日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2019年12月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年12月27日(金)第171号*****

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介護保険・改正議論、懸案事項は素案通り「見送り」に
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 次期介護保険制度の改正に向けた議論で、最大の注目点となった制度の持続性(=給付と負担の見直し)は、素案で「引き続き検討」とされた事項は全て、最終の「とりまとめ」でも「引き続き検討」と記述され、実質的に今回の改正では「見送り」となった。

介護保険部会 12月27日に都内で開催された有識者会議・介護保険部会=写真・多くのマスコミ(写真中央)や一般の傍聴者(写真手前の着席者)が議論の決着を見守った=で、会議の事務局である厚労省が示した最終的な「とりまとめ」案(表題=介護保険制度の見直しに関する意見)を、出席した委員が全会一致で了承した。

 ただし、多くの項目が「見送り」になった点について委員からは「これで本当に介護保険制度が維持できるのか」等、懸念を示す声が多く聞かれた。これで制度改正の基本的な方針が示され、今後は介護保険の「点数付け」を検討する介護給付費分科会に議論の場が移る。

 「とりまとめ」で示された「給付と負担」の8項目の結果は、次の通り。

 ■(1)被保険者範囲・受給者範囲=介護保険を取り巻く状況の変化も踏まえつつ、引き続き検討

 □(2)補足給付に関する給付の在り方=負担能力に応じた負担とする観点から、補足給付の支給要件となる預貯金等の基準の精緻化を図る(=見直しを実施)

 ■(3)多床室の室料負担=負担の公平性の関係から引き続き検討

 ■(4)ケアマネジメントに関する給付の在り方=幅広い観点から引き続き検討

 ■(5)軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方=利用者への影響等を踏まえながら、引き続き検討

 □(6)高額介護サービス費=負担上限額を医療保険の高額療養費制度の負担上限額に合わせる(=見直しを実施)

 ■(7)「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準=利用者への影響等を踏まえつつ、引き続き検討

 ◇(8)現金給付=現時点で導入することは適当ではない

 結果的に、8項目中5項目が「引き続き検討」(=見送り)になった点について、委員からは「最終的に『とりまとめ』を了承する」ことを前提に「制度の持続性に対する懸念」を指摘する声が多く上がった。主な意見は、次の通り。

 ▼全体的に「小幅な改革」に止まったのは残念。結果は了承するが、(「積極的な見直しが必要」とする)私のスタンスに変化はない。

 ▼今回は極めて「踏み込み不足」。(介護保険制度の)3年に1度の大事なタイミングであっただけに、非常に残念。今後は「どこまでを介護保険で賄うのか」を議論する必要がある。

 ▼「引き続き検討」と述べられているが、これは「見送り」であり非常に残念だ。(「見送り」で現行制度を維持しようとすれば)介護保険料をアップするか、2号被保険者の対象を拡大するか、どちらかしかない。この議論は「待ったなし」だ。

 ▼地域の高齢者を支えようとすれば、介護保険だけではもう「限界」だ。(3年後の)次(の改正で)は、制度の抜本的な見直しが必要となる。

◇─[後記]───────────

 結局、12月16日に事務局が示した「とりまとめ」の素案は、文言の修正以外は全て素案通り、最終的な「とりまとめ」でも「引き続き検討」と記されました。しかし、ここに至るまでに厚労省はかなり「苦労」したようです。

 特に、上記のような「懸念」を強く示してきた委員には個別に「説得」し、その主張を「とりまとめ」に盛り込むことで「納得」してもらったようです。その作業は今回の部会が開催される寸前にまで及んだようです。

 いずれにせよ、これで制度改正の方向性は示されたことになり、次は「点数付け」の議論に入ります。また上記の委員の指摘通り、次回の改正となる3年後の議論では「抜本的な見直し」が迫られ、しかも今度こそ「待ったなし」となることは間違いありません。

 【日本介護新聞「ビジネス版」は、年内の配信は今号を最終とさせて頂きます。新年は1月6日から再開いたします。その間、年末年始のお休みは「エンドユーザー版」で連載記事の配信を予定しておりますので、ぜひこちらもご覧ください】

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(C)2019 日本介護新聞

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*****令和元年12月26日(木)第170号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特養の入所待機者は約30万人、要介護3が約4割
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 特別養護老人ホーム(特養、地域密着型を含む)に入所を申し込んでいるが、入所していない人(=入所待機者、厚労省は「入所申込者」と表記)の状況を、今年4月1日時点で調査した結果29・2万人で、要介護3が39・7%だった。厚労省が12月25日に発表した。

特養入居待機者 今回の結果は「平成31年度調査分」として公表したが、前回の「平成28年度調査分」では29・5万人で、入所待機者は3千人減少した。今回調査分の29・2万人を「在宅」と「非在宅」でみると、「非在宅」の方が6万人多かった=表・厚労省の発表資料より

 具体的には「在宅」が11・6万人(前回調査比7千人減)。「非在宅」が17・6万人(前回調査比4千人増)だった。特養は原則、要介護3以上でないと入所できないが、入所待機者を要介護度別にみると「要介護3」の割合が最も高かった。

 具体的には「要介護3」が11万5千人(39・7%)、「要介護4」が10万5千人(36・0%)、「要介護5」が7万1千人(24・3%)。また要介護1か2で、居宅での生活が困難と認められる人は「特例入所」とされ、「29・2万人」とは別に3・4万人あった。

 また、特養の入所申込は単一ではなく、複数の施設へ申し込むことができるが、この点について厚労省は「重複申し込みを排除して入所申込者(=入所待機者)の実数に近づけるよう、(調査を実施した)各都道府県に依頼している」と述べている。

 入所待機者を都道府県別に「多い順」「少ない順」にみると、上位3都県は次の通り。

 ■多い順=東京(2万5千人)、神奈川(1万5千人)、兵庫県(1万3千人)
 □少ない順=徳島(1281人)、和歌山(1677人)、石川(1722人)

◇─[後記]───────────

 これは何度か書きましたが、弊紙発行人はある自治体の介護保険の運営委員を3年間務めましたが、その際に「当面、特養は必要がないのでつくらない」との報告を受けたことがありました。その理由を尋ねると、近隣の自治体との「数字の比較」を根拠に挙げました。

 弊紙発行人は「それはおかしい。要介護3以上の人が、在宅でも十分に介護サービスを受けられる見込みを根拠とすべきで、そこから外れた人の数を勘案して特養を新設すべきだ」と発言しましたが、「すでに決定した事項」として「スルー」されてしまいました。

 特養の設置は、市町村でその基準が異なりますが、「数字の比較」ではなく、せめて「在宅サービスを受けることが困難な人」を、その根拠としてもらいたいと思います。それにしても、前回調査より「3千人減少」したのは果たして「良いこと」なのか……疑問です。

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(C)2019 日本介護新聞

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*****令和元年12月25日(水)第169号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特定技能・建設、「日本人と同等」を業界が自主監査
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 技能実習制度では、職種を問わず「日本人との同等報酬」が求められているが、実際にはこれが順守されておらず「実習生の失踪」等のトラブルに至る事例も多い。新たな在留資格・特定技能でも今後、同様の問題が起きることが懸念されている。

 そのような中、建設業界では特定技能で来日する外国人を対象に、「日本人との同等報酬」も含めた待遇面・労働環境を、業界団体が自主的に監査する仕組みを構築した。建設業界の団体である一般社団法人建設技能人材機構(略称・JAC)が中心的役割を担う。

 12月23日に、建設業界の監督官庁である国土交通省がJACに対し、特定技能外国人の「適正就労監理機関及びその業務」を定める通知を発出するとともに、建設業者団体等宛てに、元請企業が果たすべき役割を示した「下請指導ガイドライン」の改正を行い、通知した。

フィッツのHP これによると仕組みの要となるのは「適正就労監理機関」で、今回の国交省の通知でJACから委託を受けた業界団体、一般社団法人国際建設技能振興機構(略称・FITS)が指定され、建設事業者が受け入れた特定技能外国人に対する「受入れ後講習」を実施する=写真はFITSのホームページより

 建設業で特定技能外国人を受け入れた事業者は、来日して3ヶ月以内にFITSが開催する「講習」を受講することが義務付けられる。ここでFITSは受講生である特定技能外国人に直接、「受入れ事業者が計画通りに賃金を支払っているか」等を尋ねて確認する。

 もし「適正」でなければ、受入れ事業者を指導する。この他にも、JACとFITSは協力して受入れ事業者の巡回指導や、特定技能外国人が受入れ事業者を介さずに直接相談ができる「母国語相談ホットライン」も開設する。

 実質的にJACとFITSは、特定技能制度における「登録支援機関」の支援業務を担うことになる。また結果的に、「日本人との同等報酬」を特定技能外国人に直接確認することで、行政が受入れ事業者に立ち入り検査等に入る前に、業界が「自主監査」することになる。

◇─[後記]───────────

 技能実習制度が世間から批判を浴びる大きな理由に「実習生の劣悪な労働・生活環境」と「最低賃金を下回る等の違法な給与実態」等が挙げられます。これらは本来、監理団体がその改善指導を行うべきですが、現実にこれらが「事件」として何度も報じられています。

 建設業は、「外国人技能実習生のうち失踪者数が分野別で最多」だそうです。今回の「自主監査」の仕組みも、この「悪しき実績」の反省の上に立って構築されたものでしょう。特に注目されるのは、監督官庁である国交省がこの仕組みを「発表」していることです。

 建設業界が特定技能で受け入れている外国人は、11月末時点で59人(介護は19人)。まだ受入れが始まったばかりの段階でこの仕組みを構築したことに、建設業界の官民挙げた「熱意」が読み取れます。

 法務省の発表によれば、建設業界は特定技能外国人の受入れ見込み数が「5年間で最大4万人」(介護は6万人)だそうです。介護業界は建設業界とは「仕組み」が違いますが、このような他業界の取り組みを参考に「人材確保への本気度」を見せてもらいたいものです。

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(C)2019 日本介護新聞

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*****令和元年12月24日(火)第168号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特定介護・海外試験、2科目とも平均合格率は「約4割」
─────────────◆◇◇◆◆

 今年4月に制度がスタートした特定技能の介護職(以下「特定介護」)の海外試験2科目(技能試験・日本語試験)で、4月から9月までにフィリピン(4~9月の毎月)とカンボジア(9月のみ)で実施された試験の平均合格率は、2科目とも「約4割」だった。

菅長官 特定技能制度を総括的に管理する、法務省・出入国在留管理庁が12月20日、首相官邸で開催された「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の第6回会合=写真・閣僚会議の概要を、当日の定例記者会見で説明する菅官房長官。首相官邸HPより=で、「特定技能制度の運用状況について」と題した資料を提出し、この中で詳細を発表した。

 資料では11月末時点の集計を速報値として公表した。これによると、特定介護の在留数は19人で、全14業種の特定技能の在留数は1019人だった。このうち、特定介護で4月から9月までに実施された2ヶ国の海外試験(2科目)の結果は、次の通りとなった。

 ■技能試験=受験者1440人、合格者607人(合格率42・2%)
 ■日本語試験=受験者1459人、合格者631人(合格率43・2%)

 ただし特定介護は10月以降に国内試験も実施され、海外試験もフィリピン・カンボジアに加え、3ヶ国(インドネシア・ネパール・モンゴル)で実施されている。国内試験も含めれば合計6ヶ国となっており、12月以降もこの6ヶ国で試験は継続されている。

 また、特定介護では2科目の試験の合格が義務付けられているが、介護以外の特定技能の全職種では「技能試験」の1科目のみが実施されている。このため介護職を含めて、特定技能の国内・海外の「技能試験」は4月以降、8分野・10業種で実施された。

 このうち、試験結果が未発表の5業種を除いた合計5業種の、「技能試験」の受験者数・合格者数(合格率)は次の通りとなった。

 ◆「技能試験」5業種=受験者数5574人、合格者3322人(合格率60・0%)

 また、特定技能の全職種共通の資格取得要件として、「技能試験」(介護職の場合は「日本語試験」も加わる)の他に、日本語能力要件として「日本語能力試験」N4以上を取得するか、「国際交流基金・日本語基礎テスト」に合格する必要がある。

 このうち、特定介護の受験者を対象とした「日本語基礎テスト」で、フィリピン(4月から9月までに実施)とカンボジア(9月に実施)の受験者数・合格者数(合格率)は、次の通り。

 ◆「日本語基礎テスト」=受験者数649人・合格者数267人(41・1%)

◇─[後記]───────────

 特定介護は、10月以降に試験開催国が増えています。さらに4月から現在に至るまで毎月試験を実施してきた「最大の特定介護の送り出し国」であるフィリピンが12月4日にようやく、合格者に対して事実上の「出国許可」を出しています。

 これらの点を考慮しても、特定技能全職種の「技能試験」合格率が6割であることを考えると、特定介護の「約4割」は低いと言わざるを得ません。また「日本語基礎テスト」は、日本語能力試験N4と同レベルで実施されていると推測されます。

 こちらの合格率も「4割」です。こちらも、おそらく「本気」で来日を志す外国人材は、現地の学校で日本語を学ぶ関係上、基本的に2科目の試験と同日に実施される「日本語基礎テスト」を可能な限り回避して、日本語能力試験の方を選択すると思われます。

 それを考慮しても、こちらも合格率が「約4割」です。昨日の弊紙「ビジネス版」の[後記]で「今後も、同様の理由で介護実習生は増え続けると思われます」と書きましたが、どうやらこの予想は、かなり高い確率で「当たり」そうです。

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*****令和元年12月23日(月)第167号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護技能実習・1年目修了試験合格者、11月末で958人
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 技能実習の介護職(以下「介護実習」)の1号(実習1年目)終了試験の合格者が、11月末時点で958人となった。試験の実施主体であるシルバーサービス振興会が、このほど公表した=表・同振興会作成

11月末合格者数 同試験が初めて実施されたのが今年3月で、その月の合格者は4人だった。以後、4・5・6・7月と合格者は二ケタで推移し、8・9月は100人台と増加し、10・11月は200人台となり、11月は220人(受験者223人)だった。

 累計の受験者数は963人で合格者は951人。合格率は98・7%で、不合格者は12人。このうち7人が再受験して全員合格している。同修了試験に合格しないと、介護実習生は技能実習2号(実習2・3年目)に移行できずに帰国せざるを得なくなる。

 このためシルバーサービス振興会では、再試験が必要になるケースも想定して「早めの受験」を呼び掛けており、このため11月の受験者はほとんど、今年に入ってから入国した介護実習生とみられる。

◇─[後記]───────────

 同修了試験の受験者は、9月が102人だったのに対して10月はその約3倍の295人に急増しています。この月の受験生はほぼ、昨年夏頃までには入国した介護実習生と考えられます。その後、昨年の12月8日には国会で特定技能法案が成立しました。

 つまり今後、同修了試験を受験する介護実習生は「日本では新たに『特定技能』という在留資格が新設され、介護職も含まれる」ことを情報として知りつつ、その上で「介護実習」を選択したと思われます。

 弊紙も、今年4月に来日したベトナムの介護実習生を直接、5月に取材することができました。その実習生は「まずは3年間、日本で介護職として働きたい。特定技能が始まることは知っていたが、技能実習の方がしっかりと介護が学べると思った」

 「だから私は当初からの予定通り、介護実習生として日本へ行く道を選んだ」と答えてくれました。現在の特定技能の運営状況と実態をみると、この介護実習生の選択は「正解」と言えるでしょう。また今後も、同様の理由で介護実習生は増え続けると思われます。

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◆◇◆◆◆─────────────
令和2年度当初予算、介護給付費は約3兆4千億円で5・4%増
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閣僚会議 政府は12月20日、令和2年度(2020年度)の当初予算案を閣議決定した。社会保障費は一般会計総額(102兆6580億円)の34・9%に当たる35兆8608億円(対前年度比5・1%増)で、このうち介護給付費は3兆3838億円(同5・4%増)となった=写真は当日開催された関係閣僚会議・首相官邸HPより

 社会保障費の増加分について財務省は、「自然増が5300億円と見込まれる中、実勢価格の動向を反映した薬価改定や、これまでに決定した社会保障制度改革の実施等の様々な歳出抑制努力を積み重ねた」

 「この結果、社会保障関係費の実質的な伸びは対前年度+4111億円となり、計画における社会保障関係費の実質的な伸びを『高齢化による増加分(令和2年度+4100億円程度)におさめる』という方針を着実に達成した」と述べている。

 また財務省は、「各歳出分野において、メリハリ付けを行いつつ必要な予算を措置した」としており、介護分野では次の3点を挙げた。

 1、認知症施策推進大綱に基づく施策の推進【125億円(元年度=119億円)】

 「認知症施策推進大綱」(令和元年6月18日・認知症施策推進関係閣僚会議決定)に基づき、認知症サポーターの活動(チームオレンジ)の全国展開の推進、認知症医療拠点の整備・機能強化、官民連携による認知症に関する取組の強化、認知症研究の推進等を実施。
 
 2、地域支援事業の拡充【1972 億円(元年度=1941億円)】

 地域包括ケアシステムの実現に向けて、高齢者の就労的活動をコーディネートする取組等を新たに支援しつつ、高齢者の社会参加・介護予防に向けた取組及び認知症の人への支援の仕組みづくり等を一体的に推進。
 
 3、介護ロボットの開発・普及の加速化【5億円(元年度=5億円)】

 利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する観点から、介護ロボットの開発実証・普及のプラットフォームを構築することにより、介護ロボットの開発・普及を促進。

◇─[後記]───────────

 今回の当初予算案から財務省は、「社会保障費全体を、高齢化による増加分に収めたのだから、介護もこれに準じますよ」というメッセージを、介護業界に向けて発しているように受け取れます。

 また本日、厚労省は12月27日(金)官庁の御用納めの日に介護保険部会を開催して「とりまとめ案」を提示すると発表しました。前回の「案」で「空欄」とした項目(軽度者への生活援助サービス等)が、果たして本当に全て「見送り」になるのか──。

 「全て見送りたい」と要望する厚労省と、「見送らずに実施するべき」とする財務省の最後のせめぎ合いが、週明けの月曜から、介護保険部会開催前日の木曜まで、政治家も絡んで水面下で繰り広げられるものと思われます。

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医療介護現場の食事介助、24%が「10人以上」担当
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 医療機関や介護施設に勤務している看護師や介護士の7割以上が「慢性的な人手不足」を実感し、特に「食事介助」では調査先の8割が濃厚流動食を提供しており、1人で利用者10人以上を担当する職員が全体の24%で、この階層の平均は26・6人だった──。

ネスレ日本調査 このような調査結果を、12月10日にネスレ日本株式会社が発表した。同調査は、医療・介護現場に勤務する職員3千人を対象に「看護・介護現場での労働環境に関する実態調査」を実施したもの。これによると回答者の74%が「慢性的な人手不足」を実感している。

 この「人手不足」により負担が大きい業務として、上位は「入浴介助」「食事介助」「排泄介助」の順となり、同社では「体力や精神的なタフさが必要とされる業務が挙げられている」と述べている。

 この中で「食事介助」では、調査先の8割が濃厚流動食(経管栄養利用者向けの食事)を提供しており、看護師・介護士1人あたりの担当人数は平均で9・1人だったが、最も多かったのは、1人で10人以上を担当する階層で全体の24%もあった=グラフ

 さらに、この階層の平均担当人数は26・6人だった。この結果について同社では「1人当たりの受け持ちの利用者数が多いほど、『濃厚流動食の提供業務』が看護師・介護士の負担となっていることが推察される」等と分析している。

◇─[後記]───────────

 弊紙の読者の方で、現在は介護現場を離れられていますが、一時的に特養で派遣社員として短期間勤務された方がおられます。この方は「入浴介助」を割り当てられ、その担当人数が「毎日40人で、体力的にかなりきつい」と言われていたのを思い出しました。

 また「本当はもっとゆっくり入浴させてあげたいのだが、結果的に複数の職員による『流れ作業』のようになってしまい、いつも申し訳なく思っていた。それでも『暖かなお湯につかれて楽になった。ありがとう』と言われると、泣きそうになった」そうです。

 同調査では、これらのハードワーク対策として「25%が業務改善に取り組んでいる」そうですが、今後も介護サービスを受ける方は年々増加します。この現場の過酷な状況が少しでも和らぐよう、官民あげて早急に対策を講じる必要があります。

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*****令和元年12月18日(水)第164号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護保険制度改正、加藤大臣「丁寧に議論を進め、成案を得る」
─────────────◆◇◇◆◆

 12月16日に開催された介護保険部会で、次期介護保険制度改正の「とりまとめ案」が提示されたことを受け、翌日の12月17日に厚労省内で開催された大臣会見で、加藤勝信大臣が同部会の「とりまとめ」について「年内に行うべく、丁寧に議論を進める」と述べた。

 大臣会見=写真・厚労省HPより=の内容は、次の通り。

加藤厚労大臣 □記者=昨日の介護保険部会で、次期制度改正に向けた制度の見直し案が示された。高齢者の負担増につながる施策の多くが見送られたことから、委員からは「踏み込み不足」といった趣旨の発言も出た。

 □団塊の世代が後期高齢者入りする2022年が目前に迫る中で、今回の見直し案で制度の持続可能性が維持できるとお考えか?

 ■加藤大臣=「踏み込み不足」と今、お話があったが、色々なご意見があったとは承知をしており、利用者の立場からも見直しについて慎重な検討、あるいは利用者の生活への影響をよく見ながら、というような意見があったと聞いている。

 ■具体的には、要するに高齢者を含めた保険料の負担をどうしていくのか、また利用者の家計や暮らしへのきめ細やかな配慮を踏まえながら、そのサービスの提供をどうしていくのか、そういう両面からの見直しが行われているということだ。

 ■今般、昨日の介護保険部会においては、第8期介護保険事業計画に向けて給付と負担に関する事項についての更なる見直しを行うため、食費・居住費の助成、いわゆる補足給付と高額介護サービス費について具体的な見直し案を提示して、ご議論いただいた。

 ■年内に方針を得て、制度改正に向けてとりまとめを行うべく、引き続き関係者のご意見を伺いながら丁寧に議論を進め成案を得て、そうした中で、今後も持続可能な制度にしていくための不断の見直しを行っていきたいと思っている。

 ■いずれにしても、第8期の介護保険事業計画が再来年度から、それから来年には介護報酬の改定もある。そういったことも含めて、より必要な方に必要な介護サービスが提供されるような、こういう体制をしっかりと作っていける環境を作っていきたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 今週月曜に開催された介護保険部会の後、一般紙ではこれを報じた際に、「とりまとめ案」とは別に示された資料で「引き続き検討を行うことが適当」と記された項目を「いずれも見送り」と書いていますが、弊紙ではこれを「早計」とみています。

 その根拠は、これらの項目はいずれも「とりまとめ案」では「空欄」になっているからです。もし厚労省が、これらの項目で「見送る」方針をすでに固めていたのであれば、別添の資料ではなく、最初から本編の「とりまとめ案」に盛り込むはずです。

 厚労省の真意としては確かに「見送る」なのかも知れませんが、それを「とりまとめ案」に盛り込めなかった「事情」が存在すると推測されます。今回の加藤大臣の発言は「結論を得る(=見送る方針を固める)までには、まだ一山ある」と、弊紙では解釈しております。

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*****令和元年12月17日(火)第163号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介福養成校、国家試験義務付けの経過措置延長問題「結論出ず」
─────────────◆◇◇◆◆

 介護福祉士養成施設校(以下「介養校」)卒業者は、介護福祉士の資格を有するために国家試験の受験が義務付けられているが、現在は5年間の猶予期間が設けられている。これを延長するか否かの議論で有識者の賛否が分かれた。

福祉部会 結果的に有識者会議では「結論が出ない」状態で議論を修了し、厚生労働省に最終的な判断を委ねた。これに対し厚労省は「政府・与党などと協議の上、決定したい」としている。12月16日に、都内で開催された有識者会議・福祉部会=写真=が、この決定を了承した。

 そもそも介養校の国家試験の受験義務付けは、介護福祉士の資質と、社会的評価の向上の観点から導入された。具体的には平成29年度より5年間をかけて「経過措置」が漸進的に導入され、令和3年度(平成33年度)の卒業生にまで適用される。

 具体的には、次の3点が講じられている。

 1、平成29年度から介養校卒業者に対し、国家試験の受験資格を付与する。

 2、ただし、平成29年度から令和3年度(平成33年度)までの介養校卒業者については、次の(ア)(イ)の2点が適用される。

(ア)卒業から5年間、暫定的に介護福祉士資格を付与する。
(イ)その間に以下のA・Bのいずれかを満たせば、その後も引き続き介護福祉士資格を保持することができる。

 A=卒後5年以内に国家試験に合格すること
 B=原則、卒後5年間連続して実務に従事すること

 なお、卒後5年以内にAとBのいずれも満たせなかった場合も、介護福祉士国家試験の受験資格は有しており、国家試験に合格することにより、介護福祉士資格を取得することができる。

 3、これにより、令和4年度(平成34年度)以降の介養校卒業者については、国家試験に合格することを介護福祉士資格取得の要件とする。

 問題は、5年間の「経過措置」が終了した後の「令和4年度以降の介養校卒業者」に対しても、「経過措置」を延長して同様の救済策を講じるべきか否かで、有識者の賛否が明確に分かれた。有識者の主な発言内容は、次の通り。

 【賛成派】経過措置が施行されて以降、介養校の状況を見ると校数、定員数、日本人の入学生の減少傾向が続いている。喫緊の課題である介護人材の確保に対応する観点から、経過措置を延長すべきだ。

 【賛成派】近年、在留資格「介護」が創設されたことにより、介養校に入学する外国人留学生が増加しているが、その合格率は日本人学生に比して相当に低い水準にある。経過措置が終了すると外国人留学生の入学などに影響が生じ、人材不足が累積するおそれがある。

 [反対派]質の高い人材養成による介護サービスの質や、介護福祉士の地位向上を担保していくため、国家試験義務化は予定通り行われるべきだ。

 [反対派]外国人留学生の合格率が低いことを理由に、経過措置を延長することは適切ではなく、介護福祉士を目指す者の減少にもつながりかねない。

◇─[後記]───────────

 言うまでもありませんが、介養校に入学するのは通常、10代の若者です。そもそも介養校の入学者が年々減少した原因は、今回の「経過措置」が直接的に影響しているとは考えにくいです。

 問題の本質は「介護を志すための方策として、介護福祉士という国家資格を取得する」ことのメリットが、10代の若者にとっては全く感じることができない点にあるのでは、と弊紙では考えます。

 おそらく、「経過措置」を延長するか否かに関わらず、介養校の数と日本人入学生の減少傾向は続くでしょう。まずはこの「現実」を直視した立ち位置から、厚労省には判断して頂きたいと思います。

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*****令和元年12月16日(月)第162号*****

◆◇◆◆◆─────────────
次期介護保険制度・懸案事項、多くが「引き続き検討」
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 次期介護保険制度の議論が、年末の「取りまとめ」を目前に控えて大詰めを迎えた中、その素案が示されたが、懸案事項の多くが賛否の両論が併記された上で「引き続き検討を行うことが適当と考えられる」と記された。

 12月16日に都内で開催された厚労省の有識者会議・介護保険部会=写真=で、「介護保険制度の見直しに関する意見(素案)」が示された。この中で、「制度の持続可能性の確保」に関する項目では、委員の賛否が分かれた「諸課題」として次の8点を示した。

 1、被保険者範囲・受給者範囲
 2、補足給付に関する給付の在り方
 3、多床室の室料負担
 4、ケアマネジメントに関する給付の在り方
 5、軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
 6、高額介護サービス費
 7、「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準
 8、現金給付

介護保険部会 このうち「1」は、介護保険の被保険者の範囲を、将来的に40歳未満にも拡大すること等が議論されたが、「素案」では賛否両論を併記した上で「引き続き検討を行うことが適当である」と記した。

 「8」は、「介護者の介護負担そのものが軽減されるわけではない」等と指摘して、「現時点で導入することは適当ではない」と結論づけた。この2項目以外の「2」から「7」までの6項目については、「素案」では「今後追記」と記され、実質的に「空欄」となった。

 厚労省は介護保険部会の当日に「素案」とは別に「2」から「7」の6項目に対する考え方をまとめた資料「制度の持続可能性の確保」を示した。ここで「2」では、収入に応じて負担が「ゆるやかな傾斜」になるような「案」を示し「見直しを行ってはどうか」とした。

 同様に「6」でも、新たな「案」を示して「所要の見直しを行ってはどうか」と述べた。残りの「3・4・5・7」の4項目は全て、賛否両論を併記した上で「引き続き検討を行うことが適当である」と指摘した。

 これにより、本日時点で「諸課題」に対する厚労省の方針は次のように示され、結果的に8項目中5項目が「引き続き検討」とされた。この点についてある委員からは「これでは『踏み込み不足』だ」と、不満をにじませる発言も出された。

 ■1、被保険者範囲・受給者範囲=「引き続き検討を行うことが適当である」
 ◇2、補足給付に関する給付の在り方=「所要の見直しを行ってはどうか」
 ■3、多床室の室料負担=「引き続き検討を行うことが適当である」
 ■4、ケアマネジメントに関する給付の在り方=「引き続き検討を行うことが適当である」
 ■5、軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方=「引き続き検討を行うことが適当である」
 ◇6、高額介護サービス費=「所要の見直しを行ってはどうか」
 ■7、「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準=「引き続き検討を行うことが適当である」
 □8、現金給付=「現時点で導入することは適当ではない」

 次回の介護保険部会は年末までに開催され、「素案」で「空欄」とされた上記の項目が記載された「最終案」が示される見込みだ。

◇─[後記]───────────

 上記の8項目で明確な方針が示されたのは、「現時点で導入することは適当ではない」=「見送る」と、「所要の見直しを行ってはどうか」=「見直す」の2つで、「引き続き検討を行うことが適当である」は、「どちらに傾くのか未定の状態」と言えると思います。

 一部のマスコミでは、この「引き続き検討」項目の中のいくつかを「見送る方針」と報じていますが、年末までは時間があります。政治家や財務省の思惑も絡み、次回の「最終案」が示されるまでは、まだ「一山ある」と考えた方が良さそうです。

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*****令和元年12月13日(金)第161号*****

◆◇◆◆◆─────────────
薬剤耐性が原因「国内で年間約8千人が死亡」
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 細菌が変化して抗菌薬・抗生物質が効かなくなる薬剤耐性(AMR) で、「薬剤耐性菌2種の菌血症に限っても、合わせて国内で年間約8千人が死亡している。日本でもAMRが大きな被害を及ぼしていることが明らかとなった」と警鐘を鳴らした。

 国立国際医療研究センター病院のAMR臨床リファレンスセンターが、12月5日に公表した。同センターでは「AMR対策に待ったなし。AMRが広がれば、医療はもちろん社会全体に大きな影響が生じる」ともコメントしている。

 今回の発表は、日本ではじめてAMRによる死亡者数を調査したもの。これまでもAMRによる世界的な死亡者数の増加は指摘されてきたが、日本での死亡者数は明らかになっていなかった。

 そこで同センターでは、都築慎也主任研究員が中心となり、薬剤耐性菌の中でも頻度が高いメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とフルオロキノロン耐性大腸菌(FQREC)について、 日本国内でのそれらの菌血症による死亡数を検討した=グラフ

AMR MRSA菌血症による死亡数は2017年には4224名と推定された。2011年は5924名で、次第に減少している。黄色ブドウ球菌菌血症全体の死亡数は横ばいであり、黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合が、次第に低下しているためと考えられる。

 一方、FQREC菌血症による年間死亡数は2017年には3915名と推定された。2011年は2045名であり、次第に増加している。これは大腸菌菌血症全体の増加に加え、大腸菌のフルオロキノロン耐性が増加しているためと考えられる。

 同調査は、厚生労働省院内感染対策サーベイランス(=JANIS、事務局:国立感染症研究所薬剤耐性研究センター) のデータから全国の菌血症症例数を算出し、過去の研究に基づいた死亡率と合わせて、菌血症による死亡数を推定したもの。

 AMRは世界的な課題で今年4月29日、国連は薬剤耐性菌が世界的に増加し、危機的状況にあるとして各国に対策を勧告している。日本が議長国となった2019年のG20首脳会合や保健大臣会合でも、AMRが主要議題として取り上げられている。

 米国ではAMRで年間3・5万人以上、欧州では年間3・3万人が死亡していると推定されている。世界全体でみても、2050年にはAMRに関連した死亡数が年間1千万人に達する可能性があるとされている。

 この結果を受け、同センターは「日本でもAMRが大きな被害を及ぼしていることが明らかとなった。薬剤耐性菌の種類によって傾向が異なることから、その原因を検討するとともに、それぞれの特徴に合わせて対策を行う必要性が示唆される」

 「臨床現場ではさまざまな薬剤耐性菌が問題となっている。当センターでは他の薬剤耐性菌についても死亡数の推定を行うとともに、社会への影響をより精緻に推定するための手法を検討していく予定だ」と述べている。

 なお同センターは、AMRの影響が特に懸念される高齢者への影響も研究対象としており、現在は老人健康保健施設を対象に調査を実施している。これは結果がまとまり次第、発表される予定。

◇─[後記]───────────

 高齢者は日常的に医療機関から大量の薬を処方される傾向にあり、その悪影響が様々な研究機関や有識者・医師から指摘されています。弊紙も、「実は高齢者の心身の虚弱化や、死亡理由にAMRの影響があるのでは……」との懸念を抱いています。

 現実に、同センターは老健での調査に取り組んでいます。その結果を待ちたいと思いますが、AMRは高齢者だけでなく、全ての世代に共通した問題です。弊紙の読者の皆さんには、まずは同センターが呼び掛けている次の3点を覚えて頂きたいと思います。

 1、「風邪に抗菌薬は効きません」
 2、「処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう」
 3、「基本的な感染対策をしましょう。予防がやっぱり大切『手洗い・ワクチン』」

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*****令和元年12月12日(木)第160号*****


◆◇◆◆◆─────────────
主任ケアマネの管理者要件、令和9年3月31日まで延長
─────────────◆◇◇◆◆

 居宅介護支援事業所の管理者の要件で「主任ケアマネジャーであること」とする現行の規定は、令和3年3月31日まで経過措置が設定されていたが、これが延長されて令和9年3月31日まで猶予されることになった=図

ケアマネ ただし、令和3年3月31日時点で、主任ケアマネでない者が管理者の事業所で「その管理者が管理者である限り」という条件が付けられる。これにより、令和3年4月1日以降に新たに管理者となる者に対しては、更なる経過措置は適用されない。

 つまり、同日以降に新たに管理者になる者は、いずれの事業所であっても「管理者は主任ケアマネジャーであること」が求められることとなる。 12月12日に都内で開催された介護給付費分科会で、これまでの議論をまとめた「審議報告(案)」が提示され、了承された。

 今回の件は、平成30年度介護報酬改定で「人材育成の取組の推進による質の高いケアマネジメントの推進を図るため、居宅介護支援事業所の管理者要件を主任ケアマネであること」とした。その際「令和2年度末までは、その適用を猶予する」との経過措置を設けた。

 しかし、その後の厚労省の調査で「管理者が主任ケアマネでない事業所」も依然として4割程度あり、その中には「管理者としての業務経験年数が4年未満の事業者が約1割ある」ことがわかった。

 さらに、「経過措置期間中に主任介護支援専門員研修を修了できる見込みがない」または「分からない」と回答した事業所が約2割あり、その理由として「介護支援専門員としての実務経験5年以上の要件が満たせない」と回答する割合が最も高かった。

 これらの事情を踏まえ、今回の経過措置延長が「審議報告」に盛り込まれたが、さらに「中山間地域や離島等」では、人材確保が特に困難と考えられるため、同様に主任ケアマネの管理者要件が緩和されることも付け加えられた。

 具体的には、「特別地域居宅介護支援加算または中山間地域等における小規模事業所加算を取得できる事業所については、管理者を主任ケアマネジャーとしない取扱いを認めることが適当である」と記された。

 また、令和3年4月1日以降に、ケアマネの急な退職などの不測の事態が起こり、主任ケアマネを管理者とできなくなってしまった事業所については、規定によれば居宅介護支援事業所の運営ができなくなるが、この「救済措置」も付け加えられた。

 例えば「当該事業所がその理由と改善に係る計画書を保険者に届け出た場合、管理者を主任ケアマネとする要件の適用を1年間猶予する」とされた。さらに同様のケースで近隣に、他に居宅介護支援事業所がない場合などは「弾力的な運用」も可能となった。

 「審議報告」では、「利用者保護の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予期間を延長することが出来るようにすることが適当である」と指摘している。

◇─[後記]───────────

 これまで厚労省を取材してきた経験から申し上げれば「経過措置」が設けられた事項が、何らかの事情で「再延長」されたケースは、必ずと言って良いほど、その「再延長」の期限が切れる直前の議論で問題点が「再燃」し、「揉める」ことになります。

 今回の措置は「質の高いケアマネジメントの推進を図る」ことが目的のはずです。この「経過措置期間」で、当事者であるケアマネの方々を中心に、「介護保険利用者にとってベストなケアマネジメントの在り方」を模索して頂きたいと思います。

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特定介護・フィリピンの海外試験合格者「来日可能」に
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 新在留資格・特定技能の介護職(以下「特定介護」)で、フィリピンの海外試験の合格者がようやく来日できる見込みとなった。駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所(POLO)がこのほど、「12月4日から特定技能に係る書類の受付を開始する」と発表した。

 これによると「日本の受入機関が、フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるためには、フィリピン側の手続として、まず受入機関が必要書類をPOLOに提出し、所定の審査を受けた上で、本国の海外雇用庁(POEA)に登録される必要がある」

 「また、POLOへの提出書類については、所定の様式に則って作成することが必要とされる。具体的な必要書類とその様式については、POLOのURLに掲載されている」と述べている。

 その上で「フィリピン人の方は、POEAから海外雇用許可証(OEC)を取得し、フィリピンを出国時にOECを提示する必要がある」と説明している。これまでフィリピンは、特定技能の制度が開始した今年4月から、現地で毎月「特定介護」の試験を実施してきた。

 現時点で10月実施分までの7ヶ月分の試験合格者が発表されており、正確な人数は公表されていないが、おそらく数百人規模の「有資格者」がいると推測される。しかしフィリピンは、「有資格者」が日本に出国する際の「ガイドライン」を定めていなかった。

 この「ガイドライン」を定めているのは9月26日時点でカンボジア・インドネシア・ネパールの3ヶ国のみで、「特定介護」の海外試験合格者はこの3ヶ国からのみ、受入れが可能になっていた。

 今回のPOLOの発表内容は、この3ヶ国が定めた公式の「ガイドライン」とは異なるが、日本の法務省は「実質的なガイドライン」と判断した模様で、その内容を12月4日付けで「フィリピンからの特定技能外国人の送出手続に関するご案内」として公表した。

◇─[後記]───────────

 これでようやく、「足止め」されていたフィリピンの海外試験合格者が「特定介護」で来日できる道筋が出来たことになります。しかし、日本の法務省が「ガイドライン」を定めた3ヶ国とは「別枠」で公表している点が気にかかります。

 また、海外試験の合格率は全般的に「低調」で、これで今後も外国人の皆さんが「日本で介護職として働きたい」と考え、「特定介護」の受験を志すのか、疑問を感じます。現状ではやはり、介護職の外国人材の受け入れは技能実習制度を中心に進むと思われます。

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食事療法・運動療法と連携して膝の痛みを「切らずに治す」
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 高齢者を中心に、国内に有病者が約2530万人いると言われている「変形性膝関節症」の治療で、手術をせずに「切らずに治す」ため、体重の減少・薬による治療・再生医療の3つの手法を提示して、食事の管理法や膝の痛みを軽減するための簡単な体操を紹介した。

 社会福祉法人恩賜財団・神奈川県済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)は12月10日、同病院内の多目的ホールで、主に地域の住民を対象とした公開講座「切らずに治そう! 膝の痛み」を開催した。

 講師として登壇した同病院整形外科の谷川英徳医長=写真中央=は、「変形性膝関節症」を発症した際の日常生活に与える影響について「膝に水が溜まったり、膝の痛みのために正座できなくなったり、走れなくなったりなど様々な支障が生じる」

済生会3人衆 「さらに病状が進行すると、膝が変形し(O脚と言われる症状)、階段が降りられない、スーパーに日用品を買いに行くのも困難になるなど、生活の質(QOL)が大きく低下する」等と指摘した。

 その治療法について「以前は薬の投与による保存療法(消炎鎮痛剤・ヒアルロン酸注射等)が効かないと次は手術療法(人口関節等)と、二つしか手段がなかったが、2~3年前からこの二つの間に『再生医療』という新たな治療法が選べるようになった」

 「ほとんどの方は『できれば手術は避けたい』と考えておられると思う。当院でもその願いに沿うように、まずは食事療法と運動療法による体重減少と、飲み薬と注射による薬の治療を推奨し、それでも症状が重くなるケースには『再生医療』をご提案する」

 「『再生医療』にはPRP療法と幹細胞移植の二つがあるが、当院ではPRP療法に取り組んでおり、治療は1時間で終わり日帰りできる。ただ『再生医療』は保険適用外なので自費負担となる」

 「これに対して手術では、例えば関節鏡手術は簡単で医療保険が適用されるので、経済的な面を重視すれば手術の方が負担は軽くなる。このような点を踏まえ、当院では患者さんにとって、様々な角度からベストな治療法を模索し、ご提案している」等と述べた。

 公開講座では、重要な治療法になる「体重減少」について、「食事療法」を同病院の管理栄養士・横手隆幸氏=写真左=が、「運動療法」を同じく理学療法士の菊池拓摩氏=写真右=が、それぞれ具体的な取り組み方法について講演した。両氏の講演要旨は、次の通り。

 ◆食事療法=管理栄養士・横手隆幸氏=「『切らずに治す』ためには、膝にかかる負担をできるだけ軽減することが重要。歩行時に、膝にかかる負担は体重の2~3倍になる。つまり60kgの方は、膝に180kgもの負担がかかっていると考えて頂きたい」

 「そのためには『安全なダイエット』を行うこと。断食や極端なカロリー制限をしたり、サプリメントに頼るのではなく、体重を減らすための工夫をして欲しい。自分の体形が、やせ型・標準・肥満のいずれに該当するのかを知るには、BMIが一般的に利用される」

 「ここで例えば『体脂肪を1kg減らす』と目標を設定したら、現在の食事から7000kcal減らすことになる。これを1日や1週間で実行するのは不可能なので、1日200kcal減少することを1ヶ月継続するようなプランに取り組んで頂きたい」

 「例えば、昼食で『ミックスフライセット』を注文した際に、コロッケ1個とご飯1/4を残すと約230kcal減少できる。このようにちょっとした工夫で、無理なく長期間継続できる方法に取り組んで頂きたい」

 ◆「運動療法」=理学療法士・菊池拓摩氏=減量を目的とした有酸素運動を行う場合、代表的な手法に「ウォーキング」がある。まずは15分から始めて連続30分、10分ごとに休憩をとり、回数は少なくとも週3回、できれば毎日実施するのが望ましい」

 「運動の強度は『ややきつい』と感じる程度が良い。また当院では、膝痛予防の身体づくりのため『ひざひざワッくん体操』という体操をお薦めしている。6種類の簡単な運動の中に、準備運動・ストレッチ・筋力トレーニング・整理運動の四つの要素を盛り込んでいる」

 「当院の地元・横浜市鶴見区でも『ひざ痛予防体操』として市民に周知している(https://bit.ly/2RA9XXr)。どのような手法で運動するにせよ、無理せず上手に目標を設定し、記録をつけ『自分をほめる』姿勢で楽しく継続して頂きたい」

◇─[後記]───────────

 弊紙が同病院の取り組みに注目したのは、「できるだけ手術を回避する」姿勢で治療に臨み、食事療法や運動療法をその中に取り入れ、それぞれの専門家が誰でも簡単に取り組める手法を、具体的に提示していることです。

 この公開講座は同病院にとって、「患者さんに寄り添った医療の実現を目指し、地域住民の方とともに健康とQOLについて一緒に考える取り組み」と位置付けているそうです。また講座は、いつも満員になるほど人気が高いそうです。

 昨日配信した、一般介護予防の有識者会議に関する記事で、「通いの場」の在り方が議論の大きな争点になったことを報じましたが、同病院の取り組みはこの課題解決に対する一つの考え方を提示しているように感じます。

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*****令和元年12月9日(月)第157号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護予防事業、「通いの場」拡大・推進へ
─────────────◆◇◇◆◆

 一般介護予防事業を今後も推進するため、住民主体の「通いの場」をさらに拡大していく方針が確認された。厚労省は12月9日に、東京都千代田区の全国都市会館で有識者会議「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」の第9回会合を開催した=写真

介護予防検討会 同検討会はその名称通り、一般介護予防事業等の推進方策について、今年5月27日から開催してきたが、前回提示した「取りまとめ案」について、その際に出た意見を踏まえた最終的な「取りまとめ」を議論した。

 同検討会として最後の議論となった今回は、一般介護予防事業の中でも市町村が実施する総合事業で、その中心的な役割を果たす「通いの場」のあり方や推進策に関する意見が最も多く出された。

 代表的な意見は、次の通り。

 ◆実施している内容について
 「実際の取り組み内容は「体操」が52・8%と約半数で、やはりコンテンツ不足は否めない」
 「通いの場=体操というイメージが強すぎる。これが誤解を招いている面もある」

 ◆実態把握について
 「基本的には住民主体で実施されているが、それ以外に民間事業者が行っているケースもある。それらを含めて、調査範囲を広く捉えて実態を把握する必要がある」

 ◆今後の展開について
 「取りまとめ案の資料には、通いの場のイメージ図が出ているが、これを見ただけでは何を目指した事業なのかわかりにくい。将来の方向性を明確化した図を示した方が良い」

 前回の同検討会で出た意見を踏まえ、厚労省は今回の「取りまとめ案」で「通いの場」の定義として、市町村が把握していることを前提として「次の4条件に該当し、当該年度において活動実績があったもの」と指摘した。

 1、体操や趣味活動等を行い、介護予防に資すると市町村が判断する通いの場であること。
 2、通いの場の運営主体は、住民であること。
 3、通いの場の運営について、市町村が財政的支援を行っているものに限らないこと。
 4、月1回以上の活動実績があること。

 また、同検討会でのこれまでの議論を踏まえ「取りまとめ案」では、今後の課題として「介護予防の機能強化を図る観点から、保健・医療・福祉等の専門職が安定的に関与できるよう、人員確保や関係団体等との連携等を進めていく重要性に関する指摘があった」

 「総合事業実施効果の点検・評価を行っている市町村が約3割にとどまっており、その理由としてやり方がわからないことや、必要性を感じないことを挙げる市町村があることに対する対応を行っていくことが必要である」等を挙げている。

 さらに「取りまとめ案」では、「通いの場」への参加率について、「平成25年以降増加傾向にあり、現在(平成30年度)には、通いの場の数は10万6766ヶ所、65歳以上人口に占める参加率は5・7%」と述べている。

 この点について、日本介護新聞は事務局(厚労省)に対し「参加率の目標値はあるのか?」と尋ねたところ、「これは厚労省だけではなく、政府として様々な施策の中で目標とされている割合だが、2020年で6%、2025年で8%だ」との回答を得た。

 厚労省は今回の議論を踏まえて最終的な「とりまとめ」を発表し、その内容は年末に公表が予定されている介護保険部会の「最終報告書」に盛り込まれる。

◇─[後記]───────────

 これまでも何回か、弊紙発行人がある自治体で、介護保険事業計画を検討する委員を務めたことに触れましたが、その時の経験から言えばこの「通いの場」では大きな問題が二つあると思います。

 一つは「住民主体」にこだわりすぎていること。住民が自らの意思で、地域の仲間と「通いの場」を運営することは理想的ですが、現実にはすぐに「限界」が見えてきます。実際に「体操」が約半分を占め、「コンテンツ不足」になるのも致し方ないと言えます。

 もう一つは、取りまとめ案にも書かれている通り「点検・評価を行っている市町村が約3割にとどまっており、その理由としてやり方がわからないことや、必要性を感じないことを挙げる市町村があること」です。

 ちなみに弊紙発行人が検討委員を務めた自治体で、「PDCAサイクルに沿った推進が必要だ」と提案したところ「現在、地域に根差した活動をされている有志の皆さんが懸命に取り組んでおられるので、その必要はないと思われる」とヤンワリと却下されました。

 残念ですが市町村が実施する介護予防事業は、その自治体がどれだけ「真剣」に取り組むかに全てがかかっていると思われます。どうしても「真剣」に取り組まない自治体があった際は、そこの住民の「救済策」を考えた方が良いのでは……というのが、正直な感想です。

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*****令和元年12月6日(金)第156号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ICTを駆使して「未来のパーキンソン病ハウス」を目指す
─────────────◆◇◇◆◆

 順天堂大学は12月6日、東京・文京区の同大学で記者会見し、株式会社サンウェルズと共同して、同社が運営する高齢者向け施設に入居するパーキンソン病(PD)患者を対象に「ICTを駆使して、QOL改善を図る研究を10月から開始した」等と発表した=写真

順天堂大学・サンウェルズ会見 同社は石川県を中心に、PD患者しか入居できないサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホーム(PDハウス)を運営しているが、特に病状が進行期以降にあるPD入居者が、遠方にいる脳神経内科の専門医の診療を受けることが困難な状況にあった。

 一方、順天堂大学はPD研究や診療では世界的にも著名だが、近年の大学病院の役割の変遷とともに、終末期のPD患者が長期入院することが困難になり、専門医と患者の関係が薄れ、PDの進行期から終末期における対応と研究に課題を抱えていた。

 これらの問題を克服するため、両者は産学連携して、PDハウスでICT(情報通信技術)によるマルチセンサーや遠隔モニタリング等を活用して入居者のデータの収集・解析を行い、どのような状態の時に転倒しやすいか等、日常生活動作上(ADL)の障害を検出する。

 これらのデータを元に同大学では、PDハウスのハード面やソフト面での改善に積極的に関わることで、PD入居者の生活の質(QOL)を改善するための「ホームアダプテーション」の研究・開発を行う。

 具体的には、PD入居者には終日、ICT機器によりリアルタイムでデータの収集と解析が長期間連続的に行われ、蓄積される。これを元に同大学では、進行期から終末期に至るPD入居者の遠隔診療を行うとともに、様々な問題点を抽出して解決策を提示する。

 ハード面では施設内の改築や、ソフト面では施設スタッフの専門教育をWEB会議等で実施し、在宅介護領域におけるPDケアに特化した人材を育成する。両者は「今回の共同研究講座を進めることで、ICTを駆使した未来のPDハウスの構築を目指す」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 「介護と医療の連携」と言えば、介護施設では近隣で提携している医療機関との「連携」を、在宅介護では近隣のかかりつけ医師との「連携」を指すケースが多いと思われます。両者の共通点は「近隣・連携」ですが、今回のケースは「遠隔・連携」になります。

 また、今回の共同研究はPDハウスが対象ですが、今後は高齢者が抱える、ある病状への対応に特化した介護施設や介護事業者が現れる可能性もあります。もしかするとこれらは「未来の介護と医療の連携」なのかも知れません。

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*****令和元年12月5日(木)第155号*****

◆◇◆◆◆─────────────
軽度者の生活援助サービス、総合事業への移行「反対」相次ぐ
─────────────◆◇◇◆◆

 次期介護保険制度改正で、議論の大きな争点となっている「軽度者(=要介護1・2)への生活援助サービスの(市町村が実施する)総合事業への移行」について、「反対」や「時期尚早」を指摘する意見が相次いだ。

 12月5日に都内で開催された第87回介護保険部会=写真=は、年末に公表される予定の「とりまとめ」に向け、これまでの議論を論点別に整理した上で、さらに委員(有識者)から意見を募ったが「総合事業への移行」に反対する意見が目立った。

介護保険部会第87回 この点に対する議論の論点として、厚労省は次の3点を示している。

 1、要支援者よりも介護の必要性の高い要介護者について、その状態像を踏まえた適切なサービス提供を確保する観点

 2、総合事業の実施状況や、介護保険の運営主体である市町村の意向

 3、今後の高齢化の進展や現役世代の減少を踏まえたサービス提供の必要性の観点等、幅広い観点

 これに対し、委員からは次のような意見が述べられた。

 ▼「時期尚早」=総合事業は移行のための猶予期間が設定されたが、最も遅く開始した自治体は昨年3月末からで、まだ実績を評価できる段階にない。これらの自治体の実情を十分に分析した上で、移行するか否かを検討すべきだ。

 ▼「反対」=総合事業は自治体間で実施状況がバラバラだ。まだ試行錯誤を重ねている自治体も多くある。将来的には検討も必要だろうが、現時点で無理に移行すればさらに混乱するだけなので「反対」を表明しておきたい。

 ▽「軽度者」への懸念=介護が必要になる主な理由は認知症であり、要介護1・2で介護の負担が軽いということは決してない。要介護1・2の人を「軽度者」と称するのは、誤解を与えかねない。

 この論点に関して、10月9日に開催された財務省の財政制度分科会では「要介護1・2への訪問介護・通所介護について、生活援助型サービスをはじめとして、地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすべき」と指摘している。

◇─[後記]───────────

 この「総合事業への移行」問題は、3年前の介護保険制度改正の議論でも論点として取り上げられました。同部会での「反対」意見を聞いていると、まさしく3年前の「再現」のように感じます。

 この問題を、同部会の委員に尋ねたところ「基本的に厚労省は、私たちの立場を理解してくれているが、問題は財務省の『圧力』をどこまで跳ねのけてくれるかだ」と答えています。このコメントも、3年前にも聞いた記憶があります。

 3年前に「見送り」になった際は、当時の一般紙の報道によると「最後に政治決着した」そうです。同様に、先日の一般紙の一部報道で「政府は『見送る方向』で調整している」との記事が出ていました。これが本当か否か、年末までには判明しそうです。

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*****令和元年12月4日(水)第154号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護技能実習、2年目移行試験合格者・9月末で443人
─────────────◆◇◇◆◆

 技能実習制度で、入国した実習生が1年目(実習1号)から2・3年目(実習2号)に移行する際に実習評価試験の受験と合格が義務付けられているが、介護職の「介護技能実習評価試験」の合格者が、9月末で累計443人であることがわかった。

 同試験の実施主体であるシルバーサービス振興会が、このほど発表した=表。同試験は2科目(実技試験と学科試験)が行われるが、各試験の受験が別月になる場合は、両試験を受検し終えた月で受験月を集計している。

技能実習初級試験 これによると、最初の受験があった今年3月から9月まで、7ヶ月分の結果を月別に集計しているが、これまでの試験の受験者数の累計は445人で、合格者は440人。不合格者が5人いたが、このうち3人は再受験をして合格しているので、累計合格者は443人になる。

 月別の受験者数と合格者数は、次の通り。
 ◇3月=受験4人・合格4人
 ◇4月=受験24人・合格23人
 ◇5月=受験32人・合格32人・再受験合格1人
 ◇6月=受験81人・合格81人
 ◆7月=受験95人・合格92人
 ◆8月=受験107人・合格107人・再受験合格2人
 ◆9月=受験102人・合格101人
 ■累計=受験445人・合格440人・再受験合格3人

◇─[後記]───────────

 事務局では、実習実施者に「早めの受験」を呼び掛けているので、実習生の入国月と、1年後の受験月は同じではありませんが、今回の結果をみると、今年7月以降はほぼ毎月百人規模にまで受験者数が増加しています。

 つまり昨年の年末当たりから、毎月ほぼ百人規模で介護技能実習生が入国していると思われます。実は、この「介護技能実習評価試験」で実際に介護技能実習生を評価するのは「試験評価医者」ですが、今年8月27日時点で998人です。

 内訳は、東京が108人いるのに対し「ひとケタ」しかいない県が12県あります。実際に評価試験を受ける際は、「試験評価者」はシルバーサービス振興会から「近隣の別法人」にいる有資格者が紹介され、マッチングが行われます。

 これからも評価試験を受ける介護技能実習生は毎月増加すると思われますが比例して「試験評価者」も必要になってきます。この「介護技能実習評価試験」をスムーズに受験できるのかも介護技能実習生を抱える事業所にとって今後は「関門」になる可能性があります。

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*****令和元年12月3日(火)第153号*****

◆◇◆◆◆─────────────
技能実習、送出機関の許可取消・一時停止が相次ぐ
─────────────◆◇◇◆◆

 技能実習制度で、送出国が認定した送出機関の許可取消と、許可の一時停止が相次いで発表されている。外国人技能実習機構は11月20日に、ミャンマーの送出機関11者の許可一時停止と、同様に11月25日にはウズベキスタンの2者の許可取消を公表した。

 同機構は、現時点で「外国政府が認定した送出機関」として13ヶ国(ベトナム・カンボジア・インド・フィリピン・ラオス・モンゴル・バングラデシュ・スリランカ・ミャンマー・ブータン・ウズベキスタン・パキスタン・タイ)の送出機関の名称を公表している。

 このうち、今回の2ヶ国の「許可取消・一時停止」を含め、過去に計8ヶ国が何らかの理由で同様の処置を行っているが、同機構が「お知らせ」として公表したのは、この2ヶ国の事例が初めてとなる。

 同機構は日本国内で、10月8日に監理団体2者の許可取消と、11月15日に実習実施者7者の技能実習計画の認定取消を公表している。これに先立ち、10月4日には監理団体の代表者宛てに「送出機関との不適正な関係について」との注意文書を発出した。

 さらにそれから1ヶ月も経ない10月31日には、同様の文書で「再度の注意喚起」を監理団体の代表者に対して促している。

◇─[後記]───────────

 そもそも送出機関の許可は相手国政府が行うものなので、本来は日本政府が関わる事項ではありませんが、10月4日以降に同機構がみせている一連の動きから察すると、今回の2ヶ国の「許可取消・一時停止」の公表も何らかの関連があるのでは……と推測されます。

 現時点で、技能実習の介護職の人材受入れには大きな影響はないと思われますが、実習生を受け入れる介護事業者にとっては、その実習生が関係する監理団体と送出機関とは「一蓮托生」の関係になります。

 特定技能の介護職による人材受入れが進まない中、当面は介護技能実習生を要望する介護事業者が多いと思われますが、同機構が「監視の目」を強めることと、実習実施者の監理団体の選択には、これまで以上に留意が必要になってくることだけは間違いないでしょう。

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*****令和元年12月2日(月)第152号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特定介護、初の国内試験・2科目の合格率は51%と72%
─────────────◆◇◇◆◆

 今年4月からスタートした新たな在留資格・特定技能の介護職(以下「特定介護」)で、10月に初めて国内で実施された2科目の試験の合格率は、介護技能評価試験(以下「介護技能」)が51・9%、介護日本語評価試験(以下「介護日本語」)は72・0%だった。

 12月2日に厚生労働省が発表した。また同じく10月に4ヶ国(フィリピン・カンボジア・ネパール・インドネシア)で実施された「特定介護」の海外試験の合格率も公表されたが、フィリピンは2科目とも約8割と、今年4月の試験の合格率に「回復」した。

 一方、初の結果発表となったインドネシアが「介護技能」37%、「介護日本語」58%と「やや低調」で、カンボジアとネパールは2科目とも合格率が「ひとケタ」と「厳しい結果」に終わった。

 今回発表になった国内試験と海外試験4ヶ国の受験者(合格者数)と合格率は、次の通り。

 ◆国内試験
 「介護技能」受験54人(合格28人)=51・9%
 「介護日本語」受験50人(合格36人)=72・0%

 ◆フィリピン試験
 「介護技能」受験53人(合格42人)=79・2%
 「介護日本語」受験47人(合格38人)=80・9%

 ◇カンボジア試験
 「介護技能」受験114人(合格4人)=3・5%
 「介護日本語」受験110人(合格6人)=5・5%

 ◇ネパール試験
 「介護技能」受験15人(合格0人)=0・0%
 「介護日本語」受験12人(合格1人)=8・3%

 ◆インドネシア試験
 「介護技能」受験46人(合格17人)=37・0%
 「介護日本語」受験46人(合格27人)=58・7%

 なお、「特定介護」の資格を得るためには、「介護日本語」とは別途、国際交流基金の日本語基礎テストに合格するか、日本語能力試験N4以上が求められる。また、そもそも特定技能の資格を得て日本に入国するためには「二国間協定」が締結されている必要がある。

 法務省によれば、9月26日時点で「二国間協定」を結んだのはカンボジア・インドネシア・ネパールの3ヶ国。このため現時点ではフィリピン試験の合格者で「特定介護」の資格を得ても、同国の人材は来日ができない(本紙「ビジネス版」11月27日付第149号参照)。

◇─[後記]───────────

 フィリピンの海外試験は、4月実施分の合格率が約8割を記録した後に「低迷」しましたが、ようやく「回復」しました。おそらく厚労省も「低迷」を課題と捉えて何らかの策を打ったと思われます。

 しかし記事の最後に指摘した通り、フィリピンの「有資格者」は現時点では来日できません。またフィリピンでは受験者が、4月以降2科目全て数百人レベルで推移していたのに、今回は約50人と「激減」している点が気になります。

 2回目の試験となったカンボジアは前回と同じく約百人の受験者を集めましたが、合格率が「ひとケタ」では今後の受験者数にも大きく影響するかもしれません。いずれにせよ、依然としてベトナムが日本と「二国間協定」を結んでいないことが「最大の問題」でしょう。

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