日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

2019年11月

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月29日(金)第151号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護施設利用検討者の半数は「軽度」で認知症症状あり
─────────────◆◇◇◆◆

 介護施設の検索サイトの調査によると、入居ニーズは80歳以降に急増し、施設利用検討者の要介護度は軽度者(要支援1、要支援2、要介護1、要介護2)が全体の約半数を占め、さらに要介護度が低い場合でも約半数に認知症の症状があることわかった。

 老人ホーム・介護施設の検索サイト「LIFULL介護」の運営会社が、昨年10月から今年9月の1年間に、同サイトを使用して資料請求や問い合わせをした人のデータをもとに、介護施設の利用検討者の実態調査・分析を行った。

 これによると、介護施設の利用検討者の年齢は75歳以上が全体の86・2%を占めた。年齢別にみると「85歳から90歳」が27・7%と最も多く、次いで「80歳から84歳」が27・0%で、介護施設の利用ニーズは80歳以降に急増している。

 また、介護施設の利用検討者の要介護度は、軽度者(要支援1、要支援2、要介護1、要介護2)が全体の49・4%を占め=グラフ、オレンジ部分=さらに要介護度別の認知症症状「あり」の割合は、要介護1の人の48・6%、要介護2の人の46・7%だった。

要介護度別入居希望者 これにより、要介護度が低い場合でも約半数の人に認知症の症状があることわかった。調査を行った同サイトの運営会社は「現在、政府が検討している介護保険法改正によって、要介護1・2の方は介護給付から外され『総合事業』に移行する可能性がある」

 「この層には認知症症状のある場合が一定量あり、家族は半年以内の施設入居を希望している。実際に要介護度が1・2の介護給付が、市区町村の『総合事業』に移す政策が進められれば、施設利用者の金銭的負担が増加する可能性がある」等とコメントしている。

◇─[後記]───────────

 弊紙発行人の知り合いの入居相談員に聞いたところ、「相談者のほとんどは大企業や公務員の退職者だ」そうです。経済的に余裕があると思われるこの層が80歳代以降に、急速に身体機能が衰える前に「入居の検討」を始める実態が、この調査から浮かんできます。

 今回の調査で弊紙が注目したのは、利用検討者の要介護度別調査で「自立」が19・7%もいるということです。この中には「未申請」もある程度は含まれていると思われますが、身体機能面では「在宅」での生活が、基本的に可能な方々だと推測されます。

 個人により事情は異なるでしょうが、この層の方々が「在宅」ではなく「施設」を選んだ理由がわかれば、それは地域包括ケアシステムを構築していく上での重要な課題を知ることができるのでは……と感じました。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月28日(木)第150号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「生活援助サービスの価値と専門性の見直し」を要望
─────────────◆◇◇◆◆

 次期介護保険制度の改定で、訪問介護の生活援助サービスの在り方が議論の対象となっているが、「介護保険サービス利用者にとって、生活援助は単なる家事援助ではなく、極めて専門性の高い業務で、関係者の皆さんはその価値を見直して欲しい」と要望した。

 11月28日に、東京・永田町の衆議院第1議員会館で、自民党の鈴木隼人衆議院議員が開催した「認知症国会勉強会」で講師として登壇した、認知症の人と家族の会・鈴木森夫代表理事=写真=が指摘した。

鈴木代表 講演で鈴木代表は、同会を含め4団体が共同で策定し、今年5月に発表した「認知症─ともに生きるやさしい社会を実現するための共同宣言」の内容等を解説した。この中には要介護度の認定で、認知症の困難度等を適正に評価する指標を追加すること等も要望している。

 これらの内容を踏まえ日本介護新聞は鈴木代表に、介護保険制度の改定があるたびに有識者会議の委員から、訪問介護の生活援助のあり方で「家政婦代わりに利用している実態がある」とたびたび指摘されている点について、見解を求めた。

 鈴木代表は「これは、認知症のケアだけに止まらず、介護保険サービスの利用者全体に関わる重要な問題だ」と前置きした上で、「生活援助サービスの専門性の高さ」を指摘しながら「サービスそのものの見方を変えて欲しい」と要望した。

 鈴木代表の発言要旨は、次の通り。

 「現実に、認知症に限らず一人暮らしの高齢者は増えている。もちろんデイサービス等の色んな介護保険サービスを利用されている方もたくさんおられる。しかし中には『そんなところには行きたくない』という方もいる。言うまでもなく、生き方は人それぞれだ」

 「その中には、訪問介護で生活援助サービスの支援を受けて、なんとか生活を成り立たせている方も実際におられる。現在は、ヘルパーさんのサービスが身体介護と生活援助に分けられているが、私はこれを分けたところから間違いが始まったとみている」

 「一部の有識者から『生活援助は家事援助だ』と批判をされているが、制度開始の初期の頃は現実にそのような時代もあった。しかし今は、基本的にはそのようなことはできない仕組みになっている」

 「そもそもケアマネジャーは、そんなプランは立てていないはずだ。また生活援助は直接身体に触れていないが、その人の生活全体をキチンと把握し、それにより医療の必要がある等の情報提供が可能となっている」

 「また生活援助サービスを実施している中で、利用者の相談も受けている。残念ながらこれは介護保険上の評価にはないが、実は非常に大事だ。生活援助をしながら、ご本人の要望も聞きながら、今ではこれらを45分の中で行わなければならないというのが実情だ」

 「利用者の家庭を訪問する、室内の様子を見て生活状態の全体を把握する、冷蔵庫の中をみる、さらに本来の生活援助サービスも行い、利用者の話しも聞いて、体調を見る。これはある意味で、利用者の『命綱』の役割を果たしている」

 「それが昨年10月から『利用回数が多すぎるケースはケアプランを提出せよ』等という制度になった。一部では『誰でもできるサービスだ』と言う方もいる。私は、全ての関係者に『生活援助の価値と専門性』を見直して頂きたいと言いたい」

 「本来的な生活援助は、非常に専門性の高いサービス業務だ。それがある意味では介護予防にもなっている。繰り返しになるが、これから独居の高齢者が増える中で、生活援助に対する見方を大きく変えて頂きたい。これは当会に限らず、関係者はみなそう考えている」

◇─[後記]───────────

 弊紙は、認知症の介護保険サービス利用者を想定して質問したつもりでしたが、鈴木代表は介護保険サービスの利用者全体の立場に立って、「生活援助サービスの重要性」を回答してくれました。

 鈴木代表はこれまで、医療ソーシャルワーカー、特養の施設長、ケアマネジャー等を歴任しています。つまり、同会の代表理事としてではなく「介護現場で働く職員」と「認知症の方のケアに当たる家族」の両方の立場を踏まえて発言しています。

 ぜひこの貴重な意見が、次期介護保険制度の改定で着実に反映してもらいたいと、弊紙では願っております。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月27日(水)第149号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特定介護、フィリピン試験合格者は出国できず「足止め」
─────────────◆◇◇◆◆

 今年4月に始まった特定技能の介護職(以下「特定介護」)で、フィリピンは4月から現地で毎月試験を実施しているが、合格者が9月末時点で一人も出国しておらず、その理由が「まだ特定技能資格者の出国ガイドラインが出来ていないため」であることがわかった。

 日本介護新聞が、厚生労働省に確認した。その理由については「不明」で、今後の見通しも「わからない」状態だという。「出国のガイドライン」は、まずその前提として「二国間の協力覚書」を作成した国が対象となる。

 その内容は、対象国の特定技能外国人が、特定技能に係る活動を行うに当たり、海外(日本)に渡航して労働を行う場合の本国(外国人の母国)での許可等、本国において必要な手続(送出手続)を含む手続全体の流れについて定めたもの。

 日本が、特定技能の「二国間の協力覚書」を結んだ相手国はフィリピンをはじめ計9ヶ国あるが、「ガイドライン」を定めた国は9月26日現在、カンボジア・インドネシア・ネパールの3ヶ国のみ。

 「特定介護」の海外試験は4月から毎月フィリピンで実施され、これに加えて現在ではインドネシア・モンゴル・ネパール・カンボジアの計5ヶ国で実施されており、現時点で試験合格者が発表されたのはフィリピンとカンボジアの2ヶ国のみ。

 このままフィリピンの「出国のガイドライン」策定が遅れた場合、「特定介護」の海外試験に合格し、来日して介護施設で働けるのは、現時点ではカンボジア人のみとなる。法務省は11月13日に、「特定介護」の9月末時点での在留者を16人と発表した。

 内訳はフィリピンが13人、インドネシアが2人、ベトナムが1人だったが、インドネシアはまだ「特定介護」の海外試験の合格発表が行われておらず、ベトナムは海外試験自体が実施されていない。

 このためこの2国の「特定介護」在留者3人は、EPAで来日し、介護福祉士の国家試験に不合格であったが、4年間日本の介護施設で勤務したことで「特定介護」の在留資格を得たと推定される。

 同様にフィリピンの「特定介護」在留者13人も、海外試験合格者ではないことが判明したため、他の2国と同様にEPAの国家試験不合格者であると思われる。フィリピンの海外試験では4月分から9月分まで、計6回の試験合格者が発表されている。

 海外試験は2科目(「介護技能」と「介護日本語」)が実施され、2科目ともに合格した上で、さらにこれとは別途、日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト)に合格するか、日本語能力試験N4以上を取得することで「特定介護」の在留資格を得ることができる。

 フィリピンの場合は1回当たりの試験で50~100人程度の2科目合格者を出していると思われるので、現時点での「特定介護」在留の有資格者は数百人規模で、これらが全て「足止め」された状態に陥っている。

◇─[後記]───────────

 特定技能の制度が4月に開始され、「二国間の協力覚書」を結んだのが9ヶ国あるにも関わらず、「ガイドライン」がわずか3ヶ国でしか定められていないという実態が、今回の取材で判明しました。

 これと同じようなケースがかつて、技能実習制度の介護職でもありました。「1番人気」のベトナムが、技能実習に関する「二国間協定」を制度開始早々に締結したにも関わらず、しばらくの間は自国の送り出し機関に「介護職の送り出し許可」を出していませんでした。

 その理由は「実習2年目移行時に、日本語能力N3以上に達していなければ帰国してもらう」との日本語要件の緩和を求めていたにも関わらず、日本政府が明確な態度を示さなかったことが原因でした。

 結果的には日本政府が「N3に達していなくても、条件付きで3年間の実習を認める」ことに緩和したため、ベトナムもようやく「送り出し許可」を出しました。同様に今回、フィリピンの「ガイドライン」の未策定にも、何か「大きな理由」が隠れていると思われます。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月26日(火)第148号*****

◆◇◆◆◆─────────────
伊那市「移動型クリニック」、将来的に「介護も視野」
─────────────◆◇◇◆◆

 医師が不足し交通の便に難がある地域に、看護師が乗車した「移動型クリニック」で医師によるオンライン診療等を行う実証事業が長野県伊那市で12月から開始されるが、ここで得られたデータを活用して、将来的には介護分野にも運用範囲を拡大する方針が示された。

 11月26日、東京・内幸町の帝国ホテルで、ヘルスケア製品や医療関連機器を販売するフィリップス・ジャパン(東京都港区、堤浩幸社長=写真左)が記者会見して発表した。同社は今後の事業目標として「ヘルスケアを中心とした街づくりをサポートする」を掲げている。

伊那市移動型クリニック 今回の「移動型クリニック」は「ヘルスケアモビリティ」=写真=と位置づけ、ソフトバンクやトヨタ自動車が出資して自動運転などに取り組むモネ・テクノロジーズ(宮川潤一社長=写真右)と、実証事業を行う長野県伊那市(白鳥孝市長)の三者が共同で実施する。

 白鳥市長は「当市は東京23区よりも広い。市民の高齢化も進み車の運転にも不自由な方が多く医師も不足・偏在している。これらの問題を新たな技術を用いて解決できないかと考えていた。今回の実証事業を機に、新たな医療の形を提示していきたい」等と抱負を述べた。

 「移動型クリニック」は看護師が乗車し、在宅患者を訪問して医師がオンラインで診療する。車内には、心電図モニタ等の診察補助機能や、診療により得た様々な情報をクラウドで共有する機能を搭載する。

 実証事業は再来年(2021年)3月までを想定して、4月以降は「新たなステージ」での事業展開を模索する。この点を含め、日本介護新聞は同事業の将来的な展望を堤社長に尋ねたが、「介護も当然視野に入れている」と回答した。

 「まだ実証事業はフェーズ1が始まるところだが、フェーズ2か3でぜひ取り組みたいと考えている」との構想を示した。

◇─[後記]───────────

 国や自治体が取り組む「地域包括ケアシステムの構築」の中で、その中核をなすのは「医療と介護の連携」であることは間違いないでしょう。しかし現実には、現場レベルでなかなか進んでいかないのが実情だと思います。

 そのような中で、伊那市の白鳥市長の発言を聞いていると、住民の高齢化や地域の過疎化に対して、相当な危機感を抱いていることを感じます。そこには「これらの課題を解決してこそ伊那で生き、暮らし続けることができる」との強い決意がにじんでいます。

 この実証事業が伊那市で「成功」すれば、おそらく他のどの市区町村でも「成功モデル」が応用できるはずです。まずはフェーズ1が予定通り修了し、フェーズ2か3で、どのような介護メニューが加わるのかに注目したいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月25日(月)第147号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ウチヤマH、年平均5・5有老開設で「事業拡大図る」
─────────────◆◇◇◆◆

 「さわやか」ブランドで介護付き有料老人ホーム(有老)を展開するウチヤマホールディングス(福岡県北九州市、内山文治社長)は2015年度以降、新規で有老を年平均5・5施設オープンし、現在55施設あるが、今後もこのペースの維持を基本に事業拡大を図る。

山本専務 11月25日に、東京・丸の内で開催した2020年3月期中間決算説明会で、同社の山本武博専務取締役経営企画室長=写真=が述べた。同社の主力である介護事業の業績は、売上高94億3400万円(前年同期比7・1%増)、営業利益6億8千万円(同1・9%減)で増収減益。

 この減益要因について山本専務は「介護施設の人件費の増加、特に派遣社員が増えている」と説明した。この理由について日本介護新聞が尋ねると「新規開設で人員が足りない場合等、派遣社員に頼る部分があった。離職者の増加による対応ではない」等と説明した。

 また、今後の重点戦略として「特定施設の積極展開」「グループホームの展開」「放課後等デイサービスの展開」「M&Aの推進」の4点を挙げた。このうち「M&A」はこれまでの実績が小規模施設中心であったものを、それにとらわれないで進めていく方針を示した。

 本紙と山本専務との質疑応答の内容は、次の通り。

 ▽本紙=減益要因として指摘された「派遣社員の増加」について、具体的な説明を。

 ▼山本=新規開設に伴い職員が増加した部分や求人関係で費用がかさんだ。

 ▽本紙=そうすると派遣社員の増加は、既存の施設職員の離職増加が理由ではないのか?

 ▼山本=そうではない。むしろ離職率は若干減少する傾向にある。これは、離職防止として社内資格の取得を推奨するなどの施策の効果が出ている面もあると考えている。

 ▽本紙=重点戦略として「グループホーム」を挙げているが、これは御社の有老の近隣に開設するのか? それとも有老とは別の路線として事業を展開していくのか?

 ▼山本=その地域に貢献していくという意味からも、各自治体で「枠」があれば前向きに検討するという趣旨で、必ずしも有老の隣接にこだわってはいない。

 ▽本紙=同じく重点戦略の「M&Aの推進」について、具体的にどの分野を想定しているのか?

 ▼山本=現実にこれまで5~6件程度、M&Aで取得した。グループホーム2件、小規模の特定施設1件等、比較的規模の小さな案件が多かったが、今後はその対象規模等も広く捉えていきたいと考えている。

 ▽本紙=在宅系事業所のM&Aも視野にあるのか?

 ▼山本=選択肢としてはあるかもしれないが、現時点では施設系で考えている。

◇─[後記]───────────

 「年平均で5・5施設の有老開設」というのは、ほぼ2ヶ月で1施設のペースになります。実際に決算説明会では、再来年(2021年)3月までに開設予定の有老6施設、また時期は未定ながら開設が決定している有老2施設を公表しました。

 言うまでもなく、有老を開設するにはまず、その自治体の「特定枠」に応募し、他の事業者との競争に勝って「当選」しなければなりません。同社の発表資料によれば、同社が2007年に初めて公募案件に応募してからの12年間の累計当選率が76・9%だそうです。

 また、既存施設の入居率は今年3月末までの1年間の平均が95・7%となっています。これらの実績が原動力となって同社は「特定施設の積極展開」を重点戦略の核に据えていますが、他の業界大手は逆に、各社の事情から新規開設を近年「抑える」傾向にあります。

 同社がこの戦略を維持できるかどうかは、今回の中間決算で減益要因となった「派遣社員と人件費の増加」を克服できるか否かにかかってくると考えられます。この点に注目して、年度末の決算発表を待ちたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月22日(金)第146号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護事業者の外国人材受入れ、半数はフィリピン
─────────────◆◇◇◆◆

 外国人材受入れ実績のある介護事業者に、その相手国を尋ねたところ(複数回答)、約半数(48・7%)が「フィリピン」と回答した。第2位は「ベトナム」で38・1%。第3位は「中国」で26・5%だった。

 「ベトナム」は前年が18・0%だったが、この1年で20・1ポイント増加して「中国」を超えた。福祉人材サービス業のニッソーネット(大阪市北区)がこのほど発表した、「介護人材の採用と活用に関する調査」の結果=表=でわかった。

外国人材出身国 同調査は今年8月6日から9月9日まで、同社クライアント等の介護事業者を対象にWEBにより実施した。有効回答数は401件。これによると、介護職員の数が不足していると回答した事業所は、3年連続で80%を超えた。

 さらに、外国人材を「すでに受入れている」(23・4%)と「今後受入れを予定している」(17・0%)がそれぞれ過去最高値となり、合わせると前年比で6・6ポイント増の40・4%になった。一方で「全く検討していない」は25・2%と過去最低だった。

 また「今後、受け入れたい外国人介護士」を複数回答で尋ねたところ、「技能実習生」が4割超(42・9%)と最も多かった。今年4月に新設された「特定技能」も3割超(32・7%)となり、同社では「新たな在留資格として注目されている」と分析している。

◇─[後記]───────────

 同調査は2013年から行われており、また調査対象が同社のクライアントを主にしていることを考えると、「外国人材受入れ実績のある介護事業者」とは、EPAによる受入れを既に実施している事業者の数値が、調査結果のベースになっていると思われます。

 さらに、2年前に同調査が行われた際には、まだ技能実習制度に介護職が追加される直前だったと推測されます。記事には書きませんでしたが、この2年前の調査では受入れ相手国にタイ・中国・韓国・ブラジルが名を連ねています。

 これらの国々はEPAの介護人材受入れ対象国ではないため、日本人と結婚する等、すでに何らかの在留資格を持っている方々だと思われます。今回の調査では、受入れ希望で「技能実習生」が「特定技能」を抑えていることが注目されます。

 おそらく今後も介護分野では、外国人材の受け入れは「技能実習生」が中心となり、現状では「特定技能」は、「制度の進ちょく状況を様子見する」状態が続くことを、この調査は物語っていると弊紙では捉えています。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月21日(木)第145号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ユニマット「定期巡回の推進で圧倒的な差別化を図る」
─────────────◆◇◇◆◆

 ショートステイ(短期入所生活介護)の事業所数が業界トップのユニマット リタイアメント・コミュニティは、昨年3月から定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下「定期巡回」)に取り組み、現在8ヶ所の事業所を来年3月までに3ヶ所新設し計11ヶ所とする。

中川社長質問回答 11月21日に東京・北青山の同社本社で開催した、2020年3月期中間決算説明会で、同社の中川清彦社長=写真=が明らかにした。中間決算で介護事業部門は、売上高247億4200万円(前年同期比4・4%増)、営業利益28億1200万円(同3・5%増)で増収増益だった。

 主な要因は各サービスの稼働率・入居率が順調に伸長したためで、グループホームは96・1%、ショートステイは90・1%、有老・サ高住は90・3%と、施設系は全て90%を超えた。同社では近年の堅調な業績を背景に、昨年3月から「定期巡回」に取り組んできた。

 この点について中川社長は「当社の主力のショートステイとの親和性が強く、また『定期巡回』の展開により当社独自の『地域包括ケア』が構築できる。またこの事業モデルを推進することで、他社と比較して圧倒的な差別化が図れる」等と、その意義を説明した。

 同社が現在までに設置した「定期巡回」事業所は、東京4ヶ所・神奈川2ヶ所・埼玉2ヶ所で、来年3月までに東京2ヶ所・神奈川1ヶ所を計画しているが、いずれも首都圏の3都県に限られている。

 質疑応答で日本介護新聞は中川社長に「今後、3都県以外に展開する予定があるのか」と尋ねた。これに対し中川社長は「『定期巡回』は24時間、いつでも駆けつけなければならないサービスなので、行動範囲を狭く設定している」

 「どうしても移動距離の問題が出てくるので、人口密度が高い地域──具体的には3キロの円の範囲内に高齢者が何人いるかを、今は一つの尺度にしている。このビジネスモデルが正しいのか否かを、現在は検証している段階だ」

 「人口密度の高いエリアに限定しているが、検証ができれば一気に他のエリアにも展開していく。当社はデイ・ショート・グループホーム・有老を主力とし、これに『定期巡回』を組み入れた、幅広い『地域包括ケア』の構築をテーマに掲げている」等と回答した。

◇─[後記]───────────

 同社が掲げる「地域包括ケア」もさりながら、国が掲げる「地域包括ケア」でも「定期巡回」は大きな期待を集めていますが、全国的にサービスがほとんど普及していないのが実態で、厚労省もなんとか現状を打破すべく、定期的にセミナー等を開催しています。

 事実、同社が「定期巡回」をある地域で始めようとすると「まず、地元のケアマネがそもそも『定期巡回』というサービスをご存じないケースが多々ある。この場合当社は、ケアマネを含めた勉強会をその地域で開催している」そうです。

 厚労省が開催している「定期巡回」のセミナーを取材した際は、「成功事例」として紹介されたケースは全て、訪問介護がベースの事業者ばかりでした。ショートステイに強みを持つ同社が「成功事例」となれば、介護業界にとっても「画期的」と言えるでしょう。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月20日(水)第144号*****

◆◇◆◆◆─────────────
介護施設内のトラブル「オンラインの調停人による解決を」
─────────────◆◇◇◆◆

 介護施設で、入居者と職員・施設間でトラブルが起きた場合等に、実際に訴訟を起こして裁判で解決する事例はまだ少ないと思われるが、訴訟以外にもう一つの解決のための選択肢を示すため「ODR(オンラインでの紛争解決)」を推進する団体が設立された。

 一般社団法人ODR事業者協会(大橋良二代表理事=写真右から3人目)は11月20日、都内で同協会の設立会見を開催した。経緯について大橋代表は「私自身も弁護士として様々な事例に直面してきたがその中でも『弁護士へのアクセスが難しい』との課題を感じてきた」

ODR設立 「例えば弁護士費用等で、実際にはトラブルになっていても、ここがネックになって法律相談を終えなければならないケースが実際にある。よく『2割司法』と言われ、2割程度しか実際に紛争解決としての司法制度が利用されていない、とのデータもある」

 「これらを克服するため、世界的に進んでいるODRをわが国でも広めていこうと、現行の保険制度を活用しながら、この趣旨に賛同してくれた事業者の方々と勉強会や情報交換、また調停人の育成や情報発信をしていくため、当協会を設立した」等と述べた。

 実際のODRの活用手法について、同協会の早川吉尚理事=写真左から3人目=は「例えば、両者に『5万円』の紛争があったとすると、裁判をやっていたのでは絶対にペイしない。これをオンライン上で手軽に、両当事者が合意に至るような紛争解決を試みる」

 「イメージとしては、お互い時間とか空間を気にせず、LINEのチャットで交渉する。これをサポートするために弁護士資格を有する調停人が間に入る、という感じだ。ODRは世界的に進んでおり、オンラインでの商取引等で実際に利用されている」等と説明した。

 また同協会の発足に賛助会員と参加した、損害保険ジャパン日本興亜株式会社の中村茂樹取締役常務執行役員=写真左から2人目=は「当社はこれまでも、個人向け・事業者向けに様々なトラブルに対応するために弁護士費用を補償する保険を開発してきた」

 「例えば昨年4月から、介護事業者が過度なクレーム行為を受けた場合の『クレームサポート補償』を開始したが、当社はただ保険金をお支払いするだけでなく、ユーザーの利便性を高めるサービスであるODRに対応していきたいと考えた」等と述べた。

 このODRの介護分野への活用について、日本介護新聞が大橋代表理事に尋ねたところ「私は介護事業者の顧問にもなっているので、業界の事情はよく承知している。入居者とのトラブルでは非公開ニーズもあり、ODRは十分にご活用頂けると思う」等と回答した。

◇─[後記]───────────

 そもそもODRは、事業者間の商取引上のトラブルや、民間の離婚調停等、様々な事例に活用できるそうです。今回、弊紙が注目したのは、同協会の設立の中にSOMPOグループの事業会社が賛助会員に名を連ねたことです。

 言うまでもなく、SOMPOグループのSOMPOケアは介護事業で業界大手です。おそらく、介護施設が抱える様々なトラブルの解決手段としてこのODRの活用を考えているのではないか……と予想して記者会見に参加しましたが、まさに「その通り」でした。

 以前、介護施設の経営者から「施設と入居者との間でトラブルがあったとして、ほとんど入居者側に原因があっても、施設としては再発防止の『お願い』しかできず、現実的には入居者の逝去により解決するケースがほとんどだ」と聞いたことがあります。

 一般的な民間人による紛争でも、第三者である「調停人」が入ることで、解決に向けて前向きな話し合いができる事例が多いそうです。このODRが、介護業界にとってどのようなメリットをもたらすのか、弊紙では今後も追って取材していきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月19日(火)第143号*****

◆◇◆◆◆─────────────
厚労省、7者の技能実習計画の認定取消を発表
─────────────◆◇◇◆◆

 厚生労働省と出入国在留管理庁は11月15日、外国人技能実習制度で、実習生を受け入れた事業者が認定を受ける「技能実習計画」について、7者の認定取り消しを発表した。取り消し理由は、概ね3点に分けられる。

 1点目は賃金(割増含む)の不払い、2点目は実習予定時間の大幅な超過、3点目は労働関係法令等の違反による罰金刑の確定で、加えて外国人技能実習機構の立入検査等での虚偽答弁が含まれている事例もある。公表された7者と取り消し理由は、次の通り。

 1、阿波スピンドル株式会社(徳島県吉野川市)=賃金の不払について、不正または著しく不当な行為が認められたこと

 2、かね七株式会社(富山市)=技能実習計画に記載された実習予定時間を大幅に超過して技能実習を行わせていたほか、外国人技能実習機構の検査に際し、虚偽の答弁をしたこと

 3、有限会社キノテック(長野県上田市)=労働安全衛生法違反により罰金刑に処せられ、刑罰が確定したこと

 4、小池孝昌(群馬県みどり市)=時間外労働に係る割増賃金について不払があったほか、外国人技能実習機構の検査に際し、虚偽の帳簿書類の提示及び虚偽の答弁をしたこと

 5、株式会社志田産業(岩手県大船渡市)=労働安全衛生法違反により罰金刑に処せられ、刑罰が確定したこと

 6、鈴木秀男(茨城県小美玉市)=出入国管理及び難民認定法違反により罰金刑に処せられ、その執行を終えたこと

 7、有限会社ティー・ワイ・プロダクツ(奈良県大和高田市)=時間外労働に係る割増賃金の不払について、不正または著しく不当な行為が認められたこと

◇─[後記]───────────

 技能実習制度を巡りここ数ヶ月で、行政の「監視の目」が厳しさを増しています。まず監理団体に対し、10月8日に「送出機関との間に不適正な関係があった」として、監理団体2者の許可を取り消しました。

 それから1ヶ月も経たない10月31日、「送出機関との不適正な関係について(再度の注意喚起)」と題した異例とも言える文書を監理団体に発出し実質上の「警告」を行いました。そして今回は、実習生を受け入れる実習実施者7者に対し計画の認定を取り消しました。

 これも実質的には、実習実施者に対しての「警告」と言えるでしょう。監理団体の許可取り消しも、実習実施者の計画認定取り消しも、いずれもまだ数者に止まっています。しかし今後も、「監視の目」はなお一層の厳しさを増すことは間違いありません。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月18日(月)第142号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「安心」「負担軽減」を目指す自動駆けつけ介護ロボット
─────────────◆◇◇◆◆

 主に夜間時間帯における介護職員の負担軽減と、入居者が安心して施設で生活できることを目的に、アラート(警報)を受信すると自動で入居者の部屋に駆けつける介護ロボット「SOWAN(ソワン)」が11月18日、受注を開始した。

 共同で開発に当たった高山商事(企画・販売)とテムザック(製造)が同日、東京・赤坂で記者会見して発表した。「ソワン」の最大の特長は、施設入居者の日々の健康状態を「見守り」ながら、施設内を「自動巡回」し、必要が生じれば居室まで「駆けつけ」ること。

 「見守り」では、入居者が腕に端末(活動量計)を装着し、脈拍を常時測定してサーバーに送信する。ここでアラート情報を受信すると、「ソワン」が居室まで「駆けつけ」る。予め居室に装置を取り付けることで「ソワン」が居室のドア(引き戸)を自動開閉する。

 「ソワン」は職員の目が届きにくい夜間に施設の廊下を「自動巡回」する。ここまでの機能が標準装備で、オプション機能として、事前に入居者の顔を「ソワン」に認識させると、夜間の「自動巡回」中にその人を発見した場合、居室に戻ることを促す「声かけ」をする。

ソワン 同様に「自動巡回」で廊下に転倒した入居者を発見すると警報を発して施設スタッフに知らせる機能と、充電スタンドに自動で戻る「自動充電」機能が追加できる。高山商事の高山堅次社長=写真中央=は「できるだけ多く利用して頂けるよう、リース料を月額6万6千円に設定した」

 「時間当たりに換算すれば88円になる。また『ソワン』の容姿は、施設の要望に合わせて2タイプ(女性型=写真左=とロボット型=写真右)を用意した。本日(11月18日)から公式サイトで受注を開始し、来年6月に100台を販売することが当面の目標だ」

 「最終的には3千台を販売し、ここを一つの大きな目標に掲げている」等と述べた。日本介護新聞は高山社長に「ソワン」を導入した際の、介護施設側の具体的なメリットについて質問した。

 これに対し高山社長は「他の介護ロボットでは、職員一人分の労力を削減すること等をメリットに掲げている事例があるが、当社は必ずしも『物理的なメリット』のみを追求している訳ではない」

 「最も期待しているのは、『ソワン』を導入したことで介護施設の職員の精神的・肉体的な負担が少しでも軽減され、また入居者にとっても『ソワン』が見守ることで、安心感を持って日常生活を送ってもらうことだ」

 「強いて言えば導入のメリットは、職員・入居者の双方に『笑顔』が生まれることだ。今後『ソワン』がバージョンアップしていく際にも、この点を最も重視し、新たな機能を追加していく方針だ」等と回答した。

◇─[後記]───────────

 厚労省は近年、介護ロボットの導入を積極的に推し進め、介護保険の対象にも加えてきましたが、例えば「移乗ロボット」はそれに該当しませんでした。理由は「必ずしも、介護職員の移乗作業時間の短縮になっていないから」でした。

 この理屈に当てはめれば、「ソワン」が介護保険の対象となることは難しいでしょうし、高山商事もそれを目指している訳ではないと思います。しかし現実に職員の「負担軽減」が実現し、入居者が「安心」を得ることができれば、それに勝る価値はないでしょう。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月15日(金)第141号*****

◆◇◆◆◆─────────────
特定介護、11月8日時点でも在留者は増加せず16人
─────────────◆◇◇◆◆

 特定技能の介護職(以下「特定介護」)の在留者が、9月末時点で16人だったが、11月8日時点の速報値でも増加せず、依然として16人であることがわかった。日本介護新聞が、法務省・出入国在留管理庁(入管庁)に確認した。

 法務省は11月13日に、特定技能全体の在留者数は9月末で219人、そのうち特定介護は16人であることを公表したが、同じく11月13日に入管庁は、法務省内にある記者クラブで会見し「11月8日時点で、特定技能の在留資格を得た外国人は895人」と通知した。

 またこの会見で入管庁は「895人」の内訳として、「試験合格者が440人、技能実習2号(実習3年間)修了者による特定技能1号への移行者が455人」と説明した。法務省は特定技能の在留外国人数について、四半期(3ヶ月)ごとに公表している。

 その第1回目の公表となった今年8月2日に、「6月末時点」の人数として「全体で20人、介護はゼロ」と発表したが、その当日に行われた法務大臣の記者会見で、当時の大臣が「7月末時点の在留者数は44人であり、1ヶ月で倍増している」と説明した。

◇─[後記]───────────

 厚労省であれ法務省であれ、中央官庁が公式に発表したことを、その発表当日に担当大臣が記者会見で補足説明することはよくありますが、わざわざ「速報値」として最新情報を公表することは、異例です。

 「速報値」を公表することで、大幅に合計数が変化するのなら意義があると思います。今回は「219人」が、約1ヶ月強で4倍以上の「895人」になったので、それなりの意味はあったと思いますが、「制度の進展が遅れている」との評価は変わらないでしょう。

 ただ特定介護については「10月1日から11月8日の間に1人も増えなかった」ことは、現在海外で、主にフィリピンで行われている特定介護の試験に合格しても「来日しない」人が多くいることが強く推認されると考えられます。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月14日(木)第140号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ニチイ、10憶円かけて訪問介護の空白エリアを解消
─────────────◆◇◇◆◆

 介護業界最大手のニチイ学館(森信介社長)は、来年3月末までに約10憶円を投じて、同社の主力事業・訪問介護の「拠点分割」に取り組み、構造改革による成長戦略の実現を目指す。空白エリアを解消し、ドミナント化により業務効率の向上を図る。

 11月14日に、東京・丸の内で開催した2020年3月期中間決算で森社長=写真=が表明した。同社の訪問介護拠点数は今年9月末で1124ヶ所あるが、今年3月末時点よりすでに118ヶ所増加している。これをさらに、来年3月末までに100ヶ所程度の増加を見込む。

森社長 この「拠点分割」について森社長は「当社の訪問介護の拠点は、2000年代初頭に設置したところが多く、現在の地域構造や高齢者人口分布と乖離している地区がある。これによりサービス提供の空白地区があり、機会損失が生じている地域もある」

 「このため、売上高など一定の条件を満たす拠点について、近隣に分割や新設を進め、空白エリアを埋めて当該地域におけるサービス密度を高める戦略を進めている。これまで人材不足により、地域のニーズに応えられないという状況もあった」

 「現在、政策的にも介護職員の処遇改善が断続的に進められており、10月には特別処遇改善加算も導入され、人材確保と定着が図りやすい環境が整ったと判断した。また当社の在宅介護事業でも顧客単価の上昇など、スタッフ一人当たりの生産性も向上している」

 「これらの要因を踏まえ、当社の今後の成長には在宅介護事業への投資が不可欠であると考え、今回の『拠点分割』を決定した」等と説明した。同社の中間決算で介護事業は、売上高765憶6700万円(前年同期比1・4%増)、営業利益85憶1800万円(同6・2%増)。

 増収増益で、同社主力の医療関連事業も含めた連結中間決算でも、売上高は1478憶8200万円で、5年連続で上期の過去最高を更新し、営業利益でも上期の過去最高益に続く63億6000万円を記録するなど、順調な業績を残した。


 日本介護新聞はこの「拠点分割」について、森社長に「M&Aによる、訪問介護事業所の取得もあり得るのか?」と質問したが、森社長は「原則として自前で新設することを考えている」とし、M&Aを否定した。

◇─[後記]───────────

 現在議論が進んでいる次期介護報酬改定でも、在宅系は厳しい状況が予想されます。その中で介護業界最大手の同社が、成長戦略のターゲットに「訪問介護」を据えた意義は、介護業界全体にとっても大きな意味があると思います。

 森社長の説明通りに計画が進めば、今年4月から来年3月までの1年間に、同社は新規で訪問介護の拠点を200ヶ所以上新設し、しかもM&Aの手法を取らず原則自前で設置することになります。

 慢性的な人材不足と、ヘルパーの高齢化等の問題を抱える訪問介護事業で、同社がどのようにこのビジョンを実行していくのか、注目していきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月13日(水)第139号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「特定介護」の在留者、9月末で16人
─────────────◆◇◇◆◆

 今年4月1日から制度がスタートした、特定技能の介護職(以下「特定介護」)の在留者が、9月末時点で16人であることがわかった。11月13日に法務省が発表した。これによると、特定技能全体の在留者は219人(11分野)だった。

 法務省が8月2日に、6月末時点の状況を発表した時は全体で20人(4分野)、介護はゼロだった。「特定介護」16人の国別内訳はフィリピン13人、インドネシア2人、ベトナム1人。都道府県別では東京6人、大阪4人、愛知・岡山各2人、千葉・広島各1人だった。

 「特定介護」の試験は現在、日本国内と海外5ヶ国(フィリピン・インドネシア・モンゴル・ネパール・カンボジア)で行われているが、現時点で合格発表が行われているのはフィリピンとカンボジアの2ヶ国のみ。

 また特定技能は、技能実習2号(実習3年間)修了者が在留資格を得ることができるが、介護職ではまだこのルートの該当者がいない。このため「特定介護」16人のうちインドネシア2人とベトナム1人は、このルートでも、試験合格による在留でもないと思われる。

 ただし介護職は、4年間にわたりEPA介護福祉士候補者として「就労・研修に適切に従事したと認められる者」(=介護福祉士国家試験不合格者)は、 「特定介護」への移行に当たり技能試験と日本語試験等が免除されるため、このルートによる在留と推測される。

◇─[後記]───────────

 「特定介護」が制度としてスタートして、半年でようやく16人が在留することになりました。しかし記事で指摘した通り、インドネシアとベトナムは試験合格ルートではないと推測されます。

 またフィリピン13人全員が試験合格ルートであったにせよ、同国は今年4月から毎月試験が実施され、合格して在留資格を有する人は500人以上いると思われます。試験に合格しても、なぜ来日してこないのか──この点を早急に調べてみたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月12日(火)第138号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ソラスト「M&Aは事業拡大の成長ドライバー」
─────────────◆◇◇◆◆

 業界大手のソラスト(東京都港区、藤河芳一社長)は、M&Aで取得した事業者による新規の売り上げが大きく貢献し、2019年度の中間決算で介護事業は売上高が前年同期比で39・3%増の171億1700万円と大幅な伸びをみせた。

 同様に営業利益は5・1%増の8億9千万円で、増収増益となった。11月12日に東京・日本橋で開催した、2019年度中間決算で公表した。藤河社長=写真=はM&Aを「迅速な事業拡大の成長ドライバー」と位置づけ、積極的に取り組んでいる。

藤河社長 特に今期はすでに8件のM&Aの契約を締結しており、藤河社長は「11月11日時点で、この8件の売上高は41億円と、大きな増収要因となっている。実は契約等が進行中で未確定の売上高が6億円あり、これで今期のM&Aによる売り上げ目標の47億円は達成できる」

 「また既存の事業所の売り上げも安定しており、M&Aは来年度も成長の基盤となる」等と説明した。さらに「当社の主力である医療関連受託事業や介護事業は、いわゆるピープルマネジメントに現在は注力しているが、いずれどこかで限界が来ると予測している」

 「それを見据えてわれわれは、これらの事業から得られたデータを利活用することで、新たなビジネスモデルの可能性(データ×医療×介護)を追求する。現在はそのステップとしての種まきを、一つずつ実行している段階だ」等と述べた。

◇─[後記]───────────

 介護業界全体では近年、調査会社が「事業者の倒産件数が今年も過去最高を記録した」と発表するのが「恒例」のようになっていますが、同社ではこの傾向を「経営力のある企業にとっては大きなチャンス」と捉え、積極的なM&Aの取り組みを「公言」しています。

 弊紙が今回の中間決算の発表で注目したのは、「データの利活用」です。同社の主力は医療関連受託事業のため、病院や医療機関とのつながりが強く、先般は日本医師会の関連機構と業務・資本提携を契約しました。

 藤河社長によれば「これも種まきの一つ」だそうです。それがそのように成長していくのか──さらなるM&Aの展開とともに、今後も追ってウォッチしていきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月11日(月)第137号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ツクイ、新規事業でM&Aを検討
─────────────◆◇◇◆◆

 デイサービスが主力事業の業界大手・ツクイ(は今後、安定的に収益を稼ぎ出すために新規事業の開発に取り組むが、その対象として訪問看護事業とトータルサービス事業の2分野で、M&A(企業の合併や買収)を検討していく方針を示した。

 11月11日に、東京・大手町で開催した2020年3月期の中間決算説明会で、高橋靖宏社長=写真=が述べた。中間決算の連結業績は、売上高450億1千万円(対前年同期比4・5%増)、営業利益18億1200万円(同26・9%減)、経常利益16億8100万円(同27・5%)。

高橋社長 増収減益となったが、その要因として「先行投資」を挙げた。主力事業のデイサービスで「顧客数は増加しているものの、対前年比の増加率は低下傾向にある」と分析し、また介護報酬の「マイナス改定」の影響で、デイサービスの1時間当たりの収入は減少傾向にある。

 これを補い、さらに成長戦略を描くために今後、「介護保険制度の周辺事業」に力を入れる。これが既に「先行投資」をしている新規事業開発で、具体的にはフードサービス事業・トータルサポート事業・訪問看護事業・物販事業の4分野を設定している。

 このうち、トータルサポート事業では既存の顧客への付加サービスと、タイアップ企業の拡大に努めるが、今後はM&Aによる事業拡大も模索する。同様に訪問看護事業も、今期末までに新たに10ヶ所開設するが、この分野でもM&Aによる拡大を検討する。

◇─[後記]───────────

 同社は今期から、創業家出身の津久井宏前社長が会長に退き新規事業を、高橋社長が既存の事業と、役割を分担して「新たな収益構造」の構築に取り組んでいます。この中でも今回、「M&A」が事業計画の中に盛り込まれていることに、弊紙は注目しました。

 近年、介護業界ではM&Aが盛んに行われています。大手事業者が取り組む場合は、コア事業との親和性を図りつつ、主力の収益アップを主目的としているケースがほとんどですが、同社の場合はどちらかと言えば「第2の事業の柱」を目指している感じを受けます。

 いずれにせよ、同社がどのような「介護保険制度の周辺事業」に取り組み収益を挙げていくのか、注目していきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月8日(金)第136号*****

◆◇◆◆◆─────────────
スマホで撮影、AIで「みがき残し診断」
─────────────◆◇◇◆◆

 スマートフォンで口元を撮影すると、歯や歯茎の状態をAIが診断して「みがき残し」「お口のケアポイント」を指摘し、「推奨アイテム」を提案するサービスが始まった。オーラルケアで「ガム」ブランドの商品を販売するサンスターグループが、11月8日より開始した。

 同社が保有する約1万枚の口腔画像をもとに、GoogleのAI技術を活用したWebサービスで、正式名称は「ガム オーラルケア スマートコンシェルジュ」。口の画像からハグキの状態や、歯と歯のすき間などの解析を行う。

 スマートフォンで専用サイトにアクセスし、まず年齢・性別等の質問に回答する。次にカメラ機能を使って口元の写真を撮影する。この結果からAIが「みがき残し」しやすい箇所を画像で表示し、ブラッシング時の注意箇所を提示する=写真・サービスの利用手順

オーラルケアAIチェック またこの結果を元に、同社の製品で個人の口の状態にあったハブラシや歯間清掃具等を提案する。同サービスを利用する際に、会員登録等は不要で料金も無料。このため、複数回利用してもデータの蓄積等による診断はなく、毎回が「初診」となる。

 同社では「独自の画像処理によって、みがき残しやすい箇所を強調することで、ブラッシングで注意すべき箇所がわかり、オーラルケア意識の向上が期待される。歯周病対策には、歯間、歯とハグキの境目などに潜む歯周プラーク(歯垢)の除去が重要だ」

 ※歯垢(しこう)=一般に歯の表面に付着した、黄白色を帯びた粘着性の物体のことを指す。 食事の後8時間で、食べかすの中で細菌が増殖して、歯垢になると言われている。

 「当社では、お口の健康を起点として全身の健康を考えており、この新しいサービスを通じ、自分に合ったハブラシを選ぶ重要性や、歯間ブラシなどの歯間清掃具併用の啓発を行い、オーラルケアの重要性を伝えていきたい」等と述べている。

 ◆「ガム オーラルケア スマートコンシェルジュ」のサイトアドレス(実際にサービスの利用はスマホのみのため、パソコンの場合は同サイトにアクセスしてから、表示されたQRコードをスマホで読み取る)
  URL:https://www.oralcare-smartconcierge.jp

◇─[後記]───────────

 弊紙発行人が実際に夕食後、歯磨きする前に同サービスを利用してみたところ、画像診断では「色の濃い部分はみがき残しの可能性があります」と表示され、「プラーク(歯垢)を残さないように丁寧にみがきましょう」との助言が表示されました。

 次に「お口のケアのポイント」として「健康なハグキを維持するために、やさしく丁寧なブラッシングを続けましょう」「お口の中に磨きにくい部分があるようです。ハブラシに加えてプラスアイテムが必要です」と指摘され、推奨商品が紹介されました。

 弊紙がこのサービスに注目したのは、これまでは「みがき残し」等は歯医者に行かなければ他人から指摘を受けることがなかったものが、AIにより自分で「可視化」できる点です。また「どうせハブラシはどれを使っても同じだろう」との考えを自ら「検証」できます。

 今後も、このオーラルケアを含め、健康に関する様々な視点が「可視化」される時代になるのでは、と期待されます。同サービスは無料ですが将来的に、このようなサービスが有料で提供され「自分の健康は、まず自分で判断する」ような時代が到来するかも知れません。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月7日(木)第135号*****

◆◇◆◆◆─────────────
抗がん漢方薬・フアイア、「10年後に医薬品の承認を目指す」
─────────────◆◇◇◆◆

 昨年5月に、イギリスの医学専門誌GUTに、中国で抗がん新薬として使用されている「フアイア(顆粒)」が、肝臓ガンの患者686人に飲ませたところ、飲まない316人に比べて「96週後の生存率で明らかな差(13%)が出た」と発表された。

 この内容を、日本フアイア研究会(松井淳一理事長・東京歯科大学副学長)の新見正則理事(帝京大学医学部大学院東洋医学講座指導教授)が、11月7日に東京・大手町で開催した記者会見で解説し「日本でも10年後を目標に医療用医薬品としたい」との目標を掲げた。

 この内容は、先月下旬に開催された日本癌治療学会で関係者により報告され、さらに新見教授が記者会見でマスコミ向けに解説した。「フアイア」とは、エンジュの老木に寄生するキノコ=写真=の菌糸体から抽出された生薬で、中国では保険が適用されている。

フアイア 新見教授は、外科医で漢方医でもあるが、移植免疫学に関する実験で「心臓移植をしたマウスに、さまざまな音楽や音を聴かせたところ、オペラを聴かせたマウスの生存期間がもっとも長く延びた」との研究で、2013年にイグ・ノーベル賞を受賞したことでも知られる。

 記者会見で新見教授は「この抗がん新薬(日本では健康食品扱い)の研究発表の結果に大変衝撃を受けている。これからのがん治療に、一石を投じる可能性があると考えている」等と、その意義を強調した。

 ただし、現在は医療用医薬品としての承認を得るため、複数の研究が進行しており「抗がん薬としてのエビデンス(臨床結果などの科学的根拠や、その治療法がよいとされる証拠)を積み重ねている最中だ」という。

 新見教授自身も「まだマウスを使った動物実験結果の効果しか証明できていないが、これからエビデンスを積み重ねていく」としている。また新見教授は、元々外科医でもあることから「日本の平均寿命の延伸は西洋医学の進歩によるものだ」

 「従って『フアイア』で全ての治療を行うということではなく、西洋医学と組み合わせることで、有効ながん治療を行っていきたいと考えている」等と述べた。質疑応答で日本介護新聞は、この点を含め、今後の「医薬品の承認」までの過程等について新見教授に尋ねた。

 質疑応答の内容は、次の通り。

 □本紙=「西洋医学と組み合わせる」とは、具体的にどういうことか?

 ■新見=会見でも説明した通り、「生存率で明らかな差」が出たのは13%で、それは他の治療も行った上での数値だ。現在日本では「フアイア」は健康食品なので、一切他の邪魔をしない。まず色んな方に「フアイア」を試してみて、西洋医学と「併用」することになる。

 □本紙=その「一切他の邪魔をしない」点について。そもそも高齢者は日々、たくさんの薬を飲んでいるケースが多いが、「フアイア」を服用した際に、飲み合わせが悪い事例等で報告されている事実はあるのか?

 ■新見=それは現状では「ない」とされており、事例も「ゼロ」だ。しかし、多くの患者さんは「秘密(=医者には黙って自分の判断)」で他の薬を飲んでいるケースが多々ある。私たちはこの点に注意しながら研究しているが、「埋もれている」可能性もある。

 □本紙=「医薬品を目指す」とのことだが、だいたいいつぐらいまでに実現しそうか?

 ■新見=10年後だ。5年ではかなり厳しい。

◇─[後記]───────────

 質疑応答の後、新見教授に挨拶に伺ったところ「私は、高齢者の病気の治療には漢方が良いと考えている。保険も効く」と回答してもらいました。確かに漢方薬の方が、西洋医学で処方される薬よりも体に対する負担が軽そうな感じを受けます。

 ただ、質疑応答で回答してもらった通り、「生存率で明らかな差」が出たのは、わすかに「13%」で、「フアイア」で全てのがんを消し去った訳ではありません。それでも、新見教授をはじめ日本フアイア研究会には著名な医学者が多数、名を連ねています。

 弊紙も「フアイア」のエビデンスが一つずつ、積み重ねられていく過程を追って、読者の皆さんにお伝えしていきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月6日(水)第134号*****

◆◇◆◆◆─────────────
「今後、介護事業の就業管理システムの開発・販売に取り組む」
─────────────◆◇◇◆◆

 電子コミックの「めちゃコミック」を運営しているインフォコム株式会社は、BtoCの電子コミックとBtoBのヘルスケアを、同社の2大重点事業として推進しているが、このヘルスケアで今後、介護事業の「就業管理システム」の開発・販売に取り組む方針を表明した。

 10月30日に開催した、同社の2020年3月期中間決算説明会で、ヘルスケア事業本部長である久保井基隆常務執行役員=写真=が説明した。同社はすでに病院向けの「就業管理システム」で好調な業績を挙げており「これが今後、介護にも必要になる」と考え、着手する。

久保井常務 具体的には病院向けのシステムを介護用に改編し、販売目標について久保井常務は「まずは介護業界大手10社、おそらく12~13万人の職員が対象になると思われるが、ここを一つのターゲットにして開発に取り組んでいきたい」と述べた。

 さらに「病院・介護とも、どのような勤務体系・人員配置をするのかが、診療報酬・介護報酬にも大きく影響しており、これに対して複雑なシフト管理をしているので、詳細を的確に把握することが難しい。この部分を当社がITで手助けしていきたい」と補足した。

 同社が病院向けに販売している「就業管理システム」は、看護師等の特有で多様な勤務形態に対応し、スマートフォンにも連動しているので、看護師が勤務時間等の情報を入力することで法令様式の書類を自動作成し、時間外勤務の申請を効率化する等の特長がある。

 質疑応答で日本介護新聞は、久保井常務に介護用システムの導入効果とその対象、リリース予定等を尋ねた。内容は、次の通り。

 □本紙=介護用に開発する「就業管理システム」は、事務処理の効率化に資することは理解できるが、導入した結果として介護事業者にどのようなメリットがあるのか?

 ■久保井常務=例えば病院では、看護師の複雑なシフト管理がある。また介護では看護師・介護職員の人員配置をエクセルで計算しているところが多いが、この作業がなくなる。さらに医療では診療報酬が年々複雑化しており、介護も今後、同様になると考えている。

 □本紙=介護用システムの当面の販売対象は「大手10社」とのことだが、その後はどの程度の規模までの介護事業者を対象と考えているのか?

 ■久保井常務=まずは大手で実績を残し、その後はできるだけ多くの事業者に利用して頂けるように展開したい。

 □本紙=介護向けの「就業管理システム」のリリースは、いつになるのか?

 ■久保井常務=来年度のどこかではリリースしなければ、と考えている。

◇─[後記]───────────

 当然のことながら、全ての介護事業者は職員のシフト管理を何らかの方法で行っていると思いますが、これを法令の順守や、診療報酬・介護報酬にまで落とし込んで連動させているシステムは、まだ見当たらないそうです。

 そのため、同社が病院向けに販売しているシステムもかなりの引き合いがあり、また介護事業者向けに行ったマーケットリサーチでも「要望する声を数多く頂いた」そうです。今回のインフォコムの発表を皮切りに、介護業界でも大手事業者の中間決算発表が続きます。

 株式上場企業が、今後の事業計画に挙げる「次の一手」は、その業界の「ニーズを先取り」した事業とも言えると思います。大手事業者がどのような「介護事業の近未来図」を描いているのか──本紙では逐次、お伝えしていきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月5日(火)第133号*****

◆◇◆◆◆─────────────
骨折予防のためのビタミンD、「高齢者は積極的に外出を」
─────────────◆◇◇◆◆

 一般的にビタミンDが不足すると、骨折等のリスクが増加するが「人は高齢になると、紫外線を浴びることで生成されるビタミンDの量が落ちるので、積極的に外出するか、サプリメント等のビタミンD強化食品を取らないと、様々なリスクが増す」等と注意を促した。

 大塚製薬が11月1日に都内で開催した「ビタミンDの基準値改訂に関するプレスセミナー」で講師を務めた、神戸学院大学栄養学部の田中清教授=写真=が指摘した。まず田中教授は、ビタミンDの摂取に関する基本事項について、次の内容を説明した。

田中教授 ▽日本では、昔はビタミンの欠乏により足の関節が曲がる等の病が発症していたが、近年は「ほぼ克服された」として、健康維持におけるビタミンの意義が軽視されがちだ。

 ▽しかし、日本骨代謝学会や日本内分泌学会が定めた、ビタミンDの不足・欠乏の判定指針を用いると、日本人で男性の約7割、女性の約9割が「不足・欠乏」に当てはまる。

 ▼つまり、現在の日本人は「男女を問わず、ほぼ全員がビタミンDの欠乏・不足の状態」と言える。

 ▽この状況を受け、国ではビタミンD摂取の目安量を策定する際に「骨折予防に必要な量」を根拠に用いるようになり、それに基づきこのほど2020年版の「目安量」を算出した。

 ▽これによると「骨折予防のために一日で15μg(マイクログラム)は必要」と定められた。

 ▽そもそもビタミンDの供給源は、「紫外線を浴びることで皮膚により生成する」と「脂ののった魚等、食品から摂取する」の二つのルートがある。

 ▽これに「目安量」の一日15μgを当てはめると、「紫外線」で一日5μgは生成可能なので、「食品摂取」で一日10μgを取れば良いことになる。

 ▽しかしこれはかなり厳しい基準なので、国は実現可能性も考慮した結果「一日当たりの成人の目安量として8・5μg」とした。

 ▼ただし海外の研究では、8歳から92歳までの白人を調べたところ、高齢になるほどビタミンDの生成量が落ちることが報告されている。

 この論文を講演の資料として引用した、ジャーナリストの西沢邦浩氏は「論文の執筆者は、高齢者は積極的に外出して紫外線を浴びるように推奨している。しかし足腰の問題があり、サプリ等でビタミンD強化食品を取る必要があると言いたかったようだ」と補足した。

 さらに田中教授は「実は日本では、高齢者のデータがあまりない。まだ国内の研究は始まったばかりだ。ただ、海外の研究結果をみると、若い人と高齢者が同じようにビタミンDを摂取すると、高齢者は吸収率が悪いと推測される」

 「それでは『高齢者は、若い人よりも多めの目安量を決める』ことが必要になるが、残念ながらまだ、国内の研究がそこまで進んでいない。『高齢者の基準』は、早く決めないといけない」等と、今後の課題も指摘した。

◇─[後記]───────────

 言うまでもなく、日常的に散歩をすることは立派な「歩行訓練」であり「全身運動」でもあります。しかし、お恥ずかしながらこのセミナーを取材して、散歩により紫外線を浴び、ビタミンDが生成されることを弊紙発行人は初めて知りました。

 ただ、田中教授が指摘しているように「それでは高齢者は、一日当たり何分散歩すれば良いのか?」は、まだわかっていないのが実情のようです。高齢者のビタミン摂取の特性も含め、この点は追って取材していきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆公式ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆ビジネス電子版=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo/blog

(C)2019 日本介護新聞

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月1日(金)第132号*****

◆◇◆◆◆─────────────
技能実習機構、監理団体へ異例の「再度注意喚起」
─────────────◆◇◇◆◆

 外国人技能実習機構は10月31日、監理団体の代表者に対して「送出機関との不適正な関係」について「再度の注意喚起」と題した文書を発出した。同機構は10月8日に「不適正な関係」があった監理団体2者の許可を取り消している(弊紙10月9日付け第117号既報)。

 この取り消し理由となった事案を踏まえ、発出文書では「本事案のように、当機構に提出している契約(協定書)とは別に、送出機関と覚書を交わす」ことを対象とし、実質的に「裏契約の禁止」を指摘している。

 また、具体的に「技能実習生が失踪等した場合に、送出機関から違約金を受け取ることや、送出機関から監理費以外の手数料または、報酬を受けることを約することは許されないことを、再度注意喚起します」と強く警告している。

 さらに「送出機関との不適切な関係については、平成29年12月14日付で各監理団体に対し注意喚起を行ったところですが、この機会に、監理団体の役割について再認識していただき、適正な監理事業を 行うよう徹底して下さるようお願いします」と述べている。

◇─[後記]───────────

 10月8日の2者の監理団体許可取り消しは、他の監理団体に対しての「警告」の意味があったと思われます。そこからまだ1ヶ月にも満たない期間で「再度の注意喚起」を行ったことは極めて異例で、実質的に監理団体に「最後通牒」を突き付けた、と言えます。

 おそらく、10月8日の「警告」以降も、同機構の調査で「裏契約」が結ばれている事例が相次いで発覚しているものと思われます。この「最後通牒」を、監理団体がどれだけ真摯に受け止めるか──介護職も含め、技能実習制度が大きな節目を迎えています。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆公式ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆ビジネス電子版=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo/blog

(C)2019 日本介護新聞

↑このページのトップヘ