オミクロン株は今後、市中感染が起きることを含め、国内で拡大することを想定して備えていく必要がある」等とコメントした。

◇─[後記]───────────

 東京都は昨日(12月16日)、都内で初のオミクロン株の感染事例(=20代女性で、米国からの帰国者)を発表しました。これが「発端」となるか否かは別にして、いずれにせよ今後、オミクロン株の「市中感染」は避けられないと思われます。

 全国の介護事業所で、オミクロン株によるクラスターが発生する前に、一刻も早くコロナワクチン3回目接種の「前倒し」をすることが、最善の予防策と言えるでしょう。政府には早急に「前倒し」の詳細な内容を公表してもらいたいと、切に願います。

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*****令和3年12月16日(木)第646号*****

◆◇◆◆◆─────────────
世田谷区長「嘱託医のいる区内の高齢者施設は『前倒し』接種ができる状態になっている」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの3回目ワクチン接種の「前倒し」について、政府はまだ内容を明らかにしていないが(=昨日付け弊紙で既報)東京都世田谷区は、年内にも特養の入所者・介護従事者等を対象に「前倒し」ができるよう準備を進めていることを表明した。

 12月15日に開催された世田谷区の記者会見で、保坂展人(ほさか・のぶと)区長が明らかにした。 保坂区長は、新型コロナワクチンの1・2回目の接種について「世田谷区では高齢者施設に対してどうにか、デルタ株の爆発的な感染拡大の前に終えることができた」

 「しかし4月から9月にかけて、5ヶ所の高齢者施設で感染者が5名以上の『クラスター』が発生している。さらに8月から9月、デルタ株の爆発的な感染拡大が起きた時期では、高齢者施設での新規感染者の6割が『ブレイクスルー感染』だった」

 「高齢者の方は一度コロナに感染すると、約4分の1の方は中等症以上にまで進むと言われている。このため世田谷区では(自前でワクチンの打ち手が確保できる)嘱託医師のいる高齢者施設を中心に『前倒し』を準備を進め、現在は実施できる状態になっている」

世田谷区・前倒し接種 「現在(政府から「前倒し」の内容が示されれば)すぐに取りかかることができるよう、接種開始の体制を整えている」等と述べた。この日の記者会見で、保坂区長が示した高齢者施設への「前倒し」接種の実施内容=画像・世田谷区HPより。黄色と緑色と紫色のラインマーカーは、弊紙による加工=は、次の通り。

 ■対象施設=特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の区内計224ヶ所で、希望する施設

 ■対象者数=約1万5千人(施設入所者・約7,800人、施設従事者・約7,200人)

 ■実施方法(接種を行う体制)= 次の(1)(2)を、施設が選択して実施する。
 (1)施設の配置医、嘱託医、協力医療機関による施設内接種
 (2)区が委託する、事業者による施設への巡回接種

 ■ 実施スケジュール=特別養護老人ホームから、年内に開始できるよう準備を進める。 

◇─[後記]───────────

 保坂区長は「クラスターの発生を防ぐため、ブレイクスルー感染を防ぐために、ワクチンの抗体価が下がっている高齢者に対して『前倒し』接種を急ぐべきだ」と指摘し、国が示している現在の「前倒し」の基準(=クラスターが発生した時)を批判しています。

 さらに「政府は『止まれ』の旗を振るのではなく『どんどん進め』に、政策を転換して頂きたい」とも述べていますが、極めて真っ当な意見だと弊紙では受け止めています。政府には一日でも早く「前倒し」の内容を示してGoサインを出してもらいたいと思います。

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*****令和3年12月15日(水)第645号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目ワクチン接種「前倒し範囲」「優先順位」「選択」の詳細、後藤大臣「明言」せず
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの3回目のワクチン接種について、2回目接種終了から6ヶ月後への「前倒しの範囲」と、その際の接種の「優先順位」と、さらに3回目の接種ではファイザー社製かモデルナ社製かを「選択」できるのかに国民の関心が集まっている。

10月12日院内大臣室前会見 しかし後藤茂之厚生労働大臣は、12月14日の午前に開催された閣議後の記者会見=写真は10月12日に行われた閣議後の記者会見の様子。厚労省HPより=でも、これらの内容を記者から問われたのに対し「専門家のご意見を伺いながら、自治体と連携して早急に対応したい」と述べるにとどめ、詳細についての「明言」を避けた。

 全国の市区町村からは「国が早く内容を通知してくれないと、対応が困難になる」等と、政府に対して速やかに詳細を決定するよう、求める声が相次いで上がっている。この日の会見での、記者と後藤大臣との質疑応答の要旨は次の通り。

 ▽記者=明日(12月15日)に、モデルナの承認審査が行われると思うが、それを含めて基準というのがいつ示されるのかということと、優先順位はどういう人を念頭に置いていて、ファイザーとモデルナ、こちらについても選択できるのか、お伺いしたい。

 ▼後藤大臣=明日、15日に薬事・食品衛生審議会において、モデルナ社のワクチンについての追加接種に係る薬事承認申請というものをご審議いただくことは、ご指摘のとおりの予定だ。

 いずれにしても3回目接種の「前倒し」については、これまでも申し上げているようにオミクロン株への効果を一定程度見極めた上で、優先度に応じて追加承認されるモデルナのワクチンも活用し、8ヶ月を待たずにできるだけ早くに「前倒し」していく方針だ。

 ▼この方針に沿って進めてまいりたいと思っているが、いずれにしても専門家のご意見を伺いながら、そして実際に接種を実行していただく自治体と連携して、早急に対応したいと思っている。

◇─[後記]───────────

 一般マスコミによれば英国は、オミクロン株による感染が拡大して死者も出て、急きょワクチンの3回目接種の「前倒し」を拡大しているそうです。英国の保険相も「オミクロン株ほど、早く感染しているコロナの変異株はない」と述べた、等と報じています。

 日本政府が「前倒し範囲」「優先順位」「選択」について、いまだに詳細を示せない理由は不明ですが、日本の高齢者がオミクロン株に感染しないためにも、英国等の事例を参考に、一日も早くこれらの詳細な内容を示してもらいたいと思います。

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*****令和3年12月14日(火)第644号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目ワクチン接種・後藤大臣「モデルナを活用し、優先度に応じて『前倒し』が可能」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの3回目のワクチン接種実施について、政府からはいまだに、2回目接種終了から6ヶ月以上への「前倒し」の範囲が示されていないが、高齢者層はほぼ、その対象となることが見込まれている。

 その際は、1・2回目でファイザー社製ワクチンを接種した高齢者も、3回目はモデルナ社製ワクチンを接種する、いわゆる「交差接種」となる可能性が高くなる見込みが示された。

12月7日・後藤大臣会見 12月10日の記者会見で、後藤茂之厚生労働大臣が述べた=写真は12月7日の記者会見の様子。厚労省HPより。政府は3回目の接種で「ファイザー社製かモデルナ社製か、選択できる」と説明しているが、一部で「全ての3回目の優先接種を、ファイザー社製で行うことは在庫・供給の観点から困難」との報道もある。

 記者会見で、後藤大臣は「前倒し」による優先接種の実施について「モデルナ社のワクチンを、ファイザー社のワクチンを接種した方にも接種するということで、活用すること」との条件を付けている。

 このため、仮に高齢者層が「前倒し」の対象となっても「できるだけ早く、3回目の接種を進める」との観点から「ファイザー社製を希望しても、在庫がモデルナ社製しかなく、実質的に選択ができなくなる」ことが懸念される。

 これらの件に関する、後藤大臣の記者会見の要旨は次の通り。

 ▽記者=ワクチンの3回目接種について伺いたい。先日ファイザー社が「オミクロン株に高い予防効果を持つ」との調査結果を公表した。スピード感も重視されていると思うが、どういう優先順位を置きながら、自治体にいつ頃、どのような形で通知を出す予定か?

 ▼後藤大臣=新型コロナワクチンの3回目の接種については「2回目の接種から8ヶ月以上」を原則としていたが、感染防止に万全を期す観点から、既存のワクチンのオミクロン株への効果等を、一定程度見極めた上で実施する予定だ。

 優先度に応じて、追加承認される見込みのモデルナワクチンを活用して「8ヶ月を待たずにできる限り前倒しをする」というのが政府の方針だ。オミクロン株に対するワクチンの効果や、オミクロン株の特徴については、専門家や製薬企業が検証を進めている。

 これらに加えて、日本の感染状況、全国自治体の準備状況、ワクチンの供給量を踏まえた上で、前倒しの範囲や方法をお示ししたいと考えている。いずれにしても専門家の意見も伺いながら、自治体とも連携をして早急に対応することとしたいと思っている。

 なお追加接種では、ファイザー社とモデルナ社のワクチンを用いることとしているが、2社のワクチンを合わせて1億7千万回の供給を受ける契約を締結済みで(3回目の接種を全国民に実施する)総量として必要なワクチンは、確保できる見込みだ。

 また、モデルナ社のワクチンをファイザー社のワクチンを接種した方にも接種するということで活用することにより「優先度に応じて、一定程度の国民に前倒しが可能」だということだ。

 ただし、念のため申し上げておくと、ワクチンは順次輸入されるものなので、現状で「全国民を対象に、接種間隔の前倒しを行うことは困難」であることは、国民のご理解を頂きたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 昨日(12月13日)の衆議院の委員会で、野党が「3回目の接種の際に、ファイザー社かモデルナ社か、選べるのか?」と、ワクチン担当の堀内詔子大臣に問いただしたところ、明確な回答ができずに、最後は後藤厚労大臣が答弁した、という一幕がありました。

 堀内大臣は以前の会見で「選べるようにする」等と述べており、結果的に後藤大臣も今回、同様に答弁しましたが「優先接種の対象予定者全てが、ファイザー社製を接種するのは難しい」と、暗に示唆した形となりました。

 専門家によれば、ファイザー社製よりもモデルナ社製の方が、副反応が生じる可能性が高いようです。できれば高齢者層のみでも、できるだけ体への負担の軽減を図る意味からも希望者には全員、ファイザー社製が接種できるようにしてもらいたいと思います。

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*****令和3年12月13日(月)第643号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護職員の処遇改善・岸田首相「現場の方々に確実に行き渡るよう、自治体で確認する」
─────────────◆◇◇◆◆

 岸田首相が政策として掲げる「介護従事者の抜本的な処遇改善」について、介護業界から「本当に、現場の職員の引き上げにつながるのか?」との疑問が出されているが、この点に対して首相は「現場の方々に確実に行き渡るよう、自治体で確認する」等と述べた。

 現在の補正予算案では、介護職員は来年9月までは「月額9千円」の引き上げ額が示されているが、10月以降の引き上げ策について岸田首相は「公的価格評価検討委員会が年末までにとりまとめる『中間整理』を踏まえ取り組みを進めていく」等との方針を示した。

参議院質疑応答20211210 12月10日にあった、参議院本会議での代表質問で、自民党の野上浩太郎参議院議員の質問に答える形で述べた=写真・参議院インターネット審議中継より。壇上で質問しているのが野上議員で、前列左から3番目が岸田首相。これらの点に関する、当日の野上議員と岸田首相の質疑応答の要旨は、次の通り。

 ▽野上議員=今回(国会に)提出された補正予算案では、看護や介護、保育や幼児教育などの現場で働く方々の収入を引き上げるための措置が盛り込まれているが、それぞれの現場でこの賃上げの予算を確実に、現場の皆さんへ行き渡らせなければならない。

 また(今回の補正予算による、来年9月までの賃上げ対策の後に)来年10月以降も、さらなる引き上げを図らなければならない。そして全ての職員を対象に、公的価格の在り方を「抜本的に見直す」方針が(政府の施策として)示されている。

 ぜひとも、賃上げの予算が看護・介護・保育・幼児教育等の現場の方々に、確実に行き渡るような「効果的な仕組み・工夫」を講じるべきだ。これらの点について、総理はどうお考えか?

 ▼岸田首相=今般の介護・保育・幼児教育の現場で働く方や、看護の方々の給与の引き上げに当たっては、現場の方々に、確実に行き渡るよう、補助金全額が給与の引き上げに充てたことを、自治体において確認する仕組みとする。

 また、その後の「さらなる引き上げ」については、安定財源の確保と併せた道筋と含めて「公的価格評価検討委員会」で議論を頂いている。年末までにとりまとめて頂く「中間整理」を踏まえて、取り組みを進めていく。

◇─[後記]───────────

 今回の「月額9千円」の賃金アップを含め、これまでの介護職員に対する処遇改善では、現場から「そんな金額では、上がっていない」との声が寄せられています(=12月9日付け弊紙で既報)。

 この点は、今後の処遇改善策を実施する上でも、極めて重要な課題だと思います。今回の質疑応答にあるような「現場の方々に確実に行き渡るよう、確認する効果的な仕組み・工夫」をぜひ、今回の処遇改善策を実施する際に構築してもらいたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
東京都専門家・高齢者のブレイクスルー感染に注意喚起「感染者の6割が2回接種完了者」
─────────────◆◇◇◆◆

 多くの65歳以上の高齢者が、2回のワクチン接種を完了している中で、東京都は高齢者層に向けて、ブレイクスルー感染(=ワクチンを接種していても、その予防効果を突破して、コロナウイルスに感染すること)に警戒することを呼びかけている。

 12月9日に開催された、東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(都専門家会議)で、資料として「新規陽性者数等とワクチン接種率について」が提示され、この中で「高齢者のブレイクスルー感染」について注意が喚起された。

都専門家会議の資料 この資料によると「新規陽性者のワクチン接種状況別割合」で、65歳以上で2回のワクチン接種を終了した高齢者における新規感染者の割合が、10月は約6割に達した。これに対し、12歳から64歳で2回のワクチン接種を終了した者の新規感染者の割合は約2割だった=画像・東京都HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 これは、高齢者層のワクチン接種が先行した結果だと推測されたが、都専門家会議では「12歳~64歳、65歳以上のどの年代とも、ワクチン2回接種者における新規陽性者数の発生割合が、総じて低い傾向にある」

 「ただし、ワクチン2回接種率の増加伴い、新規陽性者数に占める割合は(月を経ることに)増加している。8月以降、新規陽性者数は少なくなっているものの、一定数のブレイクスルー感染は発生している」等と、注意を呼び掛けている。

 【「感染や、感染後の重症化を防ぐために、積極的にワクチン接種を検討すべき」】

 これらの結果を踏まえ、都専門家会議は「ブレイクスルー感染」について、次の3点を指摘している。

 □1.ワクチン2回接種後も、感染の可能性がある。
 □2.接種から期間が経過すると、抗体価の低下などにより、感染リスクが高まる。
 □3.発熱や倦怠感が現れないなど、感染時の症状が軽く、出現しにくい傾向がある。

 また「ブレイクスルー感染」に対する「留意すべきポイント」として、都専門家会議は次の4点を挙げている

 ■1.ワクチン接種後も感染することがあり、感染すれば他の人にうつすこともある。
 ■2.感染や、感染後の重症化を防ぐために、積極的にワクチン接種を検討すべき(2回接種済みの方は、接種券が届いたら3回目接種の検討をお願いしたい)。
 ■3.日々の感染対策(マスク・手指衛生・換気・三密回避など)を、引き続き徹底して頂きたい。
 ■4.何か症状や異変を感じたら、かかりつけ医や発熱相談センターへ連絡・相談し、早期の検査・治療を受けることが、感染の拡がりや重症化を防ぐために重要だ。

◇─[後記]───────────

 都内で現時点ではまだ、変異株「オミクロン株」の感染者は発生していませんが、いずれ時間の問題で、感染が「ある程度」拡大することは避けられないと思われます。その「オミクロン株」がまだ発生していない現状でも「ブレイクスルー感染」は起きています。

 やはり、3回目のワクチンをできるだけ「前倒し」して接種するとともに、その「3回目の接種」を受けるまでの期間は、全国の介護事業者には「これまで通り、またはそれ以上の警戒体制」を維持していくことしか、感染防止対策はないのかも知れません。

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◆◇◆◆◆─────────────
介護職員の処遇改善「全ての介護職員に、9千円が行き渡ると思われてしまうが……」
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介護職員処遇改善 現在、政府が検討している「介護職員の抜本的な処遇改善」で、令和3年度の補正予算を使って「月額9千円」の案=画像・厚労省HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=が示されているが、これに対し過去の処遇改善の事例から「現場で聞いてみると『そんな金額では上がっていない』とも聞く」等との指摘が出された。

 12月8日に開催された、厚生労働省の有識者会議・介護給付費分科会で、出席した委員から「処遇改善は、誰もが納得する説明が大事だと思う」との趣旨の意見が出され、この中で「現場で聞いた声」として紹介された。

 これは過去の処遇改善でも「他の職員の処遇改善に、介護事業所に支給された処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める」との方針から、今回の事例に当てはめれば「必ずしも全ての職員が9千円、支給されるとは限らない」点を指摘したもの。

 これらは、会合に出席した委員からの「意見」として述べられたもので、これに対して事務局(厚生労働省)からの回答はなかった。これに関する点の、介護給付費分科会で発言した委員の内容の要旨は、次の通り。

 (政府の案の)介護の領域の「月額9千円」の引き上げについては、誰も反対する方はいないと思ったが一方、看護の領域の金額と比較して「これで一体(双方が)うまくいくのか?」と思った。この辺りの整合性を明確にする必要性を感じた。

 また、いつも処遇改善では金額の数字、例えば今回は「9千円」という数字だけが印象に残って、結果的に「全ての介護職員に、9千円が行き渡る」と思われてしまうが、実際に配分する際には、それぞれの法人のルールがある。

 あとは「経験や技能のある方と、入職したばかりの方が、同じ金額の処遇改善で良いのか?」という議論もあると思う。さらに、現場のスタッフの方に聞いてみると「そんな金額で、給与は上がっていない」という話しも聞く。

 これらの点についてのキチンとした理由と、誰もが納得する説明が大事だと思う。加えて、これらの処遇改善が「サービス利用者の負担」にどの程度つながるのか──もちろんサービス利用者は、介護のスタッフの処遇も改善して頂きたいと思っている。

 これは皆が願っていることだと思うが、結果的にその処遇改善で介護保険料が跳ね上がったり、利用者負担に影響することが実際にあるので、これらの点でもキチンと納得がいくように、ポイントを押さえて頂きたい。

◇─[後記]───────────

 今回の「抜本的な処遇改善」は、介護以外にも看護も対象となっていますが、介護給付費分科会が開かれた昨日(12月8日)は、同様に看護職の処遇改善について中央社会保険医療協議会(中医協)で議論されたそうです。

 弊紙ではこの中医協は傍聴していないのですが、関係者から聞いた話しでは「個人の給与が、確実に引き上げられたかどうか、検証する仕組みが必要だ」等との意見が、出席した委員から出されたそうです。

 介護給付費分科会で委員が述べた意見「誰もが納得する説明」を確実に遂行するためには、やはり「検証する仕組み」は必要ではないかと、現在弊紙では考えています。

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*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年12月8日(水)第640号*****

◆◇◆◆◆─────────────
後藤大臣・3回目ワクチン接種「前倒しは自治体と連携して、早急に対応していきたい」
─────────────◆◇◇◆◆

 岸田文雄首相が12月6日に、3回目のワクチン接種について「前倒し」の実施を明言したこと(=昨日付け弊紙で既報)を受け、後藤茂之厚生労働大臣は「前倒し」について「自治体と連携して、早急に対応していきたい」との方針を示した。

11月19日後藤大臣会見 12月7日に行われた定例記者会見=写真は11月19日の会見の様子。厚労省HPより=で、記者からの質問に答える形で述べた。会見で後藤大臣は「日本の感染の動向、それから全国の自治体の準備状況、ワクチンの供給力を踏まえた上で『前倒し』の範囲や方法をお示ししていきたいと考えている」等と述べた。

 また「『優先度』に応じて、一定程度の国民に『前倒し』は可能だが、その辺のところをしっかりと今後、できるだけ早くに詰めてお示しをしていきたいと思っているが現状で、全国民を対象に、接種間隔の『前倒し』を一律に行うことは困難だ」とも指摘した。

 これらの事項に関する、記者会見での質疑応答の要旨は次の通り。

 ▽記者=岸田首相が昨日(12月6日)の所信表明で、ワクチンの「前倒し」に言及された。「できる限り前倒し」ということでご発言されたが、具体的な時期、それから対象者について、現在の検討状況をお聞かせ頂きたい。

 【「前倒しは自治体と連携して、早急に対応していきたいと思っている」】

 ▼後藤大臣=今、ご指摘があったように、新型コロナワクチンの3回目接種について、2回目の接種から8ヶ月以上経過した者に、順次接種することを「原則」としていたが「感染防止に万全を期す」という観点から、これを見直した。

 既存のワクチンの、オミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で「優先度」に応じて、追加承認されるモデルナ社のワクチンを活用して、8ヶ月を待たずにできる限り「前倒し」をするとの方針が、総理の所信表明演説で、政府の方針として示された。

 オミクロン株に対するワクチンの効果、オミクロン株の特徴、こうしたものについては今、専門家や製薬企業の間でも検証が進められているわけだが、そういったものを確認しつつ(「前倒し」を)進めていく。

 これらに加えて日本の感染の動向、それから全国の自治体の準備状況、ワクチンの供給力を踏まえた上で「前倒し」の範囲や方法をお示ししていきたいと考えている。いずれにしても、専門家のご意見をよく聞きながら、進めていきたい。

 また、自治体と連携して早急に対応していきたいと思っている。なお追加接種では、ファイザー社のワクチンとモデルナ社のワクチンの両方を用いることとしている。2社のワクチンを合わせると、1億7千万回の供給を受ける契約を締結している。

 【「ただし現状で全国民を対象に、接種間隔の前倒しを一律に行うということは困難」】

 つまり、総量として(3回目の接種に)必要なワクチンは確保されている。また、近く承認されるモデルナ社のワクチンを、ファイザー社のワクチンを接種した方にも「交互接種」ということで活用する。

 これにより「優先度」に応じて、一定程度の国民に前倒しは可能だ。その辺のところをしっかりと今後、できるだけ早くに詰めてお示しをしていきたいと思っている。ただし、ワクチンは順次輸入されるものだ。

 現状で「全国民を対象に、接種間隔の前倒しを一律に行う」ということは困難であると、そういうワクチン供給力であることもご理解を頂きたいと思う。

◇─[後記]───────────

 今後は、厚労省が「優先度」を公表すると思いますが、1・2回目の接種の前例を踏まえれば、高齢者層は「優先度が高い層」に含まれることは確実だと思われます。ただ1点、気になるのは実際に「前倒し」接種を実施する、市区町村側の対応状況です。

 現時点でもマスコミ等の取材に「急に『前倒し』をしろと言われても、会場や人員の確保を考えると、到底困難だ」と回答している市区町村もあります。厚労省や都道府県にはぜひ、これらの自治体に支援を行い「前倒し」を円滑に進めてもらいたいと思います。

────────────────◇

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*****令和3年12月7日(火)第639号*****

◆◇◆◆◆─────────────
岸田首相の所信表明・3回目ワクチン接種「8ヶ月を待たず、できる限り『前倒し』する」
─────────────◆◇◇◆◆

岸田首相・所信表明演説 岸田文雄首相が、3回目のワクチン接種について「前倒し」で実施することを明言した。12月6日に召集された臨時国会で、岸田首相は衆参両院で所信表明演説=写真・首相官邸HPより=を行い、この中で指摘した。

 現在、3回目のワクチン接種は原則、2回目接種終了から「8ヶ月以上」の間隔をあけることが求められているが「例外」として、高齢者施設でクラスターが発生した場合等は、市区町村が厚労省と相談した上で「6ヶ月以上に前倒し」ができる。

 岸田首相の発言は、この「例外」によらない「前倒し」の実施を明らかにしたもので今後、厚生労働省が「前倒し」の対象となる範囲等について明示することになる。岸田首相の所信表明演説で、これらに関連する発言内容は次の通り。

 (新型コロナの対応策として)新型コロナの脅威を社会全体として、可能な限り引き下げる。ワクチン・検査・飲める治療薬の普及により、予防・発見から早期治療までの流れを抜本強化する。

 ワクチンについては、医療従事者の方から3回目の接種を始めた。2回目の接種から8ヶ月以降の方々に順次、接種することを原則としていたが、感染防止に万全を期す観点から、既存ワクチンのオミクロン株への効果等を、一定程度見極める。

 その上で優先度に応じ、追加承認されるモデルナを活用して、8ヶ月を待たずにできる限り「前倒し」する。また、無料で受けられる検査を抜本的に拡充する。(これを実行するための予算として)3,200億円を計上する。

 健康上の理由でワクチン接種を受けられない方や、感染拡大時については無症状の方でも、無料で検査を受けられるようにする。

◇─[後記]───────────

 愛知県の大村知事は、3回目の接種で「前倒し」が可能となった際は「高齢者施設等を対象に、優先的に実施したい」等と発言しており、全国知事会でも各知事から、同様の要望が出されています。

 「前倒し」の範囲等については、近日中に厚労省から発表されると思います。実際に「前倒し」を実施する市区町村では、会場や人員の確保等、課題が多いと思いますが、できるだけ早期に実現できるよう、関係各位に努力してもらいたいと思います。

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*****令和3年12月6日(月)第638号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護処遇改善・論点「職種間の均衡、労働時間・経験年数・勤続年数をどう考慮すべきか」
─────────────◆◇◇◆◆

第2回公的価格評価検討委員会 介護職員の処遇を「抜本的に見直す」議論を進める、公的価格評価検討委員会の第2回会合が12月3日に開催され、本格的な議論が始まった。この議論を進めるために委員会の事務局(内閣官房社会保障改革担当室)は出席した委員に対し「主な論点」=画像・内閣官房HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=を提示した。

 これによると介護職員を含め、今回の議論の対象となっている保育士・幼稚園教諭・障がい福祉職員の処遇改善について「職種間の均衡」「労働時間」「経験年数」「勤続年数」等の要素をどう考慮すべきか──との論点が示された。

 また、継続的な処遇改善を実施するため「安定財源の確保」と、それに併せた財源確保の「道筋」が議論の対象となった。またこれらを議論するため、対象となる各職種の業界団体から提出された「意見書」も、資料として提示された。

 介護業界からは、全国老人福祉施設協議会・全国老人保健施設協会・民間介護事業推進委員会・日本介護支援専門員協会・日本介護福祉士会の5団体の「意見書」が紹介された。委員会での議論内容を掲載した議事録は、後日公開される。

 今回の委員会で、事務局が提示した「主な論点」で、介護職員の処遇改善に関係する部分は次の通り。

 ■1.処遇改善の方向性

 介護職員(の処遇)について、今回の経済対策に盛り込まれた措置(=収入を3%程度引き上げること)を前提として、今後の処遇改善の目標について、どのように考えるか。

 こうした今後の目標を議論するに当たって、職種間の均衡をどのように考慮するか。労働時間や経験年数、勤続年数等の要素を考慮すべきか。

 ■2.処遇改善に向けた政策手法

 公的価格の制度には、利用者負担や保険料負担があり、処遇改善の仕組みを拡充・新設する場合、これらの負担に影響することをどう考えるか。

 ■3.安定財源の確保と併せた道筋

 処遇改善に必要な財源について、どのように確保することが考えられるか。 
◇─[後記]───────────

 議事録が公開されるまでは、委員会でどのような議論が交わされたのかは不明ですが、事務局が「安定財源の確保」を主な論点に挙げていることから、介護職員の処遇改善では「介護報酬以外からの財源の確保」が議論されることが、明らかになりました。

 特に全国老人保健施設協会の意見書は「介護報酬とは別財源で確保すべき」ことを議論の「大前提」として指摘しており、弊紙でもこの点に最も注目しています。ぜひ「介護報酬以外」の財源確保の議論を活発に行い、結論へと導いてもらいたいと思います。

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*****令和3年12月3日(金)第637号*****

◆◇◆◆◆─────────────
日本医師会・ワクチン3回目接種「順次『前倒し』接種を進める考えも必要」に方針転換
─────────────◆◇◇◆◆

 日本医師会(中川俊男会長)は、新型コロナワクチンの3回目接種について、これまでは「(『前倒し』により)全国各地で混乱が生じることが危惧され、基本的には8ヶ月経過での接種であり6ヶ月経過での接種は例外的取り扱いにすべきである」と主張してきた。

 ところがここ数日で、新たな変異株・オミクロン株が世界各地で急速に拡大している状況を受けて「ワクチンの確保、接種体制が整った自治体から順次『前倒し』接種を進める考えも必要だ」等と方針を転換した。

日本医師会中川会長 12月1日に開かれた定例記者会見で、中川会長が述べた=写真・日本医師会HPより。中川会長は「オミクロン株による、第6の兆し」が見えた際には、現在の政府の政策を見直す必要性にも言及した。これらの点に関する、中川会長の記者会見での発言要旨は、次の通り。

 【「今後、オミクロン株による『第6波』も想定され、その兆しが見えた際には……】

 オミクロン株は、WHO(世界保健機関)が11月26日に、5番目の「懸念される変異株」に指定し、日本においても11月28日に「注目すべき変異株」から「懸念される変異株」に位置付けを引き上げた。

 (わが国の)国立感染症研究所が、オミクロン株はウイルスが細胞に侵入するための「スパイクタンパク質」に、約30ヶ所の変異が生じているとして、ワクチンの効果に影響がある可能性を指摘している。

 オミクロン株の感染性や重症化、ワクチンの効果などの検証には「2週間程度かかる見込み」であることから、今後も情報収集に努めていくが、今後はオミクロン株による「第6波」も想定される。

 その兆しが見えた際には、ワクチン・検査パッケージ制度の運用等を見直す必要がある。

 【「ワクチンの確保・接種体制が整った自治体から『前倒し』接種を進める考えも必要】

 一方、ワクチンの(3回目の)追加接種に関しては、日本医師会は各地での混乱を危惧し「基本的には8ヶ月経過での接種であり、6ヶ月経過での接種は例外的取り扱いにすべきだ」と述べてきた。しかし世界中でオミクロン株が急速に拡大する懸念もある。

 これを踏まえ、ワクチンの確保、接種体制が整った自治体から順次、前倒し接種を進める考えも必要だ。その場合には、8ヶ月経過後の接種としている自治体と、「前倒し」する自治体との間で住民が混乱しないようにすることが重要だ。

 またこれに伴い、ワクチン供給スケジュールの透明性を高める必要があり、円滑にワクチンを供給するよう、国には要望したい。

◇─[後記]───────────

 一方で、ワクチン接種を実施する側の全国知事会は、3回目接種の「前倒し」実施の「具体的な判断基準を、3回目接種の開始(12月1日)までに明示して欲しい」との要望を出していました(=11月24日付け弊紙で既報)。

 結果的に、この「要望」通りにはなりませんでしたが、政府の松野官房長官は12月1日午後の定例記者会見で「必要があれば8ヶ月の原則を待たずに、3回目の接種を行う範囲について、さらに検討する」と述べています。

 今回、日本医師会が「方針転換」したことで、3回目の「前倒し」が現実味を帯びてきました。オミクロン株の世界的な感染拡大もあり、政府には早急に「前倒しを行う範囲」を示してもらいたいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネ
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*****令和3年12月2日(木)第636号*****

◆◇◆◆◆─────────────
横浜市・ワクチン3回目接種の「前倒し」の実施、厚労省が承認・全国で初の事例
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナワクチンの3回目の接種が、2回目の接種終了後「おおむね8ヶ月以上」とされているが、厚労省は「自治体から事前に相談があった場合の例外」として「おおむね6ヶ月以上」も認めている。この「例外」規定が、横浜市(山中竹春市長)で認められた。

 厚労省が「例外」を認めた事例としては、全国で初とみられる。横浜市では現在、高齢者施設でクラスターが発生しており、この事例が「例外に該当する」と判断して、厚労省に「前倒し」を申請した。

 この高齢者施設では、入所者と介護従事者が5月中に2回目の接種を完了しており、3回目の接種は、厚労省の「8ヶ月以上」の原則に当てはめると来年1月以降に実施する予定になっていた。

 しかし、横浜市の山中市長は「高齢者ほどワクチンを打っても免疫が下がりやすく、感染のリスクが高まっている」ことと「高齢者施設でクラスターがたくさん起こり、重症者が増えることを懸念している」と、11月26日の市長定例記者会見で述べていた。

 このため、クラスターが起きた高齢者施設の3回目のワクチン接種について、11月29日に厚労省に「例外」を申請し、11月30日に承認された。本来なら「6ヶ月以上」だと11月中に実施が可能だったが、準備の関係で12月20日頃のワクチン接種を予定している。

横浜市長会見 山中市長が11月26日の記者会見=画像・横浜市HPより=で、高齢者への3回目接種の「前倒し」の重要性について述べた部分の要旨は、次の通り。

 【「高齢者ほどワクチンを打っても免疫が下がりやすく感染のリスクが高まっている」】

 3回目の接種について、少し私見を述べさせて頂きたい。今、3回目接種の間隔が議論になっている。まず、重要なことは、通常医療を守りながら、コロナの治療を行うことだ。通常医療を守るためには、重症者をなるべく減らすことだ。

 重症者は、ベッドの占有日数がどうしても長くなるので、そういった方々が多くなると通常医療、がんや心臓病などその他の疾患の医療提供に影響が出る可能性がある。重症者を増やさないこと、そのためには重症化リスクが高い人の感染を減らすことが重要だ。

 重症化リスクの高い方で、真っ先に思いつくのが高齢者の方だ。高齢者の方は、感染すると重症化リスクが高くなるのは、色々なデータから示されている。高齢者の方がワクチンを2回打って、6ヶ月くらい経っている方が増えているところだ。

 最近になって、年齢が高い人ほどワクチン2回目の接種から、6ヶ月後の免疫が下がりやすい傾向にあることが、データとして報告されている。例えば、Levin先生が報告されている論文がある。

 また(山中市長がかつて勤務していた)横浜市大で元々、私が関わっていた100名程度の集団の、6ヶ月後にどのくらい免疫が変わっているのかを報告したデータがあるが、年齢が高い人ほど、中和抗体ないし結合抗体の低下が大きいことが分かってきている。

 要は、高齢者ほどワクチンを打っても免疫が下がりやすい、感染のリスクが高まっているということだ。もちろん高齢者の免疫がどれだけ持つかは、個人差があるので一概には言えない。

 【「高齢者施設でクラスターがたくさん起こり、重症者が増えることを懸念している」】

 しかし平均値で見ると、6ヶ月後の免疫が下がりやすい傾向がある。したがって感染もしやすいということが、色々なところから報告されている。高齢者施設だと、特に多数の方が感染するリスクがある。

 横浜市では、これまで100以上の高齢者施設でクラスターの発生を確認している。我々としては、高齢者施設でクラスターがたくさん起こり、高齢者の方が感染し、その中から一部の方が重症化し、重症者が増えることを懸念している。

 ワクチンの3回目接種は、薬事承認では「2回目接種から、少なくとも6ヶ月が経過した後に、3回目の接種を行うことができる」とされている。一方、現在の国の見解は「例外的に6ヶ月に短縮した接種が可能である」としている。

 「例外的に」の解釈が、近日中に(政府から)説明される可能性があると思うが、我々としては高齢者施設について、自治体の判断による、6ヶ月の短縮接種を例外的に認めていただけないかと考えている。

◇─[後記]───────────

 山中市長は以前は横浜市大医学部教授で、新型コロナのワクチン効果についての研究成果を発表しています。つまり医学的な知見に基づいた成果を根拠とし、状況判断した結果の「前倒し」の要請であり、その主張は介護事業者にとっても傾聴に値すると思います。

 厚労省にはぜひ、山中市長の主張を踏まえた上で、3回目のワクチン接種の「前倒し」が可能な具体的な範囲について、早急に示してもらいたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
後藤厚労大臣・新型コロナ3回目接種の前倒し「『原則8ヶ月』を変えるつもりはない」
─────────────◆◇◇◆◆

11月19日後藤大臣会見 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の国内での感染者が11月30日に初めて確認されたが、この確認に先立って11月30日の昼に、後藤茂之厚生労働大臣は記者会見=写真は11月19日の会見の様子。厚労省HPより=で、3回目のワクチン接種の「前倒し」について、否定的な見解を示した。

 後藤大臣は会見で「オミクロン株」の国内での発生の有無に関わらず、3回目の接種について「必要なものであり、万全を期して粛々と進めていく」「『原則8ヶ月』のルールは、現時点では変えるつもりはない」と、現状では政策方針に変化がないことを強調した。

 また、厚労省が自治体に対して「変異株のPCR検査の再開」を要請したこと=昨日付け弊紙にて既報=に対しては「しっかりと対応していくべく、やりたいと思っている」等と述べた。これらの件に関する、後藤大臣の記者会見の要旨は次の通り。

 【「(オミクロン株が発生しても)今は3回目のブースター接種に万全を期していく」】

 ▽記者=「オミクロン株」と(3回目の)ブースター接種の関係について伺いたい。新型コロナの「オミクロン株」については、一部で「ワクチンの効果を下げる性質がある」可能性が指摘されている。

 これを踏まえて、原則、今3回目のブースター接種について「8ヶ月後」とされているのを、さらにこれを「前倒し」することは検討されていないのか?

 ▼後藤大臣=今ご指摘のとおり、3回目の追加接種については、2回目完了から「原則8ヶ月以上後に行う」こととして、明日(12月1日)から(医療従事者向けに)開始することになっている。

 「オミクロン株」については、ワクチン、治療薬にどのような影響があるのか、専門家や製薬企業の間で検証が進められていて、現時点ではその結果については全く不明であると承知している。

 政府としては、自治体と緊密に連携しながら、まずは明日(12月1日)から始まる(3回目の)追加接種に、万全を期してまいりたいと考えている。

 【「『オミクロン株』の性質がどう評価されても、現時点ではブースター接種を進める】

 ▽記者=(「オミクロン株」の)性質の分析は今、進んでいると思うが、分析結果が出るまで(3回目の接種の「前倒し」を)検討もされないという理解でよろしいか?

 ▼後藤大臣=今、全く不明なので、まずは新しい変異株「オミクロン株」はどんなものであるのか、まずその感染力がどのぐらいなのかとか、あるいは重篤度がどうなのかとか、そうしたこともまだわからない状況にある。

 だから少なくとも、できる限り専門家の皆さんに、これはもう世界で、昨日もG7の保健大臣会合で話しをしたが、これは世界が連携をして、この新しい「オミクロン株」の変異株の特徴や、あるいはそれに対する対応を協力してやっていこうと。

 そうしたことで、しっかりとその不明な点を解明をしていくと。そこは大事であると思っている。ただ「オミクロン株」が出る・出ない、その性格がどうかは別にして、少なくともブースター接種が必要であった状態については今、まだ何も変わるところはない。

 少なくとも我々としては、ブースター接種にどういう評価が下るのかということが確定するまでは、しっかりと追加接種に万全を期して、粛々とやるべきことをやっていくということだと思う。

 【「『原則8ヶ月』のルールは、現時点では変えるつもりはない」】

 ▽記者=「8ヶ月の原則」は、今は変えないということでよろしいか?

 ▼後藤大臣=現在のところは変えないということだ。(厚労省から都道府県等に)事務連絡を流したときの、私からの会見でも申し上げたとおり、感染の状況が変わったり前提条件が変わったりしなければ、地方における自治体の準備態勢が整うことがまず重要だ。

 なおかつ、ワクチンの供給力がきちんと確保できるという条件の下で、また我々としての判断について、必要があれば改めて判断をするということは既に申し上げているとおりで、その見解のままだ。

 今日(11月30日)の時点で、今ある条件の中で、このルールについて変えるというつもりはないと、申し上げておきたい。

 【「PCR検査も、しっかりと実施していく」】

 ▽記者=新型コロナウイルス感染症について、日本の現状はただいま落ち着いているように見える。これは、ワクチン接種がいき渡ったとの見方もあるが、日本に先行してワクチン2回接種完了した人々が多い欧米諸国では、11月初旬頃から感染が再拡大している。

 医療ガバナンス研究所の上昌広氏は、ワクチン接種が完了しているにもかかわらず、感染が確認される原因として「ワクチンの予防効果が、時間経過とともに落ちているから」と指摘している。

 英国・欧州・イスラエル・米国など「ワクチン接種が先行した国ほど効果が早く切れ、感染が再拡大している」とのことだ。日本のワクチン接種に関しては比較的遅かったため、現在感染者数が増えていないと思われる。

 ワクチンの効果が減り始める来年早々にも、感染の再拡大が起こるのではないかと懸念されている。加えて11月25日に、南アフリカで「オミクロン株」が確認されている。この「オミクロン株」は、感染力がとても強いとも指摘されている。

 これらの対応策として、水際対策やワクチンのみでなく、PCR検査の徹底こそが重要ではないか? 岸田政権は安倍・菅政権とは異なり、PCR検査を拡大する方針を示しているが、具体的にどの程度PCR検査を拡充させるのか?

 ▼後藤大臣=今、お尋ねのあったワクチンの効果だが、感染予防効果については抗体価が下がるにつれ、割合に早く、効果がなくなっていくということは、専門家の間で共有されている。

 一方で、重篤防止効果、あるいは発生の予防効果は、相当な効果が続くという評価になっていると思う。それらも含めて、感染予防効果が減じてくることを前提にブースター接種、3回目の接種をしっかりと、12月1日より取り組んでいくと考えているところだ。

 それからPCR検査、今1日あたり36万回、検査キットで現在で大体1日あたり87万回くらいの能力があるが、今後必要なPCRあるいは検査キットを初めとして、そのことについてしっかりと対応していくべく、やりたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 一般マスコミの報道によれば「オミクロン株」の発生が確認された英国では、3回目のワクチン追加接種について、2回目の接種終了との間隔を「6ヶ月以上」から「3ヶ月以上」に短縮する方針を固めたそうです。

 その他の国々でも「前倒し」を検討している状況が報じられています。日本は「原則8ヶ月」で、本当に大丈夫なのか……? 政府には大至急、詳細に検討して、その結果を公表してもらいたいと思います。

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