日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2021年10月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月28日(木)第614号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「第6波」の高齢者施設の感染対策、「退院患者の受け入れ」「入所継続」等の支援を依頼
─────────────◆◇◇◆◆

 政府は、今後予想される「第6波」に備えるため「『第5波』の時より、感染力が2倍になっても対応できるように、コロナ患者を受け入れる病床を1.2倍にする」等を医療機関や自治体に求めているが、高齢者施設にも「第5波」の時と同様の対応を求めている。

「第6波」高齢者施設への対応依頼 厚生労働省が10月25日に、都道府県等に対して事務連絡文書を発出した=画像・厚労省の発出文書より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。具体的には今後、感染拡大により病床がひっ迫した場合を想定して高齢者施設が、次の2点を円滑に実施できるよう、都道府県等に支援を依頼している。

 ■1.感染拡大に伴い、入院患者が増加した場合の対応として、高齢者施設に対して退院患者の受入についての考慮をお願いする。

 ■2.高齢者施設内で感染者が発生した場合に、やむを得ず施設等での入所を継続するようなケースに至った場合でも、感染者に対しても適切に健康観察・診療が行われ、治療が提供されるような体制となるよう、対応をお願いする。

 【施設系サービスが、感染拡大時にも必要なサービス提供が継続できる支援を要請】

 さらに、施設系サービス(特養、老健、介護医療院、認知症グループホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サ高住、短期入所生活介護事業所等)が、感染拡大時にもサービス提供が継続できる支援を、都道府県等に対して求めている。

 具体的には「感染症発生時に備えて、感染防護具の着用、ゾーニング等の感染管理、職員の確保等について、事前にシミュレーションを実施することが重要である」とし、都道府県等に対して個別施設への訪問による研修、助言等の実施の検討を求めている。

◇─[後記]───────────

 地域に根差した施設運営をしている介護事業所では、上記の「1」「2」は検討に値する事項だと思われますが、一方で「1」について、特養に尋ねたところ「新型コロナ療養者の受け入れは8割以上が『予定なし』」

 「実際に、新型コロナ療養者を受け入れても8割近くが『補助金は受給していない』」との調査結果が出ています(弊紙10月20日号で既報)。厚労省はまず、これらの「原因」を精査してから、都道府県に対して実施策を要請してもらいたいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月27日(水)第613号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ワクチン2回目接種終了者・高齢者90%・全国民70%、後藤大臣「他国に例を見ない速さ」
─────────────◆◇◇◆◆

 政府の発表によると、昨日(10月26日)時点で、新型コロナワクチンの2回目の接種を終了した人が、65歳以上の高齢者で全体の90.4%、高齢者を含む全国民で70.1%に達した。1回目のみの終了者は、高齢者が91.4%、全国民で76.7%となっている。

10月12日後藤大臣会見 この状況を受けて、後藤茂之厚生労働大臣は、10月26日に開催された記者会見=写真は10月12日の記者会見の様子。厚労省HPより=で「他国に例を見ないスピードで接種が進んでいる」と述べ、ワクチン接種の推進に取り組んでいる自治体や医療関係者に謝意を述べた。

 【「希望者全員への接種完了」の判断は「予約の入り方等をみながら、判断していく」】

 一方で政府は、これまで「11月までに、希望者全員への2回目接種の完了」を目標として掲げてきたが、会見で記者から、この具体的な判断基準について問われた後藤大臣は「数値目標をはっきりとお示ししているわけではない」

 「自治体の接種の状況だとか、予約状況の入り方等をよく見ながら、判断をしていくということになる」と回答するに止め、具体的な基準は示さなかった。これらの点に関する記者会見での、記者と後藤大臣のやり取りの内容は、次の通り。

 ▽記者=ワクチンの接種率についてお伺いしたい。10月25日時点での(全国民の2回目接種修了者の)接種率は69.6%となって7割が目前となっているが「7割達成」の意義について、大臣はどのように考えているのか?

 また政府は「11月までに、希望者全員への接種完了」を目指していると思うが、何を持って「希望者全員への接種完了」という節目と捉えるのか? 最終的に目指す具体的な接種率について、どう考えているのか?

 ▼後藤大臣=2回接種を終えた方の、全人口への割合は(記者会見の発表時点で)69.6%で、本日か明日か、公表値で7割を超えるのではないかと考えている。他国に例を見ないスピードで接種が進んでいる。自治体や医療関係者の皆様に、大変感謝を申し上げます。

 政府としては「希望する全ての国民が、2回のワクチン接種が終えられる」ように、対象となる12歳以上の人口の約9割が2回接種できる量のワクチンを配送したが、自治体の取り組みの好事例に関する情報提供等も行っている。

 引き続き自治体の状況をよく見ながら、自治体の取り組みの支援、必要なワクチンの供給、そうしたことに努めてまいりたいと思っている。ただし、数値目標をはっきりとお示ししているわけではない。

 希望者に納得していただいて打っていただくということであって、そういう意味で「希望者全員への接種が終わった」かどうか、そのことについては自治体の接種の状況だとか、予約状況の入り方等をよく見ながら、判断をしていくということになる。

 ※【お詫びと訂正】

 弊紙10月21日号(609号)と、10月25日号(611号)の「後記」で「厚労省は自治体や医療機関に対し、今後の『第6波』に備えて、今回の『第5波』の2倍程度の病床の確保を求めている」と書きましたが、実際は「1.2倍程度」の誤りでした。

 この部分は正確には「政府が、今後の感染拡大対策として示した全体像の骨格で『第5波』を教訓とし、今後予想される『第6波』で、感染力が2倍になっても対応できるように、コロナ患者を受け入れる病床を1.2倍にするように求めている」との意味でした。

 この部分を記事にする際に「1.2倍」と書くべきところを「2倍」と記してしまい、事後のチェックで見落としていたため、誤った数字を掲載してしまいました。今後、このようなミスが起きないように万全の注意を払うとともに、読者の皆様にお詫び申し上げます。

◇─[後記]───────────

 ワクチンの2回目の接種を「高齢者90%・全国民70%」が終えたことは、後藤大臣が指摘している通り世界に対して誇れる実績だと思われます。ただし「希望者全員への接種完了」についての判断基準の回答には、弊紙では疑問を感じます。

 例えば、高齢者で自宅で寝たきりの状態の方が、本当に自らの健康状態等を考慮して「希望を出していない」のか、それとも「どうせ自治体では、自宅にまでワクチンを打ちに来てくれないだろうから、諦めている」のか……。

 政府が「希望者全員への、接種が完了した」と発表する際は、この点を必ず自治体に対して確認するように要請してもらいたいと思います。まだ1回目の接種も終えていない高齢者(8.6%)に接種希望者がいれば、それは政府の責任で対応策を考慮すべきです。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月26日(火)第612号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目のワクチン接種「3~4月に2回目の接種完了者に、11月22日に券が届くよう……」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナワクチンの3回目の接種は、全国的に12月1日からの開始が予定されているが、そのうち 12月中に追加接種の対象となる見込みの人について、自治体に対し「11月22日を目途に接種券が届くよう、準備を進める必要がある」と要請した。

3回目の接種券は11月22日までに届くように 厚生労働省が10月20日に、都道府県等に宛てて「新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)に係る、接種券等の印刷および発送について」と題した事務連絡を発出した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。3回目の接種に向けて、政府・自治体が本格的に動き出した。

 3回目の接種は「2回目接種から概ね8ヶ月が経過した人」とされており、このため12月中の接種対象者は「今年3月または4月中に、2回目の接種が完了した人」となる。ただし政府はまだ、接種対象者の範囲については、正式に発表していない。

 この点について、今回の事務連絡では「接種券一体型予診票等の発送は、科学的知見や諸外国の対応状況を踏まえ、接種対象者の範囲等が定まってから開始する必要があることから、発送を開始する時期については、改めてお知らせする」等と述べている。

 なお、今回の3回目の接種では「シール紙の確保・印刷等に係る事務負担や、委託事務を軽減する観点から、1回目・2回目接種時と異なり、接種券と予診票を一体化した新様式を使用する」

 「ただし、やむを得ない事情がある場合は、従来の様式の使用も認めることとする」等としている。なお厚労省は、今回の事務連絡に先んじて自治体に対し、データベースからの3回目の接種対象者の抽出作業を、10月中に行うことを求めている。

◇─[後記]───────────

 全国的に、高齢者向けの接種が本格的に開始されたのはゴールデンウィーク明けからですが、早い人は5月中に2回目の接種が終了しています。このため、高齢者向けの3回目の接種券の発送は、12月中には始まるものと思われます。

 おそらく全国の自治体では今、3回目の接種に向けた「対象者の抽出」と「接種券の印刷」作業に追われていると思われますが、今回は1回目・2回目の時のような混乱が起きぬように「過去の教訓」を生かした接種体制を、構築してもらいたいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月25日(月)第611号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「0.1%分」10~12月コロナ補助金、対象は「マスク・手袋・消毒液・パーテーション等」
─────────────◆◇◇◆◆

 今年4月の介護報酬改定は「プラス0.7%」となったが、このうち「0.1%」は新型コロナへの対応にかかる経費への充当等で「9月末までの特例的な対応」だった。10月以降は補助金として対応する方針が示されていたが、その概要が判明した。

厚労省・かかり増し経費補助 10月22日に、厚生労働省が介護業界の各団体に宛てて、説明資料を送付した=画像・厚労省送付資料より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。これによると、今年10月から12月末までの間に「日頃の新型コロナウイルス感染症対策にかかった経費は、補助金で支援させて頂くことになりました」と述べている。

 具体的に対象となるのは「衛生用品(マスク・手袋・消毒液など)、パーテーション、パルスオキシメーターの購入経費」で、実際にかかった経費を支援するが、サービス種別ごとに補助金の上限額を設定している。

 支援対象品の詳細については、後日「必要に応じて対象範囲をQ&Aで示す」としている。補助上限額の目安として、説明資料では「平均的な規模の介護施設(特養・老健)で、6万円」と示している。

 申請は、10月から12月までの3ヶ月分の経費について、まとめて1回の申請(原則、電子申請)とする予定で、申請時に「レシートの添付は不要だが、事業所での適切な保管をお願いする予定。またこの間の経費のレシートの保存もお願いする」と述べている。

 詳細については後日、改めて事務連絡文書が発出される。今回の説明資料で厚労省が示した、サービス種別ごとの上限額は次の通り。▼印は、厚労省が指摘した「平均規模」。

 【施設系サービス(特養・老健)の例】
 ▽39人以下=3万円
 ▽40~49人=4万円
 ▽50~69人=5万円
 ▼70~89人=6万円
 ▽90人以上=7万円

 【居住系サービスの例=認知症グループホーム】
 ▽14人以下=1万円
 ▽15人以上=1・5万円

 【在宅系サービスの例】

 ◆訪問介護
 ▽訪問回数1200回以下=1万円
 ▽訪問回数1201回~2000回=1・5万円
 ▽訪問回数2001回以上=2万円

 ◆短期入所生活介護=1万円

 ◆通所介護
 ▽通常規模=1万円
 ▽大規模1=1・5万円
 ▽大規模2=2万円

 ◆居宅介護支援=1万円

◇─[後記]───────────

 今回は、あくまで「0.1%分」の充当であるため、上記のような上限額が設定されるのは仕方ないかも知れませんが、多くの専門家は「年末から年始にかけて『第6波』の到来」を予想しています。

 さらに厚労省も、医療関係者へ「病床の確保を『第5波』の際の1.2倍以上」を要請しています。今回の「0.1%分」の補助金だけでは、専門家が予想する「第6波」に対応することは難しいと思われます。

 願わくば予想が外れて「第6波」が来ないことがベストなシナリオですが、本当にそのような状況に陥った際は、厚労省には機敏に、介護事業所への支援体制を構築してもらいたいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月22日(金)第610号*****

◆◇◆◆◆─────────────
東京都の感染状況「まだクラスターが散見され『一定程度に収まっている』とは言い難い」
─────────────◆◇◇◆◆

 東京都内の新型コロナの感染状況は、まだ高齢者施設等でクラスターが散見されるものの、全体的には新規感染者数は「二けた」が続いているが、専門家はまだ「警戒が必要」と判断し「一定程度に収まっている、とは言い難い」と指摘した。

第68回東京都モニタリング会議 10月21日に開催された、東京都新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)=写真・東京都HPより。前列右端が小池知事、前列左端が大曲センター長=で、現在の感染状況を分析した結果として、国立国際感染症センターの大曲貴夫センター長が指摘した。都専門家会議ではこれまで、感染状況の分析結果を次の4色で指摘している。

 ◇「赤色」=大規模な感染拡大が継続しており、感染再拡大の危険性が高いと思われる。
 ◇「黄土色」=感染拡大の兆候がある。感染状況は改善傾向だが、注意が必要である。
 ◆「黄色」=感染が拡大している。感染状況は拡大傾向にないが、警戒が必要である。
 ◆「緑色」=感染者数が、一定程度に収まっている。

 今回の会議で大曲センター長は、現状を「黄色」と指摘したが、これに対し小池百合子知事が「どのような状況になれば『緑色』となるのか?」等と質問した。これに対し大曲センター長は「まだ感染経路が不明という方がかなりいて感染の全体像が見えていない」

 「これが実際に『見えてくる』と、クラスターに対して有効な対策を集中的に実施することができて『緑色』と判断できる」等と述べ、さらに次の「波」が到来した際も「新規感染者数の急増を、防ぐことができる」等と指摘した。

 同会議での、小池知事と大曲センター長とのやり取りは次の通り。

 ▽小池知事=今回の分析では「感染状況」は「黄色」だったが、いつになったら「緑色」と判断されるのか?

 ▼大曲センター長=「黄色」は「感染拡大の兆候があり(と思われ)感染状況は改善傾向にあるが、注意が必要である」という意味だ。現状では、確かに新規感染者の実数は非常に低くなってきている。

 ただ中身をみると「感染経路が不明」という方が、まだかなりいる。この新型コロナという病気の特徴は「クラスターをつくりながら、広がっていく」ということだ。その点では、まだ(クラスターの発生も続いていて)感染の全体像が見えていない状況だ。

 これが実際に「見えてくる」と、例えば「都内のA地区とB地区でクラスターが発生していているが、その感染拡大の範囲は、隣のC地区とD地区にまでで収まっている」というように、明確になってくる。

 これらが都内全体で、明確に「見えてくる」ことになれば、われわれも「緑色」と判断することができる。ただ現状では「そこまでは、まだ追い切れていない」というのが現在の判断だ。

 それから「そこまでは、まだ追い切れていない」ということは「もしかしたら現状でも、私たちの知らない場所で、潜在的に感染が広がっているのかも知れない」との可能性も秘めている。これらが理由で、今回は「黄色」と判断した。

 ▽小池知事=それでは、数値で判断するとどうなるのか?

 ▼大曲センター長=これを数値で定義することが、適切かどうかはわからないが、例えば感染経路がわからない人が、年代によっては60%程度もいる。現在の感染状況から判断すれば、この「60%程度」はもっと低くあるべきだと思う。

 シンプルな言い方をすれば「20%」とか「30%」とか。しかしそれだけではなくて、例えば1日の新規感染者が50名いたとして、この50名の感染経路の相関関係がきれいに追えることが重要だ。

 例えば「AさんとBさんはつながっているが、Cさんとはつながっていない」等。これが50名の感染者から、相関関係を地図上に落とし込んだ際に「ハッキリと見て取れる」ことが重要だと考えている。

 関係者は日々、これを明らかにすべく努力を積み重ねている最中だが、1日の新規感染者数が少ない今こそ、徹底的に取り組むべきだ。新規感染者の数が増えてしまうと、関係者の労力が多大になって「追い付かなくなる」ことになる。

 つまり「ハッキリと見て取れる」状況であれば、そこに対して集中的にクラスター対策を実施することができ、次の大きなクラスターを防ぐことができるし(次の「波」が来ても)新規感染者数の急増を防ぐことができると、われわれは考えている。

◇─[後記]───────────

 都内の新規感染者数が、以前に比べれば「激減」している中でも、やはり「油断」はできないようです。大曲センター長は、特にクラスターが、地域での感染拡大の「起点」になってしまう可能性を指摘しています。

 高齢者施設は、自らの「施設利用者を、新型コロナの感染から守る」と同時に「周辺の地域を、感染拡大から守る」役目も担っている、と自覚することが求められています。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月21日(木)第609号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省専門家会議「一部の地域で高齢者施設のクラスター発生」等、リバウンドに警鐘
─────────────◆◇◇◆◆

厚労省専門家会議・警鐘を鳴らす 全国的に新型コロナの新規感染者数が減少している状況について、厚生労働省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)は10月20日、第56回会合を開催し、飲食店等に対する規制対策を「緩和は段階的に行うことが望ましい」等と提言した=画像・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 厚労省専門家会議は、現状について「全国の新規感染者数は、直近の1週間では人口10万人あたり約3人となっており、今回および今春の感染拡大前の水準以下が続いている。また新規感染者数の減少に伴い、療養者数・重症者数・死亡者数も減少が続いている」

 「一方、死亡者数は減少しているものの、今回の感染拡大前の水準を超えている。また、緊急事態措置やまん延防止等重点措置の解除後、多くの地域で夜間滞留人口の増加が続いており、新規感染者数の今後の動向には、注意が必要」と分析した。

 【「一部の地域では高齢者施設等でクラスターが発生、改めて対策の徹底が重要」】

 全国的に、新規感染者数が減少している理由については一部で、ワクチンの接種が全国的に進んでいる点が挙げられているが、これに対しては「ワクチン接種が先行する諸外国では、大幅な規制緩和に伴いリバウンドが発生している状況がみられる」

 「これに鑑み(飲食店等に対する規制の)対策の緩和は、段階的に行うことが望ましい」等と提言した。さらに「多くの地域で夜間の滞留人口の増加が続き、感染者数の減少速度の鈍化や、下げ止まりが懸念される」

 「今後の感染再拡大を見据え、現在の感染状況が改善している状態を維持し、もう一段感染者数を落とすことが重要」「また、一部の地域では飲食店や高齢者施設等においてクラスターが発生している」

 「このため、地域の感染状況等に応じ、改めてクラスター対策としての積極的疫学調査を徹底することにより、感染拡大の芽を可能な限り摘んでいくことが重要」等と、今後に予想される「第6波」への備えに向け、警鐘を鳴らした。

◇─[後記]───────────

 テレビの報道番組で、感染症の専門医が「現在なぜ、全国的に新規感染者数が減少しているのか、明確な理由はわかっていない。逆にみれば今後、明確な理由がわからないまま、新規感染者数が急増することも十分にあり得る」と述べています。

 厚労省も医療機関に対し、今後の「第6波」に備えて「今回の『第5波』の1.2倍程度の病床の確保」を求めています。「明確な理由」がわからない以上、全国の介護事業者にも「現状よりも、さらに警戒レベルを上げた感染防止対策」が求められると思われます。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月20日(水)第608号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特養のワクチン接種は9月時点で「ほぼ100%」だが、施設内療養者の受け入れは……。
─────────────◆◇◇◆◆

 今年9月時点の、特養における新型コロナのワクチン接種で、2回目までの修了者が入所者で99.8%、職員でも97.1%と「ほぼ100%」にまで達したことがわかった。これが3ヶ月前の6月時点では入所者25.8%、職員15.0%に過ぎなかった。

特養のワクチン接種状況 特養では、7・8・9月の3ヶ月で急速にワクチン接種が進んだことが明らかになった。特養のワクチン接種状況を、入所者と職員に分けて、6月時点と9月時点で比較すると次のようになった=グラフ・WAMのHPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ▽施設入所者・6月時点=2回接種済み25.8%、2回目を接種途中18.9%、1回目のみ接種済み21.7%、1回目を接種途中15.7%、接種時期は決まっているが未接種14.7%、接種時期は未定3.2%

 ▼施設入所者・9月時点=2回接種済み99.8%、2回目を接種途中0.2%

 ▽施設職員・6月時点=2回接種済み15.0%、2回目を接種途中20.3%、1回目のみ接種済み16.6%、1回目を接種途中20.3%、接種時期は決まっているが未接種15.2%、接種時期は未定12.7%

 ▼施設職員・9月時点=2回接種済み97.1%、2回目を接種途中2.9%

 独立行政法人福祉医療機構(WAM)が「社会福祉法人経営動向調査」の、今年9月調査の結果概要として10月15日に公表した。今回は、新型コロナの患者受入等の状況を「新型コロナ感染症に伴う影響」として調査した。

 【特養での、新型コロナ療養者の受け入れは8割以上が「予定なし」】

 
また特養では、新型コロナに感染した療養者を受け入れると、地域医療介護総合確保基金の補助金の受給対象となる。この点を尋ねると、施設内で新型コロナの療養者を「受け入れたことがある(現在はいない)」と回答した施設は7.9%に止まった。

 「現在、受け入れている」は0.7%、「今後、受け入れる予定がある」との回答も8.1%に止まり、全体の83.3%は「受け入れる予定はない」と答えた。

 【実際に、新型コロナ療養者を受け入れても8割近くが「補助金は受給していない」】

 さらに、実際に施設療養者を「現在受け入れている=0.7%」「受け入れたことがある=7.9%」の合計8.6%について、補助金の受給の有無を尋ねたところ「補助金を受給した(申請中を含む)」は21.1%で「補助金を受給していない」が78.9%と、約8割もあった。

 なぜ、約8割が「補助金を受給していない」のか──その事情まで調査結果では公表されていないが、その理由の一つとして「補助金の適用日が今年4月1日以降であることから、同日以前の受入は支給対象外となっている」ことも、挙げられている。

 同調査はWAMが、特養や社会福祉法人の経営における現場の声・実感を把握するため、四半期ごと(6月・9月・12月・3月)に実施している。今回の9月調査ではWAMに登録している、特養を運営する525の社会福祉法人を対象とし、442法人から回答を得た。

 回答率は84.2%。調査は今年9月6日から9月27日まで、WEB上で実施された。

◇─[後記]───────────

 特養で、新型コロナ療養者の受け入れで8割以上が「予定なし」と回答したのは、最近報じられている「ブレイクスルー感染」の懸念もあるでしょうが、自らの施設で「余裕がない」のが多くの理由ではないかと思われます。

 それはそれで仕方がないことでしょうが、一方でせっかく新型コロナ療養者を受け入れても、8割近くが「補助金は受給していない」と回答している点が気になります。せっかく補助金の交付するのであれば、この点も厚労省は明確に追跡すべきだと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月19日(火)第607号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特養の今年度上半期の収益・前年度比で全体の73%が「横ばい」だが、17%が「減収」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナ感染拡大の影響により、今年度上半期(2021年4月から9月まで)に、特別養護老人ホーム(特養)が受けた収益への影響を聞いたところ、昨年度上半期(2020年4月から9月まで)と比べて、72.9%が「横ばい」、17.0%が「減収」と答えた。

特養の収益 独立行政法人福祉医療機構(WAM)が「社会福祉法人経営動向調査」の、今年9月調査の結果概要を10月15日に公表した=WAMのHPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。今回は、今年度上半期における特養の、サービス活動収益の状況(見込みを含む)を「新型コロナ感染症に伴う影響」として調査した。

 これによると、特養の今年度(2021年度)上半期のサービス活動収益を、前年度(2020年度)上半期と、前々年度(2019年度)上半期と比較した場合、次のような結果となった。

 ■前年度上半期と比較した場合=「増収になった」10.0%、「横ばいだった」72.9%、「減収になった」17.0%
 □前々年度上半期と比較した場合=「増収になった」17.2%、「横ばいだった」62.7%、「減収になった」19.9%

 このうち「減収になった」と回答した特養の内訳(=「何割減収になったか?」)は、次の通り。

 ■前年度上半期と比較した「減収17.0%」の内訳=「1割減」10.6%、「2割減」4.1%、「3割以上減」2.3%
 □前々年度上半期と比較した「減収19.9%の内訳=「1割減」12.0%、「2割減」5.2%、「3割以上減」2.7%

 同調査はWAMが、特養や社会福祉法人の経営における現場の声・実感を把握するため、四半期ごと(6月・9月・12月・3月)に実施している。今回の9月調査ではWAMに登録している、特養を運営する525の社会福祉法人を対象とし、442法人から回答を得た。

 回答率は84.2%。調査は今年9月6日から9月27日まで、WEB上で実施された。

◇─[後記]───────────

 今回のWAMの調査期間となった今年度上半期は、新型コロナの感染拡大で、今年5月にピークを迎えた「第4波」と、今年8月にピークを迎えた「第5波」が含まれます。それでも前年度上半期と比較して、約7割が「横ばいだった」と回答しています。

 一方で、約2割弱が「減収になった」と評価しています。単純に考えれば「全国の特養の、約2割は減収の傾向」と捉えることができます。政府には、この結果を分析した上で「第6波」への対策を講じてもらいたいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月18日(月)第606号*****

◆◇◆◆◆─────────────
松野内閣官房長官・介護職員の所得向上策「年末までに、具体的な結論を出していく」
─────────────◆◇◇◆◆

 岸田文雄首相は「介護職員の所得向上」を主な政策に掲げ、看護や保育の職員の所得向上策と併せて検討を行う「公的価格評価検討委員会」の設置を表明しているが、その会議について松野博一・内閣官房長官は「年末までに、具体的な結論を出していく」と述べた。

松野官房長官2 10月15日の午前に開催された、内閣官房長官の定例の記者会見=写真・首相官邸HPより=で、記者からの質問に答える形で指摘した。ただし、今後の会議の開催スケジュールや対応策については「今後の検討課題だ」と述べるに止めた。

 この件に関する、当日の記者会見での質疑応答は次の通り。

 ▽記者=介護・看護・保育の公的価格の引き上げについて、お伺いしたい。昨日(10月14日)の会見で岸田総理は「年末までに、具体的な結論を出す」と表明された。一方で、介護は(給与の引き上げは)介護報酬で、実施したサービスの点数が基準となる。

 保育は、現場での人員配置で公定価格が決まるなど、職種により制度がバラバラだ。一体どのような形で(それぞれの職種について)一定の引き上げ策をお考えなのか? また「年末までに結論を」とのことだが、来年度から引き上げは実施されるのか?

 (例えば、来年度だけとか)単年度ではなく、恒久的に引き上げを行うとなると、財源の問題が出てくる。この辺りは、どのようにお考えなのか?

 ▼松野大臣=新型コロナの最前線で、介護・看護・保育などの現場を支えて頂いている方々の収入を増やしていくことは、重要なことだと考えている。その実現のため「公的価格評価検討委員会」を設置する。

 ここで、公的価格の在り方を検討し「年末までに具体的な結論を出していく」との方針を決めている。(介護・看護・保育の)個々のスケジュールや対応策については、今後の検討課題だ。

◇─[後記]───────────

 現在は衆議院が解散され、実質的に衆議院選挙に突入しているため「公的価格評価検討委員会」が設置されるのは、投開票が終了した後の11月以降になります。そこから「年末までに、具体的な結論を出していく」となると、かなり厳しい日程が組まれそうです。

 それでも「年末までに」と明言しているのは、来年度予算に財源を計上し、来年4月から「実施」することを想定したスケジュールだと思われます。まずは、11月にスタートする「公的価格評価検討委員会」のメンバー構成に、注目したいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月15日(金)第605号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護職員の所得向上策に「職責やキャリアに着目した段階的評価となるよう……」と要請
─────────────◆◇◇◆◆

日本介護福祉士会の声明 岸田首相が「介護職員の所得向上策」を掲げたことに対し、介護業界から「職責やキャリアなどに着目した、段階的評価となることを期待する」との要請が出された。日本介護福祉士会(及川ゆりこ会長)が10月15日、会長名で声明を発表した=画像・日本介護福祉士会HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 タイトルは「今般の介護職の所得向上に関する新総理の発言に対する声明」で、要旨は次の2点。

 ■1.今後、具体策が検討される中で、国家資格である「介護福祉士」の資格の有無や、職責やキャリアなどに着目した、段階的評価となることを期待する。

 ■2.新総理の会見等で「介護士」の表現が用いられたが「介護福祉士」と、それ以外の介護従事者を総称する表現として「介護職」を用いることが適切と考える。

 日本介護福祉士会が発表した「声明」の概要は、次の通り。

 今後、公的価格評価委員会等により(所得向上策の)検討が進められると認識しているが、その際は高齢化が進展するわが国において、不可欠な存在である介護・福祉従事者の十分な確保にご配慮いただきたい。

 また、介護福祉サービスの質の向上を実現するために、他産業や他職種との格差にご配慮いただくとともに、国家資格である介護福祉士資格の有無や、職責やキャリアなどに着目した段階的評価となることを期待する。

 そのためには、是非とも検討の段階で、われわれ職能団体をはじめ現場で奮闘している仲間たちの意見をしっかりと汲み取っていただければ幸甚だ。なお、新総理会見やそれを報じるメディア等において「介護士」の表現が用いられた。

 このことについて、意見を申し上げる。介護従事者は、国家資格を有する「介護福祉士」と、それ以外の介護従事者が混在しているので、それらを総称する表現としては「介護職」を用いることが適切と考えている。

 「介護士」という資格は存在していないし、仮に介護福祉士を略して用いられたとするならば、われわれのアイデンティティとも言える「福祉(幸福の追求)」を端折る表現である。

 (「介護福祉士」の)資格制度発足から 30 年余りが経過したにも関わらず、介護福祉専門職への理解が十分得られていないことに大変残念な思いだ。介護を必要とする国民の幸福を追求する専門職として、われわれは誇りを胸に日夜励んでいる。

 このような多くの仲間のためにも、適切な表現を用いていただくことを切にお願い申し上げる。

◇─[後記]───────────

 昨日(10月14日)衆議院が解散され、岸田首相が表明している「介護職員の所得向上策」も、今月末の選挙の投開票の後にならないと、具体的な進展はないでしょう。しかし選挙が終われば「公的価格評価委員会」もすぐに立ち上がると推測されます。

 介護職員の所得向上の実現には、この「公的価格評価委員会」での議論は、介護業界にとって「千載一遇のチャンス」と思われます。今回はその先陣を切って、日本介護福祉士会が声明を発表しました。

 他の業界団体や介護事業関係者も、これを機に「自らの主張」を積極的に公表することで「公的価格評価委員会」での議論が活発化するものと、弊紙では考えております。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月14日(木)第604号*****

◆◇◆◆◆─────────────
高齢者施設クラスター発生件数・10月に入り全国で10件、先月93件から減少傾向だが…
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナの集団感染で、同一の場所で5人以上が感染したケースを「クラスター」と定義すると、10月1日から10日までの期間で、全国の「高齢者福祉施設」で発生したクラスターは10件だった。8月の128件、9月の93件と比べると、減少傾向にある。

 しかし、全国の10月のクラスター件数は48件で、発生した場所別に分類すると「高齢者福祉施設」の10件は、「職場」と並んで場所別では最多だった。9月の全国合計は758件だったが「職場」は224件と最多で、第2位が幼稚園を含む「児童福祉施設」の157件。

 第3位が「学校・教育施設」の120件で、第4位が「高齢者福祉施設」の93件だった。これが10月に入り、10日までの時点で「職場」が10件、「児童福祉施設」が9件、「学校・教育施設」が6件と、「高齢者福祉施設」よりも減少傾向が顕著な状況になっている。

クラスター発生件数 10月13日に開催された、厚生労働省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で、現状を分析するための資料として提示された=表・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。これを踏まえ厚労省専門家会議は「これまでの、感染対策への事業者や市民の協力が、効果として出ている」

 「特に夜間滞留人口の減少、ワクチン接種率の向上、医療機関や高齢者施設のクラスター感染の減少などにより、全国の実効再生産数は8月下旬以降、1ヶ月以上にわたって約0.6~0.9の間を維持している」

 「これにより、緊急事態措置やまん延防止等重点措置がすべて解除された後も、新規感染者数の減少が継続している」等と、現在の感染状況を分析した。ただし今後については「一部の地域では、実効再生産数が上昇する時期もある」

 「感染者数の減少速度鈍化や、下げ止まりが懸念される」と注意も促している。先般の「第5波」が始まる以前の、今年6月から10月(10日まで)の、全国のクラスター発生件数と、「高齢者福祉施設」の発生件数の推移(カッコ内は全体での割合)は、次の通り。

 ▽今年6月=全国・393件=「高齢者福祉施設」73件(全国の18.6%)
 ▽今年7月=全国・675件=「高齢者福祉施設」32件(全国の4.7%)
 ▼今年8月=全国・1,765件=「高齢者福祉施設」128件(全国の7.3%)
 ▽今年9月=全国・758件=「高齢者福祉施設」93件(全国の12.3%)
 ▽今年10月(10日まで)=全国48件=「高齢者福祉施設」10件(全国の20.8%)

◇─[後記]───────────

 「第5波」のピーク以降、「高齢者福祉施設」のクラスターが減少傾向にあることは事実ですが、他の発生場所の減少傾向と比べれば、やはり減少の速度の鈍化は否めません。このペースが続けば、今月末には「高齢者福祉施設」のクラスターは30件程度になります。

 単純に考えれば「全国のどこかの介護施設で、1日につき1件はクラスターが発生している」ことになります。やはりまだ、新型コロナ感染対策の手を緩めるわけにはいかない状況だと思われます。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月13日(水)第603号*****

◆◇◆◆◆─────────────
国の研究機関・新型コロナ感染の後遺症「患者の約4人に1人が半年後も後遺症がある」
─────────────◆◇◇◆◆

 国の研究機関である国立国際医療研究センター(以下「NCGM」)は10月8日、新型コロナウイルスに感染した後の遷延症状(=後遺症)について、患者を対象としたアンケートの調査結果を発表した。

コロナワクチンの後遺症予防効果あり NCGMは「新型コロナ患者の約4人に1人が、感染後半年が経過した後も、何らかの後遺症があることや、軽症者であっても後遺症が長引く人がいる」等と指摘し、これを踏まえ「2回のワクチン接種は、後遺症予防にも有効」等と公表した=画像・NCGMのHPより。赤色の下線は弊紙による加工

 今回の調査では、新型コロナの感染患者457名から回答を得た。回答者の多く(84.4%)は軽症者(酸素投与を必要としない患者)だった。調査結果の要旨は、次の通り。

 ■1.男性と比べて、女性の方が倦怠感、味覚・嗅覚障害、脱毛が出現しやすく、若年者ほど味覚嗅覚障害が出現しやすい。

 ■2.患者の、約4人に1人が感染後、半年経過した後も何らかの後遺症があることや、軽症者であっても後遺症が長引く人がいる。

 ■3.さらなる研究が必要だが、2回のコロナワクチン接種は、新型コロナに感染した際の後遺症を予防する観点からも、有用な可能性があると考えられる。

 【新型コロナ感染の6ヶ月後に、約8割は「元に戻った」が、一部では強い後遺症が…】

 これまで国内外の報告から、新型コロナに感染した際に後遺症があることは確認されてきたが、国内の複数の調査では、中等症以上の患者512 名が、退院後3ヶ月の時点で肺機能低下(特に肺拡散能)が後遺症として残っていることが報告されている。

 また、軽症者を含む525名では、新型コロナ感染の診断後6ヶ月の時点で、約80%は「感染前の健康状態に戻った」と自覚していたが、一部の症状が後遺症として残ると、生活の質の低下、不安や抑うつ、睡眠障害の傾向が強まることが指摘されていた。

 特に、嗅覚・味覚障害が認められた119 名は、退院後1ヶ月までの改善率は、嗅覚障害60%、味覚障害84%だった。 感染後半年以上追跡した疫学調査報告や、後遺症が出るリスクの調査は少なかったため、今回NCGMが「後遺症のリスク因子に関する調査」を実施した。

 【2回のワクチン接種は、発症予防や重症化予防だけではなく後遺症予防にも効果が…】

 調査結果を踏まえ、NCGMでは「今回の研究では調査していないが、コロナワクチンを2回接種していた人は、新型コロナに感染した後に、その症状が28日間以上は残りにくいことがわかった」

 「このことからコロナワクチンは、発症予防や重症化予防だけではなく、後遺症の症状の予防にも寄与する可能性があることが報告されており、今後の重要な研究課題と考えられる」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 今回の調査では、年齢別の詳細な分析結果までは報告されていないため、高齢者層に限定した後遺症の状況までは不明ですが、やはり新型コロナに感染してしまうと、後遺症が残るリスクが高いことだけは間違いないようです。

 全国的に新規感染者数が減少しているとはいえ、後遺症のリスクを避けるためにも全国の介護事業者には、サービス利用者である高齢者の、徹底した感染防止対策を継続していくことが求められそうです。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月12日(火)第602号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目ワクチン接種・後藤大臣「ファイザー社と、来年1月以降の供給契約を締結した」
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナワクチンの3回目の接種について、厚労省は9月22日に自治体向けに開催した説明会で、都道府県等に対して「12月1日から、3回目の追加接種が開始できるよう市町村を支援しながら進捗管理して頂きたい」等と要請した(9月22日付け弊紙で既報)。

 厚労省は、9月17日に開催された有識者会議で、3回目の接種について「2回目接種完了から、おおむね8ヶ月以上後に実施の必要がある」と案を示して了承を得ている。これにより「12月1日」から開始するのは、優先接種の第1弾となった医療従事者となる。

 65歳以上の高齢者は、現時点ではまだ、正式に3回目接種の優先対象として発表されていないが、実質的に高齢者のワクチン接種が開始されたのは今年5月頃以降で、このため高齢者の「3回目の接種」は、来年1月以降が想定されている。

後藤茂之厚労大臣 これを見据えて後藤茂之厚労大臣=写真・厚労省HPより=は、10月8日の定例記者会見で「ファイザー社と来年1月から、1億2千万回分の追加供給を受けることで契約を締結した」と発表した。実質的に、高齢者の「3回目の接種」に向けたワクチンが確保できたことを表明した。

 ただし会見で記者から、高齢者を含めた「3回目の接種」の対象について問われると「今後、対応していきたい」と述べるにとどめて、明言を避けた。これらの点に関する、後藤大臣の記者会見の要旨は次の通り。

 ▼後藤大臣=来年の、新型コロナワクチンの供給に係るファイザー社との契約締結について。昨日(10月7日)厚生労働省は来年、すなわち2022年1月から1億2千万回分の追加供給を受けることで、ファイザー社との契約を締結した。

 わが国への円滑なワクチンの提供に向けて、引き続きファイザー社と連携して取り組んでいく。

 ▽記者=ワクチンの、3回目の接種についてお伺いしたい。実際、その3回目についてはどういう人を対象に接種するのか? いつ頃、接種対象を決めるというような見通しなのか? お聞かせ頂きたい。

 ▼後藤大臣=ワクチンの3回目の接種については、9月17日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会でご議論を頂いている。その中で基本的には「3回目のワクチンの接種について、進めていく」という方向性が出ている。

 いずれにしても、そういう形で進めていくということで、今後対応していきたいと思う。

◇─[後記]───────────

 高齢者の「3回目の接種」は、来年1月以降の開始が想定されていますが「2回目接種完了から、おおむね8ヶ月以上後」のため、全国で多くの高齢者が該当するのは、来年2月から4月にかけての時期と思われます。

 新型コロナの新規感染者数の減少傾向が、全国で顕著となっている今こそ、全国の介護事業者も可能な限り新規感染者を「ゼロ」に近づけ、来年開始されるであろう「3回目の接種」で、感染拡大の収束を確実にしたいものです。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月11日(月)第601号*****

◆◇◆◆◆─────────────
岸田首相所信表明・分配戦略第3の柱「介護現場で働いている方々の収入を増やしていく」
─────────────◆◇◇◆◆

岸田首相所信表明演説 自民党総裁・第100代総理大臣に就任以来、岸田文雄首相は新たな経済政策の一つに「介護職員の所得向上」を掲げてきたが、10月8日に衆議院で行った所信表明演説=写真・衆議院インターネット審議中継より=でも、あらためて「介護現場で働いている方々の収入を増やしていく」と明言した。

 その実行策として、まず経済政策を実現するため「『新しい資本主義実現会議』を創設する」と述べ、介護職員等の所得向上策を「分配戦略の第3の柱」と位置付け「看護、介護、保育などで働いている方々の収入を増やすため『公的価格評価検討委員会』を設置する」

 「ここで、公的価格の在り方を抜本的に見直す」等と述べた。これらの点に関する、岸田首相の所信表明演説の要旨は次の通り。

 【「介護の現場を支えて下さっている多くの方々、事業者の方々に深く感謝申し上げる」】

 第205回国会の開会にあたり、新型コロナウイルスにより亡くなられた方々、そして、御家族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げるとともに、厳しい闘病生活を送っておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 また、我が国の医療、保健、介護の現場を支えて下さっている多くの方々、感染対策に協力して下さっている事業者の方々、そして、国民の皆さんに、深く感謝申し上げます。

 【「『成長も、分配も』実現するために『新しい資本主義実現会議』を創設する」】

 私の経済政策について申し上げます。経済をしっかり立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。その上で私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」。これがコンセプトです。

 成長を目指すことは、極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、「分配なくして次の成長なし」。このことも、私は、強く訴えます。成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて、次の成長が実現します。

 大切なのは、「成長と分配の好循環」です。「成長か、分配か」という、不毛な議論から脱却し、「成長も、分配も」実現するために、あらゆる政策を総動員します。そのために、「新しい資本主義実現会議」を創設し、ビジョンの具体化を進めます。

 【介護職員の所得向上「公的価格評価検討委員会を設置し公的価格を抜本的に見直す」】

 新しい資本主義を実現していく車の両輪は、成長戦略と分配戦略です。(中略)分配戦略の第三の柱は、看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくことです。

 新型コロナ、そして、少子高齢化への対応の最前線にいる皆さんの収入を増やしていきます。そのために「公的価格評価検討委員会」を設置し、公的価格の在り方を抜本的に見直します。

◇─[後記]───────────

 岸田首相が自民党総裁に就任して以来、公の場で述べてきた「介護職員の所得向上」が少しずつですが、実現のための具体的なステップが示されてきました。具体的な内容は、新たに設置される「公的価格評価検討委員会」で議論されることになりそうです。

 その前に、同様に新たに設置される「新しい資本主義実現会議」で、どのようなビジョンが示され、その中で「介護職員の所得向上」がどのように位置づけられるのか──まずはこの点に注目したいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月8日(金)第600号*****

◆◇◆◆◆─────────────
都内高齢者の新規感染者割合が9週連続して増加し12.8%、施設内感染者数も増加
─────────────◆◇◇◆◆

 東京都内の新型コロナの新規感染者数が、8月下旬から減少傾向が続いているが、65歳以上の高齢者(以下「高齢者層」)に限ると、同様に新規感染者数は6週連続して減少しているものの、全体に占める割合は逆に9週連続して増加している。

都内の高齢者層の感染割合が9週連続して増加 10月7日に開催された、東京都新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)で報告された=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。これによると高齢者層の割合は、8月第1週(8月3日~9日)以降は増加傾向が続き、9月最終週(9月28日~10月4日)まで9週連続で増加した。

 新規感染者数に占める高齢者層の割合は、増加傾向が始まる前の7月最終週(7月27日~8月2日)は2.7%だったが、9月最終週には12.8%にまでに至った。主に若年層の新規感染者数が減少しているのに対し、高齢者層は「下げ止まり」が指摘されている。

 特に今回、都専門家会議は「80代以上の施設での感染が、前回の9人から29人へと増加しており、高齢者施設等における感染防止対策の徹底が必要である」等と指摘している。

 【厚労省専門家会議も「60代以上は8月以降、入院者等の割合が増加傾向」と指摘】

 この点について厚生労働省が10月6日に開催した新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)も、東京都内の60代以上の感染状況について「8月以降、入院者や重症者に占める割合が増加傾向にある」と分析した。【昨日付け弊紙で既報】

 厚労省専門家会議は、実効再生産数(1人の感染者が他者に感染させる人数の平均値で「1」以上だと増加傾向になる)が、全国的には直近(9月19日時点)で「0.61」と「1」を下回る水準が続き、首都圏では「0.58」、関西圏では「0.62」であると述べた。

 これを踏まえ「東京では新規感染者数の減少が続き、入院者数と重症者数も減少。ただし、新規感染者に占める60代以上の割合は15%、入院者は34%、重症者は40%と、8月以降は入院者や重症者に占める60代以上の割合が増加傾向にある」と、注意を促した。

◇─[後記]───────────

 一昨日(10月6日)に厚労省専門家会議が指摘した点を、昨日(10月7日)都専門家会議の分析が「裏付け」した形となりました。特に、都専門家会議が「80代以上の施設での感染が、前回の9人から29人へと増加している」と指摘した点が気にかかります。

 やはり都専門家会議の「高齢者施設等における、感染防止対策の徹底が必要である」との指摘を、全国の介護事業者は重く受け止める必要があると思われます。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月7日(木)第599号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省専門家「東京は新規感染者は減少しているが60代以上の入院者・重症者は増加傾向」
─────────────◆◇◇◆◆

厚労省専門家会議資料 東京都の新型コロナ新規感染者数の減少が続いている中で、厚生労働省が10月6日に開催した新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)は、60代以上について「8月以降、入院者や重症者に占める割合が増加傾向にある」と注意を促した=表・厚労省HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 厚労省専門家会議は、実効再生産数(1人の感染者が他者に感染させる人数の平均値で「1」以上だと増加傾向になる)が、全国的には直近(9月19日時点)で「0.61」と「1」を下回る水準が続き、首都圏では「0.58」、関西圏では「0.62」であると述べた。

 これを踏まえ「東京では新規感染者数の減少が続き、入院者数と重症者数も減少。ただし、新規感染者に占める60代以上の割合は15%、入院者は34%、重症者は40%と、8月以降は入院者や重症者に占める60代以上の割合が増加傾向にある」と、注意を促した。

 【「新規感染者数がリバウンドした際は、高齢者の割合が再び高くなる可能性がある」】

 また「今後も、ワクチン接種がさらに進むことによる効果が期待される一方、大都市圏を中心になお多くの重症者が療養中であることに注視が必要。また、感染者数の減少に伴う安心感や措置の全面解除による制限の緩和により、接触機会が増える可能性がある」

 「これにより、新規感染者数のリバウンドにつながる懸念もある。このため基本的な感染対策を徹底して、できるだけ感染者数の減少を継続させるとともに、新規感染者数のリバウンドが起こらないよう、引き続き、市民や事業者の協力が必要」

 「また、今後の感染拡大時においては、感染者に占める高齢者の割合が再び高くなる可能性があるため、年齢別の患者数の動向について、引き続き注視していくことが必要」等と指摘している。

◇─[後記]───────────

 東京をはじめ、全国的に新規感染者数が減少している理由は、専門家ですら明確な回答が出せていませんが、一方で「これから冬にかけて『第6波』がやってくる」ことでは、意見が一致しています。

 「第6波」の最大の対策は「3回目のワクチン接種」になると思われますが、実際に高齢者向けが開始されるのは来年1月以降になりそうです。できれば今、感染対策を再度徹底することで「第6波」を乗り切り「3回目の接種」につなげたいものです。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月6日(水)第598号*****

◆◇◆◆◆─────────────
後藤茂之厚労大臣・介護職員の所得向上策「一層活躍できるように、丁寧に検討したい」
─────────────◆◇◇◆◆

後藤茂之厚労大臣 10月4日に発足した岸田内閣で、新たに厚生労働大臣に就任した、自民党の後藤茂之衆議院議員(長野4区・当選6回・65歳)は10月5日、厚労大臣就任後の最初の記者会見=写真・後藤大臣の公式ブログより=に臨み、岸田文雄首相が表明した「介護職員の所得向上策」について言及した。

 会見で記者から、現在議論が進んでいる診療報酬や薬価改定の進め方について問われ、それらに答える形で「介護職員の所得向上策」についても触れて「岸田総理から『公定価格のあり方を、抜本的に見直す』というご指示を頂いている」

 「(介護職員が)より一層活躍できるように、厚生労働省として、どういう制度で公定価格を見直していくのか、いろいろな検討課題があると思うが丁寧に、しっかり検討したいと思う」等と抱負を述べた。

 この点に関する、記者会見での質疑応答の要旨は次の通り。

 ▽記者=年末の予算編成までには、改めて組閣があることは重々承知の上で、あえて診療報酬等についてお伺いしたい。昨日(10月4日)の岸田首相の会見でも、医師や看護師(加えて介護職員)を含めた、社会機能を支える方々の所得向上について言及されている。

 今後、診療報酬あるいは薬局を支える調剤報酬について、どのような認識をお持ちであるかお聞かせ頂きたい。あわせて、薬価改定も来年度予定されているので、医薬品産業の現状の認識も併せて、薬価の今後の進め方等についてもお聞かせ頂きたい。

 ▼後藤大臣=令和4年度の診療報酬改定に向けては現在、ご承知のとおりで、中医協(中央社会保険医療協議会)において議論が行われている。医療機能の分化・強化・連携とか、あるいは医師等の働き方改革とかがある。

 従来からの診療報酬改定で議論になっていた主要な4項目の他に、今回新型コロナウイルス対策等を、どう感染症対応をしていくかという問題や、不妊治療の問題とか、いろいろな新たな課題についての検討も必要になってくると思う。

 いずれにしても、診療報酬にあたっては医療提供者の経営者の状況だとか、物価の状況であるとか、負担のバランスの問題だとか、そういう点も丁寧にこれから議論していくということになっていくと思う。

 薬価改定については、イノベーションの評価の観点から、あるいは長期収載品の医薬品の評価をどうするかという観点とか、透明性・予見性をどう担保するのか。そういういろいろな検討事項がある。

 薬価改定についても、そういう形で今後検討していくことになると思う。それから総理から「関係大臣と協力しながら、医療、介護、保育などの分野で働く労働者の所得向上のために、公定価格のあり方を抜本的に見直す」というご指示を頂いている。

 こうした方々がより一層活躍できるように、厚生労働省として、どういう制度で公定価格を見直していくのか。もちろんいろいろな従来の仕組み等も他の報酬の体系には合ったりもするし、いろいろな検討課題があると思う。

 その辺のところはいわゆる「公定価格のあり方」の中で、丁寧にしっかり検討したいと思う。

◇─[後記]───────────

 これまで介護職員の処遇改善は、介護報酬の全体の改定内容を勘案しつつ、最終的には財務省との折衝を経て決定していましたが、岸田首相が今回表明した「介護職員の所得向上」は、新たに設置される「新しい資本主義を作るための実現会議」で議論されます。

 ただし、この「実現会議」では、議論の前提が「介護職員の所得向上」であるため、従来からあった厚労省の有識者会議(介護保険部会や介護給付費分科会)とは異なった討論が展開されるものと思われます。

 議論のたたき台は厚労省で作成するものと思われますが、新たに就任した後藤厚労大臣は、介護職員が「一層活躍できるように、丁寧に検討したい」と述べています。まずは「実現会議」で、どのような素案が出されるのかに、注目したいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月5日(火)第597号*****

◆◇◆◆◆─────────────
岸田首相・介護職員の所得向上「報酬を抜本的に見直すため、実現会議を設置する」
─────────────◆◇◇◆◆

 自民党の岸田文雄総裁は、10月4日に開催された臨時国会で第100代首相に選出された。岸田氏は、自民党総裁に就任した9月29日の記者会見で「介護職員の給与は、国が率先して引き上げを考えたらどうか」と述べた。

岸田首相就任会見 これを踏まえ、首相就任直後の記者会見=写真・首相官邸HPより=でも改めて、介護職員の所得向上(=報酬の改定)に触れ、自らが目指す経済政策「成長と分配の好循環」を実現するために掲げた、4つの「分配戦略」の第3点として言及した。

 さらに、この「分配戦略」を推進するため、新たに関係者や有識者を交えた「実現会議」を設置することを明らかにした。「介護職員の所得向上」の内容も、この会議で検討されることになる。

 これらの点に関する、記者会見での岸田首相の発言と、記者との質疑応答の要旨は次の通り。

 【介護士等の所得向上に向け「公的価格(=報酬)の在り方を、抜本的に見直す」】

 ▼岸田首相=まずは(新型コロナの治療や感染拡大防止に向き合っている)医療、保健あるいは介護、こういった現場の最前線で奮闘されている方々や、感染対策に協力してくださっている事業者の方々、そして国民の皆様方に深く感謝を申し上げさせて頂きます。

 次に、私の経済政策について申し上げてさせて頂く。私が目指すのは、新しい資本主義の実現だ。「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」、これがコンセプトだ。

 (この中の分配戦略では)第1は、働く人への分配機能の強化だ。企業で働く人や下請企業に対して成長の果実、しっかり分配されるよう、環境の整備を進めていく。第2に中間層の拡大、そして少子化政策だ。

 中間層の所得拡大に向け、国による分配機能を強化する。第3に、公的価格の在り方の抜本的な見直しだ。医師、看護師、介護士、さらには幼稚園教諭、保育士など、社会の基盤を支える現場で働く方々の所得向上に向け、公的価格の在り方を抜本的に見直す。

 第4の柱は、財政の単年度主義の弊害是正だ。科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備など、国家的な課題に計画的に取り組んでまいりたい。

 【公的価格の抜本的な見直しのため「実現会議を設置して、ここで検討していく】

 ◆記者からの質問=先ほど総理は「新しい資本主義の実現会議を作る」とおっしゃったが、この実現会議のイメージについて伺いたい。どこか有限に期間があって、そこで最終報告を出して終わりなのか、それとも岸田内閣が続く限りずっと常設としてあるのか?。

 どのようなイメージなのか? どういう提言を出されることを想定しているのか?

 ▽岸田首相=「新しい資本主義の実現会議」は、成長と分配の好循環を作っていく、成長が重要であるということ、これはもちろん言うまでもないが、その成長の果実をどう分配していくのか、こういった点が重要になる。

 民間においても、それぞれの民間企業であったりサプライチェーンにおいても様々な努力が求められる。それを補うための公的な政策とか、公的価格の見直しとか、こういった取組を進めていかなければならない。

 こうした具体的な課題について是非、関係者・有識者にもしっかりと意見を聞かせて頂き、国民の皆様の様々な知恵を頂きながら、この「成長と分配」を実現していく、こういった取組をリードして頂く会議を設けさせて頂ければ、と思っているところだ。

◇─[後記]───────────

 これまで介護職員の所得向上(=処遇改善)はまず、厚労省と財務省との折衝があり、最終的に政治判断により決定してきましたが、岸田内閣ではこれを「抜本的に見直す」ことになり、新たに設置される「実現会議」で検討されることになります。

 ただ今までと全く違うのは、岸田首相が明確に「介護職員の所得向上」を目標に掲げていることで、その議論のため設置される「実現会議」である、という点です。どのような方々が会議のメンバーになるのか……、まずはこの点に注目したいと思います。 

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月4日(月)第596号*****

◆◇◆◆◆─────────────
田村大臣・「第6波」の感染対策「高齢者の感染割合増加を想定し、医療体制整備が必要」
─────────────◆◇◇◆◆

9月28日田村大臣記者会見 田村憲久厚生労働大臣は、10月1日の大臣会見=写真は9月28日の記者会見の様子=で、新型コロナのこの冬の感染(=「第6波」)対策について「新規感染者で、高齢者の割合が増加すると想定し、これに対応するため病床の確保に加え、在宅での対応も重要になる」等と述べた。

 田村大臣は先般の「第5波」で、全国で病床がひっ迫した状況を踏まえ、この冬にも予想される「第6波」で「(第5波と)同等程度の感染者が発生した場合にも、対応しなければならない」との方針を示した。

 高齢者層は「第5波」では、ワクチン効果で年代別の新規感染者の割合が低く抑えられたが今後、全ての年代でワクチン接種が終了する想定を踏まえて、「第6波」が「第5波」と「同程度の新規感染者数にまで増加すること」を予想した対策の必要性に言及した。

 つまり「第6波」では、高齢者層も含めた全ての年代が「ワクチン接種済み」という同じ条件になるため、仮に「第5波」と同じレベルの新規感染者数にまで増加した場合、「第6波」では、新規感染者に占める高齢者層の割合が相対的に増加することになる。

 この「今後、高齢者の感染割合が増加する」との想定を踏まえ、田村大臣は新型コロナの検査体制を整備し、都道府県とともに病床・宿泊療養施設の確保計画について「遅くとも11月末までに、方針に沿った体制を作って頂きたい」等と要望した。

 これらの点に関する、田村大臣の会見内容の要旨は次の通り。

 この夏の(新型コロナの)感染拡大、これを踏まえた今後の保健・医療提供体制の整備について、申し上げたい。この夏、やはり急激に感染者が拡大し、なかなか病床が十分に確保できていないという状況があった。

 また(新型コロナと)一般医療との両立という意味では、一般医療にかなりの制約がかかった。コロナ以外の疾病をお持ちの方々にも、大変なご負担をかけた。その中で、陽性確認前から回復・療養解除後まで、切れ目のないコロナの対応が重要だ。

 国民の皆様が安心して頂けるような、総合的な保健・医療提供体制を構築する必要がある。本日(10月1日)、具体的な検討作業を行い、これに関する事務連絡を発出する予定だ。

 【「新型コロナの検査体制を整備し、病床をシッカリと確保する」】

 まず検査について。インフルエンザがこれから流行シーズンに入ってくる。インフルエンザも発熱をするということで(新型コロナと)よく似た症状なので、昨年も体制を整備をした。

 (新型コロナの)発熱患者等の検査に十分に対応できるように、PCR検査や抗原検査キット、抗原定性検査キットも含めて、しっかりと検査体制を整備していくということが重要だ。

 それからやはり、病床・宿泊療養施設の確保計画。これは今まで、都道府県に作ってきて頂いているが、これのバージョンアップをする必要がある。この夏と同等程度の感染者が発生した場合にも、対応しなければならない。

 【「この冬は、高齢者の新規感染割合の増加が予想される」】

 これが足らなかったら、病床はひっ迫してしまう。この夏(と同じ体制)で対応できるというものではない。どういうことかというと(全国民への)ワクチン(の接種)が進むので、感染者(の規模)が同じであるとすれば(全年代で)皆ワクチンを打つわけだ。

 つまり、高齢者等の(感染割合の)比率は、この夏より上がるわけだ。今回(今夏)は、高齢者がワクチンを打ってきたので、そういう意味では感染者に対する高齢者の割合が比較的少なかった。

 今までと比べると、こういう(=高齢者の感染割合が少ない)状況だったが、11月・12月のできるだけ早い時期に(全ての年代で)ワクチン(の接種を完了する)ということで今、進めている。

 かなりのスピードで今、進んでいるので、そういう意味では皆がワクチンをある程度打つと。その中で同じようにこの夏の感染者、一番多い時で1日当たり2万6千人くらいだろうか(※弊紙注釈=国内の新規感染者数の最大は、今年8月20日の2万5,867人)。

 となれば、当然割合としては高齢者の割合が、この夏よりは増えるということだ。そうなるとやはり、重症化リスクの高い方々が増えてくる。つまりさらなる、この夏以上の病床ニーズが生まれると思われ、それに向かった体制を組んで頂かなければならない。

 【高齢者の新規感染者割合の増加で「病床だけでなく、在宅での対応も重要になる」】

 そういう意味では病床だけではなく、在宅での対応も含めて非常に重要になってくる。従来の保健所のみの対応から、地域の医療機関、これを活用して、陽性判明時から速やかな健康観察、そして診療、これが漏れなく開始できる仕組みが必要だ。

 こういうものを(都道府県に)作って頂かなければならない。医療機関にも、さらにご協力を頂いていくということだ。10月中目処に、今後の保健・医療提供体制の構築方針を作成をして頂き、遅くとも11月末までに、方針に沿った体制を作って頂きたい。

 去年(の感染拡大状況)を見ても、11月に入って中頃くらいから、やはり感染が徐々に伸びていって、年末年始に急激な感染拡大となった。もちろん同じような状況になるかどうかは分からないが、年末年始を含めた冬場は、また感染拡大のリスクがある。

◇─[後記]───────────

 本日、岸田新内閣が発足するため、田村大臣の記者会見は、詳細の政策を述べるものとしては実質的にこれが最後となりました。その中で田村大臣は「第6波」の対策で、高齢者の感染割合が増加するとの予想に基づき、早急な医療体制の整備等を指摘しています。

 大臣の指摘通り、今後は新型コロナに加え、インフルエンザ感染対策も同時並行で進めていく必要があります。全国の介護事業所にとっては、これから年末年始にかけて、感染対策を徹底する「正念場」となりそうです。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/
*****令和3年10月1日(金)第595号*****

◆◇◆◆◆─────────────
自民党・岸田新総裁、介護職員の給与「国が率先して、引き上げを考えたらどうか」
─────────────◆◇◇◆◆

岸田新総裁 9月29日に開催された自民党総裁選挙で、岸田文雄氏が新総裁に選出されたが、直後に開催された就任記者会見=写真・自民党HPより=で、介護職員と看護師の給与に言及して「国が率先して、引き上げることを考えたらどうか」との新たな施策の方向性を示した。

 岸田氏は総裁選を通して、介護職員や看護師の給与が「その仕事の大変さに比べて、低いのではないか?」との指摘を受けたことを明らかにした上で「こういった方々の給与は、国が決めることができるものだ」との対応策を述べた。

 その財源については「成長なくして分配なし」の持論を述べ、まずは日本経済の成長が前提になることに言及した上で、同時に「(介護の)市場の中での、分配の在り方を考えていかなくてはならない」ことも指摘した。

 これらに関係する、岸田新総裁の記者会見での発言内容は、次の通り。

 今回、私が総裁選挙で訴えていたのは「公的価格」(=公定価格)の見直し」だ。コロナ渦でも大変苦労されておられる看護師・介護士の方々、こうした方々の給与は、その仕事の大変さに比べて「給与が低いのではないか?」との指摘があった。

 こういった方々の給与は、国が決めることができるものだ。こうした「従来からの働きに比べて、給与が少ない」と言われている方々の「公的価格」は、国が率先して引き上げることを考えたらどうか。

 そのことが、民間の給与の引き上げにも「呼び水」となって広がっていくことができるのではないか──そんなことを(総裁選挙等で)申し上げている。それで財源だが、まずは「成長なくして分配なし」だ。

 つまり経済の成長を、財源として使っていかなければならない。また、看護師・介護士の方々の給与を考える時、例えば医療は40兆円、介護は10兆円の市場だと言われているが、この市場の中での分配の在り方を考えていかなくてはならない。

 市場を大きくしていくこともシッカリと考えながら、適正に分配されているかどうか、これを考えるのが、財源の在り方を考える時に非常に重要だ。

◇─[後記]───────────

 新総裁就任の記者会見は、30分という非常に短い時間の中で、ほとんどは政治的な内容に関する質疑に終始しました。その中で、経済政策全般を述べた内容の中に、介護職員の処遇改善に触れた意義は、新政権の施策を考えた時に、大きな意味があると思います。

 岸田新総裁は、10月4日に召集される臨時国会で、第100代の総理大臣に選出されます。この直後に、新たな厚生労働大臣も決定しますが、まずは新大臣が、岸田新総理のこの発言をどのように受け止め、施策として実行しようとするかに、注目が集まります。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2021 日本介護新聞

↑このページのトップヘ