*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年11月14日(木)第140号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ニチイ、10憶円かけて訪問介護の空白エリアを解消
─────────────◆◇◇◆◆

 介護業界最大手のニチイ学館(森信介社長)は、来年3月末までに約10憶円を投じて、同社の主力事業・訪問介護の「拠点分割」に取り組み、構造改革による成長戦略の実現を目指す。空白エリアを解消し、ドミナント化により業務効率の向上を図る。

 11月14日に、東京・丸の内で開催した2020年3月期中間決算で森社長=写真=が表明した。同社の訪問介護拠点数は今年9月末で1124ヶ所あるが、今年3月末時点よりすでに118ヶ所増加している。これをさらに、来年3月末までに100ヶ所程度の増加を見込む。

森社長 この「拠点分割」について森社長は「当社の訪問介護の拠点は、2000年代初頭に設置したところが多く、現在の地域構造や高齢者人口分布と乖離している地区がある。これによりサービス提供の空白地区があり、機会損失が生じている地域もある」

 「このため、売上高など一定の条件を満たす拠点について、近隣に分割や新設を進め、空白エリアを埋めて当該地域におけるサービス密度を高める戦略を進めている。これまで人材不足により、地域のニーズに応えられないという状況もあった」

 「現在、政策的にも介護職員の処遇改善が断続的に進められており、10月には特別処遇改善加算も導入され、人材確保と定着が図りやすい環境が整ったと判断した。また当社の在宅介護事業でも顧客単価の上昇など、スタッフ一人当たりの生産性も向上している」

 「これらの要因を踏まえ、当社の今後の成長には在宅介護事業への投資が不可欠であると考え、今回の『拠点分割』を決定した」等と説明した。同社の中間決算で介護事業は、売上高765憶6700万円(前年同期比1・4%増)、営業利益85憶1800万円(同6・2%増)。

 増収増益で、同社主力の医療関連事業も含めた連結中間決算でも、売上高は1478憶8200万円で、5年連続で上期の過去最高を更新し、営業利益でも上期の過去最高益に続く63億6000万円を記録するなど、順調な業績を残した。


 日本介護新聞はこの「拠点分割」について、森社長に「M&Aによる、訪問介護事業所の取得もあり得るのか?」と質問したが、森社長は「原則として自前で新設することを考えている」とし、M&Aを否定した。

◇─[後記]───────────

 現在議論が進んでいる次期介護報酬改定でも、在宅系は厳しい状況が予想されます。その中で介護業界最大手の同社が、成長戦略のターゲットに「訪問介護」を据えた意義は、介護業界全体にとっても大きな意味があると思います。

 森社長の説明通りに計画が進めば、今年4月から来年3月までの1年間に、同社は新規で訪問介護の拠点を200ヶ所以上新設し、しかもM&Aの手法を取らず原則自前で設置することになります。

 慢性的な人材不足と、ヘルパーの高齢化等の問題を抱える訪問介護事業で、同社がどのようにこのビジョンを実行していくのか、注目していきたいと思います。

─────────────────

 ◆日本介護新聞「ビジネ版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2019 日本介護新聞