日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2020年10月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年10月28日(水)第373号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省「要介護になっても総合事業」へ省令改正実施、1141件の意見が寄せられる
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厚労省省令改正 厚生労働省は「要支援から、要介護になっても総合事業が継続できる」等の内容を含んだ省令の改正を進めてきたが、10月22日に都道府県等に対して「本日公布された」と通達した。この中の「第1号事業に関する見直し」=画像・パブリックコメントの意見に対する厚労省の回答内容文書より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工=の趣旨は、次の通り。

 ◆介護予防・生活支援サービス事業に関する見直し
 1.要介護認定を受けた後でも、総合事業のサービスの利用継続を可能とする。
 2.介護予防・生活支援サービスの価格について、国が定める額を勘案して市町村が定めることとする。

 今回の省令改正で厚労省は、8月25日から9月23日までパブリックコメントを募集し、1141件の意見が寄せられた。省令改正に対する賛否の数は不明だが、公表された意見では「問題点」や「疑問点」が列記され、それに対する厚労省の意見が述べられている。

 【パブリックコメントに寄せられた意見(▼印)と、厚労省の回答(▽印)の要旨】

 ▼要介護者が、介護給付を受けられなくなることに反対。要介護者には、自治体によって取組状況も異なる総合事業ではなく、専門職による介護給付のサービスが必要。

 ▼今回の見直しは、要介護者に対する介護給付を総合事業に移行するための布石ではないか?

 ▽今般の見直しにより、要介護者の介護給付を受ける権利には、何ら変更はございません。今般の見直しは、本人の希望を踏まえて、介護保険の給付が受けられることを前提としつつ、住民主体のサービスを継続して利用できるようにし、選択肢の幅を広げるものです。

 ▼「本人の希望」をどのように担保するのか? 市町村が介護給付抑制のために総合事業に誘導するのではないか?

 ▽ケアマネジャーが本人の希望を踏まえながら、介護給付と住民主体のサービスを組み合わせたケアプランの作成などのケアマネジメントを通じて、適切な事業の利用が確保されることが重要と考えています。

 ▽さらに、適切なケアマネジメントが行われるよう支援していく観点から、ガイドラインで示していくとともに、厚生労働省においてサービスの利用状況などを定期的に把握してまいります。

 ▼見直しを行う前に、まずは、これまでの総合事業の実態を把握すべき。要支援者の総合事業への移行も失敗しているのではないか。

 ▽総合事業の実施状況については、毎年度、老人保健健康増進等補助金による調査研究事業により把握し、公表しています。

 ▼「総合事業が、要介護者を受け入れないことで不満」という話を聞いたことがなく「地域とのつながりに影響がある」とも考えられない。改正の趣旨が明らかではないので、根拠をしっかり示してほしい。

 ▽社会保障審議会介護保険部会において、一定数の市町村が、総合事業の対象者について「対象者が要支援者等に限られてしまっていることで、事業が実施しにくい」と回答している調査結果等をお示ししています。

 ▽今般の見直しは、こうした社会保障審議会介護保険部会の「取りまとめ」を踏まえ、行うものです。

◇─[後記]───────────

 これまでも何度か触れてきましたが、弊紙発行人はある地方都市の、介護保険事業計画の策定に携わったことがあります。その経験を踏まえても、やはり総合事業には「多くの問題がある」と痛感しています。

 結果的には「予定通り」に省令は改正されましたが、これにより総合事業が今以上に「混乱」するのでは……と懸念します。今後「問題点」が発覚すれば迅速に修正する態勢が、厚労省には必要だと思います。

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*****令和2年10月27日(火)第372号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特定介護・9月国内試験、受験者数が千人突破・4ヶ月連続で過去最高を更新
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特定介護9月国内試験結果 特定技能の介護職(以下「特定介護」)で、9月に日本全国で実施された国内試験で、2科目あるうちの「介護技能評価試験」の受験者数が1038人になり、千人を突破した。もう1科目の「介護日本語評価試験」の受験者数も931人と「千人レベル」に到達した=表・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 10月26日に、厚生労働省が「特定介護」で9月に実施された国内外の試験結果を公表した。これで、特定介護の国内試験の受験者数は、4ヶ月連続で過去最高を更新している。今年5月以降の「特定介護」の国内試験受験者数の推移は、次の通り。

 ▽5月試験=「介護技能」177人・「介護日本語」165人
 ▼6月試験=「介護技能」579人・「介護日本語」537人
 ▼7月試験=「介護技能」722人・「介護日本語」659人 。
 ▼8月試験=「介護技能」909人・「介護日本語」857人
 ▼9月試験=「介護技能」1038人・「介護日本語」931人

 「特定介護」の在留資格を得るには、2科目の試験に合格することに加え、日本語要件(日本語能力試験N4以上か、国際交流基金日本語基礎テストに合格すること)を満たす必要がある。

 しかし、海外試験の合格者の場合は、合格してから日本へ渡航するための手続きや、母国での就職活動等が必要になるが、国内試験の合格者の場合は「2科目の試験合格+日本語要件」を満たせば、すぐに日本国内での就職が可能となる。

 出入国在留管理庁も、介護分野を含めた特定技能全般で、日本国内の事業者と特定技能の在留資格を得た外国人材との「マッチング」事業を開始しており、この動きが全国的に波及すれば「特定介護」による「介護人材確保」の、新たなルートになる可能性がある。

◇─[後記]───────────

 「特定介護」の毎月の受験者数が「千人レベル」だとすると、毎月の「特定介護」の在留資格取得者は、少なく見積もっても「500人レベル」にはなると思います。新型コロナの影響で技能実習生は、まだ日本への入国が制限を受けている状態です。

 弊紙は、技能実習の介護職で、新型コロナの影響を受ける以前に、令和元年度は「毎月約600人が入国していた」と推測しています。現在の「特定介護」の受験者数の増加傾向が続けば、今後は「特定介護」が「介護実習生」を逆転するかも知れません。

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*****令和2年10月26日(月)第371号*****

◆◇◆◆◆─────────────
東京都世田谷区・希望する介護事業所へのPCR検査、通所介護で1名・陽性判明
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 東京都世田谷区は今月から、新型コロナ対策として希望する介護事業所にPCR検査を実施しているが、10月2日から25日までの約1ヶ月弱で、27事業所・303人に検査を実施した結果、通所介護事業所の職員1名が陽性と判明した。10月26日午後5時に公表した。

 検査は、介護事業所等の社会的インフラを継続的に維持することが目的で「社会的検査」との名称で実施している。内容は「随時検査」と「定期検査」の2種類がある。

 ◇随時検査=同居の家族が濃厚接触者となった場合や、新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)により、陽性者との接触の確認の通知を受けた人などを想定。

 ◆定期検査=「随時検査」以外で、検査を希望する事業所の職員等に対して実施。「定期検査」の予定事業者でも「随時検査」に該当するケースについては、最優先で実施する。

 「定期検査」は、障がい者施設や児童養護施設等も含まれるが、介護事業所に対する検査では施設系・通所系・訪問系等の、ほぼ全ての介護事業所が該当する。検査対象は、介護事業所の職員と、特別養護老人ホーム等に新しく入所(居)を予定している人。

 検査方法は、現時点では唾液(2mlの自己採取)によるPCR検査を基本とする。唾液採取が困難な人(高齢者で唾液の分泌量が少ない等)については、鼻咽頭から検体を採取する場合もある。

 検査結果は、1日当たりの検査数にもよるが検体採取日の当日か、区役所の翌開庁日の14時ごろまでに判明する見込み。区では、介護事業所に対して10月2日から検査を実施して以後、月曜から日曜までの検査施設数・検査人数・陽性者数を、翌月曜に公表している。

世田谷区陽性者件数 10月2日から25日までの「随時検査」と「定期検査」の結果(合計数)は次の通り=表・世田谷区HPより。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 ◇随時検査=施設数9、検査数120、陽性者数1(特養職員)
 ◆定期検査=施設数27、検査数303、陽性者数1(通所介護職員)

 結果的に、行政等が主導する形の「随時検査」ではなく、介護事業所が自ら希望して実施した「定期検査」で、約1ヶ月弱の期間で介護職員1名の陽性者が「判明」したことになる。また「定期検査を希望する介護事業所の申し込みも、増加し続けている」という。

◇─[後記]───────────

 現時点で「定期検査」は303人に検査して陽性者1名なので、確率的にみれば「わずか」かも知れませんが、これにより「全員が陰性」と判明した際の安堵感と、わずか1名でも陽性が判明した場合に緊急対応ができるメリットを考えれば、その効果は「絶大」です。

 財政的にみれば、全ての市区町村で世田谷区の「定期検査」と同じ内容のPCR検査を実行することは困難かも知れませんが、各市区町村で「可能な限り広範囲のPCR検査」を実施するためには、政府の強力な「財政援助」が必要です。

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*****令和2年10月23日(金)第370号*****

◆◇◆◆◆─────────────
東京都三鷹市、新型コロナに家族等が感染した際の「ショートステイ事業」を開始
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東京都三鷹市 東京都三鷹市は今月から、高齢者を介護している家族(以下「介護者」)が、新型コロナウイルスに感染するか濃厚接触者等になった場合、その家族である高齢者の在宅での生活を支援するため、セーフティーネットの一環として「ショートステイ事業」を開始した=画像・三鷹市HPより

 対象となるのは、介護者等が新型コロナウイルスに感染したことにより、自宅での生活が困難になる高齢者・障がい者等のうち、次の3点の要件を満たす市民。

 1.PCR検査で、高齢者本人の陰性が確認されていること。
 2.介護サービス等を活用した、在宅での生活が困難であること。
 3.民間事業所による(介護保険の)ショートステイ等の利用が困難であること。

 実際にショートステイとして使用する施設は、今年3月末に廃止した市内の特別養護老人ホーム「どんぐり山」を活用する。この施設の3階の居室を利用し、ヘルパーなどを配置して利用者のケアを行う。施設の1階には、地域包括支援センターがある。

 定員は最大3名で、ヘルパーの費用は三鷹市が賄うが、食事と洗たく代は本人が負担する。滞在期間は最長で2週間を想定している。市の社会福祉事業団が事務局となり、ヘルパーは市内の介護事業者へ委託する。

◇─[後記]───────────

 このところ各自治体で、新型コロナ対策で「独自の動き」がみられるようになりました。今回、三鷹市が実施した「ショートステイ事業」は、以前から指摘されていた「介護者である家族が感染した場合に、高齢者等の世話を誰が行うのか?」との課題に応えるものです。

 このような「先進事例」を参考に、各自治体にはぜひ、地元の実情に即した「新型コロナ対策」を実施してもらいたいものです。

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*****令和2年10月22日(木)第369号*****

◆◇◆◆◆─────────────
次期介護報酬改定・訪問介護「看取り」加算創設へ
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 来年4月の次期介護報酬改定に向けて、訪問介護で「看取り」に関する加算が創設される見通しとなった。10月22日に都内で開催された、介護給付費分科会の第189回会合で事務局(厚生労働省)から提案があり、出席した委員からは概ね「賛成」の声が上がった。

 今回の会合では、訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導の各サービスが議題となった。このうち訪問介護では事務局から、次の4つの論点と議論の方向性が示され、多くの委員からは全ての項目で賛意が示された。

 1、【特定事業所加算(体制要件+人材要件+重度者対応要件で構成。区分支給限度基準額に含まれる)について】=「区分支給限度基準額を超える利用者が出る」との理由から、要件を満たしているにも関わらず、加算を算定できていない事業所が一定数存在する。

 ▼検討の方向=訪問介護以外のサービスでは、同様の項目を評価するサービス提供体制強化加算が、区分支給限度基準額の対象外とされていることも踏まえて、見直しを検討してはどうか。

 2、【生活機能向上連携加算(訪問・通所リハ事業所や、リハを実施する医療提供施設のリハ専門職・医師と連携して作成した計画に基づく介護)について】=普及が進んでいないが、どのような対応が考えられるか。

 ▼利用者・家族も参加するサービス担当者会議によることを、可能とすることを検討してはどうか。

 3、【通院等乗降介助について】=居宅要介護者の目的地(病院等)が複数ある場合で、出発地と到着地が居宅以外である目的地間の移送(例えば、病院間の移送や通所系・短期入所系サービス事業所から直接病院等に行った場合)については、現状では算定できない。

 ▼居宅が始点または終点になる場合は、病院等から病院等への移送や、通所系・短期入所系サービス事業所から病院等への移送についても、介護報酬の算定を認めることを検討してはどうか。

 4、【看取り期における対応の充実について】=訪問介護については、介護報酬上の特別な評価はない。

訪問介護・看取り加算創設へ ▼訪問介護における看取り期への対応の充実を図る観点から、看取り期における訪問介護の役割や対応の状況等も踏まえながら、その評価について検討してはどうか=画像・厚労省発表資料より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 このうち「4」の「看取り」は、訪問介護として新たな加算項目として創設される見込みとなった。一方で、訪問介護の人材不足が「制度を維持するために、危機的な状況」との趣旨の意見が、複数の委員から出された。

 さらに「加算だけではなく、基本報酬をアップすることが重要」との声も挙がった。

◇─[後記]───────────

 今回の事務局の論点提示からは「訪問介護で、なんとか加算要件を増やしたい」との強い意向が読み取れますが、これが訪問介護事業で収益アップのための「抜本的な対策」とまでは言い切れない印象を受けます。

 やはり複数の委員からの指摘通り、何らかの手法で「基本報酬のアップ」を図らないと、せっかくの「加算要件の増加」も「焼け石に水」に終わってしまう可能性もあります。

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◆◇◆◆◆─────────────
田村厚労大臣「PCR検査は現在1日7万件以上が可能で、毎月1万件以上増加中」
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田村大臣10月16日会見 新型コロナ対策としてのPCR検査が現在、行政検査と民間検査を合わせて、1日当たり7万件以上が可能であることがわかった。このうち民間検査は半分以上の「4万数千件くらいある」という。田村憲久厚生労働大臣が、10月20日に行われた記者会見で述べた=写真は10月16日の会見の様子。厚労省HPより

 また、検査能力も「毎月1万件以上増えている」状況だが、その増加要因となっている民間のPCR検査は、行政検査ではないので「陽性」と判定されても保健所へ報告されず、このため厚労省が「把握していないケースもある」という。

 この点について田村大臣は「この課題を改善すべく、民間の検査についても(保健所や厚労省等が)把握できるよう、制度設計の検討を始めている」等と述べた。これらの点に関する、記者会見での質疑応答の概要は、次の通り。

 ▽記者=新型コロナの検査について。民間のPCR検査をされた方で陽性になった人の中には、国や自治体に届けられていないケースがあり、全てを把握できていないのではという指摘がある。これについて大臣のご所見と、今後検討や改善すべき点などがあれば伺いたい。

 ▼大臣=PCR検査の能力が、今年初めから比べるとかなり増えてきた。民間を含めて、1日で7万件を超える検査能力になっている。そのうち、民間はかなり多くて4万数千件くらいあると思う。

 ▼かなり民間で検査ができ、しかも今、行政検査が1日の検査能力の上限までいっていないので、逆に言うと発症している方々、症状が出ている方々がそこまでおられないということで、余裕がある中で、民間がそれぞれに検査をやっておられることは承知している。

 ▼(PCR検査に対する)色んなニーズがあると思うので、これはこれで厚労省としても、必要なものはやって頂きたいと思っている。一方で行政検査ではないので、保健所へ届け出ることが法律上の制度になっていない。

 【「民間のPCR検査は、保健所に情報が来ないケースもある」】

 ▼そういう意味で、中には医師が介在されておられればそこで診断という形で、医師から保健所に、検査結果が陽性ならば連絡が来る。これはこれで一つ制度として成り立っているわけだが、医師が入っていないものもある。

 ▼ここは民間同士なので、これに対して制約をかけることはなかなかできない。そこで陽性と出た場合に、その方々が漏れているのではないかという(質問した記者からの)ご指摘だと思う。

 ▼基本的にはそういうものに対して、ご本人が診断を受けて頂くように、陽性であるならば医療機関に行って頂いて、行政検査を受けて頂くようにということを、我々としてもお願いをしている。

 【「民間の検査について、制度設計の検討を始めている」】

 ▼しかしながら、色々な事業者が今PCR検査に参入されているので、我々として広報活動はできるが、加えて業界等に通知をすることも実施しており、衛生検査の団体にも通知したが新たに参入されたところは、そもそも衛生研究所として登録されていない。

 ▼そういう意味からすると、そこまでちゃんと(行政検査も受診して欲しいという要望が)伝わらないということもある。実は、専門家の皆さま方からもこれに対して「何らかの対応をすべきではないのか」というご提言も頂いている。

 ▼厚生労働省としては(民間で)どれくらいの検査が(実際に)行われているのかも分からないわけで、当然陽性者がどれくらいいるかも分からない。さらにはちゃんと(行政検査も受けて欲しいという要望を)通知して頂いているかも分からない。

 ▼「これをなんとかできないか」ということで今、どういう制度設計ができるのかということの検討を始めている。ます。専門家の方々のご意見も頂きながら、早急になんらかの仕組みを作らせて頂き、出来上がればご報告をさせて頂きたいと思う。

 ▽記者=「検討されている」ということだが、何か公の場で、今ある(厚労省の)会議体で検討しているのか?

 ▼大臣=厚労省の中で、担当部局で「どういう仕組みならば良いのか」を検討している。なるべく早くやらないと(民間検査が)どんどん広がってきている。今、毎月1万件以上の調査能力が増えてきている。

 ▼つまり、月を追う毎に民間検査をやられている方々も増えてきているのだろうと思う。そこもまだ数を把握できていないので、実態がわからないが、供給能力が増えてきているということは推察される。

 ▼なるべく早く、そういう仕組みを作らなければならないと思っている。担当部局と相談しながら、スピードアップをさせて頂いている。

◇─[後記]───────────

 一部の自治体では、介護職員に「積極的にPCR検査を受診するように」との方針を打ち出し、新型コロナの感染症状が出ていなくても検査を実施しているところもありますが、現時点ではあくまで自治体の「独自の取り組み」として行われています。

 田村大臣が述べている通り「行政検査が1日の検査能力の上限までいっていない」のであれば、さらに「毎月1万件以上の調査能力が増えてきている」のであれば、早急に介護職員に対し「無症状でもPCR検査を実施する」との施策を打ち出してもらいたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
介護従事者の処遇改善等を求めて、厚労大臣に「50万人の署名」を提出
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NCCU50万筆署名 介護従事者の労働組合である日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、来年4月の介護報酬改定に向けて「50万人署名活動」に取り組んできたが、最終的に50万9523筆が寄せられて、NCCU関係者が10月19日に厚生労働省を訪れ、田村憲久厚労大臣に提出した=写真・NCCUホームページより

 今回の署名活動は、来年4月の介護報酬改定が、介護従事者の処遇改善に資するように求めるとともに、NCCUが今年9月に加藤厚労大臣(当時)宛に手渡した「介護報酬改定に係る要請書─介護人材確保のために」の実現を促す目的で、今年8月から実施した。

 今年9月に「要請書」を提出した際は、厚労省側は大島一博大臣官房長が対応したが、今回の「署名」はNCCU関係者が田村大臣に直接面会して手渡した。今回の「署名」で、要請事項として挙げたのは次の2点。

 1=介護従事者が、介護の仕事を安心・安定して永く続けることが出来るよう介護報酬水準を設定してください。

 2=ご利用者・ご家族そして介護従事者が、理解し納得できるよう簡素な仕組みの介護報酬を設定してください。

 NCCUの染川朗会長は田村厚労大臣に対し「新型コロナウイルスの影響で、介護現場では依然として緊張状態が続いており、現在も自制・自粛・我慢の毎日が続いている。このような介護従事者の現在の状況も、ご理解頂きたい」

 「その上で、来年4月の介護報酬改定で、介護従事者の仕事の価値に見合う正しい評価をして頂き、人材不足がこれ以上深刻にならないようお願いしたい」と求めた。また「今回提出した50万筆の署名のうち、約39万筆は介護業界以外で働く方からの署名だ」

 「これは、介護サービスを利用する立場として署名をして頂いたものだ。介護従事者のみならず、ご利用者とご家族からの要請であることを念頭において頂きたい」と要請した。これに対する、田村厚労大臣のコメントは、次の通り。

 ▼田村大臣=処遇改善に関しては、他の産業で名目賃金が上がっているので、追いついていかないというのが現状だ。仕事が大変な上に処遇が低いとなかなか人が集まらない。処遇改善は、今回の介護報酬改定の柱でもある。

 ▼(有識者介護等で)よく議論を頂いた上で、最終的な報酬改定をしていきたい。また、介護報酬は非常に複雑になっている。簡素化するというのは一つの方針でもあるから、若干なりとも簡素化してわかりやすく説明がつくようにしていかなければならないと思う」

 ▼しっかりと対応できるよう努力していく。全体として少子化で生産年齢人口が減ってくるので、その中で人材不足の介護をどうしていくのか、本当にいろんな知恵を出していかなければいけない。

 ▼介護ロボット等は使っていかないといけないが、最後はやっぱり対人なので、人の温かみのある介護をこれからも続けていくために人材確保についてしっかり検討したい。

◇─[後記]───────────

 マスコミ目線で恐縮ですが、今回の署名の手渡しでは田村大臣が直接応じたことに、大きな意義があると言えます。田村大臣は、自民党の厚労族として要職を歴任しただけに、その影響力は大きなものがあります。

 田村大臣が着任以来、記者会見等で「介護」を語る機会がなかったために「どの程度、介護報酬改定に対して認識を持っているのか?」と疑問でしたが、今回のコメントを聞く限り「要点」はしっかり押さえているようです。

 また「50万筆の署名のうち、約39万筆は介護業界以外で働く方からの署名だ」という事実も、介護業界にとって大きな「エール」になると思われます。

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田村厚労大臣「発熱等がある介護従事者の積極的な検査実施を、都道府県に周知した」
─────────────◆◇◇◆◆

田村大臣10月16日会見 田村憲久厚生労働大臣は、10月16日に開催された記者会見=写真・厚労省HPより=で、今後インフルエンザの流行期に入ることを踏まえ、介護従事者に発熱等の症状や、味覚・嗅覚に異常があるような場合に「積極的に検査が受診できるよう、都道府県等に通達した」等と述べた。

 さらに、インフルとコロナの同時流行に備えた、各自治体における医療体制の構築について、記者からの質問に答える形で「現在、そういうきめの細かい対応を行っている最中」と述べた。この部分に関する大臣の発言要旨と、記者との質疑応答の概要は、次の通り。

 【大臣発言の要旨=「介護従事者が、積極的に検査を受診できるよう通達した」】

 ▽医療従事者・介護従事者の中で、発熱などの症状が出ている方は、発熱・頭痛・他にもいろいろな症状があるが、味覚とか嗅覚とか、そういうところに異常が出ている方々も(今回の事務連絡で)対象とする。

 ▼こういう方々について、本日(10月16日)、検査を積極的にやって頂くように都道府県等に周知した。いよいよインフルエンザ等も含めて、発熱の患者が増えてくる秋冬に入ってきたので、都道府県等に周知頂くための通知を出した。

 ▽それぞれの機関で、徹底をして頂きたいと思う。やはり「クラスター」という意味からすると、高齢者や基礎疾患を持っている方々は、以前から言われている通り重症化のリスクが高い。そういうところで「クラスター」が起こると大変だ。

 ▽そういう意味を含めて、医療関係者や介護従事者の方々には補正予算等で「慰労金」という形で、日頃の生活から自らの感染を防いで頂いている、という謝意を込めての対応をさせて頂いた。

 ▼これからますます、発熱等が疑われる症状が増えてくる時期に入るので、ここで改めて通知を出してお願いをさせて頂いた。

 【質疑応答の概要=「現在、各地域の医療提供体制を精査中」】

 ◇記者=コロナとインフルの同時流行に備えた医療提供体制について、10月も半ばを過ぎたが、中間的な状況の取りまとめを公表されるお考えがあるのかということと、10月中に医療提供体制の移行ができるのか、今どのように考えていらっしゃるかをお聞きしたい。

 ◆大臣=前回(の記者会見で)申し上げたが、知事会の皆さんとの検討の場でもこれはお願いしたし、昨日の(新型コロナ対策の)分科会の中でも(鳥取県の)平井知事がお越しになったので、その認識はお持ち頂いていると思う。

 ◆問題はやはり、各都道府県のみならず、各都道府県の中の各自治体にも影響がある。自治体も最近いろいろな合併等をしているので、その中でもかなり大きな市があり、地域においてかなり事情が違ってくると思う。

 ◆その中で、各都道府県にはしっかりと対応をして頂いて、この地域はどういう体制にするのか、検査の後に陽性患者と分かった場合に、その陽性患者に対してどのような対応をして頂くのかということも含めて、細かいオペレーションが必要になってくる。

 ◆全都道府県で、コロナの協議会をお作り頂いている。そこでもご議論をしながら、要はその地域で発熱者が、コロナなのかインフルエンザなのか、あるいはその他の原因による発熱なのか、分からない場合もあると思う。

 ◆そういう患者の方がおられて、ちゃんと検査できて、検査した後にコロナであった場合にはちゃんと感染を防ぎながら、例えば療養される場所にそういう方の移動をお願いするということまで含めた対応を、事細かく考えて頂くということをお願いしている。

 ◆そういう意味では、今それぞれがどういう状況かは順次(回答が)返ってきている。返ってきた内容をこちらで精査し、今言ったような部分がちゃんとできているのかどうかということを確認しなければならない。

 ◆その上でもしできていなければ、もう一度「こういうところが抜けているのではないですか」ということで対応をお願いする。時間はなくなってきているが「なるべく早く」という話になると思う。そういうきめの細かい対応を今、行っている最中だ。

◇─[後記]───────────

 例年、介護事業所ではインフルエンザに備えて、かなり厳重な対策を取っているものと思います。今年は新型コロナの感染も重なり「最高レベルの警戒」をせざるを得ないでしょう。一方で現在も、全国各地で介護関連施設の「クラスター」の事例が報じられています。

 これらの状況を乗り切るためにも政府や自治体には、介護従事者に対して「最高レベルの支援」を実行して頂きたいと、切に願います。

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*****令和2年10月16日(金)第365号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省、介護施設入所者の面会と外出の緩和「管理者が制限・解禁の程度を判断」
─────────────◆◇◇◆◆

 介護施設入所者の面会と外出の緩和について、厚生労働省の専門家会議(新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード)が、10月13日に「緩和」を提言したことを受け、厚労省は10月15日、都道府県等に「緩和」の内容を盛り込んだ事務連絡を発出した。

 具体的には「地域における発生の状況、都道府県等が示す対策の方針等を踏まえ、管理者が制限・解禁の程度を判断する」等と指摘した。事務連絡で厚労省はまず、介護施設を含めた全ての社会福祉施設に対して「感染症対策の再徹底」を求めた。

 面会については「緩和」を基本的な方針としつつも「感染経路の遮断という観点と、つながりや交流が心身の健康に与える影響という観点から、地域における発生状況等も踏まえ、緊急やむを得ない場合を除き制限する等の対応を検討すること」と注意を促している。

 その上で「具体的には、地域における発生状況や都道府県等が示す対策の方針等も踏まえ、管理者が制限の程度を判断すること」と指摘している。

 【「外出は、不必要に制限すべきではない」】

厚労省・外出制限の緩和 外出については、政府の新型コロナの「基本的対処方針」(5月25日付)でも「外出の自粛が促される状況であっても、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては、外出の自粛要請の対象外とされている」と前置きした=画像・厚労省発表資料より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 その上で「入所者の外出については、 生活や健康の維持のために必要なものは、不必要に制限すべきではなく『三つの密』を徹底的に避けるとともに『人と人との距離の確保』『マスクの着用』『手洗いなどの手指衛生』等の基本的な感染対策を徹底する」

 「さらに、自らの手で目・鼻・口を触らないように留意すること」等と指摘した。その一方で「感染が流行している地域では、人との接触機会の低減の観点から、外出を制限する等の対応を検討すべきである」と注意も喚起している。

◇─[後記]───────────

 最終的には「管理者が制限の程度を判断する」ことに委ねられるため、介護施設側も「悩ましい状況」に置かれることになると思われます。例えば東京都内では現在でも連日、新型コロナの感染者数が「三ケタ」の日が続いています。

 それぞれの地域で事情は異なると思いますが、最終的な判断を下さなければならない「管理者」のためにも、行政は介護施設や事業所、その「管理者」に対して積極的に、感染状況に関する情報を提供してもらいたいと思います。

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*****令和2年10月15日(木)第364号*****

◆◇◆◆◆─────────────
通所介護等・生活機能向上連携加算、多数の有識者が「問題点」を指摘
─────────────◆◇◇◆◆

生活機能向上連携加算 通所介護等の「生活機能向上連携加算」で、事業所の算定率が低い現状に対し、自立支援・重度化防止に資する介護を推進・達成する観点から、事務局(厚労省)は「ICT活用を認めることを検討してはどうか」等と提案=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは弊紙による加工=したが、有識者の多くが「問題点」を指摘した。

 10月15日に開催された介護給付費分科会の第188回会合で、次期介護報酬改定に向けた「第2ラウンド」の議論で、通所介護・認知症対応型通所介護が取り上げられ、事務局が論点に取り上げた「生活機能向上連携加算」の在り方に対し、多くの委員が意見を述べた。

 「生活機能向上連携加算」は、訪問リハ・通所リハを実施している事業所、またはリハビリテーションを実施している医療提供施設(病院の場合は許可病床数200床未満のもの等)の医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、通所介護事業所を訪問してリハを行う。

 この際に、通所介護事業所の職員と共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成する。これらリハ専門職と連携して、個別機能訓練計画の進捗状況を3月ごとに1回以上評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うことが要件となっている。

 単位数は月200単位で、事業所が個別機能訓練加算を算定している場合は100単位。現状では、通所介護事業所の算定率(=各加算算定事業所数÷各サービス算定事業所数)は、200単位を取得している事業所で1・2%と低調で、他の通所系サービス事業所も同様。

 【有識者からは「報酬が低すぎる」等、問題点を指摘する声が多数上がる】

 このような現状に対し、有識者(分科会の委員)からは、概ね次のような指摘があった。

 1、「報酬(月200単位)が低すぎる」
 2、「連携先が、リハ職を派遣したくても人材不足で不可能」
 3、「リハ職を派遣する側に、メリットが少ない」

 これらの指摘を裏付けるように、例えば「1」では、通所系サービス事業者に「生活機能向上連携加算」を算定していない理由を尋ねた調査で「かかるコスト・手間に比べて単位数が割にあわない」が38・5%と最も多かった。

 また「2」では、医療系の委員から「そもそも病床数が200床未満の施設では、ギリギリの人材で日常の医療活動に当たっている。加算の目的自体には賛同するが、連携先の対象を再考した方が良い」。

 これらの問題点の指摘に対して事務局は「外部のリハ専門職との連携を促進するため、訪問介護等における算定要件と同様、ICT活用を認めることを検討してはどうか」等と、今後の検討の方向性を示した。

 これに対し、全国町村会の代表委員などからは「連携先が限られる全国の町村にとっては、ICTの利用は歓迎だ」との声が上がった。

◇─[後記]───────────

 今回の分科会では、この「生活機能向上連携加算」に対する意見が多く出されました。加算の目的や意義は皆が認めるものの、算定率が「わずか数%」という実態は、当然のことながら「改善」が必要です。

 事務局は「ICT活用」を提案していますが、それで「問題点」が解決するとは思えません。やはり最善の策は「報酬単価のアップ」になると思われます。

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*****令和2年10月14日(水)第363号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・専門家会議「高齢者施設の面会と外出の緩和」を提言
─────────────◆◇◇◆◆

アドバイザリーボード提言 現在、政府の方針で高齢者施設の「面会」と「外出」が制限されているが、これが緩和される見込みとなった。厚生労働省の専門家会議(新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード)が、10月13日に開催した第10回会合で提言した=画像・黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 この提言を受け厚労省では、一部で制限を設けながらも、基本的に「面会」と「外出」を緩和する通知を発出する見込み。現在、高齢者施設等における「面会」と「外出」は、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」で次のように定められている。

 ▼「面会」について=医療機関及び高齢者施設等において、面会者からの感染を防ぐため、面会は緊急の場合を除き一時中止すべきこと。

 ▼「外出」について=医療機関及び高齢者施設等において、患者、利用者からの感染を防ぐため、感染が流行している地域では、施設での通所サービスなどの一時利用を中止又は制限する、入院患者・利用者の外出・外泊を制限する等の対応を検討すべきであること。

 以上の2点は5月25日時点の状況から判断したが、それ以降、感染状況は変化していることに加え、6月下旬以降の全国的な感染拡大について専門家会議は「感染者数の動向は地域により異なる」と分析した。

 同様に「新型コロナウイルス感染症の特徴や対処の仕方について、一定程度判明してきている段階にある」「6月下旬以降の流行では、感染予防や感染拡大防止に向けた早期検知、早期対応が進んだこともある」

 「首都圏などでは『大規模な』院内・施設内感染の発生は減少している」等と指摘した。また「新型コロナ感染症による高齢者の心身への影響について、活動の自粛等により、ADLの低下、認知機能の低下が見られたとの報告がある」等の問題点も挙げた。

 これらを踏まえ、専門家会議は次の2点を厚労省に提言した。

 ◆「面会」について=地域の感染状況等を踏まえ、管理者が制限の程度を判断し、引き続きオンラインでの実施も考慮しつつ、施設等において面会を実施する場合は、適切な感染防止対策を行った上で実施すべきである。

 ◆「外出」について=屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものは不必要に制限すべきではなく「三つの密」の回避、人と人との距離の確保、マスクの着用等の基本的な感染対策を行いながら、どう確保していくかという観点が重要である。

◇─[後記]───────────

 介護施設の現場では、例えば「施設に出入りする人は、体温が37度を超える場合は控えて頂く」等の、独自の対策を取っているところもあります。新型コロナの終息が見えない現状では、そのような「厳しい基準」も致し方ないとも言えるでしょう。

 ですが、専門家会議の分析の通り「面会と外出」の制限は、明らかに入所者のADLや認知機能の低下を招きます。近々、厚労省も「緩和」の通達を出すと思われますので「厳しい基準」を設けている介護施設もぜひ、一考してもらいたいと思います。

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*****令和2年10月13日(火)第362号*****

◆◇◆◆◆─────────────
東京都町田市、コロナ渦でも介護施設職員の相互派遣を行うスキームを構築
─────────────◆◇◇◆◆

 介護施設職員が新型コロナに感染するか、濃厚接触者となった場合は現場から「離脱」せざるを得ないが、その際に市内の介護施設で相互に職員を派遣し、施設の運営を継続させるスキーム(事業の枠組み)を、東京都町田市(石阪丈一市長)が構築した。

 町田市は10月5日、市内の介護サービス事業所で新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生した場合でも、介護サービスの提供体制を維持することを目的として「町田市介護サービス事業所人材連携に関する協定」を、市内の特養・老健の19法人と締結した。

町田市調印式 協定を締結したのは町田市と、市内で特別養護老人ホームを運営する14法人(17施設)と、介護老人保健施設を運営する5法人(5施設)と、町田市の外郭団体「町田市介護サービスネットワーク町田市介護人材開発センター」の4者=画像・協定締結の様子。右から二人目が石阪丈一市長

 【町田市が、市内5区域内の職員相互派遣の「要」となる】

 スキームの「要」となる町田市は、市内の介護施設で新型コロナの感染者情報等を入手した際に、その施設が「自助努力」で介護職員を充足できるかを確認する。ここで「難しい」と判断した場合は、今回の協定を締結した特養・老健施設に職員派遣を「打診」する。

 町田市は市内を5区域に分け、可能な限りその区域内で相互派遣を実施するが、仮に区域内でカバーすることが困難な場合は、市の外郭団体がその調整に当たる。派遣される職員は登録制で、事前に町田市が実施する説明会に参加することが義務付けられる。

 町田市では「新型コロナの感染はまだ終息しておらず、全国で起きた介護施設のクラスターの事例をみても、職員が『離脱』することで事業の継続が困難になる。今回は市内の特養・老健の運営法人の皆さんにご協力を頂き、協定が締結できた」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 新型コロナ対策としての介護職員の相互派遣は、国の予算でもその対象になっていますが、これは都道府県が「スキーム」を構築することが想定されています。東京都でも現在、この予算を使って「スキーム」を立案しているようです。

 また、介護業界でも職員の相互派遣の取り組みが実施されている事例はありますが、法人の系列を超えたケースは、例えば業界団体内での「スキーム」である事例が、現状ではほとんどだと思われます。

 町田市の取り組みは、自治体としてはこれらに先んじて独自に実施したもので、新型コロナ対策として行われましたが、今後も深刻な介護人材不足が予想される中で「将来」に備える意味でも、今回の町田市の「スキーム」は「全国の先進事例」と言えると思います。

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*****令和2年10月12日(月)第361号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・新型コロナ「慰労金」、円滑な申請を「再要請」、今後調査も……
─────────────◆◇◇◆◆

 新型コロナに感染した介護職員等へ最大20万円(もしくは5万円)が支払われる、いわゆる「慰労金」の支給について、厚生労働省は10月9日、介護関係団体や事業者等に向けて「円滑な申請」を求めて、第2回目の事務連絡文書を発出した。

 第1回目は8月26日に発出したがこの際は、厚労省が設置したコールセンターに、介護従事者等から「職員が『慰労金』の申請を希望しているのに、事業所・施設が『慰労金』を申請してくれない」

新型コロナ慰労金依頼第2弾 「事業所・施設が派遣労働者や受託業務従事者の分を申請してくれない」という声が多数届き、これを踏まえて介護業界団体等へ「着実な申請」を求めた。今回の第2回目の要請は先般、47都道府県の全てで「慰労金」の申請受付が開始されたことを踏まえたもの=画像・厚労省発表資料より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 【第2回目の要請は、給食・清掃・警備関係等の申請に重点を置く】

 厚労省は「これを機に、派遣労働者や受託業務従事者の『慰労金』の申請をあらためて要請した」と述べている。特に今回は「申請漏れ」が予想される派遣会社や、介護関係の業務を受託していると考えられる給食・清掃・警備関係事業者等を想定している。

 これらの従事者が「慰労金」を受給できるよう、介護サービス事業所・施設等に対して「必要な情報を提供頂くよう協力依頼を行った」としている。このため今回の第2回目は、給食・清掃・警備関係の業務受託事業者と、派遣事業者団体向けにも事務連絡を発出した。

 【「慰労金」想定対象者・400万人にキチンと支給されているか、今後調査も……】

 厚労省は、今回の「慰労金」の支給対象を「約400万人」と見積もっている。今般、47都道府県の全てで「慰労金」の申請受付が開始されたことを受け、厚労省では今後、全都道府県から「申請状況」の報告を受けることになる。

 この内容を精査し「もし、仮に『申請数が少ないのではないか』と推測されるようなケースがあれば、何等かの形で(3回目の)要請等を行うことがあるかも知れない」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 厚労省はこの「慰労金」の支給に対して、かなり「積極的」な姿勢で取り組んでいます。その背景にあるのは、第1回目の要請文にも書かれていた、厚労省のコールセンターに寄せられた介護従事者からの「苦情」が根底にあると思われます。

 また現在、介護業界は次期報酬改定に向けての議論の大詰めを迎えています。話しがやや飛躍してしまうかも知れませんが、業界団体が介護従事者のさらなる処遇改善等を求めていくのであれば、まずはこれらの「苦情」が出ないよう、自助努力が必要と思われます。

 厚労省が今後、各都道府県から提出された「申請状況」を受け「まだ、申請漏れがみられる」等と指摘するような、第3回目の要請文書が出されないよう、介護事業所等の経営者・管理職の方々には「足元」をしっかりと固めて頂きたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
厚労省・次期介護報酬改定「基本的な視点」を提示、人材確保は「喫緊かつ重要な課題」
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介護報酬改定・5つの基本的な視点 厚労省の有識者会議・介護給付費分科会の第187回会合が10日9日に開催され、次期介護報酬改定に向け、事務局(厚労省)は「5点の基本的な視点」を示した。この中の「介護人材の確保・介護現場の革新」では、人材確保を「喫緊かつ重要な課題」と位置付けた=画像・厚労省発表資料より。黄色のラインマーカーは弊紙による加工

 具体的には「介護職員の処遇改善や、介護職員のやりがい・定着にもつながる職場環境の改善に向けた取組を推進」「介護サービスの質を確保した上での、ロボット・ICTの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担の軽減を推進」

 「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減を推進」の3点を挙げた。今回、事務局が示した「5点の基本的な視点」とその概要は、次の通り。

 ◆【1、感染症や災害への対応力強化】=感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制を構築。

 ◆【2、地域包括ケアシステムの推進】=認知症の人や、医療ニーズが高い中重度の高齢者を含め、それぞれの住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を推進。

 ◆【3、自立支援・重度化防止の取組の推進】=高齢者の自立支援・重度化防止という制度の目的に沿って、質の評価やデータ活用を行いながら、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供を推進。

 ◆【4、介護人材の確保・介護現場の革新】=喫緊かつ重要な課題として、介護人材の確保・介護現場の革新に対応。

 ◆【5、制度の安定性・持続可能性の確保】=介護保険制度の安定性・持続可能性を高め、費用負担者への説明責任を果たし、国民の納得感を高めていく。

◇─[後記]───────────

 来年4月の介護報酬改定もいよいよ大詰めを迎え、今回はこの「5点の基本的な視点」を示したことで、これに沿って各サービス種別の「点数付け」の議論が本格化します。5点のうち「感染症や災害への対応力強化」を第1点目に挙げたのは、当然だと思います。

 しかし「介護人材の確保・介護現場の革新は、喫緊かつ重要な課題」と明記するのであれば、第4点目ではなく第2点目に挙げて、処遇改善の方策について抜本的な改革に取り組む姿勢を、ここで具体的に示して欲しかったと、弊紙では考えています。

 「財源は限られている」のは当たり前ですが、現状では「人材も限られている」のも事実です。簡単に結論が出る問題ではないことは承知の上で、今回の報酬改定で「人材確保のための、将来的な方向性」だけはぜひ、打ち出してもらいたいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
今年の「老人福祉・介護事業」の倒産・休廃業・解散件数が過去最多ペース
─────────────◆◇◇◆◆

 東京商工リサーチは10月8日、今年(2020年)1月から9月までの「老人福祉・介護事業」の倒産件数が94件であることに加え、これまで年間の倒産件数が最多だった2017年・2019年の111件を上回る「過去最多のペースで推移している」等と発表した。

 また「老人福祉・介護事業」の休廃業・解散件数も、年間最多件数が2018年の445件だったが、こちらも今年1月から8月までで313件と「過去最多を更新するペース」等と指摘している。

倒産・休廃業・解散の3種合計の棒グラフ これにより「老人福祉・介護事業」の倒産と休廃業・解散を合わせた合計件数でも、2018年の551件を最終的に上回り「年間600件に到達するかもしれない」等と分析している=グラフ・東京商工リサーチ発表資料より。また、「老人福祉・介護事業」の新型コロナ関連破たんは「3件にとどまった」という。

 【倒産の要因は、新型コロナ以前の深刻な経営不振+コロナ渦】

 倒産の要因では、無計画や未熟な経営を主因とする「放漫経営」が17件と、対前年同期比で倍増した。結果的に「新型コロナ感染拡大以前から深刻な経営不振に陥っていた事業者に、コロナ禍が重くのしかかる格好となった」と分析している。

 倒産件数・94件をサービス種別でみると「三密」になりやすいデイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」30件(2019年は年間で32件)、「訪問介護事業」46件(2019年は年間で58件)が、対前年同期比(1月から9月まで)で増加した。

 この結果について東京商工リサーチは「いずれも小・零細事業者が大半を占め、人手不足による人件費上昇が負担となった、構造的な問題を抱えた事業者の淘汰も目立つ」と述べている。

 今後の「老人福祉・介護事業」について同社では「国や金融機関などの新型コロナ支援で何とか踏みとどまり、介護事業を続ける小・零細事業者は多い。その一方で、先行きを見通せず休廃業・解散に踏み切る事業者も増えている」

 「今後、本格的な高齢化社会を迎える前に、コロナ禍の支援効果の息切れから『老人福祉・介護事業』の倒産が加速することが危惧される」と警鐘を鳴らしている。

◇─[後記]───────────

 倒産件数を2016年から見てみると、今年(2020年1月から9月)に至るまで、倒産件数の約半数が「訪問介護事業」です。その要因として東京商工リサーチでは「ヘルパー不足」を挙げています。

 介護業界では「人材不足の有効な打開策」が見いだせないのが現状ですが、この「しわ寄せ」は必ずサービス利用者に及びます。厚労省はこの「倒産件数」の現状も念頭に置いた上で、早急に抜本的な「ヘルパー不足」対策に取り組んでもらいたいと思います。

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(C)2020 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年10月7日(水)第358号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護実習生・技能実習計画認定件数、令和元年度は8967件、約4割はベトナム
─────────────◆◇◇◆◆

 技能実習制度の介護職(以下「介護実習生」)が、日本に来日して実習を開始するには、外国人技能実習機構から「技能実習計画」の認定を受けなければならないが、令和元年度の認定数が8967件で、このうち国別でベトナムが39・2%と約4割を占めた。

外国人技能実習機構業務統計・表紙 外国人技能実習機構が、10月2日に公表した「令和元年度外国人技能実習機構業務統計」=画像・外国人技能実習機構HPより=で判明した。これによると介護実習生は、技能実習1号(実習1年目)の認定数は7363件で、内訳は団体監理型(監理団体を通じて、介護実習生の受け入れる)が7340件だった。

 一方、企業単独型(企業が直接、介護実習生を受け入れる)が23件あった。また技能実習2号(実習2~3年目)の認定数は1604件で、内訳は団体監理型が1591件、企業単独型が13件だった。

 ■令和元年度・介護実習生・技能実習計画認定件数=8967件
 ▼技能実習1号=7363件(団体監理型=7340件、企業単独型=23件)
 ▽技能実習2号=1604件(団体監理型=1591件、企業単独型=13件)

 また「8967件」の国別の内訳件数をみると、第1位がベトナムで3523件(全体の39・2%)、第2位がミャンマーで1486件(全体の16・6%)、第3位がインドネシアで1423件(全体の15・7%)、第4位が中国で1173件(全体の13・0%)と続いた。

 ■「8967件」の国別の内訳件数と割合
 ▼第1位=ベトナム・3523件(39・2%)
 ▼第2位=ミャンマー・1486件(16・6%)
 ▼第3位=インドネシア・1423件(15・7%)
 ▼第4位=中国・1173件(13・0%)
 ▽第5位=フィリピン・615件(6・9%)
 ▽第6位=モンゴル・254件(2・8%)
 ▽第7位=カンボジア・155件(1・7%)
 ▽第8位=タイ・82件(0・9%)
 ▽その他=256件

◇─[後記]───────────

 正確にば「技能実習計画の認定件数=日本国内で現在働いている介護実習生の数」ではありませんが、介護実習生ではまだ、技能実習2号を修了した人はいないので、この「8967」にいくらか加算した数が、今年3月末時点の介護実習生の数と推測することができます。

 すると「今年3月末時点で約9千人」となります。また、技能実習1号の認定件数・7363件を単純に12ヶ月で割ると、1ヶ月当たり613件になり「令和元年度は毎月、約600人の介護実習生が来日した」とみることもできます。

 ただ今年に入ってから新型コロナの影響で、日本への入国制限等がありましたが、日本政府も外国人の入国制限の緩和策を進めています。このような「困難」を乗り越え、再び「毎月約600人」が入国すれば、介護技能実習制度は「定着した」と判断できるでしょう。

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*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和2年10月6日(火)第357号*****

◆◇◆◆◆─────────────
技能実習生「保証金はない」約9割、例え預けても「全額返金された」約7割
─────────────◆◇◇◆◆

 技能実習生が、自らの意思に反して劣悪な労働環境で働き続ける原因の一つに「保証金」の存在が指摘されているが、日本での実習を終えて帰国した元実習生に尋ねたところ「保証金等はない」と回答した人は87・4%だった。

補償金の有無等 外国人実習機構が10月2日「技能実習制度に関する調査」の令和元年度版を公表し、この中で指摘した。同調査は毎年実施されており「保証金はない」と回答した人はここ数年増加傾向にあり、今回の87・4%は過去最高となった=グラフ・外国人技能実習機構の発表資料より

 【「保証金はない」と回答した人の割合】=上のグラフのえんじ色部分
 ▽平成27年度=77・8%
 ▽平成28年度=83・0%
 ▽平成29年度=83・2%
 ▽平成30年度=81・5%
 ▼令和元年度=87・4%

 一方で「保証金を預けた」と回答した人は9・5%で、この回答者に対して返還状況を尋ねたところ「全部返還された」と回答した人は69・8%となった。こちらは前回の平成30年度調査の72・8%に次いて、過去2番目の高さとなった。

 【「全額返還された」と回答した人の割合】=下のグラフの濃い水色部分
 ▽平成27年度=64・5%
 ▽平成28年度=63・3%
 ▽平成29年度=66・1%
 ▼平成30年度=72・8%
 ▽令和元年度=69・8%

 また調査を実施した、外国人技能実習機構によると「保証金」とは「技能実習生本人または親族などから送出機関や監理団体に預ける金品・不動産などを指し、実習生本人が失踪した場合等に、それら機関に対する保障に充てられるもの」

 「なお、日本への渡航費用などの工面のために行う借金のことではない」と定義している。同調査は、技能実習を修了した全ての技能実習生(平成30年度までは技能実習2号を修了した技能実習生)のうち、令和元年8月から 11 月までの間に帰国した人が対象。

 その全体数は2万4789人(中国・ベトナム・インドネシア・フィリピン・タイ)で、有効回答者は7096人。回答率は28・6%だった。調査は、対象者の所属する監理団体(または企業単独型実習実施者)に対し、回答方法の案内書を送付した。

 調査対象者は 帰国後に調査票に回答し、母国から外国人技能実習機構調査事務局に調査票を返送、または母国からオンラインにより回答した。回答は無記名で、多肢選択方式(一部自由記述欄あり)。

◇─[後記]───────────

 この調査で外国人技能実習機構はおそらく「保証金を預けて来日する技能実習生は全体の1割に過ぎず、この1割の人も『全額返金された』のが約7割におよぶ。そもそも保証金は『借金』ではない」と主張したいものと思われます。

 「本当にそうなのか?」と疑問が浮かびます。そもそも調査の対象者が実習を終えて「無事に帰国した外国人材」です。外国人技能実習機構が本当に「保証金は、技能実習制度の問題要因ではない」とするのであれば「帰国後」ではなく「入国時」に調査をすべきです。

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*****令和2年10月5日(月)第356号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ツクイ・新型コロナの影響「5月が底で対前年比-8・8%だったが7月には回復」
─────────────◆◇◇◆◆

 介護業界大手のツクイは、今年10月1日から持ち株会社体制に移行し、商号を「ツクイホールディングス」に変更したが、その発表を兼ねて10月5日に、2021年3月期業績予想説明会を開催した。

 ここで新型コロナが業績に与えた影響について、同社の取締役COOに就任した高畠毅グループ戦略室長が、デイサービスの状況を取り上げて説明した。これによるとデイサービスの顧客数は、新型コロナの影響で今年5月が対前年比で-8・8%減となった。

ツクイ業績予想折れ線グラフ 高畠COOは「しかしこれがボトム(底)となり、その後7月には前年とほぼ同数にまで回復した。8月と9月は(新型コロナの)第1波ほどではないが、第2波の影響により顧客数は横ばいで推移するなど、少し影響が出ている」等と述べた=グラフ・ツクイ発表の資料より

 この点について、日本介護新聞は回復基調の要因と、今後の「ウイズ・コロナ」「アフター・コロナ」を見据えた経営戦略を質問したが、高畠COOは「利用控え対策として、資料の配布」「すでに、デジタル環境への投資を開始している」等と回答した。

 弊紙と高畠COOとの質疑応答は、次の通り。

 ▽弊紙=5月のボトムから「7月には前年とほぼ同数にまで回復した」とのことだが、これはデイサービスの「利用控えが解消された」ということか? そうだとすれば、どのような取り組みを実施したのか?

 ▼高畠COO=結果的には、7月には「利用控え」も例年程度にまで回復した。このための取り組みとして、弊社では独自に「デイサービス継続利用の効果」の調査を実施し、この結果をケアマネジャーやご家族向けに、資料として配布した。これが、効果があったと思う。

 ▽弊紙=今後の企業の事業展開について、世間では「ウイズ・コロナ」「アフター・コロナ」とも言われているが、御社はこの点で経営上変化した部分はあるのか?

 ▼高畠COO=今期は、政府からも新型コロナに対する様々な補助金が出ているが、われわれとしても介護現場へのタブレットの導入をはじめ、デジタル環境への投資を開始している。この点が、最も変わった点ではないかと考えている。

◇─[後記]───────────

 新型コロナの影響は、ツクイからみれば「昨年度の利益にまでは回復できないものの『大打撃』にまでは至らない」と言えそうです。ツクイは持ち株会社への移行があった関係で、この時期に2021年3月期の業績予想を発表しました。

 今後、他の介護業界大手が中間決算を相次いで発表します。ここでも弊紙では、新型コロナの影響に着目して、各社の業績にどの程度の影響が及んだのか、どのような点で「変革」に取り組んでいるのか、逐次取り上げていきたいと思います。

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*****令和2年10月2日(金)第355号*****

◆◇◆◆◆─────────────
関節リウマチの治療で、約3割が「治療目標の設定・共有ができていない」
─────────────◆◇◇◆◆

 関節リウマチの治療で、約3割のケースで医師と患者が治療のための、目標設定とその共有が「できていない」ことがわかった。米国の医薬品企業アッヴィの日本法人である、アッヴィ合同会社が10月2日に開催した、関節リウマチのセミナーで公表した。

 アッヴィは今年7月に、20代から70代の関節リウマチの患者100人(男性41人・女性59人)と、関節リウマチ治療を行う医師100名を対象に、関節リウマチ治療における「患者さんと医師のコミュニケーションと、治療満足度に関する意識調査」をWebで実施した。

 この結果、関節リウマチ治療で患者と医師が「十分にコミュニケーションが取れている」と感じている患者ほど、治療満足度が高い傾向にあることがわかった。また患者と医師のいずれも3割が「治療目標の設定・共有ができていない」ことも明らかになった。

治療目標設定・共有円グラフ 【患者と医師に「治療目標の設定・共有」を尋ねたアンケート項目】=円グラフ・アッヴィのセミナー資料より

 ■患者に対する質問=あなたは、関節リウマチの治療開始時に、医師と治療目標(=例えば医師から「一定の状態になることを目指して、治療をして行きましょう」と言われる)を設定し、共有しましたか?

 ▽回答=「はい」66%
 ▼回答=「いいえ」34%

 ■医師に対する質問=先生は治療開始時に、関節リウマチの患者さんと治療目標を設定し、共有していますか?

 ▽回答=「はい」75%
 ▼回答=「いいえ」25%

 この結果を解説した、愛知県医療療育総合センターの石黒直樹総長は「今後の課題として、医師は考えるべきだ」と指摘し「医師と患者が治療目標を設定して共有すること」の重要性を説いた。

 【アンケート結果に対する、石黒総長のコメント】

 ▼患者と医師が、治療目標を設定して共有することは非常に重要で、私は「登山」に例えている。医師が「あなたはこれから〇〇という山に登るんですよ」と。その目標を最初に決めないと、患者さんは「これからどこへ行ったらいいの?」と迷ってしまう。

 ▼「どうやって、これから高い山に登るのか?」という時に、最も短距離で登るには、どういった選択をすべきなのか──これは薬剤(という道)であるかも知れないし、あるいは道の変更かも知れない。

 ▼そういったことを常に考えながら「治療目標」という高い山に登っていくことが大切だ。これが、およそ3分の1で「できていない」というデータが今回示された。これは今後の課題として、医師は考えるべきだ。

 ▼この「治療目標が設定されている」ということは、患者さんの「治療の満足度」に当然帰結する。つまり患者さんの「参加」と「理解」があれば、満足度も当然高まる。そして山に登る途中で「共通の物差し」により、活動を評価することができる。

 ▼例えば「今、1合目まで来ましたけど治療の具合はこの通りですよ」ということを常に知りながら、そして「目標が達成できるのか」を考えながら「道筋」を選ぶことができる。これは例えば「薬剤を変更する」「薬剤の量を増やす」こと等が該当する。

 ▼このようなことが必要になったら、それを客観的に「(患者と主治医が)お互いに考えて」進んでいくことが必要になる。改めて指摘するが、患者さんと主治医が「治療目標を共有する」ことは、その「山」がある以上、絶対に必要だ。

 ▼これからどこへ進むかわからないのに(主治医が)「とにかく、付いて来なさい」というのは、全くの時代遅れだ。ぜひとも目標設定を、お互いの話し合いで決めて頂きたい。そして決めたことをキチンと実行する。これが重要だ。

◇─[後記]───────────

 今回は関節リウマチに関するアンケート調査と、その結果を解説するセミナーでしたが、弊紙ではこの結果が「関節リウマチの分野に止まらず、他の医療分野も同様ではないか?」と考えています。

 今回のセミナーでは、実際に関節リウマチの治療を継続している患者さんも登壇して、これまでの経緯や現在の心情を語っています。介護の世界でもそのまま通じるような、貴重な内容であるため、近日中に本紙「エンドユーザ─版」で詳細を掲載したいと思います。

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◆◇◆◆◆─────────────
「介護人材の確保は『人材流出の食い止め』を問題意識としてもつべき」
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退職理由グラフ 厚生労働省が「介護人材の確保」を有識者会議で議論する際に、「前職の仕事をやめた理由」の上位に「職場の人間関係」や「法人・事業所の理念や運営のあり方に対する不満が挙げられる」と指摘した資料を公表しているが=グラフ・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは弊紙による加工=これに有識者の委員が「異議」を唱えた。

 9月30日に開催された介護給付費分科会の第186回会合で、労働組合の連合の代表として出席した伊藤彰久委員が指摘した。伊藤委員は「資料は、介護職から介護職へ転職した人を対象にした調査で、これを元に議論するだけでは不十分だ」と述べた。

 また他の資料や、連合が独自に調査した内容を挙げて「賃金の改善こそが、勤務を継続するための有効な手段だ」と主張した。厚労省が資料として出している「前職の仕事をやめた理由」は、介護労働安定センターが「介護労働実態調査」として実施した内容。

 この資料に対して厚労省は「退職をした理由として、上位に『職場の人間関係』や『法人・事業所の理念や運営のあり方』に対する不満が挙げられるとともに、『収入が少なかったため』という理由をあげている割合も15・5%となっている状況」と解説している。

 この点に対する、介護給付費分科会での伊藤委員の発言内容は次の通り。

 ▼人材確保を議論するための資料として、提示されている内容で「前職の仕事をやめた理由」の第1位は「職場の人間関係に問題があったため=23・2%」とあるが、これは「介護職から介護職へ」転職した人の回答だと思う。

 ▼やはり「人材流出の食い止め」を問題意識として持つべきだ。その意味で「介護職から介護職へ」転職した人の意見だけでは不十分だ。連合で、複数の事業所の管理者に聞いた話しでも、福祉用具に関わる正規の男性社員が「結婚を機に退職して転職した」事例がある。

 ▼また「(介護が)無くならない仕事として続けてきたが、きつさに比べて収入の低さで他業種への転職をした」という小多機の正規の男性職員。さらに「人手不足だから(採用を)断られることがないと考えて(介護職に)入ったが、元々一時的と考えていた」

 ▼「その後、本来やりたかった仕事に就けるチャンスが来たので辞めた」という、グループホームの非正規の男性職員など、このような事例は枚挙にいとまがない。やはり、適切な資料に基づいた検討が必要だ。

◇─[後記]───────────

 伊藤委員が指摘した点は「まさに、その通り」だと思います。介護職から介護職への「転職」であれば、次の職場を選ぶ際に「慣れた仕事」を優先的に選ぶと思われます。また介護職から他業種への「離職」であれば、当然「給与」が理由の上位に挙がると推測されます。

 しかし残念ながら弊紙では、介護職から他業種へ「離職」した人を対象にした調査は、これまでに1度しか目にしたことがありません。その調査では確かに「給与」が「離職」理由の第1位だったと記憶しています。

 これまで「介護人材の確保」の議論では、厚労省の資料を元に「離職希望者の相談窓口を設ける」「キャリアアップの道筋を明確に示すべき」との施策が検討されてきましたが、ここは伊藤委員の指摘通り「人材流出の食い止め」の観点からの再検討が必要でしょう。

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