日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2020年11月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年11月30日(月)第393号*****

◆◇◆◆◆─────────────
新型コロナ感染による入院「発症から10日、かつ症状軽快後72時間経過で退院可能」
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厚労省・発症10日で退院可能 厚生労働省は11月25日、新型コロナに感染して入院した際の退院基準について「発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合には、2回のPCR検査の結果が陽性であった場合でも、感染性は極めて低いため退院可能」と都道府県等に通知した=画像・厚労省の発出文書より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 過去に通知した内容を含め、改めて事務連絡文書を発出した。厚労省は退院基準を設定した理由として「国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、仮にPCR検査で陽性であった場合でも、感染性は極めて低くなること」を挙げている。

 具体的な解釈は、以下に示した「Q&A」で解説している。

 ■Q1=発症日から10日間経過の中に「症状軽快後72時間」を含めて考えてもよいですか?

 □A1=お見込みのとおりです。なお「10日間」と「72 時間」の考え方を整理すると、以下のとおりです。
 ▼「10日」よりも前に症状軽快し、かつ「10日」よりも前に「72時間経過」した場合、「10日間経過」で退院可。
 ▼「10日」よりも前に症状軽快し「10日」よりも後に「72 時間経過」した場合「72時間経過後」に退院可。

 ■Q2=今般の退院基準については、透析患者やがん患者、妊産婦などの配慮が必要なハイリスク者についても、同様に適用されることと理解してよろしいですか?

 □A2=お見込みのとおりです。

 ■Q3=「症状の軽快」とは、何をもって「軽快」というのか? 基本的には担当医の判断ということでよいですか?

 □A3=個別の具体的な「症状軽快」の判断については、お見込みのとおり担当医の判断になるものと考えます。

 ■Q4=唯一の症状が味覚・嗅覚障害である場合は、それを自覚した日が発症日ですか? また、それが「軽快しない」場合はどうすればよいですか?

 □A4=前段はお見込みのとおりです。後段については、感染性が極めて低くなると考えられている期間(症状発症から10日間)を超えても、味覚・嗅覚障害が一定期間残る場合があるとの報告もあります。

 □そのため、味覚・嗅覚障害が残っていても解熱剤を使用せずに解熱しており、かつ呼吸器症状が改善傾向である場合には、退院可能です。個別の判断については担当医の判断に基づいて決定してください。

 ■Q5=2回のPCR検査の結果「陽性」であった場合であっても、発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合には退院可能ですか? 陽性であっても退院できる理由も併せて教えてください。

 □A5=お見込みのとおりです。また国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCRで検出される場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。

 □このため入院や療養生活が始まってから、こうした期間が経過したかどうかと、各種検査の結果を総合判断して、元の生活への復帰を判断することとしました。

 ■Q6=無症状の病原体保有者の退院基準に「6日間経過」とあるが、この根拠は何ですか?

 □A6=ダイヤモンド・プリンセス号における無症状病原体保有者の感染性に関する研究や、CDC(米国疾病予防管理センター)の基準などを参考にしています。

 ■Q7=PCR検査を行わずに退院した場合も含めて、他者に感染させるおそれがないということなので、退院基準を満たして退院した方を受け入れる場合については、感染したことがない方と同様の対応を求めてよいでしょうか?

 □A7=お見込みのとおりです。また国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCR検査等で陽性の結果が出る場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。

 □このため、PCR 検査を行わない場合も含めて、退院基準を満たして退院した後の活動の制限などは設けておりません。したがいまして、退院基準を満たした後の日常的な生活についても留意が必要です。

 □この場合、過去に新型コロナウイルス感染症に感染していたこと等を理由として訪問や面会を断るなどの、他者と異なる対応を行うことは望ましくなく「感染したことのない方と同様の対応とする」よう関係者に周知するようにしてください。

 ■Q8=退院基準を満たした後の患者の診療を、過去に新型コロナウイルス感染症に感染していたことなどを根拠に断ることは可能でしょうか?

 □A8=退院基準を満たした後の患者については、国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCRで検出される場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。

 □このため、これらの患者から診療を求められた場合に「過去に新型コロナウイルス感染症に感染していた」ことのみを理由に診療を拒否することは、医療機関が患者の診療を拒否する正当な事由があるものとは言えません。

◇─[後記]───────────

 現在「第3波」が日本全国に広がっていますが、特に介護事業所では事業の継続や、利用者の受け入れについて「慎重な判断」が求められると思います。また今回の事務連絡は、厚労省で介護関係ではなく、感染症の専門部局から発出されたものです。

 ただQ7・Q8については介護事業所で、病院から退院してきた利用者受入れについても、その解釈が通じる内容だと思われます。ご参考にして頂ければ幸いです。

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(C)2020 日本介護新聞

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*****令和2年11月27日(金)第392号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「ICT活用が、介護職員の負担軽減につながるのか?」
─────────────◆◇◇◆◆

 11月26日に都内で開催された、介護給付費分科会の第194回会合(Web会議)で、厚生労働省は介護報酬の次期改定の内容として、見守りセンサーを導入した場合の特養等の「夜勤職員配置加算の要件を緩和する」案を提示したが、複数の委員から「異論」が出た。

 【厚労省=「見守りセンサー導入の実証試験で、夜間職員の負担軽減の効果が確認された」】

 今回の厚労省の提案は、前回の「平成30年度介護報酬改定」(以下「前回」)時に実施した実証試験と、今回の「令和3年度介護報酬改定」のために行った「令和2年度実証試験」(以下「今回」)のデータを比較した結果に基づくもの。

 これによると「今回」は、タイムスタディの調査の質を向上するため「前回」の1日間から5日間に期間を延長したことに加え、職員データ数の確保に努めた。これにより、見守りセンサーやインカム等のICTを活用することの効果を検証した。

 この結果、厚労省は「夜勤職員の業務効率化や、睡眠の質の維持等に関する効果を確認した」等と、要件緩和の「案」の提案理由を説明した。また、実証試験に協力した施設に対して行ったヒアリングの結果で、次の3点を指摘した。

 ◇時間外勤務の削減や、離職者の減少等の職員の負担軽減が図られること。

 ◇利用者のリスク予防や、事故防止に役立つこと。

 ◇利用者の状態に応じて、見守りセンサーの通知設定を変更することによって、職員が適切にケアを行うことが可能となり、職員の心理的負担が軽減されること。

見守りセンサー基準緩和案 これらの結果を踏まえ厚労省は、見守りセンサーを導入した場合の夜勤職員配置加算について次の「案」=画像・厚労省HPより。黄色のラインんマーカーは、弊紙による加工=を提案した。

 ◆見守りセンサーの、入所者に占める導入割合の要件を緩和する。具体的には、現行の「15%」を「10%」とする。

 ◆さらに、全ての入所者について見守りセンサーを導入した場合の「新たな要件区分」を設ける。

 ◆また、見守りセンサーを活用する場合の算定要件の適用について、従来の介護老人福祉施設・短期入所生活介護だけでなく、介護老人保健施設・介護医療院・認知症型共同生活介護についても拡大する。

 ◆加えて、介護老人福祉施設(従来型)における夜間の人員配置基準について「今回」の実証結果を踏まえ、見守りセンサーやインカム等のICTを活用する場合には緩和すること。

 例=職員の配置が現行「利用定員25人以下で1人以上」を「利用定員30人以下で1人以上」に見直す。

 ◆その際、夜勤職員配置加算(0・5人配置要件)を含め、職員の負担に配慮しつつ、安全体制の確保の具体的要件として、次の3点を設ける。

 1.安全かつ有効活用するための委員会の設置。
 2.職員に対する十分な休憩時間の確保等の勤務・雇用条件への配慮。
 3.緊急参集要員の確保等の、緊急時の体制整備等を設けること。

 【委員(有識者)=「ICT活用が、介護職員の負担軽減につながるのか?」】

 この厚労省の「案」に対し、会議に出席した委員からは問題点の指摘等を含め、次のように「異論」を唱える意見(=■印)が出され、その一部について厚労省が回答(=□印)した。

 ■今回の「案」は、介護人材の確保の一つの策として上程されたが、本当にこれが人材確保に資するのか。仮に見守りセンサーを導入しても、対応するのは人間だ。そもそも夜勤は負荷が大きく、職員が夜勤に入りたがらないという背景があると思う。

 これ(=ICT機器の導入)により(職員1人が見守る利用者数が増えて)逆に離職したり、配置転換を希望する者が増えて、結果的に人材の確保が難しくなってしまうのではないか。また現在は介護事業所の経営も厳しい状況の中、ICT機器が導入できるのか。

 □厚労省・回答=「夜勤の日に、ICT機器の導入で逆に職員の労働環境が悪くなってしまうのではないか」とのご懸念があるかも知れないが、これは「安全体制の確保」により担保できるのでは、と考えている。

 ■安全体制の確保のため「職員に対する十分な休憩時間の確保」と指摘しているが、何をもって「十分」と解釈するのか。

 □厚労省・回答=例えば休憩時間を「ICT機器の導入以前よりも確保する」ということを考えている。これを監査等で確認していきたいと思っている。

 ■ICT機器の導入で効率化した分を、職員の配置基準の緩和に結び付けることが、本当に人材の確保につながるのか。

 □厚労省・回答=ICT機器の導入を含め、様々な施策を総合的に実行することで人材の確保を図りたいと考えている。

 ■通常の運営であれば「案」の通りに職員の配置基準を緩和しても大丈夫なのかも知れないが、何か突発的・緊急的な事態が生じた場合はどうするのか。これはキチンと文書で記しておく必要があると思うので、検討をお願いしたい。

 ■夜間の職員の配置基準の緩和には、反対だ。そもそも実証試験のサンプル数が限られているので、これで基準の緩和を実施するのはいかがなものか。さらにテクノロジーの活用が職員の負担軽減につながるのかどうかは、現時点では未知数だ。

 ■現場の職員にとっては、例えば排せつの介助は昼・夜関係なく行っている。これらの業務が見守りセンサーにより、仮に突発的な事故が起きても通常通りに行えるのか、疑問だ。配置基準の緩和は、サービスの質の確保の点でも大きな課題があると思われる。

◇─[後記]───────────

 厚労省は、ICT機器やロボットの導入の推進を施策に掲げていますが、今回は主に現場に立つ職員の視点から「異論」が、複数の委員から出されました。これらを年末までに、どのように報酬改定に盛り込んでいくのか──まずは、次回の会議に注目したいと思います。

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*****令和2年11月26日(木)第391号*****

◆◇◆◆◆─────────────
財務省「介護職員の処遇改善は、さらに進める環境にはない」
─────────────◆◇◇◆◆

財務省・処遇改善 財務省の財政制度等審議会は「令和3年度予算の編成等に関する建議」をとりまとめ、11月25日に麻生太郎財務大臣に提出した。この中で「介護報酬改定において、国民負担増を求めてまで処遇改善を更に進める環境にはないと考えられる」と指摘した=画像・財務省HPより。水色のラインマーカーは、弊紙による加工

 その理由として「足もとの労働市場の動向(=1人当たり現金給与総額の減少、有効求人倍率の低下)」を挙げた。また「更なる処遇改善を行う前に、既存の処遇改善加算が活用されていない要因や、処遇改善が現場でなかなか進まない要因の把握が必要」と述べた。

 これを踏まえ、介護職員の人材確保については「次のような方策を通じて、更なる取組みを進めるべきである」として3点の施策を挙げた。

 ■1.足もとの労働市場の動向を踏まえ、新型コロナの影響による離職者の再就職支援を含め、介護人材の確保に資する職業転換施策を推進する。

 ■2.処遇改善加算について、令和元年(2019年)10月から実施した特定処遇改善加算を請求している事業所が6割にとどまっていることから、加算の適用を促すことを含め、まずは既存の処遇改善加算の財源の活用を図る。

 ■3.介護老人福祉施設の9割超・通所介護事業所の約4割・訪問介護事業所の約2割を占める社会福祉法人においては、社会福祉充実財産が十分に活用されていないことから、当該財産を活用することによる処遇改善を促す。

◇─[後記]───────────

 今回の内容は、11月2日に開催した財政制度分科会の資料で示された内容をそのまま反映したもので、弊紙も11月4日付・第376号で詳細を報じましたが、この後記で「介護給付費分科会でぜひ、委員の方々に『反論』してもらいたいと思います」と書きました。

 財務省が挙げる3点のうち「2」は、介護業界も検討する余地があると思いますが「1」は、どう考えても有効な策とは思えません。さらに「3」は、社会福祉法人の関係者に「反論」してもらいたかったのですが、残念ながらそのような「声」は聞こえてきません。

 今回の「建議」は、財務省の「最終通告」とも言えます。これに対するためにも、介護業界が「さらなる処遇改善」を実現するには、業界の各団体等がその「正当性」を、今まで以上に主張していく必要があると思います。

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*****令和2年11月25日(水)第390号*****

◆◇◆◆◆─────────────
月給制介護職員の平均月収=23万5,401円、平均年収=359万8千円
─────────────◆◇◇◆◆

 介護業界の労働組合組織・日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、例年実施している「就業意識実態調査」の速報版を11月19日に公表したが、月給制組合員の今年6月の給与を調査したところ、全体の平均で月収が23万5,401円、年収が359万8千円だった。

 アンケートは7月1日から8月7日まで、組合員4,420人を対象に調査書を配布した。回収率は71・7%。月収は今年6月の月額賃金で、通勤手当・時間外手当・休日早朝夜勤手当・研修手当を除き、職務手当・役職手当を含んだ金額。

NCCU平均年収 なお、昨年(2019年6月)の平均月給は22万8,066円だったので、対前年比で7,335円上昇した。また年収は昨年(2019年)の1月から12月の収入の合計で、全体の平均は359万8千円だったが、職種別にみるとこれを上回ったのが、次の7職種(▼は管理者)だった=グラフ・NCCU発表資料より

 ▼入所系管理者=486万円
 ▽看護師=416万6千円
 ▼訪問系管理者=409万1千円
 ▼通所系管理者=386万5千円
 ▽生活相談員=385万6千円
 ▽ケアマネジャー=372万6千円
 ▽准看護師=367万7千円

 また、時給制組合員の今年6月の平均月収は14万9,238円で、昨年(2019年6月)の平均月収が14万1,633円だったので、対前年比で7,605円上昇した。また時給制組合員の平均年収は170万7千円だった。

◇─[後記]───────────

 月給制組合員の年収で、全体の平均をわずかに下回った、職種別で8番目になるのが「入所系介護員」で354万6千円でした。この「入所系介護員」が回答者の22・4%を占め、第2位のケアマネジャー(12・4%)の倍近くになり、全体の4分の1近くを占めました。

 あと入所系・訪問系・通所系の管理者は、全体の3・9%から5・5%にすぎず、訪問系介護員(311万4千円)や通所系介護員(304万4千円)の平均年収をみると「非常に厳しい現状」が浮かび上がってきます。

 有識者会議等で、介護職員の処遇を議論する時に「全体の平均」を指標にするケースが多々ありますがやはり職種別にも、もっと詳細に分析した上で「処遇改善」を論じる必要を感じます。

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*****令和2年11月24日(火)第389号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省、都道府県に「クラスターの早期探知・早期介入のための取組み」を要請
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 厚生労働省は11月20日、都道府県等に対して新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)の発生を防止するため「イベント・ベースド・サーベイランス(=EBS)」を活用した、高齢者施設等に対する早期探知・早期介入を要請した。

EBS EBSとは「様々な情報源を活用し、異常な事象を早い段階で検知することを目的とした、現場と専門機関の共同した仕組み」を指す=画像・厚労省HPより。厚労省は「クラスターを探知するためには、原因が明らかではないが、普段とは何か違う状況が発生した場合に探知する仕組みが必要」

 「これは、いわば異常事象検知サーベイランスであり、国際的にもEBSとして推奨されている」等と、先月から指摘してきた。その後、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、11月9日に公表した緊急提言で「クラスターの早期探知の仕組み」を盛り込んだ。

 ここでは「自治体は、すでに各都道府県等に設置されている『新型コロナウイルス感染症対策のための協議会』を活用し、高齢者施設および医療機関等と協力すること」「感染症情報システムおよびSNS上のデータを分析する仕組み等を、活用すること」を指摘した。

 【高齢者施設等での早期探知・早期介入のために「変化の有無への留意」を求める】

 この緊急提言の内容を受け厚労省は11月20日に、都道府県等に対して「高齢者施設等が、EBSの考え方に基づき報告等を行うことが重要」と指摘し、具体策として次の3点を挙げた。

 ■1.感染の疑いについてより早期に把握できるよう、管理者が中心となり、毎日の検温の実施、食事等の際における体調の確認を行うこと等により、日頃から利用者の健康の状態や変化の有無等に留意すること。

 ■2.管理者は、日頃から職員の健康管理に留意するとともに、職員が職場で体調不良を申出しやすい環境づくりに務めること。

 ■3.新型コロナウイルス感染が疑われる者が発生した場合は、協力医療機関や地域で、身近な医療機関、受診・相談センター等に電話連絡し、指示を受けること。速やかに施設長等への報告を行い、当該施設内での情報共有を行うとともに、指定権者への報告を行うこと。また、当該利用者の家族等に報告を行うこと。

 さらに厚労省は、都道府県に対して「EBSの考え方に基づき(高齢者施設等から)報告がなされた場合には、迅速な検査が行われるよう、地域の医療機関等の関係者と連携して頂きたい」等と要請している。

◇─[後記]───────────

 以前に日本環境感染学会が、今年の3月に「福祉・介護施設における新型コロナウイルス感染症の対策」の動画を公開しましたが、その中で指摘していたのが「全ての職員・入所者の体温を1日で数回測定して『ちょっとした変化に気付く』こと」

 「この『気付き』が早いか・遅いかの違いで、その後の施設内の感染者数は、けた違いの差が出る」という点でした。今回の厚労省の事務連絡はこの「気付き」を、専門家の知見も交えて、各地域で「できるだけ早く把握する」ことを目的としていると思われます。

 日本環境感染学会の動画では「気付きが遅くなってしまい、その直後に急激に感染者が増加した」事例も報告されています。高齢者施設では「第3波」を乗り切るためにも、この「仕組み」をできるだけ早く活用すべきだと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・高齢者施設等への重点的な検査の徹底、3日後に「異例」の「3度目の要請」
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省は11月16日に、都道府県等に対して高齢者施設への感染対策強化のため「職員・入所者への検査の徹底」を「改めて要請」したが、それからわずか3日後の11月19日に「異例」とも言える、同様の内容の「3度目の要請」文書を、都道府県等に発出した。

 11月16日に「改めて要請」した際は、次の2点を指摘した【=弊紙11月18日(水)付け・第386号で既報】。

 ◆1.感染者が多数発生している地域や、クラスターが発生している地域でその期間、医療機関・高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、一斉・定期的な検査の実施を行うことをお願いしたい。

 ◆2.重症化リスクが高い入院・入所者の方々に加え、重症化リスクの高い集団に接する医療従事者・介護従事者で、発熱・呼吸器症状・頭痛・全身倦怠感などの症状を呈している方々については検査の実施に向け、とりわけ積極的な対応を頂くよう、お願いしたい。

厚労省「3度目の要請」文書 この際は「感染者が多数発生している地域や、クラスターが発生している地域」等、その対象が「あいまい」に表記されていたが、今回の「3度目の要請」では、この対象を次のように「高齢者施設等の検査の徹底、直ちに取り組むべき地域」として「明確化」した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ■1.高齢者施設等の入所者、または介護従事者等で発熱等の症状を呈する者については、 必ず検査を実施すること。 当該検査の結果、陽性が判明した場合には、当該施設の入所者および従事者の全員に対して、原則として検査を実施すること 。

 ■2.特に1週間当たりの新規陽性者数が、人口10万人当たり10を超えている都道府県におい ては「1」について、至急取り組むこと。

 【「行政検査」ではなく「自費検査」を実施した場合にも補助対象となる】

 また今回の「3度目の要請」では、施設側が検査を希望しても、保健所による「行政検査」(=無償)が行われない場合に、高齢者施設等で必要性があるものと判断し、自費で検査を実施した場合(=有償)についても、その対処方法を示している。

 この場合は「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金によって費用の補助の対象になる」と明記している。

 【施設側の検査要請に都道府県が応じない場合は、厚労省が「善処」を求める】

 さらに「3度目の要請」では、施設側から検査の実施を都道府県等に求めたにもかかわらず、速やかに検査が実施されない場合には「高齢者施設等団体に設置する相談窓口に情報提供いただきたい」

 「これにより、高齢者施設等団体から情報提供を受けた厚生労働省において、必要に応じて都道府県等に善処を求めることとしているので、御了知いただきたい」と、都道府県等に向けて「要請」している。

 これらの内容を受け、厚労省は都道府県等に対し「なお(要請文書の)内容については、厚生労働省から別途、全国老人福祉施設協議会・全国老人保健施設協会・日本認知症グループホーム協会に伝達済みであることを申し添えます」と言及している。

◇─[後記]───────────

 現在、東京をはじめ全国各地で新型コロナの感染者数が「急増」していますが、今回の「3度目の要請」もこれを受けた「緊急対策」と言えると思います。結果論になりますが厚労省は、この内容を「改めて要請」した際に、明記すべきでした。

 いずれにせよ厚労省が「本腰」を入れて「高齢者施設等への重点的な検査の徹底」に取り組み始めたことは、介護業界にとっても「歓迎」すべきことだと思います。これにより全国の高齢者施設で「第3波」に対し、大至急備えてもらいたいと、弊紙では切に願います。

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◆◇◆◆◆─────────────
特定処遇改善加算、現場の4割から5割が「給与へ反映されている実感がない」
─────────────◆◇◇◆◆

 介護業界の労働組合組織である日本介護クラフトユニオン(=NCCU)は11月19日、毎年度実施している「就業意識実態調査」の2020年度の速報版を公開した。この中の「特定処遇改善加算」で、組合員の4~5割が「給与へ反映されている実感がない」と回答した。

 同調査は、NCCUが組合員の就業意識・就業実態を把握し、今後の組合活動に役立てるために実施しているもので、今回は7月1日から8月7日まで、分会組合員4千名、個人組合員420名を対象に調査票(月給制と時給制で同一のものを使用)を配布した。

NCCUアンケート特定処遇改善加算 回答は無記名自記式で、全体の回収率は71・7%。この中の「介護職員等特定処遇改善加算」で、その対象者に対して「あなたの給与へ反映されている実感はありますか?」との設問に対して、次のような回答結果(全体平均)となった=グラフ・NCCU発表資料より

 ◇月給制組合員「実感している」=33・7%
 ◆月給制組合員「実感していない」=44・1%
 ◇時給制組合員「実感している」=21・3%
 ◆時給制組合員「実感していない」=47・4%

 同調査ではさらに、職種別でも回答を集計しているが月給制・時給制を問わず、ごく一部を除いて、ほとんどの職種で「実感していない」が「実感している」を上回り、その割合もほとんどが4割から5割の間を示している。

 【厚労省の調査では、加算を「取得(届け出)していない」事業所が全体の34・7%】

 「介護職員等特定処遇改善加算」は、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める目的で実施され、他の介護職員などの処遇改善にも、この処遇改善の収入を充てることができるよう、柔軟な運用も認めた。

 この条件を前提に、介護サービス事業所で「勤続年数10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を行う」ことを算定根拠に、公費が投じられた。厚労省は10月30日に、この「特定処遇改善加算」の取得(届け出)状況を発表した。

 これによると「特定処遇改善加算」を「取得(届け出)していない」と回答した事業所が全体の34・7%。さらに「特定」ではない、通常の「処遇改善加算」の1・2・3を取得している事業者に限っても「取得(届け出)していない」との回答が36・7%あった。

◇─[後記]───────────

 厚労省の調査では、介護サービス事業所の経営者側からは「取得(届け出)していない」理由として「職種間の賃金バランスが取れなくなる」「賃金改善の仕組みを設けるための、事務作業が煩雑」との(複数)回答が、いずれも4割近くを占めています。

 それはそれで「改善」する必要がありますが介護現場で、4割から5割が「給与へ反映されている実感がない」と回答している実情は、労働者側の立場からその原因を、さらに分析する必要があります。

 少なくとも全体の6割から7割、できれば全体の8割が「実感している」との回答が得られるような「処遇改善」となるよう、厚労省も含めて介護業界全体で「制度の在り方」を改善してもらいたいと思います。

────────────────◇

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*****令和2年11月18日(水)第386号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省、都道府県へ「高齢者施設の職員・入所者への検査の徹底」を改めて要請
─────────────◆◇◇◆◆

介護施設への一斉検査要請文書 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」が指摘されている中、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部は11月16日、都道府県等に対し、高齢者施設への感染対策強化のため「職員・入所者への検査の徹底」を改めて要請した。具体的には、次の2点=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 ■1.感染者が多数発生している地域や、クラスターが発生している地域でその期間、医療機関・高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、一斉・定期的な検査の実施を行うことをお願いしたい。

 ■2.重症化リスクが高い入院・入所者の方々に加え、重症化リスクの高い集団に接する医療従事者・介護従事者で、発熱・呼吸器症状・頭痛・全身倦怠感などの症状を呈している方々については検査の実施に向け、とりわけ積極的な対応を頂くよう、お願いしたい。

 今回の要請理由として厚労省は、新型コロナウイルスの感染状況で「新規陽性者数の増加傾向が顕著になってきている」ことと「最近の新規感染者数を1週間の移動平均で見ると、2週間で約2倍近くとなっている」ことを挙げている。

 これらの状況を踏まえ「冬の到来を前にして、7・8月の感染拡大の際に近い伸び方になっており、強い危機感をもって対処していく必要がある」「新型コロナ感染拡大防止のためには、医療機関・高齢者施設内の感染対策の強化が重要」と指摘している。

◇─[後記]───────────

 全国の市区町村レベルで、介護施設等に対して独自に、PCR検査や抗原検査を実施している事例を、弊紙ではいくつかご紹介してきました。正直な感想を言えば「もう少し早く、国はこの通達を出せなかったのか」になります。

 またこの通達では「感染者が多数発生している地域」等、表現に「あいまいさ」も感じますが、いずれにせよ各都道府県等ではぜひ、1ヶ所でも多くの高齢者施設が早急に検査を実施できるよう、体制を整備してもらいたいと思います。

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*****令和2年11月17日(火)第385号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「COCOA」ダウンロード数が2000万件突破、スマホユーザーの「約4人に1人」が使用
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省は11月17日、新型コロナウイルスの接触確認アプリ「COCOA(呼称=ココア)」のダウンロード数が、17時の時点で2001万件となり「2000万件に到達した」と発表した。

 総務省の昨年(令和元年)の調査によれば、日本におけるスマートフォンの普及率は67・6%で、国内では約8509万人がスマートフォンを利用していると推計されている。これに「COCOA」の利用者2001万件を当てはめると23・5%となる。

 これにより、国内のスマホユーザーの「約4人に1人」が「COCOA」を使用していると推測される。「COCOA」は今年6月19日にリリースされ、定期的にバージョンアップを行ってきたが、当初は不具合の事例がいくつか報告されていた。

 厚労省は「これらの解消や機能の改善に取り組んできたが、この結果8月初旬から9月中旬にかけて、数千件寄せられた障害に関する問合せが現在ほぼ無くなり、確認されていた不具合も、そのほとんどが解消された」等と述べている。

 【陽性者との「接触通知」を受けた場合、行政検査の費用は無料】

COCOA接触検知画面
 「COCOA」を使用する最大のメリットは、使用者のスマホに陽性者との「接触通知」が送信された場合=画像・「COCOA」使用方法を説明した厚労省HPより=症状の有無や接触の心当たりの有無に関わらず、検査につながる保健所等のサポートを早く受けることができ、また検査を受ける場合は行政検査として実施する。

 このため検査費用は無料となる。「COCOA」は、電話番号や位置情報等の個人情報は利用せず、互いに分からないようプライバシーを確保して、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受け取ることができる。

 実際に船橋市・浜松市・熊本市など、複数の自治体で「COCOA」の接触通知を契機に検査を受診し「陽性が判明した例が確認されている」という。厚労省では「接触確認アプリは、利用者が増えることにより感染拡大防止の効果が期待される」

 「まだご利用されていない方にもご利用頂けるよう、引き続き周知や利用促進に努めて参ります」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 厚労省も認めているように「COCOA」がリリースされた当初は、不具合が相次いで報告され「本当に大丈夫か?」との疑問を抱かざるを得ない状態でした。その後、厚労省もかなり苦労したと思いますが、それでも「2000万件突破」は、その努力の成果だと思います。

 あと、接触通知を受けた際の「行政検査が無料」になるメリットが公表されたことが、ダウンロード数を伸ばす大きな要因になったと思われます。「第3波」の渦中にある現在、この「COCOA」が護身のための重要なツールとなりそうです。

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*****令和2年11月16日(月)第384号*****

◆◇◆◆◆─────────────
看取り期の訪問介護「2時間ルール」が弾力的運用へ
─────────────◆◇◇◆◆

 訪問介護サービスで、いわゆる「看取り期」に入ったサービス利用者に対し、頻回に訪問介護が必要とされることや、一定期間は柔軟な対応が求められること、介護報酬体系の簡素化を図る意味からも「2時間ルール」が弾力化される見込みとなった。

 11月16日に開催された、介護給付費分科会の第193回会合で事務局(厚生労働省)から提案され、参加した委員からおおむね了承を得た。他の介護サービスで「看取り期」の加算は、認知症対応型共同生活介護などで算定されている。

 この場合の「看取り期」とは、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断した者となる。訪問介護の「2時間ルール」とは、前回のサービス提供からおおむね2時間未満の間隔で訪問介護サービスの提供が行われた場合に適用される。

訪問介護2時間ルール この際は、2回分の介護報酬を算定するのではなく、それぞれのサービス提供に係る所要時間を合算して報酬を算定することになる=画像・厚労省HPより。例えば、2回分のサービスのそれぞれを、身体介護を25分提供して合算した場合は「50分提供したもの」となる。

 この場合の報酬算定は「30分以上1時間未満」の395単位が算定される。この合算した時間が「20分以上30分未満」の場合は、249単位となる。今回の会議では「弾力的運用」の具体的な算定要件や単位数は示されなかった。

 また一部の委員からは「サービス回数の全体が増えすぎないような、枠組みも必要ではないか」との指摘もあった。

 【「看取り期」の利用者の、訪問介護のニーズの例】

 会議では「看取り期」の利用者の、訪問介護のニーズの例も示された。これによると平時には、朝・昼・夜1日3回の水分補給を含む「食事介助」を基本としながら、独居の場合は「生活援助サービス」も実施している。

 さらに「看取り期」には、自身で行うことが困難になる「水分補給(特に夏場の場合)」や、痛みの緩和のための「体位変換・部分浴」を行う目的で、食事介助の合間にもサービス提供を実施した事例などが紹介された。

◇─[後記]───────────

 今回の報酬改定では、この訪問介護の「2時間ルールの弾力化」のように「看取り期」を想定した改定、既存の算定要件の弾力化などがいくつか提案されています。訪問介護は「訪問回数が極端に多いサービス事例がある」等と、一部から批判も出ています。

 今回は「看取り期」に限った「弾力化」でしたが今後も、必要なサービスが必要な回数受けることができることを目指し、訪問介護サービスの内容全体をさらに「弾力化」してもらいたいと思います。

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*****令和2年11月13日(金)第383号*****

◆◇◆◆◆─────────────
約7割の介護施設・事業所が「利用者に関するデータ分析を実施していない」
─────────────◆◇◇◆◆

 過去2年以内に、利用者に関するデータ分析(利用者のADL値の経時的比較等)を実施していないと回答した介護施設・事業所が「73%」だった。11月13日に開催された、厚労省の有識者会議「介護報酬改定検証・研究委員会」第21回会合で示された資料でわかった。

 今回の「検証・研究委員会」では「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」の速報値が公表された。これは、介護事業でデータベースを用いた分析を行うため、データをフィードバックした事業所に対してアンケート調査をしたもの。

 今回はデータベースとして「CHASE(呼称「チェイス」=ADL、口腔機能、栄養状態等の各アセスメント情報)を対象とした。データ登録をした250事業所のうち、データをフィードバックした173事業所に調査を依頼し、90事業所から回答を得た。回答率は52%。

7 この中の「利用者に関するデータ分析の実施状況」を質問した項目で、次の2点が判明した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ■【1】過去2年以内に、利用者に関するデータ分析(利用者のADL値の経時的比較等)を「実施していない」と回答した施設・事業所は73%であった。

 ■【2】データ分析を実施したことがある施設・事業所(23%)における分析項目は「利用者のADL・IADL」が最も多く、次いで「利用者の栄養状態」 及び「利用者の認知機能」であった。

 この中で【1】の結果について、意見を述べた委員からは「衝撃的な数字だ」等と、驚きの声が上がった。一方で「CHASEは、そもそもデータ登録数が圧倒的に少なく、今回の結果を見て『介護業界の平均的な姿』を表していると考えるのは早計だ」

 「今回の結果でわかったことは、介護業界にはもっとCHASEを活用していく必要がある、ということだ。例えばCHASEの登録事業者には、何らかのインセンティブを考えても良いのではないか」

 「介護事業者がこのようなデータベースを活用しようと思っても、利用方法や分析手法を身に付けるには研修が必要だ。まずは国や自治体が、そのような場を設けていくことが重要だ」等と、今後のデータベース活用に向けた期待と意見が出された。

◇─[後記]───────────

 厚労省は以前より「データとエビデンスに基づいた、科学的介護の推進」を掲げていますが、今回の調査結果をみる限り「道はまだ、かなり遠い」と感じます。一方である委員が「実は医療も、今では自らのデータを他と比較することは当たり前だが、以前は違った」

 「(医療データベースが)整備されて以降に急速に進んだ。介護分野も徐々に(CHASEが)普及していけばデータも蓄積され、介護業界にとっても財産になると思う」と述べています。やはり「科学的介護」は現状では、時間をかけて少しずつ進んでいきそうです。

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*****令和2年11月12日(木)第382号*****

◆◇◆◆◆─────────────
全老健「前回はプラス改定だったのに実際はマイナス、今回はプラス改定を」
─────────────◆◇◇◆◆

 全国老人保健施設協会(全老健)は11月12日、厚生労働省老健局の土生栄二局長に宛てて「withコロナにおける老健施設の事業安定・継続のための要望」を提出し、次の5項目を挙げた。

 1.令和3年度介護報酬改定では、プラス改定を。
 2.平時からの施設における「防災・減災」の取り組みの評価を。
 3.介護職員のさらなる処遇改善を。
 4.ICT導入支援と、プラットホームの統一を。
 5.施設内医療行為とCOVID-19に関する要望。

 このうち「1」では、前回の平成30年度介護報酬改定が「改定率+0・54%」とプラス改定であったにも関わらず、令和元年度の介護事業経営「概況調査」で「平成30年度(前回改定後)決算において、老健施設では前年度比-0・3%だった」

 「また、全サービス平均でも前年度比で-0・8%と、実際にはマイナスになっている」ことを指摘した。その上で、新型コロナウイルス感染症の対策を実施した結果として、次の点で「支出が増加し、大幅な減収になった施設もある」と訴えた。

 ▼感染防護具(マスク、ガウン、プラスチックグローブ)の確保と備蓄による支出増加。
 ▼利用者による、利用控え等にて大幅な減収。

 これを踏まえ「次期介護報酬改定がマイナス改定では、介護事業所の事業継続と安定したサービスの維持を両立することは難しいことから、基本報酬はプラス改定となるよう、強く要望いたします」と述べている。

 【介護経営「実態調査」でも、全サービス平均は「マイナス0・7%」】

 全老健が指摘した介護事業経営「概況調査」は、介護報酬の改定があった年(=前回の場合は平成30年4月)の前後2年分のデータ(=平成29年度と平成30年度)を調査し、改定後2年目(=令和元年度)に集計し、発表するもの。

厚労省・経営実態調査の結果 同様な調査に、介護事業経営「実態調査」があり、こちらは改定2年目(=令和元年度)の1年分のデータを調査し、改定3年目(=令和2年度)に集計する。厚労省はこの「実態調査」の結果を、10月30日に開催した介護給付費分科会の第190回会合で公表した=画像・厚労省HPより

 これによると、全サービスの平均は「マイナス0・7%」で今回、要望書を提出した全老健が対象となる介護老人保健施設は「マイナス1・2%」となった。これらの結果を踏まえて介護給付費分科会では現在、多くの委員が「プラス改定」を求めている。

◇─[後記]───────────

 実際に、新型コロナの「第1波」が襲ってきたのは今年3月頃なので「実態調査」の対象期間では「ほんのわずかな時期」でしかありません。それでも「実態調査」では、全サービス平均で「マイナス0・7%」です。

 全老健が指摘している、新型コロナ対策による「大幅な減収」を考えれば、現時点での全介護事業所の経営状況は「さらに悪化している」と推測されます。このような時にこそ介護の業界団体は、全老健のように「声を上げる」べきだと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
全体の5%で「新型コロナ感染に関連した、職員等への差別・偏見があった」と回答
─────────────◆◇◇◆◆

老施協アンケート調査結果 全国老人福祉施設協議会(老施協)はこのほど「新型コロナウイルス感染症に伴う偏見・差別等に関する実態把握」のための緊急アンケートを行い、全体の5%(4件)の事業所が「職員及びその家族が、新型コロナ感染症に関連した差別・偏見等を受けた」と回答した=画像・老施協HPより

 具体的には「地域等からの誹謗中傷・いじめ・暴言」「子どもの保育園等の利用を断られた」「感染が発生した、隣接法人と誤認して風評被害を受けた」等の事例があった。緊急アンケートは、10月9日から12日の期間に実施した。

 対象は、老施協役員等の関係施設225事業所で、うち78事業所から回答を得た。アンケート結果は、老施協が10月16日に開催した「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」で発表された。

 上記の【職員及びその家族への偏見・差別】以外の、アンケートの主な結果は次の通り。

 ■【実際に感染が発生した事業所の概要】新型コロナ感染症の発生事業所は5・1%(4事業所)で、感染した人は職員及びその家族。感染発生の事実は4件うち3件が公表したが「公表していないが、情報が漏れた」と回答した事業所が1件あった。

 ■【施設・事業所に対する偏見】新型コロナウイルス感染症に関連した「差別・偏見等があった」と回答した事業所が、約4%(3件)あった。内容は「地域からの誹謗中傷」「取引業者の取引停止」「感染者が出た他の事業所と勘違いされた」「利用控えされた」等。

 ■【新型コロナに伴う利用控えと離職】利用者の利用控えは、54%(42件)の事業所で「あった」と回答した。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染に対する恐れ等が原因と思われる職員の離職は、10%(8件)の事業所で「あった」と回答した。

 ■【利用者及びその家族に対する偏見・差別】利用者及びその家族が「差別・偏見等を受けたことがある」と5%(4件)の事業所が回答した。内容は「地域等からの誹謗中傷」「ネットへの書き込み」「利用者・家族等が周囲から疎外された」等。

 これらの結果を受け老施協は、内閣府に対し「要望書」を提出し、主に以下の3点を要請した。

 1.行政や信頼のおける機関から国民に対して、新型コロナウイルス感染症の正しい理解を促し、国民一人ひとりの意識変容を促すこと。

 2.安全性を担保するうえでのPCR検査等体制と、地域行政等関係機関を巻き込んだ介護事業所等における感染予防の取組等を充実させ、その推進を図ること。

 3.冷静なマスメディアの情報発信と、偏見・差別等をなくすための具体的な啓発をお願いしたいこと。

◇─[後記]───────────

 全体からみれば「4~5%」はわずかな数字かも知れませんが、それでも「差別や偏見」を受けた当事者の苦痛は、それが介護職員であれサービス利用者であれ、その家族であれ、計り知れないものがあります。

 現実に、10%(8件)の事業所で「職員の離職があった」ことは、深刻な事態です。今回は老施協が調査結果を公表しましたが、「第3波」の到来が指摘されている今こそ、介護業界の他の団体も同様の「メッセージ」を至急発信すべきだと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
ツクイ中間決算・増収増益、デイサービスの特例措置「積極的に取得している」
─────────────◆◇◇◆◆

ツクイ決算説明資料 介護業界大手のツクイホールディングス(以下「ツクイ」)は11月10日、2021年3月期第2四半期の決算説明会を開催し、対前年同期比で増収増益だったがそのプラス要因の一つとして、デイサービスでの「特例措置を積極的に算定したこと」を挙げた=画像・ツクイが発表した決算説明会資料より

 「特例措置」は新型コロナの感染拡大に伴い、通所介護事業所の収益の落ち込みを補うことを目的として「本来よりも2区分上位を算定できる」として実施されたが、介護給付費分科会では一部の委員から「撤廃」を求める声が挙がっている。

 この点を踏まえ、弊紙は「特例措置」の適用方法等についてツクイに質問して「しっかりと説明することが前提」「同意を頂いた方のみに適用している」等の回答を得たが、デイサービスの業界団体でも、実施方法等を巡って議論されている状況も明らかにした。

 厚労省の調査によれば「特例措置」を適用した事業所は全体の50・6%で、適用事業所利用登録者のうち、特例適用者の平均は79・3%だった。具体的には、適用事業所数は約2万2千事業所、適用利用者数は63万1千人と推計している。

 ツクイの中間決算は、売上高が464憶3900万円(対前年同期比3・2%増)、営業利益が21億300万円(対前年同期比16・1%増)、経常利益が19憶4300万円(対前年同期比15・6%増)だった。決算説明会における、弊紙とツクイとの質疑応答の内容は次の通り。

 ▽質問・弊紙=デイサービスの収益のプラス要因として「2区分上位の時間区分(=特例措置)を6月より積極的に算定」を挙げているが、厚労省の有識者会議等では一部の委員から「これを撤廃すべき」との声もある。

 ▽御社ではこの算定を実施するに当たり、利用者に対する説明等で、どのような点に留意されているのか?

 ▼回答・ツクイ=当社では(特例措置は)利用者数の算定上「利用控え」が出ていることに対しての「補填」だと考えている。お客様・ケアマネジャーも含めて「しっかりと説明する」ことを前提として、お話しをさせて頂いている。

 ▼もちろん「同意」を頂いた上で算定するもので「同意」を頂いた方のみを対象にしている。ただ、デイサービスの協会などでも「これは、協会としてしっかりと(対応を)すべきだ」との意見も出ている。これも踏まえ、当社では積極的に算定を取得している。

◇─[後記]───────────

 新型コロナの影響があった中で、介護業界の大手事業者はそれぞれに独自の対策を講じたようですが、やはり「特例措置」の効果は大きかったようです。介護給付費分科会では、認知症の人と家族の会が、現在でも「撤廃」を求めています。

 現状ではツクイの指摘通り、デイサービスの業界団体等が何らかの「ガイドライン」を示し、通所介護事業者はこれを順守して「特例措置を実施」することが「混乱」を最小限に食い止めるための、現実的な対応ではないかと弊紙では考えます。

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*****令和2年11月9日(月)第379号*****

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新型コロナ慰労金支給数・10月末で「150万人超に急増」するも「疑問」の声
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慰労金の内容 新型コロナに感染した介護職員等へ最大20万円(もしくは5万円)が支払われる、いわゆる「慰労金」の支給=画像・厚労省の説明資料より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工=が、今年10月末時点で「150万人を超えている」ことがわかった。9月末時点が「80万人」で、この1ヶ月間で「急増」した。

 11月9日にWEB形式で開催された、介護給付費分科会の第192回会合で、労働組合の連合の代表者として参加している、伊藤彰久委員の質問に答える形で、厚生労働省の担当官が「未確定な数字」と前置きをした上で、明らかにした。

 これに伊藤委員は「まだ、少ないのではないか?」等と指摘し「事業所側が『慰労金』を受け取っていながら、実際に職員へ支給されていない事例もあるのではないか?」「申請すべき事業所が、申請をしなかった事例はどのくらいあるのか?」等と疑問を呈した。

 【厚労省は、申請を促進するために2回、事務連絡文書を発出】

 この「慰労金」について、問い合わせ先として厚労省はコールセンターを設置しているが、介護従事者等から「職員が『慰労金』の申請を希望しているのに、事業所・施設が『慰労金』を申請してくれない」

 「事業所・施設が派遣労働者や受託業務従事者の分を申請してくれない」という声が多数届いていた。これを踏まえ厚労省は「着実な申請」を求め、第1回目として8月26日に、第2回目として10月9日に、都道府県等に対し事務連絡文書を発出した。

 日本介護新聞の取材に対し、厚労省は今回の「慰労金」の支給対象を「約400万人と見積もっている」と回答している。「慰労金」は、10月初旬に47都道府県の全てで申請受付が開始された。第2回目の事務連絡文書の発出は、これを受けた流れになる。

 10月末に「150万人超に急増」した理由も、この際の文書発出にあると思われる。この時の弊紙の取材に対して厚労省は「もし仮に『申請数が少ない』と推測されるようなケースがあれば、何等かの形で(3回目の)要請等を行うことがあるかも知れない」等と述べた。

◇─[後記]───────────

 弊紙が取材した限りでは、厚労省はこの「慰労金」の支給に対してかなり「積極的」な姿勢で取り組んでいます。その根底にあるのは、厚労省のコールセンターに寄せられた介護従事者からの「苦情」があると思われます。

 厚労省が見積もった「約400万人」に比べれば、伊藤委員が指摘した通り「また、少ない」と言えます。この「慰労金」については、すでに厚労省から投げられた「ボール」は現在、介護事業所側にあります。

 現場に着実に「慰労金」を届けるためにも、また厚労省から第3回目の要請文書が出されないためにも、介護事業所等の経営者・管理職の方々には「足元」をしっかりと見直して頂きたいと思います。

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*****令和2年11月6日(金)第378号*****

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日慢協「介護分野での『特定看護師』の活用・育成を、呼びかけて行く」
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 本来は医師しか行えない医療行為を「特定行為研修」を修了した看護師(以下「特定看護師」)が、医師の手順書に従って単独で医療行為を実施できる「看護師特定制度」について「介護分野こそ、効果が発揮できる。積極的に活用して欲しい」等と呼びかけた。

 日本慢性期医療協会(日慢協・武久洋三会長)が、11月6日にWEBで開催した定例記者会見で指摘した。武久会長は、介護保険部会や介護給付費分科会等の委員を務めているが「今後、厚労省で介護を担当する老健局に、積極的にはたらきかけて行く」等と述べた。

 「特定看護師制度」は、2015年に21区分38行為が設定され、今年8月時点で指定研修機関は222ヶ所あり、研修を修了した「特定看護師」は間もなく3千人を超える見込み。厚労省は、2025年に向けての目標として「10万人以上」を設定している。

 武久会長は「急性期病院のような、医師や看護師がたくさんいるところよりは、介護分野こそ『特定看護師』の存在感が大きいと思う。厚労省は『特定看護師の場は、医療だ』と考えているようだが、実際は『訪問看護で最も必要な存在』だ」

 「また、介護分野では特養・通所など、医師がいないところで『特定看護師』が医師の医療行為を『特定行為』として代行できる。従って、医療よりも介護保険の方に『特定看護師』を導入して頂きたい」等と要望した。

特定看護師の勤務先 日慢協も「特定行為研修」の指定研修機関になっているが、これまでに222人が研修を修了して「特定看護師」として現場で勤務している。このうち85・1%(189人)が病院だが、特養・老健も6・3%(14人)、サ高住が0・9%(2人)となっている=グラフ・日慢協作成の記者会見資料より

 【「特定看護師」が、介護現場でも「チーム医療の要」となっている】

 会見では実際に「特定看護師」を導入した事例として、日慢協の田中志子常任理事(群馬県・内田病院)がその効果について「介護現場でも『特定看護師』が中心となり『チーム医療の要』となっている」等と指摘し、次のように説明した。

 ▼私のところでは7名の「特定看護師」を、特養・老健・サ高住の管理者・訪問看護の管理者・病棟に、それぞれ配属している。この中でも特養と訪問看護では、極めて有効に機能している。業務の内容は、脱水の管理・感染症の管理・血糖コントロール等がある。

 ▼私の病院では敢えて、複数名の「特定看護師」を育成しているが、これにより看護師の勉強会を開催し、ここで学んだ事柄を看護師が現場を周って、実践に役立てることで看護職員全体の「ボトムアップ」に繋がっている。

 ▼結果として「特定看護師」が、医療面での実行部隊として「チーム医療の要」の役割を担い、その目的を果たしている。

◇─[後記]───────────

 実際に、看護師が「特定行為研修」を修了して「特定看護師」の資格を得ても、例えば特養に配置しようとすると、その施設の提携医療機関の医師に「手順書」を作成してもらわなければならない等、介護分野での「特定看護師」の導入には数々のハードルがあります。

 それでも田中常任理事が指摘しているように、実際に「特定看護師」を導入した介護現場では、着実に「成果」を挙げています。このような医療側からの「呼びかけ」に対し、介護業界も積極的に応えていく必要があると、弊紙では考えます。

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*****令和2年11月5日(木)第377号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省、介護職員で「無資格者」に認知症介護基礎研修の受講を「義務付け」へ
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 厚生労働省は「認知症への対応力強化」の観点から、現在実施されている「認知症介護基礎研修」を全て、WEBでの受講が可能となるようにeラーニング化した上で、介護に直接携わる全職員のうち「無資格者」に対して、受講の「義務付け」を提案した。

 政府は、昨年6月18日に決定した「認知症施策推進大綱」で「2020年度末に認知症介護基礎研修は、介護に関わる全ての者が受講すること」を目標に掲げており、これを受けて厚労省は、11月5日に開催した介護給付費分科会の第191回会合で「義務付け」を提示した。

介護・認知症カリキュラム 「認知症介護基礎研修」の教育内容は、大きく分けて「認知症の人の理解と対応の基本」と「認知症ケアの実践と留意点」の2項目があり、受講時間は6時間が設定されている=表・分科会資料より。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。介護労働安定センターの令和元年度の調査によれば「無資格者」は、介護職員全体の6・1%。

 ただし厚労省は「前提として、研修を全てeラーニング化すること」と「一定の経過措置を設ける」ことも提案し、分科会の委員からは概ね賛意が示された。なお「認知症への対応力強化」では「研修受講の義務付け」以外にも、主に次のような項目が提案された。

 ■「認知症専門ケア加算」について

 ▽訪問系サービスも、加算の対象とすること。
 ▽認知症介護実践リーダー研修・認知症介護指導者養成研修も、質を確保しながらe-ラーニングを活用する環境を整備する。
 
 ■認知症の人の行動・心理症状(BPSD)への対応力強化について

 ▽BPSD対応に係る各事業所の取組状況(研修の受講状況等)について、利用者が情報公表システム上で確認できる仕組みを検討する。
 ▽短期利用の報酬区分がある(看護)小規模多機能型居宅介護について、施設系等と同様に「認知症行動・心理症状緊急対応加算」の対象とする。

◇─[後記]───────────

 「研修受講の義務付け」では、ある委員から「決して否定はしないが、介護現場からは『無資格者に必要なのは、まず介護技術の研修だ』との声も挙がっている。こちらも同時に検討して欲しい」との要望もありました。

 本日の分科会では、ネットの受信環境の関係で、弊紙は冒頭の5分間が傍聴できませんでしたが、昨日と一昨日の紙面で指摘してきた「次期介護報酬の改定に対する財務省の指摘」に関しては、質疑応答では一切言及した委員がいませんでした。

 今回の分科会ではテーマが「認知症」や「看取り」であったため、委員の方々は「敢えて触れなかった」のかも知れませんが、来週月曜に開催される、次回の分科会のテーマには「介護人材の確保」が含まれています。どんな議論が交わされるか注目したいと思います。

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*****令和2年11月4日(水)第376号*****

◆◇◆◆◆─────────────
財務省・介護職員処遇改善「次回の報酬改定で、さらに進める環境にはない」
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 財務省は11月2日に開催した財政制度分科会で、来年4月の介護報酬改定時における介護職員の処遇改善について「報酬改定で国民負担増(プラス改定)を求めてまで、処遇改善をさらに進める環境にはない」と主張した。

財務省・人材確保策 その理由として、足元の労働市場の動向が「1人当たり現金給与総額が減少、有効求人倍率が低下」等であることを挙げた。その上で、介護職員の人材確保策として「離職者の職業転換施策を推進」「既存の処遇改善加算の財源を活用」「社会福祉法人の『社会福祉充実財産』を活用」──の3点を挙げた=画像・財務省HPより

 【介護職員の処遇改善に対する、財務省の主張の要旨】

 ◆これまで、他産業の賃金が上昇する中で、介護人材の不足が深刻であることを踏まえ、累次にわたって介護職員の処遇改善を行ってきた。

 ◆一方で、足元の労働市場の動向(1人当たり現金給与総額の減少、有効求人倍率の低下)を踏まえると、介護報酬改定において国民負担増(プラス改定)を求めてまで、処遇改善をさらに進める環境にはないのではないか。

 ◆介護職員の人材確保については、以下のような方策を通じて、さらなる取組みを進めるべきである。

 ▼1=足元の労働市場の動向を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響による離職者の再就職支援を含め、介護人材の確保に資する職業転換施策を推進することが考えられる。

 ▼2=処遇改善加算については、令和元年10月から実施した特定処遇改善加算を請求している事業所が6割にとどまっていることから、加算の適用を促すことを含め、まずは既存の処遇改善加算の財源の活用を図るべきである。

 ▼3=また介護老人福祉施設の9割超、通所介護事業所の約4割、訪問介護事業所の約2割を占める社会福祉法人においては「社会福祉充実財産」が十分に活用されておらず、当該財産を活用することによる処遇改善を促すことも考えられる。

 ※注)=「社会福祉充実財産」とは、社会福祉法人が毎会計年度、保有する財産で事業継続に必要な財産を控除した上で『再投下』可能な財産として算定するもの。これが生じる場合に法人は計画を策定し、社会福祉事業等を実施しなければならないこととされている。

◇─[後記]───────────

 昨日配信した弊紙では、財務省が「近年の介護サービス施設・事業所の経営状況からは、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない」と主張している点を取り上げました。今回の「処遇改善」も、その考え方に沿った指摘になります。

 財務省の指摘を意訳すると「他産業の離職者に、介護業界に来てもらいなさい」「特定処遇改善も約6割しか活用されておらず、これを含めて既存の財源を活用しなさい」「社会福祉法人の『充実財産』が十分に活用されていないので、これを使いなさい」になります。

 昨日、この欄で述べたことの繰り返しになりますが、介護業界として、この財務省の主張には「反論」する必要があります。明日(11月5日)と、来週月曜(11月9日)と、連続で開催される介護給付費分科会でぜひ、委員の方々に「反論」してもらいたいと思います。

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財務省「介護報酬の『プラス改定』をすべき事情は見出せない」
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 財務省は11月2日に開催した財政制度分科会で、来年4月の介護報酬改定について「近年の介護サービス施設・事業所の経営状況からは、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない」と主張した。

 財務省は、厚労省が実施した経営実態調査と経営概況調査の結果や集計手法を取り上げ「介護サービス施設・事業所の経営状況は(民間の)中小企業と同程度の水準で、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない」と結論づけた。

財務省・資料 財務省の主張の要旨は、次の通り=画像・財務省HP・財政制度分科会で配布された資料より

 ▼(厚労省の)経営実態調査による令和元年度の収支差率は2・4%と、中小企業と同程度の水準。また介護報酬は、計画期間の3年間を見据えて決めるものであり、過去の経営状況についても、一定期間(3年間)の状況を踏まえる必要があると考えられる。

 ▼(厚労省の)経営実態調査と経営概況調査の平成29~令和元年度の収支差率によれば、介護サービス施設・事業所の経営状況は、同じく中小企業と同程度の水準。

 ▼さらに、経営実態調査の収支差は、特別損失である「事業所から本部への繰入」は反映されている一方で、調査票段階では調査している特別利益が反映されていない。

 ▼このため、特別損失である「事業所から本部への繰入」を除いた収支差率で見ると、介護サービス施設・事業所の収益率はさらに上昇する。

 ▼特別損益を含まない観点からの分析は、施設に通常発生する収益に基づく収益性を示す指標として、サンプル数がより豊富な福祉医療機構が公表する「経営分析参考指標」でも用いられている。

 ▼このように、近年の介護サービス施設・事業所の経営状況からは、少なくとも介護報酬のプラス改定(国民負担増)をすべき事情は見出せない。

◇─[後記]───────────

 いつものことですが、介護報酬の改定が大詰めを迎えると、財務省が「先手」を打ってきます。この指摘を筆頭に財務省は、介護給付費分科会で現在検討している様々な事項について「厳しい指摘」を出しています。

 介護業界としては、この財務省の主張に「反論」する必要があります。次回の介護給付費分科会は、明後日(11月5日)の木曜・午後から夕方にかけて開催されます。まずはここで、各委員が述べる「反論」に注目したいと思います。

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特定処遇改善加算・勤続10年以上の介福「平均給与額が前年比で2万0,740円増」
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特定処遇改善加算の結果 厚生労働省が令和元年度の介護報酬改定で実施した「特定処遇改善加算」で、2種類ある加算項目(Ⅰ・Ⅱ)を取得した施設・事業所の介護職員の、令和2年2月の平均給与額は32万5,550円で、対前年比で1万8,120円増加した。

 同様に、制度の本来の加算想定対象者であった「勤続10年以上の介護福祉士」の場合は、平均給与額が36万6,900円で、対前年比で2万0,740円の増加だった。また「特定処遇改善加算」(Ⅰ・Ⅱ)を請求した事業所は、今年4月末時点で64・3%だった。

 厚生労働産省が10月30日に開催した、介護給付費分科会の専門部会で公表した。調査は今年4月に、1万1,323施設・事業所を対象に実施され、有効回答が7,346施設・事業所(=有効回答率64・9%)あった。

 調査項目は、介護職員処遇改善加算や介護職員等特定処遇改善加算の取得状況、調査対象施設・事業所に在籍する介護従事者等の給与(平成31年2月と令和2年2月における給与)等の回答を求めた。

 専門部会での公表直後、同日に開催された介護給付費分科会の本会(第190回会合)では、この結果に対して委員から、次のような意見が出された。

 ■【「特定処遇改善加算」による増額が「1万8,120円」「2万0,740円」だった点について】
 
 ▽「増加した金額はおおむね評価しても良いと思うが、一方で今回の加算の実施では『勤続10年以上の介護福祉士』の詳細なデータ(対象人数等)が事前になかったために(増額した金額等の)正確な評価ができなかった。これは今後の課題として、改善が必要だ」

 ▽「(制度の本来の趣旨の対象者の)増額が、2万円程度であったことは、非常に残念だ」

 ■【「特定処遇改善加算」を請求した事業所が4月末時点で「64・3%」だった点について】

 ▽「特定処遇改善加算の届出を行わない理由(複数回答)で『職種間の賃金バランスがとれなくなることが懸念』が38・8%、同様に『介護職員間の賃金バランスがとれなくなることが懸念』も33・8%あるが、これでは制度の本来の目的が果たせない」

 ▽「請求した事業所が4月末時点で『64・3%』ということは、4割近くの事業所が『申請をしていない』という結果になる。これは事務手続き等の簡素化を含め、制度の改善が必要でさらに詳細に分析する必要がある。

◇─[後記]───────────

 今回の「介護職員等特定処遇改善加算」は当初「勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行う」ことが主目的でしたが、その後に介護業界等から「柔軟な運用」を求める声が出て、それに応える形で実施されました。

 弊紙の正直な感想を言えば「増額が、2万円程度であったことは、非常に残念だ」と同じ意見です。これが今後、介護職員の「本格的な処遇改善」につながるよう、厚労省には制度の改善と維持に努めてもらいたいと思います。

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