日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2021年09月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年9月30日(木)第594号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護職員の「介助作業」による労災(腰痛)の原因は「一人介助」が89%
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 介護事業所で、労働災害が多く発生している状況を踏まえ、厚生労働省は9月29日「社会福祉施設(介護施設)における、労働災害防止に向けたより一層の取組の推進」の協力要請を、介護業界の関係機関に向けて呼びかけた。

 厚労省では、介護事業所における労働災害の主な特徴として、次の4点を挙げている。

 ■1.サービス系統別では、「施設系サービス」を提供する施設が最多であること。

 ■2.事故の型別でみると、訪問系・通所系サービスを提供する施設では「転倒」が最多で、短期入所系・居住系・施設系・多機能系サービスを提供する施設では「動作の反動・無理な動作」が最多であること。

 ■3.「動作の反動・無理な動作」を作業別にみると「介助作業」での被災が84%であり、そのうちベッド上での介助作業(17%)とベッド移乗作業(35%)を合わせると52%で、さらに一人介助での被災が89%であること。

 ■4.「転倒」を要因別にみると「滑り」が38%、「つまづき」が37%であり、場所別では「施設内」が58%、「施設外」が36%であること。

一人介助が89% このうち「3」は、令和元年の「労働者死傷病報告」より、社会福祉施設で発生した「休業4日以上」の労働災害1万0,045件から抽出した767件のうち「動作の反動・無理な動作」の268件を集計したもの=グラフ・厚労省が発出した資料より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 これにより起きる介護職員の「腰痛」防止対策として、厚労省は「社会福祉施設(介護施設)では、転倒災害に加えて腰痛災害も多く発生しており、両者は相互に関連することがある。これに対し、令和3年度介護報酬改定ではその対策を講じている」

 「具体的には、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の算定要件の1つである『職場環境等要件』に基づく取組に『介護職員の身体負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボット等の導入、研修等による腰痛対策の実施』が設けられている」

 「これらの実施に加え『職場における腰痛予防対策指針』も参考にして頂きたい」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 厚労省では、10月10日を「てん・とう」にかけて「転倒予防の日」と定めているそうです。今回の記事では「腰痛」に焦点を当てましたが厚労省によると、社会福祉施設における労働災害のうち、約4割を「転倒」が占めるそうです。

 この「転倒」による労働災害は、約9割が「女性」で、約8割が「50代以上」だそうです。厚労省は「介護労働者の満足度を重視する企業ほど、人材確保ができているとの統計結果もある」と指摘しています。

 現在、全国の介護事業所では「新型コロナの感染防止対策」が最優先だと思われますが、職員の定着による事業の安定化を図るためにも、これを機に事業所内の「腰痛」「転倒」対策を見直してみる必要があると思われます。

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*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年9月29日(水)第593号*****

◆◇◆◆◆─────────────
コロナ新規感染者数減少の要因・尾身会長「高齢者施設での感染者減少も、理由の一つ」
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 全国的にコロナの新規感染者数が減少している中で、その理由については専門家も明確な理由を示していないが、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長は要因を5つ挙げ、その1つに「あまり語られていないが、高齢者施設での感染者の減少があった」と指摘した。

首相会見での尾身会長発言 9月28日に開催された、菅義偉首相の「新型コロナ感染症に関する、菅内閣総理大臣記者会見」で、尾身会長が述べた=写真・首相官邸HPより。会見では記者から菅首相に対して「冬に向けて第6波が懸念されているが、これに備えて取り組むべきことは何なのか?」との質問が出た。

 これに対し菅首相は「第6波が来ても、今度はワクチンを打っているから、状況はかなり違うと思うが、そうしたときにもやはり、感染者数を最小にしながら病床をしっかり確保していく体制を作ることが大事だと思う」と回答し、尾身会長にも意見を求めた。

 これに対して尾身会長は、次のように述べた。

 【「私は、感染者数の減少には、5つの要素があったと考えている」】

 第6波にどう備えるかというご質問があったと思うが、私は第6波にどう備えるかということに関して、今回なぜ感染が急激に拡大して、なぜ感染が急激に落ちてきたかを分析することが非常に重要だと思っている。

 私は幾つかの要素があると思うが、まず前提として例の夏休み、4連休、お盆というものが重なって、急激に感染を上昇させる要素が一時期に集まった。その感染上昇する要素が取れてきたことが、まず1点あったと思う。

 それに加えて、また最終的な結論を出すにはデータが不足しているが、現時点では、私は大体大きく分けて5つぐらいの感染減少の要素があったと考えている。ただし、それぞれの5つの要素が感染減少にどれだけ寄与したのか……。

 今のところでは数量的に定量的に分析することは、まだこれからの課題だと思う。5つの要因と言うは、まず最初の2つは人々の努力だ。1番目は、一般市民の協力ということだ。

 【「1番目と2番目の要因は、一般市民の方々の努力によるもの」】

 今回は急激に感染が拡大して、深刻な医療のひっ迫ということがマスコミを通して一般市民に発信されたことで、これが人々の危機感を高めることになって、今まで以上に人々が感染対策に協力してくれたことがあったと思う。

 それから2番目は人流、特に夜間の滞留人口の減少というのがあったと思う。人流、特に繁華街における夜間滞留の人口というのを、8月12日の時点で5割削減をお願いしたわけだが、その目標5割には達しなかった。

 しかし、この6週間ぐらいずっと20%から30%ぐらいの、夜間の繁華街における滞留人口とが低く維持されていたことがあると思う。それと、これはまだ分析中で、こういう仮説を今我々は持っている。

 それは、ワクチン未接種者の人たちが、夜の滞留人口なんかにより集中的に避けてくれたと、減少してくれた部分があったと思う。それが2つ目だ。

 【「3番目の要因は、ワクチン接種の効果だ」】

 3つ目は、先ほど総理からもお話があったように、ワクチン接種の効果というのが、私は確かにあったと思う。実効再生産数の推移などを見ると、ワクチン接種率の向上が、感染の減少に寄与した可能性はあると思う。

 本当の意味の詳細な分析は、ワクチンだけではなくて、自然感染した人も一定程度いるので、そうした意味では、抗体保有率の厳密な調査がこれから待たれると思う。

 【「4番目の要因は、医療機関や高齢者施設での感染者の減少で、5番目は気象要因」】

 それから4番目だが、これはあまり語られていないが、医療機関、高齢者施設での感染者の減少があった。これまでは若者を中心に感染の起点があったが、それが後半になって高齢者に伝わった。

 それが今回は、ワクチン接種があったために、そして院内の感染防止対策も以前に比べて進展した。高齢者の感染があまり増えなかったことで、今まではずるずると(感染拡大の影響が高齢者施設等にまで)行った、それが無かったこともあったと思う。

 それから(5番目の要因は)なかなかこれは証明は難しいが、気温や降水などの気象の要因も関与したのではないかと思う。そうしたことで、これからも我々専門家としては「なぜ、感染が急激に減少したか」の分析を続けていきたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 実は、厚労省のアドバイザリーボード(厚労省専門家会議)でも「今回は、変異株(=「インド型」)の流行もあって、過去の『波』よりも全国的に新規感染者数が増大したにも関わらず、高齢者施設等での新規感染者数は少なかった」との指摘がありました。

 これは、尾身会長が述べた内容通りの結果になっています。ただ、詳細については今後も分析が必要ですが、全国の介護事業者の皆さんが、感染防止対策を徹底したことがこの「成果」につながったのでは、と思われます。

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*****令和3年9月28日(火)第592号*****

◆◇◆◆◆─────────────
田村大臣「介護報酬のコロナ特例0.1%相当の補助金が決定」、厚労省「手続きは簡素に」
─────────────◆◇◇◆◆

 令和3年度介護報酬改定で、全体の改定率はプラス0.7%だったが、このうち基本報酬の0.1%分が「新型コロナ対応として、9月末までの期間限定条件付き」で、特例的評価分とされていたが、この0.1%分が10月以降も「補助金」として継続されることになった。

9月24日田村大臣会見 9月28日午前に開催された定例記者会見で、田村憲久厚生労働大臣が述べた=写真は9月24日の記者会見の様子。厚労省HPより。この0.1%分は、関係者によると10月以降は「特例的評価の対象の、全ての介護施設・事業所を対象として、地域医療介護総合確保基金に基づいて支給される予定」と述べている。

 これにより0.1%分の「補助金」は、従来とは申請方法が異なることになるが、この点について日本介護新聞が厚労省に尋ねたところ「補助金の支給申請手続きは(介護報酬の申請のように毎月ではなく)できるだけ簡素な方式を考えている」と回答した。

 また厚労省では「補助金の申請方法も含め、内容の詳細については、通達等の方法で別途お知らせしていきたい」等と述べている。

 【昨日開催の、介護給付費分科会でも「打ち切りになるのか?」と話題に上がる】

 「新型コロナ対応として、9月末までの期間限定の条件付き特例的評価分」は介護報酬以外でも、診療報酬等でも適用されていたが、この点について田村大臣は、9月24日の定例記者会見で記者から問われて「財政当局と調整中」と答えていた。

 また、昨日(9月27日)開催された介護給付費分科会でも、出席した委員から「0.1%分のコロナ特例を打ち切るのか? 『補助金で対応を検討中』との報道もあるが、現場では不安の声が広がっている」との質問が出された。

 これに対し、厚労省の担当者は「(補助金で対応するという)方向感として(現在検討していると)ご了承を頂きたい」と述べるにとどめていた。

◇─[後記]───────────

 新型コロナとの闘いは、介護現場に限らず医療でも続いており「補助金で対応することで実質的に継続する」ことは、ある意味で当然と言えると思います。ただ年末にかけて「第6波」が来ることは、全ての感染症の専門家がほぼ「断言」しています。

 また、新型コロナとの闘いは今後も2~3年は継続すると思われ、その対策にかかる「かかり増し経費」についても、厚労省には「補助金」での対処で済ませるのではなく「抜本的な対応」を考えて頂きたいと思います。

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*****令和3年9月27日(月)第591号*****

◆◇◆◆◆─────────────
都内の高齢者の感染割合が7週連続で増加「施設・家庭内での感染防止策の徹底が必要」
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 東京都の新型コロナの新規感染者は、昨日(9月26日)は299人と、今年3月21日(256人)以来、約半年ぶりに300人を下回るなど減少傾向が続いており、65歳以上の高齢者もこれにほぼ比例して減少しているが、逆に全体での割合は7週連続して増加している。

都高齢者感染割合・7週連続増加 9月24日に開催された、東京都新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)で報告された。これによると65歳以上の高齢者は、8月第1週(7月27日~8月2日)の2.7%を起点として7週連続で増加し9月第3週(9月14日~20日)は7.4%に至った=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 これを75歳以上に限ってみても、8月第1週の1.3%を起点として7週連続で増加し、9月第3週は4.0%だった。全体の減少速度に対し、高齢者層のみが「減少が鈍い」状態になっている。

 【都専門家会議「ワクチンを2回接種した職員も、厳重な感染防止対策が必要」】

 これについて、都専門家会議は「重症化リスクが高く、入院期間も長期化することが多い高齢者層の感染者数は、4週間連続して減少しているが、新規陽性者数が減少する中、その割合は7週間連続して上昇しており、注意が必要である」

 「家庭内および施設等での徹底した感染防止対策を行うことや、家庭外で活動する家族が、新型コロナウイルスに感染しないことが最も重要。今週も、医療機関や高齢者施設等での感染者の発生が、引き続き報告されている」

 「ワクチンを2回接種した職員も、厳重な感染防止対策が必要である」と指摘している。都内の、65歳以上の高齢者の1週間単位での新規感染者数と、全体での割合の推移は次の通り。

 ▽8月第1週(7月27日~8月2日)=2.7%=596人
 ▼8月第2週(8月3日~9日)=3.3%=956人
 ▼8月第3週(8月10日~16日)=3.7%=1,078人
 ▼8月第4週(8月17日~23日)=4.3%=1,377人
 ▼8月第5週(8月24日~30日)=4.9%=1,231人
 ▼9月第1週(8月31日~9月6日)=5.3%=866人
 ▼9月第2週(9月7日~13日)=6.9%=622人
 ▼9月第3週(9月14日~20日)=7.4%=390人

◇─[後記]───────────

 都専門家会議では「なぜ、高齢者の減少傾向だけが鈍いのか?」について、明確な説明をしていないため、理由は不明です。しかしデータから見ても、明らかに「鈍い」ことは事実です。

 もしかすると「ブレイクスルー感染」が影響しているのかもしれませんが、いずれにせよ理由が明確にならない現在は、都専門家会議の指摘通り「施設や家庭での徹底した感染防止対策を行う」しか、対策がないのかも知れません。

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*****令和3年9月24日(金)第590号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ワクチン3回接種の有効性「60歳以上は2回接種と比較して、感染予防効果は11・4倍」
─────────────◆◇◇◆◆

 ワクチンを2回接種したにも関わらず、新型コロナに感染してしまう「ブレイクスルー感染」で、介護事業所でも全国でクラスターが発生している事例が連日、マスコミで報道されている。

 例えば9月22日に福井県は「越前市の介護老人保健施設で、入所者と職員の32人の感染が確認された。全員が2回のワクチン接種を終えており『ブレイクスルー感染』によるクラスターが発生した」等と発表した。

3回目接種の有効性 この「ブレイクスルー感染」防止のため、高齢者向けに3回目のワクチン接種が来年1月から開始されるが、その効果について専門家は「ファイザー社製ワクチンの追加接種で2回接種と比較して、3回接種は11・4倍の感染予防効果が認められた」と指摘した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 9月17日に開催された、厚労省の有識者会議「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」で、分科会長代理を務める中野貴司・川崎医科大学教授が「すでに3回接種を実施している、イスラエルの研究結果」として紹介した。

 これによるとイスラエルは、ファイザー社製ワクチンの3回目の追加接種による有効性を研究するため、データベースより抽出した、ワクチン2回接種済みの60歳以上の114万4,690名を対象とした観察研究を実施し、結果として次の3点を挙げた。

 ■1.3回目の追加接種者は、2回接種者と比較して、感染予防効果が11・4倍、重症化予防効果が15・5倍となった。

 ■2.感染予防効果は接種後12日目以降から、5倍以上認められた。

 ■3.一方で、接種後1~11日目までは、感染予防効果の獲得まで時間を要する点などにより、感染予防効果が低くなっている可能性がある。

 この中野教授の指摘などを踏まえ厚労省は、わが国の3回目のワクチン接種について「2回目接種完了から、概ね8ヶ月以上後に実施の必要がある」と結論を出した(弊紙9月21日号で既報)。

 さらに厚労省は都道府県に対し、3回目のワクチン接種について「医療従事者向けは12月1日、高齢者向けは来年1月から開始できるよう、市町村への支援体制を構築して欲しい」と要請している(弊紙9月22日号で既報)。

◇─[後記]───────────

 「ブレイクスルー感染」が起きる要因として感染症の専門家は、ワクチン接種から時間が経過するとともに「効果が低下してくる」ことを挙げていますが、同時に「これまでより強い感染力を持つウイルスが広がっていること」も指摘しています。

 いずれにせよ、福井県の事例のようにここ数日、介護施設や医療施設で「ブレイクスルー感染」によるクラスターの発生が複数、マスコミにより報じられています。来年、3回目の接種が実施されるまで、全国の介護事業所には「警戒態勢の継続」が求められます。

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*****令和3年9月22日(水)第589号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・3回目ワクチン接種実施に向け都道府県に「12月1日開始、市町村の支援」依頼
─────────────◆◇◇◆◆

3回目接種への準備を要請 新型コロナワクチン接種の3回目の実施に向け、厚生労働省は9月22日、自治体向けに説明会を開催し、この中で都道府県に対して「12月1日から3回目の追加接種が開始できるよう、市町村を支援しながら進捗管理して頂きたい」等と要請した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 厚労省の有識者会議が9月17日に、3回目の接種について「2回目接種完了から、おおむね8ヶ月以上後に実施の必要がある」との事務局(=厚労省)案を了承したことに伴うもの(昨日付け弊紙で既報)。

 「12月1日」から開始するのは、優先接種の第1弾となった医療従事者で、2回目を今年3~4月に接種した人が対象となる。優先接種の第2弾となった65歳以上の高齢者は、現時点ではまだ、正式に3回目接種の優先対象として発表されていない。

 しかし厚労省の説明会では、今年5月にファイザー社のワクチンで2回目の接種を終えた高齢者や介護施設従事者等が「来年1月から3回目の接種が開始できることを想定して、準備を整える」ように自治体に要請している。

 3回目の接種で使用するワクチンについて、厚労省は「1・2回目に用いたワクチンと同一のワクチンを用いることを基本としつつ、更なる科学的知見等を踏まえ、早急に結論を得ることとする」としており、現時点では1・2回目と同一ワクチンを想定している。

 このため、これまでにファイザー社製ワクチンを接種した高齢者(全国で約3,029万人)は来年1月以降に3回目を接種するが、モデルナ社製ワクチンを接種した高齢者(全国で約84万人)は、来年2月以降に3回目を接種することになる。

 今回、厚労省は自治体(都道府県と市町村)に対して「3回目の接種への準備」として、次の3点を要請している。

 ■1.接種会場の調整=市町村は、住所地(医療従事者等は勤務先も可)で追加接種をできるように、見込み数を試算し、必要な接種会場を確保する。

 ■2.接種会場へのワクチンの供給=市町村は、接種会場と調整の上、接種会場ごとの希望量を登録する。都道府県は、市町村と医療関係団体と調整の上、市町村ごとの供給量を決定する。これを踏まえ市町村は、接種会場ごとの供給量を決定する。

 ■3.接種券の郵送・ワクチンの接種=市町村は、12月から追加接種を開始できるよう、対象者の追加接種時期にあわせて接種券を郵送する。接種会場と調整の上で予約を受け付け、ワクチン接種を実施する。

◇─[後記]───────────

 厚労省はまだ、高齢者や介護従事者の3回目の接種時期については正式発表していませんが、自治体には「来年1月以降に実施する」ことを想定して、準備を進めることを要請しています。

 しかし、介護従事者の中でも施設系はほぼ確実に「優先接種」の対象になると思われますが、在宅系は現在でも「自治体の判断」に委ねられており、中には「優先接種の扱いを受けていない」事例も、介護の業界団体からは指摘されています。

 厚労省には3回目の接種が開始される今年12月までに、この点について正式な調査を実施した上で「全ての介護従事者が優先接種の対象となる」ように、市町村に向けて通達してもらいたいと思います。

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*****令和3年9月21日(火)第588号*****

◆◇◆◆◆─────────────
3回目ワクチン接種・厚労省「2回目接種完了から、概ね8ヶ月以上後に実施の必要あり」
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 新型コロナワクチンの3回目の接種の必要性について、厚生労働省は「2回目接種完了から、おおむね8ヶ月以上後に実施の必要がある」と決定した。また3回目は「1・2回目に用いたワクチンと、同一のワクチンを用いることを基本とする」との方針を示した。

ワクチン3回目接種 9月17日に厚生労働省が開催した、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の第24回会合で、事務局(厚労省)が示した「追加接種(=3回目の接種)」の実施案=表・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=を、会議に出席した有識者が了承した。

 3回目の接種に使用するワクチンは「1・2回目に用いたワクチンと、同一のワクチンを用いることを基本としつつ、更なる科学的知見等を踏まえ、早急に結論を得ることとする」等と述べ、今後も同分科会で引き続き検討されることになった。

 厚労省が「3回目のワクチン接種の必要がある」とした、主な論拠は次の2点。

 ■1.諸外国において、新型コロナワクチンを2回接種した場合であっても、接種後の時間の経過とともに、ワクチンの有効性や免疫原性が低下することが報告されている。

 ■2.一部の国においては、2回のワクチンを接種後、一定の間隔をおいて、追加接種を実施する方針が打ち出されている。

 このうち「2」について、厚労省では次の5ヶ国の事例を挙げているが、いずれの国々も「高齢者」や「高齢者施設の入所者」を、3回目の接種で「優先対象」として実施している。また多くの国で「介護従事者」も対象に含まれている。

 ◆イスラエル=7月12日から「免疫不全者(体内の免疫が正常に機能しなくなった結果、身体の防御力が低下した状態になった者)」を対象として3回目の接種を開始し、8月1日から「60歳以上」、8月19日から「介護従事者」にも対象を拡大して実施。

 ◆米国=8月13日から「中等度~重度の免疫不全者」を対象として開始し、9月20日からは「2回接種完了後8ヶ月以上経過した者」を条件に「医療従事者・高齢者施設入所者・高齢者」等に対象を拡大して実施。

 ◆英国=9月1日から「免疫不全者」、9月20日から「高齢者施設入所者・50歳以上の者・現場で働く医療・介護従事者」等を対象に実施。

 ◆フランス=4月11日から「免疫不全者」、9月1日から「高齢者施設や長期療養施設の入所者・65歳以上の者」等を対象に実施。

 ◆ドイツ=9月1日から「高齢者施設等の入所者・在宅で介護の必要な者・80歳以上の者」等を対象に実施し、9月6日からは「(9月1日から)接種対象となった施設の介護従事者や他の従業員・60歳以上の者」にも対象を拡大。

◇─[後記]───────────

 これで、わが国でも3回目のワクチン接種の実施はほぼ確定しました。また諸外国の事例を見ても、優先接種の対象に「高齢者」と「高齢者施設の従事者」が含まれることもほぼ確実と思われます。

 ただ3回目も1・2回目と同様、市区町村がワクチン接種の実施主体となるでしょうから、1・2回目の時に生じた「混乱」を繰り返さないよう、今から入念な準備をしてもらいたいと思います。

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*****令和3年9月17日(金)第587号*****

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都内のコロナ感染者・高齢層の割合が6週連続増加し6.9%、「第6波で急増」の懸念も
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 東京都の新型コロナの新規感染者数が減少傾向にある中で、65歳以上の高齢者の新規感染者が占める割合が増加している。要因は、他の年代が著しい減少傾向を示している中で、高齢者層のみが「減少傾向が緩やか」なためとみられる。

 ただし専門家は、都内の新規感染者数の減少が今の水準で「下げ止まり」した場合、この冬にも予想される「第6波」が到来した場合に「感染者数が急激に増加する懸念がある」とし、「さらなる新規感染者数の抑制が必要」等と指摘している。

都内高齢者の感染者割合が6週連続して増加 9月16日に開催された、東京都の新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)で指摘された=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。都専門家会議では、全ての年代を含めた都内全体の新規感染者数が減少している要因や、高齢者層の割合の増加傾向については、明確な理由を示していない。

 【都専門家会議「新規感染者数を十分に減少させないと、急激な感染拡大が懸念される】

 都内の全体の新規感染者数は減少傾向にあるものの、都専門家会議は「依然として高い水準にあり、感染者がいまだに市中に潜在している可能性がある。現在も多数の入院患者・重症患者が治療中であり、新規陽性者数が増加に転じれば、再び危機的状況となる」

 「新規陽性者数が減少した後の最小値は、第1波以降、感染拡大の波を繰り返すたびに、前回の『波』の最小値より高くなっている。感染の拡大が懸念されるこの冬(=第6波)に備え、新規陽性者数を十分に減少させる必要がある」等と指摘している。

 また「最小値が高いほど、新たな感染拡大の状況に直面した時に、急激な上昇傾向に至る可能性が高い」等と、警鐘を鳴らしている。都内の新規感染者数(8月以降の7日間の合計数)における、高齢者層(65歳以上)の割合と感染者数の推移は、次の通り。

 ▽8月第1週(7月27日~8月2日)=2.7%=596人
 ▼8月第2週(8月3日~9日)=3.3%=956人
 ▼8月第3週(8月10日~16日)=3.7%=1,078人
 ▼8月第4週(8月17日~23日)=4.3%=1,377人
 ▼8月第5週(8月24日~30日)=4.9%=1,231人
 ▼9月第1週(8月31日~9月6日)=5.3%=866人
 ▼9月第2週(9月7日~13日)=6.9%=622人

 【厚労省専門家会議「青壮年層は顕著な低下傾向だが、60代以上は横ばい傾向」】

 一方、9月16日には、厚生労働省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)も開催された。こちらでも東京都内の新規感染者の年代別の、7日間平均の推移を「接触歴不明」と「接触歴あり」に分けて分析している。

 これによると「接触歴不明」では「青壮年層(20~50代まで)では顕著な低下傾向だが、60~70代は横ばい傾向」とし、「接触歴あり」でも「すべての年齢層において下降傾向にあり、特に20~30代で顕著だが、40~50代はほぼ同水準」と指摘している。

 会議では言及していないが、厚労省専門家会議が「接触歴あり」で示した資料では「50~70代」と「80代以上」が緩やかな減少傾向を表しているのに対し、その他の年代は全て、急激に減少している状況を示している。

◇─[後記]───────────

 そもそも、なぜ現在「都内の新規感染者数が減少しているのか?」については、テレビや新聞等のマスコミに登場している感染症の専門家の皆さんは「正確な理由は、わからない」と述べています。

 それでも「これからの冬に向けて『第6波は、必ず来る』と想定すべき」「新規感染者数が減少傾向にあっても現在の下げ止まりの状況では、感染が拡大した際には急激に上昇する」ことでは、ほぼ一致しています。

 全国の介護事業者にとっては、やはり今から「第6波の到来」に備えて、現在の感染防止対策を見直しておく必要がありそうです。

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*****令和3年9月16日(木)第586号*****

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尾身会長「コロナが、インフルエンザと同じ感覚になるには、2~3年プラスはかかる」
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 新型コロナの感染が今後、収束する時期の見込みについて、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「国民が、インフルエンザと同等に感じるレベル」に例えて、その時期は「来年とかではなく、2~3年プラスはかかるのではないか」との見通しを述べた。

尾身茂会長 9月15日に開催された、衆議院の厚生労働委員会で、立憲民主党の尾辻かな子議員の質問に対して答えた=写真・衆議院インターネット審議中継より=。尾辻議員は「ワクチン接種も、その効果には限界があるが、今後の感染状況の収束の見通しについて、見解をお伺いしたい」等と尋ねた。

 尾身会長は「社会で(新型コロナに対して)不安がなくなる」と受け止めるには「インフルエンザと同じ感覚になること」に例えて、インフルエンザと同様に有効な治療薬とワクチンが開発されていることを条件に挙げて「2~3年プラスはかかる」等と指摘した。

 また、わが国での3回目のワクチン接種について、WHO(世界保健機構)のテドロス事務局長が、発展途上国にもワクチンを十分に供給するため「先進国での3回目の接種は、年内は控えて欲しい」等と要望している。

 これを取り上げた尾辻議員の質問に対し、尾身会長は国際貢献の重要性を指摘した上で「色んなデータを分析して、3回目接種の準備や検討をしておかないと、いざ実施しようとする時に遅くなってしまう。検討は今から(政府に)して頂きたい」等と述べた。

 これらの点に関する、尾身会長の答弁の概要は次の通り。

 【ワクチンの効果にも限界があると思われるが、感染収束の今後の見通しは?】

 ▼尾身会長=今(政府が)ワクチン接種を一生懸命に進めているが、それでも「感染をゼロ」にして、制圧することはできないので「当分」このウイルスとの闘いは、続けていく必要があると思っている。

 「当分」とは「神のみぞ知る」ことだが、大体おおまかなことを言うと、普通の人にとっては「インフルエンザと同じ感覚になるのがいつか?」ということになると思う。インフルエンザの場合は、ワクチンがあり(治療のための)薬がある。

 こうなると、ずいぶん社会の不安感がなくなる。(新型コロナが)インフルエンザのようになるには、来年とかではなく、2~3年プラスはかかるのではないかと、私は考えている。

 【WHOは「3回目の接種は年内は控えて欲しい」等と言っているが、日本では…?】

 ▼尾身会長=2回目の接種をしても、抗体が下がることは知られていると思うが、それが実際に免疫にどの程度影響するのかは、まだわからないが、色々な情報を分析すると「やはり2回よりも、3回目の接種をした方が良い」と示唆するデータも出ている。

 これを踏まえ私は、政府へ「今、すぐに3回目をやるか否か」を決めるのではなくて、色んなデータを分析して(3回目接種の)準備や検討をしておかないと、いざ実施しようとする時に遅くなってしまうので、検討は今からして頂きたい、と提案したい。

 WHOのテドロス事務局長の主張は理解するが、日本では「all or nothing」(全てか、全くの無かのどちらかで、中間的なものがないこと)ではなくて、日本でも3回目が必要であればやるが、一方で国際社会の一員として貢献も考えていくことだと思う。

◇─[後記]───────────

 弊紙では以前、新型コロナの変異株が話題になった際に、ある医師から「インフルエンザも毎年、いろんな型が出てくるので、新型コロナも同様になるのではないか?」との見通しを教えてもらったことがあります。

 仮に、尾身会長の指摘通りに「新型コロナが、インフルエンザと同様になり、社会に不安感がなくなる」としても、全国の介護事業所にとっては、現在の感染防止対策を少なくとも「2~3年プラス」は、継続して求められていくことになりそうです。

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*****令和3年9月15日(水)第585号*****

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田村大臣・3回目のワクチン接種「17日開催予定の有識者会議で議論し、早く結論を出す」
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 新型コロナの新規感染者数が、全国的に減少傾向にある中で、この冬にも襲来が予想される「第6波」に備え、ワクチンの3回目の接種について田村憲久厚生労働大臣は、明後日(9月17日)に開催予定の有識者会議で議題に挙げる予定であることを明らかにした。

 また3回目のワクチン接種で、これまで2回の接種で使用してきたファイザー社製・モデルナ社製とは違う、アストラゼネカ社製を使用すること等を想定した「交差接種」も同様に、明後日の有識者会議で議論される予定であることにも言及した。

9月7日田村大臣記者会見 9月14日の定例記者会見=写真は9月7日の会見の様子。厚労省HPより=で、記者からの質問に答える形で述べた。会見ではさらに「第5波」で、全国的に病床がひっ迫したことを受け、今後予想される「第6波」への備えとして「患者数等をリアルタイムで把握すること」の必要性を記者から問われた。

 これに対しては「現在、専門家に検討して頂いている」等と回答した。これらの点に関する、記者会見での質疑応答の内容は次の通り。

 【3回目ワクチンと交差接種「17日開催予定の有識者会議で議論し、早く結論を出す」】

 ▽記者=新型コロナワクチンの2回目の接種を終えた人が、全人口の50%を超えた。3回目接種について、大臣は先日の記者会見で「厚生科学審議会を早急に開いて、方向性を決める」と発言された。

 これに優先順位をつけるかどうかなど、現時点での将来の検討状況を教えて頂きたい。あわせて交差接種について、対象をどうするかなどの検討状況も教えて頂きたい。

 ▼田村大臣=3回目の接種については、ファイザー社であるとか、モデルナ社の安全性や免疫原性、抗体価の変化などを今、評価するための臨床試験が実施されていると理解している。

 また交差接種については現在、一部の免疫効果であるとか安全性のデータ、こういうものが学術誌に公表されるなどしているので、こういうような研究を、我々もしっかりと分析をしていきたいと思っている。

 いずれにしても、厚生科学審議会、予防接種ワクチン分科会、これを早急に開催しなければならないと思っている。17日を今(有識者会議の開催の)一応日程として考えていて、その中でしっかりと、科学的な観点からご議論頂きたいと思っている。

 結論に関してはなるべく早く、出してまいりたいと思っている。

 【「第6波」への備え「患者数等をリアルタイムで把握すること等は、現在検討中」】

 ▽記者=大臣は(記者会見で、新型コロナの)患者数を「リアルタイムで把握することが難しい」と言われているが、次の波(=「第6波」)に向けて、そういうものを把握していく必要はあるのだと思う。

 今後、そういうものを把握していくような仕組みをつくるとか、そういう検討はされているのか?

 ▼田村大臣=なかなか、リアルタイムで全部、中等症というのを確認できるかというのは、言われるとおりかなり医療関係者に負荷を与えるので、それが本当にできるのか、できるとしたらどれくらいの手間がかかるのか……。

 さらに、どういう影響があるのか、そういうことも分析しなければならないと思う。今、検討いただくという意味では、一つの(緊急事態宣言等の)解除等への参考にするということであれば「どういうものが使えるのか」という話だ。

 それは「推計から出す、という方法がありますよね」ということを、専門家の方々からいろいろとご提案いただいている。

◇─[後記]───────────

 ワクチン担当の河野大臣や厚労省の田村大臣の、これまでの発言内容をみると、どうやら3回目の接種はほぼ、実施されることで決定しそうです。問題は「時期」で、テレビの情報番組に出演している、多くの感染症の専門家は「第6波」の到来を予想しています。

 現在の、新規感染者数の減少傾向をみれば「第5波」は、収束に向かっているように思えますが、全国の介護事業者にとっては、例年のインフルエンザの流行期を控え「気を緩める」ことなく「第6波」への備えも必要になってくると思われます。

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*****令和3年9月14日(火)第584号*****

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科学的介護Life「現場ではまだ、活用法が整理されておらず『伴走型』で運用すべき」
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 より効果的・効率的な介護保険サービスの提供を進めるため、令和3年度の介護報酬改定で「科学的介護情報システム( Long term care Information system For Evidence )」(以下「Life」)が創設され、そのデータベースの運用が今年4月から始まった。

Lifeの活用検討調査 これを踏まえて、今後のLifeの活用に向けた課題の検討を行うための調査=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=を行うが、この内容を検討した有識者から「現場ではまだ、Lifeの活用法が整理されていない。Lifeを使ったから、すぐに(サービスの質等が)良くなるというものではない」

 「現場で、どのように活用できるのか等を『伴走型』で運用していかないと、道具(Life)は用意したが、それが現場で使われないままで終わってしまう可能性もある」等と課題が挙げられた。

 9月10日に開催された介護報酬改定検証・研究委員会で、調査内容の検討にも携わった埼玉県立大学大学院の川越雅弘教授が述べた。川越教授はその一例として、Lifeから得られたデータに対し「リハ職・管理栄養士・ケアマネでは見る視点が違う」等と指摘した。

 同委員会での川越教授の指摘内容は、次の通り。

 Lifeの活用について委員会で議論した際に「Lifeを使ったからすぐに(サービスの質等が)良くなる、というわけではないので、現場と『伴走』しながらLifeを活用していこう」という方針になった。

 例えばケアマネジャーは、Lifeというデータベースを目の前にした時に「自分たちの業務に、どのように活かすのか? 活かすことができるか?」と考えるだろうが、まだ頭の中で整理されていないのが実情だろうと思う。

 Lifeにより「同じ物差し」で測定されたデータが用意されていることは、極めて大事なことだ。しかしそれ以前に、例えば栄養士とリハ職では、同じデータを違う視点で分析し、評価している。

 例えば現場で「(介護サービスの利用者の)食べる行為について、何とかしてあげよう」と考えても、リハ職と栄養士、またケアマネジャーでは見る視点が違う。この「お互い、見ているところが違う」ことが、意外と現場では確認されていない。

 つまり、介護の現場はまだ分業の世界で、本当に「利用者のために何をするか」と「そのために何が必要か」をそれぞれが確認して、そこからそれぞれの「思考」に落としていかないと、このようなデータが集まっても「使いこなせない」ことになりかねない。

 つまり、キチンと「データが整備される方向」と、それらのデータを活用していくという「やり方の方向」と、両方をセットで整理をしていかないと「道具(Life)は用意したが、それが使われないままで終わってしまう」ことになりかねない。

 結果的に、現場の仕事の負担が増える可能性が十分に考えられる。このため今回は「伴走型」で「こういったデータを、利用者のためにどう活用しようか?」という視点で調査を行う。コーチングをしながら、活用の仕方を一緒に学んでいく必要がある。

 これらは委員会で、委員の先生方から出てきた意見であり、実際に私もそう思っている。

◇─[後記]───────────

 川越教授の指摘は、介護業界とは関係のない方からすれば「当たり前」と思われるかも知れませんが、弊紙では以前から「Lifeを活用するためには、最も重要な指摘」だと考えていました。

 このLifeを実際に運用しようとすれば、現場ではかなりの負担増が予想されます。今回の調査で様々な課題を浮き彫りにし、全国の多くの事業者が「使いこなせる」システムに進化するよう、厚労省をはじめとした関係者にはぜひ「伴走」して頂きたいと思います。

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*****令和3年9月13日(月)第583号*****

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高齢者のワクチン3回目接種「抗体価を測定し、接種必要者を早く見極める必要がある」
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 新型コロナワクチンで、3回目の接種が話題となっているが、わが国の免疫学の第一人者で、大阪大学の宮坂昌之名誉教授は「高齢者や持病があり免疫力が低い人は、抗体価を測定することにより、3回目接種が必要な人を早く見極める必要がある」等と指摘した。

 9月9日に開催された、東京都の新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)に宮坂氏はWEBで参加し、意見を述べた。宮坂氏は「ワクチンを『打たない』という選択肢はない」との立場から、都専門家会議で次の4点を主張し、その根拠を説明した。

 ■1.高齢者や、持病があり免疫力が低い人の3回目の接種の必要性については、抗体価を測定することにより、接種の必要者を早く同定する(見極める)必要がある。

 ■2.その他の人たちでは、抗体価が下がっていても新型コロナに対する免疫能力はかなり維持されていると思われる。このため、3回目の接種を広く行うよりも、未接種者をできるだけ減らすとともに、2回接種者をできるだけ多くすることが必要であろう。

 ■3.交差(混合)接種は、広げるべきだ。

 ■4.3回目以降の接種は、免疫の原理から考えると、接種量を減らしても大丈夫なはずだ。ただし、小規模でいいから臨床試験が必要だ。

 【65歳以上はワクチンを接種しても抗体がうまくつくれないが、個人差が大きい」】

大阪大学・宮坂教授の指摘 この中の「1」について宮坂氏は、ワクチンを接種した人の抗体量を調査した結果として「65歳以下ではおおむね良く抗体を作るが、70歳を過ぎると抗体産生量が下がる傾向があり、85歳以上では抗体産生量がきわめて低い人がいる」=画像・東京都HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。

 「ただし、個人差が大きいことに注意。つまり65歳以上は(ワクチンを接種しても)抗体に個人差があるために、3回目の接種が必要な高齢者を、抗体量を測定することで見極める必要があり、リスクがある世代であることは間違いない」等と指摘した。

 【諸外国の研究事例から「交差接種は、極めて有効だ」】

 また「3」の交差接種について宮坂氏は、諸外国の研究事例として、アストラゼネカ社製ワクチン(以下「アストラ」)を2回連続で接種した場合と、2回目をモデルナ社製ワクチン(以下「モデルナ」)で接種した場合の、抗体量を比べた研究事例を取り上げた。

 ここでは「アストラ+アストラ」よりも「アストラ+モデルナ」の方が強い免疫が誘導され「85%の人で、変異株でも中和できる抗体が産生がみられた」等と紹介し「交差(混合)接種は広げるべきだ」と主張した。

 【ワクチン接種から時間が経過し「抗体価は下がっているが、免疫は維持されている】

 さらに「2」について、ワクチンを接種して時間が経過することで「抗体価が下がる」と言われている点について、宮坂氏は「われわれは抗体以外にも、コロナに対する免疫を発揮するしくみ(=細胞免疫)がある」

 「これは今回、測定していないので『抗体価が下がっている』というのは少し心配なデータではあるものの、細胞免疫はずっと何ヶ月も体内に残るので、私は抗体価が下がっている人でも、コロナに対する免疫は強く維持されていると考えている」と指摘した。

 これを踏まえ「3回目の接種を行うことは一つのアイデアだが、3回目が必要な人たちを同定する(見極める)必要がある。しかし、私がそれよりも重要だと考えるのは『未接種者の数を、できるだけ減らすこと』だ」

 「特に2回の接種者をできるだけ多くすることができれば、ウイルスを飛ばす人の数を減らすことができるので、ブレイクスルー感染(ワクチンを接種したにも関わらず、新型コロナに感染すること)も起こりにくくなる」

 「つまり(この考え方に立てば)交差接種は進めるべきである」と指摘した。

 【3回目接種でモデルナ社は、ワクチン量が1回目・2回目の「半量」で認可を申請】

 「4」については、宮坂氏は「免疫の原理から考えると、ブースター接種(追加接種)は(1回目や2回目と比較して)接種量を減らしても大丈夫だ。これについては、モデルナ社が一部でデータを公表している」

 「『全量』の代わりに『半量』、あるいは『1/4量』にまで減らしてワクチンを打っても『ブースターの効果は、同じである』と言っている。これを踏まえてモデルナ社は、3回目の接種を『半量で行う』ことで、諸外国で認可を求めている」

 「これを踏まえ、日本でブースターを実施する際は、小規模でも良いから臨床試験を行うべきだと考えている」等と主張した。

◇─[後記]───────────

 宮坂名誉教授は、わが国の免疫学の第一人者であるにも関わらず「当面は、ワクチンは打たない」と公言したことで注目されました。その後、コロナワクチンが「従来ワクチンとほぼ同じレベルの副反応であることが分かった」と述べました。

 そして今では「打たないという選択肢は、ない」との立場から、ワクチン接種を積極的に推進しています。その道の第一人者でさえ、このように考え方が変わるほど、やはり新型コロナワクチンの取り扱いは難しい点があるのも事実だと思います。

 しかし現在は、様々な専門家の意見をみても、宮坂名誉教授の主張通り「3回目の接種の推進より、まずは2回の接種を十分に広げることが重要」であり、結果的にこれが「高齢者を新型コロナの感染から守る」ことにつながりそうです。

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コロナワクチンの交差接種「選択肢には入るが一時的な措置で、わが国での検証が必要」
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 新型コロナのワクチン接種が進む中で、3回目の接種を見据えて、それまでとは異なる種類のワクチンを接種する「交差接種」(=併用接種)について、わが国のワクチン専門家の組織である日本ワクチン学会は「選択肢に入れることを提案する」等と表明した。

 同学会が9月9日に公表した「新型コロナウイルスに対するワクチンに関連した日本ワクチン学会の見解」の中で、指摘した。この見解では新型コロナワクチンで、現在議論の的となっている次の3点について、学会としての見解を明らかにしたもの。

 ■1.異なる種類のワクチンの併用接種について
 ■2.ワクチンの3回目の接種について
 ■3.ワクチンへの異物混入について

 【併用接種は「選択肢には入るが一時的な措置で、検証が必要」】

 この見解で「1」の併用接種は、政府が導入を前提に検討が進んでいることについて「現在、ワクチンの需要が供給を上回ることがあり、異物混入による予定変更などの問題が重なって、希望者全員に接種されていない場合がある」と、現状の問題点を指摘した。

 その上で「今後ワクチンの供給不足により、接種の遅滞が生じた場合には、現状の新型コロナウイルス感染症流行が災害級の非常事態であるとの見地から、異なる種類のワクチンの併用接種も選択肢に入れことを提案する」と主張した。

 また「異なる種類のワクチンの併用接種は、わが国においても日本脳炎ワクチンやポリオワクチンなどにおいて経験されている」としつつも、新型コロナワクチンの併用接種については、あくまで「海外の知見で、数百例規模の研究成果である」

 「つまり、数万例規模の治験の結果に基づいたものではない。仮に、わが国でこの併用接種を行うのであれば『希望者に接種が行き届くまでの一時的な措置』と位置付けるべきである」

日本ワクチン学会の見解 「同時に、並行してわが国における臨床研究として、たとえ少数例であっても、その有効性と安全性の検証を行うことが不可欠と考える」=画像・日本ワクチン学会HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=と、実際の運用については留意も促してる。

 【3回目のワクチン接種は「2回接種を、希望者全員に実施することが第一義だ」】

 現在、わが国で特例承認されている3種類のワクチン(ファイザー社製・モデルナ社製・アストラゼネカ社製)の接種回数は、いずれも「2回」と定められており、その回数を超える接種方法(=3回目の接種)については、国内では検証されていない。

 この点を踏まえて「2」の3回目接種について、同学会では「抗体価を高める、感染防御のための免疫力をより強く長く維持することを目的とする、優れた接種方法の検討は、今後進められていくべきと思われる」

 「しかしながら、国民に広く接種が行き渡っていない現状では、まずは同一のワクチンを用いて、2回の接種を対象となる希望者全員に対して、可及的速やかに実施することが第一義と考える」

 「ワクチンの供給が停滞し、同一のワクチンによる接種が進まないような事態になるならば、ワクチンの併用接種も検討されるべきと考える」と指摘している。

 【異物混入は「全身的な症状を起こす可能性は低いが、死亡事例等は早期に公開を」】

 「3」の異物混入については、厚労省では「問題ない」との見解を出しているが、同学会でも「異物が金属であった場合、ステンレススチールの微小片が接種されたとしても、小さな肉芽腫となって、全身的な症状を起こす可能性は低いと考えられる」

 「また、一般的に金属によるアレルギーは遅延型の反応であり、ワクチン接種直後に認められるアナフィラキシーの原因となる可能性は低いと考えられる」と述べている。ただし「異物が混入したワクチンが接種されることは、あってはならないことだ」

 「本学会としては、大変残念な事案であると受け止めている。ワクチン接種後の死亡事例に関しては、剖検の結果なども含めて、厚生労働省から因果関係の検討に関する詳細を、早期に公開していただきたい」等と要望している。

◇─[後記]───────────

 新型コロナワクチンを巡って、国民が最も関心を持つ3つの話題について、ワクチンの専門家組織が見解を出しましたが「3回目の接種」と「併用接種」の2点は現在、海外の研究結果等が報じられているのみで、国内での検証は行われていません。

 この2点は、実施されるとすれば、厚労省の有識者会議の議論を経ることになります。また実際に行われる時は、65歳以上の高齢者が優先されると思われます。全国的に、新規感染者数が減少傾向にある今こそ、政府にはこの2点の議論を進めてもらいたいものです。

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「ワクチン接種で高齢者は7・8月で推定8千人以上を死亡抑制した可能性がある」
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 国内でワクチン接種が進んだ7月と8月で「推定8千人以上の、高齢者の死亡を抑制した可能性がある」と、その効果を示す分析結果が報告された。9月8日に開催された、厚労省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で指摘された。

 【「7月と8月で、推定8千人以上の高齢者の死亡を抑制した可能性がある」】

ワクチン効果による死亡抑制効果 同会議では「新型コロナ感染症に対するワクチン等の効果の推定」が示された。これによると、各月の「推定死者数」から「死亡者実数」を差し引いた数=「推定との差」は、次のようになり、7月=1,623人と、8月=6,819人を足すと、合計で8,442人となった=表・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ▼7月=1,623人=「推定死亡者数1,768人」-「死亡者実数145人」
 ▼8月=6,819人=「推定死亡者数7,544人」-「死亡者実数725人」

 【「7月と8月で、推定10万人以上の高齢者の感染を抑制した可能性がある」】

 同様に同会議は「高齢者の、ワクチン接種等が進まなかった場合の推定モデル」も示した。こちらも同様に65歳以上の高齢者について、7月と8月の各月の感染者「推定モデル」から「感染者の実数」を差し引いた数=「推定との差」は10万7,767人となった。

 ▽7月=2万1,099人=「推定モデル2万7,052人」-「感染者の実数5,953人」
 ▽8月=8万6,668人=「推定モデル11万0,778人」-「感染者の実数2万4,110人」

 【「ワクチン効果で、高齢者を中心とした感染者・死亡者数の増加抑制が期待される」】

 これらの分析結果について、同会議は「今回は、HER-SYSデータを用いてワクチン接種等がなかった場合の推定モデルを作成し、新型コロナ感染陽性者数と死亡者数が、同推定モデルと比較してどの程度抑制されたかを試算した」

 「8月末までに、65歳以上の高齢者の9割近くが2回のワクチン接種を完了しており、ワクチンの効果として、高齢者を中心とした感染者数・死亡者数の増加抑制が期待される」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 新型コロナに感染した場合の、重症化防止や感染抑制に、ワクチン接種が効果があることはこれまでも証明されてきましたが、一方で「接種から一定期間が過ぎると、抗体の数が減少する」との研究結果も複数、発表されています。

 今回の分析結果通り、ワクチン接種が高齢者の「死亡抑制」「感染抑制」に効果が発揮されているのであれば、厚労省には早急に「3回目の接種」の必要性とその具体的な時期について、施策を示してもらいたいと思います。

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*****令和3年9月8日(水)第580号*****

◆◇◆◆◆─────────────
アルツハイマー新薬アデュカヌマブ・専門家「今後、認知症医療と介護の変革期に突入」
─────────────◆◇◇◆◆

 認知症の原因で、全体の6~7割を占めるといわれるアルツハイマー病で、その治療薬としてアメリカの食品医薬品局(FDA)は6月7日に「新薬の『アデュカヌマブ』の製造・販売の承認を、条件付きで決めた」と発表し、日本でも承認に向けた準備が進んでいる。

 これに対し、田村憲久厚生労働大臣は6月8日の記者会見で「画期的な方向の治療薬だ」と期待感示した(=弊紙6月9日号で既報)が、認知症専門医も「日本で介護保険制度が始まって以来の、認知症医療・介護の変革期に、これから数年で突入する」と評価した。

アデュカヌマブの高評価 9月7日に、日本老年精神医学会(池田学理事長=大阪大学大学院教授)が開催したプレスセミナーで、池田理事長が述べた=画像・セミナーで使用した資料より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。アデュカヌマブを高く評価する一方で、今後の課題=高額な治療費・安全性の担保・治療の場へのアクセス等=も指摘した。

 また「これらの全ての問題の背景には『専門医や医療機関の充実と、地域偏在の解消』が大前提になっている」等と言及した。池田理事長の講演で、アデュカヌマブに関して述べた内容は、次の通り。

 【アデュカヌマブの登場で「これから数年は、認知症医療・介護の変革期に突入する」】

 アデュカヌマブは今年6月、FDA(米国食品医薬品局)で初めて承認された、アルツハイマー病に対する疾患修飾薬(疾患の進行そのものに働きかけができる薬)だ。既存の抗認知症薬(認知症に対して医学的に効果があると証明されている薬)とどこが違うのか?

 そもそも疾患修飾薬というのは、認知症の進行そのものを止めることができるし、また進行の速度をかなり落とすことができる。これに対し既存の抗認知症薬は、神経機能を補う効果があるもので、一時的に進行を遅らせることができる。

 その後、一定期間が過ぎるとまた同じように認知症が進んでいく。一方この疾患修飾薬の開発は、非常に難航した。この20年間で治験(「薬の候補」を健康な成人や患者に使用して、効果や安全性などを確認する目的で行われる臨床試験)に進めた薬は150あった。

 しかし、ことごとく失敗した。米国で初めて抗認知症が承認されたのが1996年で、最後の薬の承認が2003年くらいだった。この頃から抗認知症役は、全く出来ていない。その後の2006年頃からの失敗の山が、ほとんど疾患修飾薬の開発だった。

 この期間は、製薬会社にとっても臨床医にとっても、苦しい時代だった。この間も、認知症の患者さんたちはもちろん、ご家族も含め、認知症の疾患修飾薬の開発を待ち望んでおられた。

 そしてようやく、この薬(アデュカヌマブ)が一剤、出来てきたわけだが、これは2000年前後に、日本で介護保険制度が始まって以来の、認知症医療や認知症介護の変革期に、これからの数年で突入する可能性があると思われる。

 【「治療を終えた後の、対処療法薬などの様々な薬の開発も活発化するだろう」】

 アデュカヌマブの(アルツハイマー病の特徴である)脳にたまった、異常たんぱく質であるアミロイドβを取り除くことは(アルツハイマー病以外の)他の認知症疾患にも応用できる。

 ルビー小体型認知症や前頭側頭型認知症でも、これとは別の異常たんぱく質が溜まっていることがわかっているが、これらを同じメカニズムで取り除くことができれば、様々な疾患の治療に応用することができる。

 ▼ただし、これらの薬を永続的に使うことはできないので、これらの治療を終えた後に、対処療法薬が必要になってくるので、様々な薬の開発が活発化してくるだろうと思われる。それから無症状の時期に、わずかな認知機能の低下の時期に、超早期診断が必要になる。

 この時に、様々なバイオマーカー(病状の変化や治療の効果の指標となるもの)も開発されてくるだろうと思う。ただ、この無症状の時期に本人に(認知症であることを)告知するという、非常にデリケートな問題をはらんできて専門医の技術が求められてくる。

 【今後の様々な課題も──高額な治療費・安全性の担保・治療の場へのアクセス等】

 また、課題も出てくる。まず、高額な治療費がかかる。これまでの治療費とは全く違う額の治療費となるので、どこまでこの薬を使うのか、どういう対象に使うのかということが、非常に重要になってくる。

 それから現在は、バイオマーカーも非常に高額だ。こういうものに代わるものの開発が、世界中で進んでいる。それから、アデュカヌマブは脳から異常なたんぱく質を取り除く治療法なので、安全性の担保が非常に重要になる。

 例えば同様の薬では、投与を始めてから1年くらいのうちに、脳の浮腫(ふしゅ=むくみ)が起こりやすいことが明らかになっているので、かなり頻繁にMRI(強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する)検査が必要になる。

 そしてもう一つは、患者さんやご家族にとって重要な「治療の場」へのアクセスの問題。1ヶ月に1度、30分程度の点滴ができるクリニックや総合病院は、全国的にかなり少ない。これらの「治療の場」の整備も、喫緊の課題だ。

 これらの全ての問題の背景には「専門医や医療機関の充実と、地域偏在の解消」が大前提になっている。

◇─[後記]───────────

 アデュカヌマブが実際に日本国内で広く利用されるためには、超えなければならない「高いハードル」がいくつもありそうです。それでも、田村大臣も「画期的な方向の治療薬」と高く評価しているのですから、ぜひ広く利用されるよう検討してもらいたいものです。

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*****令和3年9月7日(火)第579号*****
◆◇◆◆◆─────────────
医科と歯科が連携し「口腔機能の低下が、認知症の発症リスクと関係あるか?」を研究
─────────────◆◇◇◆◆

 認知症の専門医の間でこれまで、高齢者が認知症を発症する際に「口腔機能の低下が、リスクの一つではないか?」との仮説が唱えられてきたが、これを本格的に研究するため、医科と歯科の専門医が協定を結んだ。

調印式 日本老年精神医学会(池田学理事長=大阪大学大学院教授)は9月7日、プレスセミナーを開催してこの中で、歯の欠損に対する治療を行う専門医の学会・日本補綴(ほてつ)歯科学会(馬場一美理事長=昭和大学歯学部教授)との共同研究について調印を行った=写真・WEB会見より。上段が池田理事長、下段が馬場理事長

 池田理事長は、以前から両学会の専門医の間で「口腔機能の低下は、認知症の発症リスクのファクター(要素)として、ほぼ間違いないのではないか? との共通認識があった」と前置きした。

 その上で「両者が同じ感想を抱き、そこで今回、歯科の専門医の方々に『認知症の専門医との連携の状況と課題を、アンケート調査で尋ねてみよう』ということなった。逆にわれわれの学会の専門医にも尋ねてみようとなり、今回の研究協定を結ぶことになった」

 「これは、われわれにとっては第1歩で、現在は『口腔機能の低下が、認知症の発症リスクではないだろうか?』との研究が少しずつ進んでいるが今後は共同研究でエビデンスを確立し、認知症の発症を予防していこうという壮大な計画を持っている」等と述べた。

 【「70歳代後半で12.5本の歯を失い、大臼歯1本失うと咀嚼機能が50%低下する」】

 また、馬場理事長は「70歳代後半の高齢者になると、およそ12.5本の歯を失うと言われている。また大臼歯(歯列の一番後方にある歯で、通常は食物を噛み潰し、挽く用途で使われる歯)を1本失うと咀嚼(そしゃく)機能が50%低下する」等と説明した。

 そこで「今回の日本老年精神医学会との共同研究で、われわれの知見を活かして、認知症の発症予防に寄与していきたい」等と抱負を述べた。

 【「咀嚼機能が維持されていると、認知機能も維持されやすい」】

 セミナーで、日本介護新聞は池田理事長に「今回の医科歯科の連携により例えば、高齢になっても口腔機能が低下しないか、または維持できれば、認知症の発症リスクも低下するのか?」と質問した。

 これに対し池田理事長は「そこまで証明するのは難しいと思うが、今回の共同研究は『本当に発症のリスクと関係があるのか?』等を検証するのが、一番の狙いだ」等と回答した。本紙の質問に対する、池田理事長の回答は次の通り。

 「発症リスクが減るのか?」という研究までは、なかなか難しいと感じている。ただ「認知症の症状が悪化しにくい」というようなエビデンスは、現在でもかなり整ってきている。

 例えば、キチンと口腔ケアが行き届いていたり歯が保存されていると、誤嚥性肺炎になる確率が非常に低くなる。さらに咀嚼機能が維持されていると「認知機能も維持されやすい」ということは、エビデンスとしてかなりあると思う。

 これをもとにして、今回は医科と歯科の縦断的な研究を実施して「本当に、発症のリスクと関係があるのか?」等を検証するのが一番の狙いだ。

◇─[後記]───────────

 認知症の発症リスクは、今回取り上げた「口腔機能の低下」以外にも「嗅覚の衰え」等、様々な要因が指摘されているそうです。認知症の全国的な予防活動を促進するためにも、ぜひ早期に研究成果を発表してもらいたいものです。

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*****令和3年9月6日(月)第578号*****
◆◇◆◆◆─────────────
ワクチン接種による、コロナ感染の発症に対する有効率「2回目接種後14日以降で95%」
─────────────◆◇◇◆◆

 ファイザー社製とモデルナ社製のワクチンを接種して、新型コロナの発症を抑える有効率を調査したところ「2回接種後の14日以降に95%で、ワクチンを2回接種している者は、ワクチンの高い有効率が認められた」等と評価した。

 8月31日に、国立感染症研究所が「新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究」の暫定報告「第1報」として発表した。これによると「1回接種後13日目までは、有効性が認められなかった」としている。

ワクチン接種有効率・国立感染症研究所 その後、1回接種後14日以降から、2回接種後13日までは76%」となり、2回接種後14日以降は95%と、高い有効率を示した。また、接種後からの期間を問わないケースでは、1回目接種後が48%、2回目接種後が91%だった。これらの結果は、次のようになった=表・国立感染症研究所HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 1回接種後13日目まで=17%
 1回接種後14日以降~2回接種後13日まで=76%
 ワクチン1回接種後(接種後からの期間を問わない)=48%

 ワクチン2回接種後(接種後からの期間を問わない)=91%
 ▼ワクチン2回接種後14日以降=95%

 【ワクチン2回接種後の感染も1例あり「例え接種者でも、感染対策の継続が重要」】

 また、2回接種してから14日後以降に陽性と診断された者(いわゆるブレイクスルー感染例)は1名あったが、同調査は7月31日までを期間としていたため、2回目接種終了者がまだ少数だったため「今後の解析で変動する可能性がある」と述べている。

 これらの調査結果は「諸外国の実社会におけるワクチン有効性評価とおおむね一致する」とし「諸外国や本報告の通り、新型コロナワクチンの有効性は100%ではないため、現状の流行状況では、ワクチン接種者でも感染対策を継続することが重要」と指摘している。

 調査は6月9日から7月31日を期間とし、東京都内の5ヶ所の医療機関の発熱外来等を受診した成人を対象に、検査前に基本属性・新型コロナワクチン接種歴などを含むアンケートを実施した。

 データの解析対象となったのは1,130名で、各医療機関で発症者(37.5℃以上の発熱、全身倦怠感、寒気、関節痛、頭痛、鼻汁、咳、咽頭痛、呼吸困難感、嘔気・下痢・腹痛、嗅覚味覚障害の、いずれか1症状のある者)に限定して解析を行った。

 データの解析対象1,130名のうち、陽性者は416名(36.8%)。年齢の中央値は33歳。男女別では男性546名(48.3%)、女性584名(51.7%)。何らかの基礎疾患を有する者は267名(23.6%)だった。

 ワクチン接種歴は、未接種者は914名(83.4%)、1回接種した者は141名(12.9%)、2回接種した者は41名(3.7%)だった。

◇─[後記]───────────

 高齢者向けの新型コロナのワクチン接種が、本格的に全国で開始されたのは今年のゴールデンウィーク明けからでしたが、その頃から「諸外国の研究では、ワクチンの有効率は90%以上」等と報道されてきました。

 それがわが国でも「当てはまる」ことが、今回の調査で実証されたことになります。今回の調査の年齢の中央値は33歳ですが次回は、3回目の接種を優先的に実施することになるであろう「高齢者」を対象に特化した調査もぜひ、実施してもらいたいと思います。

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*****令和3年9月3日(金)第577号*****
◆◇◆◆◆─────────────
都内のコロナ新規感染者数は「高止まり」だが、高齢者の割合は4週連続で上昇傾向続く
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 東京都内の新型コロナの新規感染者数は、昨日(9月2日)時点で11日連続して、前の週の同じ曜日の数を下回るなど「高止まり」の兆候がみられる中で、65歳以上の新規感染者数も減少傾向にあるものの、全体での割合では依然、増加傾向であることがわかった。

都内高齢者の感染割合・4週連続で増加 9月2日に開催された都の新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)で報告された=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工。これによると、都内の65歳以上の新規陽性者数の7日間平均は1日当たりで、前回(8月17日~23日まで)の約200人から、今回(9月1日時点)は163人に減少した。

 それまで6週間連続して増加していたが、今回は減少に転じた。しかし全体の新規感染者数に占める高齢者の割合をみると、7月最終週を起点として4週間連続して上昇傾向(2.7%→3.3%→3.7%→4.3%→4.9%)にある。

 【都専門家会議「高齢者施設等では、感染防止対策の徹底が必要」】

 同様に、75歳以上の新規感染者数の割合も、4週連続して上昇(1.3%→1.6%→1.8%→2.1%→2.3%)している。これらの状況について都専門家会議は、今週の濃厚接触者における感染経路別の割合が「同居する人からの感染が67.7%と最も多かった」

 「次いで職場での感染が13.1%、施設(特養・老健・病院・保育園・学校等の教育施設等)および通所介護の施設での感染が6.2%、会食による感染が2.7%であった。本人・家族および施設等での、徹底した感染防止対策を行うことが必要だ」等と指摘した。

◇─[後記]───────────

 このところの、東京都の新規感染者数が「高止まり」している現状に、正直なところ少し「安心」していましたが、高齢者の感染状況は決して「安心できる状況ではない」ことがわかりました。

 依然として、都内では高齢者施設等でのクラスターが発生しているようです。全国の介護事業所もどうか「安心」せずに、この「高止まり」が「ピークアウト」(頂点に達して減少に転じること)と評価されても、感染防止対策の徹底を継続して頂きたいと思います。

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*****令和3年9月2日(木)第576号*****
◆◇◆◆◆─────────────
モデルナ社製ワクチン「混入した異物はステンレスだが、健康と安全にリスクはない」
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モデルナワクチン異物混入について モデルナ社製の新型コロナワクチンで、一部で異物が混入していた問題で、このワクチンを日本に輸入して供給している武田薬品工業は9月1日、調査の結果を「異物はステンレスだったが、接種した方の健康と安全に、過度のリスクはない」等と発表した=武田薬品工業の発表資料より。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 この問題で厚労省は、田村大臣が8月31日の定例記者会見で「ワクチンの異物はゴム片と考えられ、新型コロナ以外で、これまで実施されてきたワクチン接種でも起きた事例で、安全性に問題はないとの報告を受けている」等と説明していた=昨日付け弊紙で既報

 しかし武田薬品は、実際は「ゴム片」ではなく、ワクチンを製造する段階で、製造機器の破片である「ステンレス」が混入した等と公表した。同社は調査結果の要点として、次の3点を挙げている。

 ■1.混入した異物は、製造機器の破片(ステンレス)であること。

 ■2.ステンレスは、心臓の人工弁や金属製のステープルなどの医療機器に使用されており、極めて小さな粒子状の金属が、仮に筋肉内に注入された場合でも、医療上のリスクが増大する可能性は低い。

 ■3.該当する(=異物が混入していた)ワクチンのロットについては、9月2日から回収する予定。

 この中の「2」について、武田薬品では調査の結果として「ワクチン薬液内に、ステンレススチールがごく少量存在したとしても、被接種者の健康・安全に過度のリスクをもたらすことはなく、またワクチンのリスク評価に悪影響を及ぼすことはない」

 「注射針を通過できる大きさの粒子状金属が、筋肉内に注入されてしまった場合は、接種された局所における反応をひきおこす可能性があるが、注射部位以外での副反応を起こす可能性は低いと考えられている」

 「ステンレススチールは、心臓の人工弁や関節置換、金属製の縫合糸やステープルなどの医療機器に用いられ(異物として)見つかったきわめて小さな粒子状金属が筋肉内に注入されても、医療上のリスクが増大する可能性は低いと考えられる」等と解説している。

 【該当ワクチンと同じロット番号で、接種後に起きた2件の死亡事例は「偶発的」】

 また、異物が混入したとされるワクチンと、同じロット番号のワクチンを注射して、2件の死亡事例が起きている件について、同社では「現時点では、これらの死亡事例とモデルナ社製ワクチン接種との、因果関係があることは確認されていない」

 「現時点では、相互の関係なく偶発的に生じたものと考えられる。今後、因果関係の有無に関する正式な調査を実施していくことが重要と考えており、両死亡事例の調査は、最優先事項として緊急性および透明性をもって誠実に進められている」等と説明している。

◇─[後記]───────────

 このモデルナ社製ワクチンでは、連日の報道で「新たに、異物が確認された」とのニュースも報じられています。昨日のこの欄でも述べましたが今後、高齢者が3回目の接種を開始するまでには、この「異物混入」騒動に決着をつけてもらいたいと願います。

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◆◇◆◆◆─────────────
田村大臣・ワクチン異物混入「コロナ以外のワクチン接種でも起きる事例で、問題ない」
─────────────◆◇◇◆◆

 8月末頃から、新型コロナのワクチン接種で、モデルナ社製のワクチンに異物が混入している問題がマスコミ等で報じられているが、これについて田村憲久厚生労働大臣は「問題はない」との認識を示した。

8月20日田村大臣会見 8月31日の定例記者会見=写真は8月20日の記者会見の様子。厚労省HPより=で「ワクチンの異物はゴム片と考えられ、新型コロナ以外で、これまで実施されてきたワクチン接種でも起きた事例で、安全性に問題はないとの報告を受けている」等と説明した。

 また、変異株「インド型」の感染拡大により、3回目のワクチン接種の必要性が指摘されている点に対しては会見で「現時点で、何も決まっていない。専門家の判断を頂いた上で決定するが、まずは2回目接種をしっかりやることだ」等と指摘した。

 これらの検討を行う厚労省の専門家会議は、本来は2ヶ月に1度程度の開催だったが、現在のコロナ渦の状況に合わせて「開催頻度を増やしていくことで調整している」等と述べた。これらの件に関する、記者会見での田村大臣の発言内容は、次の通り。

 【モデルナ社製ワクチンの異物混入「安全性に問題はない、と報告を受けている」】

 武田・モデルナ製の(新型コロナワクチンの)異物混入の件だが、沖縄県の事例について、穿刺(せんし=体外から血管・体腔内や内臓に注射針を刺すこと)の際に、いわゆるコアリング等により、異物が混入をした可能性が高いということだ。

 ■【弊紙・注=コアリング】注射針を、ワクチンが入った容器やビンのゴム栓に刺すとき、注射針のアゴの部分によって、ゴム栓からゴム片が削り取られ、液薬に混入したり、吸引不良の原因になること。

 どういうことかと言うと、針をゴムのところへ刺すときに、まっすぐ刺すとそのまま下の方へ入るが、針は斜めに削られているので、針を斜めに入れてしまうと、その角がゴムに当たって、ゴムをそのまま落としてしまうということがあり得るということだ。

 (沖縄県の事例は)その可能性が高いということだ。それから群馬県の(異物混入の)事例については、製造工程でごくまれに、こういうことが発生するという。そのゴム栓由来の、破片の混入と考えられるということだ。

 いずれにしても、安全性等には問題ないと報告を受けている。ちなみに、こういう製造工程等において異物混入、ゴム片などが入るというのは、新型コロナワクチンだけではなくて、一般的に様々なワクチンの製造工程でも、たまに見られるということだ。

 なので「特別、新型コロナワクチンに限った話ではない」ということだが、我々としてはしっかりと情報収集していって、しっかりと皆様方に状況をお伝えしていかなければならないと思っている。

 【3回目ワクチン接種「現時点で何も決まっていない。専門家の判断を経て決める」】

 ワクチンの3回目接種に関しては、いろいろと報道がなされている。我々も、いろいろな報道があるということは承知をしているが、現時点で「何かが決まった」ということではない。

 3回目接種については、様々な諸外国の方針・見解が示されているが、我が国でもその必要性や実施時期については、科学的知見を基に今後、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会、ここでの議論を経た上で適切に判断をする。

 ▼10月か11月のできるだけ早い時期に、まずは希望する方々が2回目接種をしっかりやるということを、まずは進めていくということで、3回目に関してはしっかりと科学的にご議論をいただいた上で、最終的な方針を決定してまいりたいと思っている。

 【専門家の会議「開催頻度を増やして対応していくべく、調整している」】

 今、新型コロナの対応で(厚労省の専門家会議である)予防接種部会も、ワクチンの問題・副反応の問題等いろいろな形で、本来は2ヶ月に1回(の開催)というお話だったが(今は)2週間に1回、場合によっては毎週ご対応いただいている。

 先ほど、ワクチン3回接種の話があったがもう一つ、交差接種の話しもいろいろと(マスコミ等で)言われているが、これも同じように、実は先ほどの厚生科学審議会で、同じメンバーの方々に(検討を)お願いをしていかなければいけない。

 ここでしっかりとご評価をいただいた上で、交差接種がいかなるものかということは、判断をしてまいりたいと思うので、そういうものを踏まえながら、専門家の方々にご議論をいただいて、最終的に方向性を示してまいりたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 一般マスコミの報道で、異物が混入しているとされたモデルナ社製ワクチンを接種した人が「その後に死亡した」とのニュースもあります。死因と、ワクチン接種との因果関係は不明で今後、専門家会議等で原因が議論されるそうです。

 いずれにせよ、全国的に感染拡大が続いている現状をみれば、3回目のワクチン接種はいずれ実施されるものと思われます。優先接種した高齢者が3回目のワクチンを打ち始める前に、厚労省はこの「異物混入問題」に決着をつける必要があります。

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